夫婦転生 二度目の人生を彼女と ~異世界にヲタク夫婦が兄妹で転生するらしいです~   作:リムル=嵐

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どうも、今月分の投稿です、遅くなりましたすいません。


十八話 魔獣退治

「やって来た、国外!!」

 

元気にはしゃいで、兵隊蜂相手に魔術で創造したクナイやら何やらを投げて攻撃してる歩を、死体から討伐証明扱いの触角を抜きながら、呆れる。

 

「元気だなぁ。……………それにしても、ここら辺来るの久し振りだ、兵隊蜂のせいで、生態系が大分狂ってるって話だが。」

 

「そうだとしても、数が多くない?もう三百は殺ったよ?」

 

ちょっとウザったそうに言う歩。

なんだ、もう飽きたのか?

 

「一つの巣につき、兵隊蜂は千匹は居るぞ、未だ未だだ、そろそろ女帝蜂が来るかも知れんけどな。」

 

本当に、流れ作業みたいに殺すなぁ。

 

俺が兵隊蜂がよく狙う小動物の入った籠を、複数設置して誘き寄せてるのも、あるんだろうがな、それでもこれは多過ぎる。

 

「歩、ここら辺巣が密集してる、長丁場になるぞ!」

 

「メンドくさ!!」

 

俺の言葉に、歩がキレて魔力を大量の拳大の球状に圧縮して、音速で動く兵隊蜂達を、亜光速の速さでバラバラの死骸に変える。

 

「こっちから行く!!」

 

そういって飛び出そうとする歩を、肩を叩いて止める。

 

「まぁ待て、先に罠に使った小動物の保護だ。あいつらを隠すぞ。」

 

千奉のおっさんが用意した奴等だし、放置して死んでるのは目覚め悪いからな。

 

「む、なら近くの砦に預けてくる、ちょっと待ってて。」

 

歩が、籠同士を魔力で固定して、ついでに小動物を保護した後に、音を置き去りにして移動した。

 

あの速さは、もう瞬間移動の領域だよな、種族進化してるか、肉体を強化してないと、即死なんだけども。

 

死骸から触角を抜き終わって、何ヵ所かに別けて埋めてる時に、歩が帰ってきた。

 

こいつら、40㎝近くあるからな、お陰で運ぶのも一苦労だ。式紙を使って手分けしてやってるけど、埋めるのに一時間位掛かった気がする。倒すのは一瞬なのに、後片付けが大変なのが嫌なんだよな、本当に。

 

それにしても歩、随分遅かったな、ん?

何でまた籠を抱えてるんだ?

 

「初ぇ~、私達の名前出したら、砦から救援要請が………どうしよう。」

 

あぁ、砦もこいつらの縄張り近くか、成る程な。

 

依頼はなるべくダブりたくないんだけどなぁ。

 

「しゃあなし、行くぞ、状況はどうなってるか分かるか?」

 

「もう二割位、砦の機能が停まってるって、前線で戦ってる人で、一人二人飛び抜けたのが居たから、多分砦の上位陣総出じゃないかな。」

 

ここら辺は、元々中級までしか出没しないような地域だから、上級以上に対する対処が出来ないのか、それなら何処かから応援呼べばいい話で……………………今は天皇の非常事態宣言で、どこも戦争準備で忙しいか。

それに統括元帥(父さん)居ないんだった、それじゃあ人事異動の速度が落ちるなぁ。

 

確か臨時だと、中将以上の人間で、三人以上の同意だっけ?

多忙な上の人間が、集まるのでさえ一苦労だぞ、こりゃダメか。

 

「それなら、少しは持つな、俺と歩で掃討して、怪我人の手当て優先だ、作戦はいのちだいじにで。」

 

「うん、早く行かないと。」

 

テュポーンで肉体を強化して、歩に引っ張られる。

 

こっちの方が速いんだ。

 

砦の前に着くと、辺り一面がまるで爆撃うけたみたいに凸凹になってる。

 

歩じゃわざわざこんな事する必要無いし、する時間も無かっただろうから、これは砦のレアギフト持ちの仕業か?

 

「歩、凹凸で窪んでる所に、籠設置してくれ、俺がしばらく引き付けるから、その間にお前は砦の怪我人の保護だ。」

 

テューポーンを全力で掛けて、歩に一言言ってから、兵隊蜂を思いっきり殴る。

 

同族が一瞬でバラバラになったのを見て、周りの兵隊蜂がこっちに狙いを付ける。

 

「こいよ虫ケラ、人間様をナメんなよ?」

 

挑発するように、嘲る様に言う。

 

所詮虫だから、言っても無駄か………ん?

俺の言葉に反応したのか、激昂したように何体かの個体が、隊列を組んで突撃してくる。

 

「虫ケラが、色々杜撰だ、役割分担すら出来んのか。」

 

一匹落ちた時の隊列の編成も、相手に対する注意力も、状況判断もまるで出来てない、所詮は虫ケラだな。

 

さてと…………………………最初に突撃してきた奴等を皮切りに、どんどん無造作に突撃を繰り返してくる兵隊蜂。

 

連携もクソもない、ただの突撃に、テューポーンによるごり押しで平等に殴ってバラす。

 

俺がそうやって蜂を引き付けて駆除してる間、歩が籠を凹凸のある場所に設置して、地面と固定する。

 

「私、砦に行ってここの場所に蜂を誘導するように言ってくる!」

 

「ついでに怪我人の確認と、ここら辺の巣の情報貰ってこい!」

 

さっきからひっきりなしに突撃してくる蜂を、平等パンチで潰してるけど、やっぱりこいつら数が多いな、ちょっと異常な数だぞ?

 

俺が暫くの間、囮になって蜂の山を作ってると、遠くから、まるで波の音みたいな、ザザーンって聞こえてきそうな音が、複数重なりあってる音が、こちらに迫ってきた。

 

重苦しい音が、津波のように押し寄せてきているのに、蜂を殴りながらそっちに眼を向ける。

 

なんだ、一体?

 

今日は雲一つ無い晴れの筈なのに、視線の先は、まるで暗雲のような()()()()()()()()()

 

おいおい、上級があの数って、これかなり不味いんじゃ?

 

「げっ!?鮎!!早くしてくれぇ!!」

 

あまりの数の多さに、ちょっと引いてここにいない鮎に思わず助けを求める。

 

あの数、下手しなくてもこの砦だけじゃもたないぞ?

こいつら上級だけあって、結構強く殴らないとダメなのに、あの数かよ。

 

ちくしょう、今日は一日鮎とイチャつくだけの、それだけの予定だったのに……………見た目だけは美少女と、二人きりで遊ぶチャンスだったのに!!

 

「初今変なこと考えた!!?」

 

ギクッ

 

俺に襲い掛かろうとしてきた蜂を、いつの間にか来て、魔力塊で薙ぎはらった歩に、ちょっと驚く。

 

「なんも考えてねぇよ、それよりこの数だ、巣はいくつ確認できた?」

 

「五つ!特別おっきいのと、それを囲う様に四ヶ所!!」

 

ふむ、この蜂の生体からして、そのデカイ巣から産まれた女帝蜂が、周りに巣を造ったって感じか。

 

「場所は?」

 

「一番近いので、ここから二キロ先。」

 

それなら、俺が行って来るのが良いか?

位置的に、俺らが依頼で請けた巣も、そこら辺の位置だし。

巣って事はこいつらの幼虫もごまんと居るだろう、歩がそれに耐えられるとは思わんから、仕方無いか。

 

「歩、砦の防衛は任せて良いか?」

 

「ちゃんと、討伐証明集めて来てよ?」

 

「ここら辺の奴等から引き抜けば、もう十分貰えるだろ?」

 

一匹五千をもう今までで千近く倒してるんだから、十分過ぎるだろ。

 

「それもそっか~、砦の防衛とか、御礼貰えるかな?」

 

「飯代くらいは出てくるだろ、多分。」

 

歩から、巣の位置を確認して、そこまで走る。

 

巣の近くはやっぱりとんでもない量の蜂が居て、仕方無いからテューポーンでの光速攻撃で、余波を狙って蜂を蹴散らす。

 

巣は地面に掘られてて、ちょっとしたほら穴みたいな大きさの穴から、大量の蜂が湧き出てた。

 

「こいつを穴の中に入れてっと。」

 

穴に準備してもらった、蜂の嫌がる貪欲蛙の人形を、持ってきた鞄から出して設置する。

 

暫くして穴から蜂が出てこなくなったのを確認して、ちょっと必殺技の準備をする。

 

「そういやこれ、実戦初投入か。」

 

魔力塊をひたすら大きく掌の上に展開する。

球状にして、ある程度まで密度を高める。

 

俺の背丈より大きくなった魔力塊を、ほら穴に光速でぶん投げる。

 

人形を巻き込んで中に突っ込んだ魔力塊の余波で、通った後の大地が捲れ上がって、ほら穴の入り口は爆発四散、地面を光速で滅茶苦茶にしてるせいで、結構デカイ揺れが、地上を襲う。

 

中で魔力塊を止めて、一気に魔力塊を圧縮して、ゴルフ球位の大きさにしてから圧力を解いて爆発させる。

 

「どうよ、癇癪玉の威力は、これなら当たれば最上級も一撃で殺れる自信あるぞ。」

 

地面深くで爆発した影響で、地震みたいな揺れが起こる、さっきの光速移動してる時の余波よりは、未だマシだけど、これだけやればもう壊滅してるだろう。

 

蓋をしてた部分がぶっ飛んで、クレーターみたいな痕になった巣の跡地をみて、蜂が出てこないのを確認してから、直ぐに別の巣の場所へ移動する。

 

同じ様な流れで四つの巣を壊滅させて、残りの中央、一際巨大な巣に挑む。

 

空中を飛び回って、どこを見てもいるような蜂の大群は、巣の壊滅と、俺の進撃の余波で、今では見る影もなく、滅茶苦茶にした巣の跡地と合間って、静まり返った森は、爆心地みたいな空気を出してる。

 

これが一番手っとり早いからやったけど、やり過ぎたかねぇ、俺が通った後も巣の跡地も地形が変わってるし、そろそろ一回戻って、歩と交代するか?

魔力を一度に使いすぎたな、癇癪玉は燃費が悪いのが弱点だからなぁ。

 

でもあれが一番速くて楽だし…………四つも壊滅させたんだし、残り一つは軍に任せても大丈夫かね?

 

仕事奪っちゃうのもアレだからな、うん、そうしよう。

 

それじゃあ、引き返して砦に戻り………………何かブンブン五月蝿いな、嫌な予感がする。

 

「げ、まさかそっちから来るのかよ。」

 

音の原因を探そうと周りを見渡すと、こっちに近づいてくる一回り大きい兵隊蜂と、兵隊蜂に囲まれて、ゆっくりと翔ぶ紫の外骨格に覆われた、厳つい見た目の蜂がいた。

 

精鋭部隊と女帝蜂本体か、あんな巨大な蜂って、聞いてねぇぞ?

 

クソッ、こりゃ魔力損耗してる時に、とんでもないのが来たな。

 

式紙の札を、袖の中で千切って、後ろ手にバレないように呼び出す。

 

ネズミ型の小さい式紙を呼んで、念話で歩の所に言って救援を出すように指示する。

 

上手く下草に隠れながら行った式紙に、早く来てくれと念じて、蜂共を睨む。

 

俺が周りの巣を壊滅させた奴と分かってたのか、俺の前方に陣取って、油断なく俺を見ている。

精鋭部隊は手馴れた様に隊列を組み、瞬きの間に別の隊列に変化し続けている。

 

女帝蜂はギチギチと顎を鳴らして、油断なくこちらを見ていた。

 

おいおい、知性は虫並みじゃなかったのか?

明らかに賢いぞこいつら、面倒臭ぇな。

ネズミの足で一体いつになるか、俺の式紙は性能良いとはいえ、五分十分じゃ来ないだろうしなぁ。

 

力で身体能力を現界まで強化、力だけなら暫く持つ、ここからは鬼ごっこだな。

 

「スゥー…ハァー………来い虫ケラ、格の違い教えてやる!」

 

足に魔力を集中させて、走り出すタイミングで、足の裏から瞬間的に放出。

 

瞬間的な加速で、一目散に逃げる。

 

あんな奴等に殺されてたまるかっての、この方法なら、音速近い速度出せるし、小回りも効くから、逃げ切ってやる。

歩は式紙でこっちの居場所が分かるから、兎に角今は全力で逃げる。

 

目指すは砦…………砦からくる歩だ。

 

「ッッッ!?っ危ねぇな!!」

 

走ってる俺の顔に、ゴン太の針が横切って、冷や汗が流れる。

 

ええい、あんなの食らったら一発で御陀仏だぞ!?

チクショウ、これが終わったらあいつら一匹残らず粉々にしてやるからな、歩が!!

 

「一か八か……………ッッッ!!」

 

なけなしの魔力を使って、テューポーンを体感一分だけ、発動する。

 

体から魔力がごっそり減る感覚に、頭がクラっとするのを、気合いで押さえて身体を反転、精鋭部隊に突撃する。

 

三十秒、亜光速の動きで蜂を相手に立ち回って、普通なら数百に上る数の蜂を倒せる動きで、精鋭部隊で削れたのはたったの十匹。

 

こいつら、一匹一匹が強過ぎる、それに連携も上手い、これは上級じゃねぇな。

単体でも最上級、群で考えるなら、最上級でも上、下手すりゃ特級に片足突っ込んでる位の強さ。

 

こりゃ残りの時間は、全力で移動だな。

戦って分かった、こいつら明らかに頭が良い、人並みには頭が回るだろ、多分。

 

さっきまでの逃走劇は全部こいつらの()()()()

明らかに手加減されてた…………俺のテューポーンの動きに付いてこれるなら、音速位捕まえるのもいたぶるのも朝飯前だった筈だ。

 

何で手を抜いた?

砦への道を、大きく迂回して、森を爆走しながら考える。今も後ろから放たれる針を、テューポーンの察知能力で避けて、後ろに引き離す。

 

さっき戦闘の速度から見るに、亜光速とまでは行かなくても、それ並みの速さは出てた、ただ外骨格に結構負担が掛かるみたいだな、戦闘時の蜂の体勢が、身体に負担が掛から無いよう、一応に丸くなってた。

 

それと女帝蜂の動きが無いのも不気味だ。

自分から手を出さずに、兵隊蜂に戦闘を全て任せてる、ってか今女帝蜂が兵隊蜂から離れてるな、単独行動?

 

まさか、兵隊蜂の死体でも漁ってるのか?

疑問に思った俺はその場で軽く跳んで、上空からさっきの戦闘のあった場所に目を向ける。

 

うわぁ、もう森が半壊してるな、木が無事でも、地面ごと捲れ上がってたり、あちこちにクレーターが出来てたりで、爆撃跡地みたいになってら。

 

戦闘の惨状に、思わずやり過ぎたかなと反省してると、紫の何かを見付けた。

っと、あそこか、紫の外骨格とか、迷彩も何もあったもんじゃないな……………………うわぁ、本当に食べてるよ、バリバリと頭から、うぇっぷ気持ち悪。

同族、それも自分の子供を食らうとか、ガチで嫌だわ。

 

そろそろらっかだなっッッッ!?

下から大量の針が飛んできて、慌てて先頭の針を掴んで全部弾く。

 

危な!!?

 

曲がってボロボロの針をこっちに飛んできた蜂の一匹に頭からぶっ刺す。

 

そろそろ、テューポーンの能力キレそうだな。

着地から三秒位か、それだけあれば十分!

 

着地前に、残りの魔力を気絶ギリギリまで使って、魔力感知を最大まで広げる、戦闘跡地に女帝蜂、近くに兵隊蜂の群れ、少し離れた所に俺に向かって式紙と一緒に一つの反応、歩だな。

よし、そっちに向かって走ろう、三秒あればお釣りがくるぜ。

 

「あばよ蜂共!」

 

着地と同時に一歩踏み込む、音速超過の速度に、二歩目で亜光速、三歩目で減速、最後の魔力を放出して自転車位の速度まで減速、意識を失う直前、歩に抱き締められた。

 

「ちょっと初!?どうしたの!!?」

 

……………すまん………………後………任せた……………………………

 

「ちょっと?ねぇ大丈夫!?初!!?」

 

 




次の話でデートは終わりですかねぇ、早く武道会したいです。
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