夫婦転生 二度目の人生を彼女と ~異世界にヲタク夫婦が兄妹で転生するらしいです~ 作:リムル=嵐
実は説明回にするつもりだったんですが、思いつかなかったので、閑話でしばらくは麗奈殿の誕生日までの話とか書こうと思います。
初音と出会った頃はまだ春の温かい日差しが、段々と肌を焼く熱波になってきた六月一日。
俺たちは子供部屋の近くにある瞑想室(魔法を練習するための専用の部屋、十畳位の広さで大規模の魔法の練習は出来ない小規模の魔法専用の部屋、部屋自体に魔法が掛かっており、部屋の中の生物が絶対に、死なないようになっている)で、妹に魔力制御と簡単なインスタント・マジック(魔力制御がほとんどない、魔力を殆ど使わない魔法)を教えてる。
俺に言われて、何かを探るように目を閉じ、うんうんうなってた初音が、あ!?、と嬉しそうに声をあげて話しかけてきた。
「お兄ちゃん、こんな感じでいいの?何か体の中からもやもやが出てきた。」
初音の体の周りに、青い膜のようなものが出来て流動している(「狩り人×狩り人」の◯ーラみたいなやつ)。
普通は、目に見えるほど魔力の密度が高くないんだが、初音の周りだけ、蜃気楼のような感じに景色が歪んでいる。
魔力はそのままだと利用方法がギフトの発動コスト位(勿論、身体強化魔法等の例外はある)にしかならないが、魔力制御を覚えて、魔力で魔法式(文字や単語)や魔法陣(円以外にも色んな形がある)を書いたり、詠唱(短いのだと一言、長いとラノベ一冊位)で魔法が発動できる。
「良し、上手く出来てるじゃないか、そのもやもやしてるのが魔力だ、指に集められるか?」
そう俺が言うと初音がまたうんうんうなって魔力を移動させようとしてる。
この魔力の移動と言うのが、魔法発動の肝で、魔力を指に集めて文字を書いたり、声帯に集めて詠唱したり、魔法の殆どが、魔力の移動を必要としてる。
まーそんな事は置いておいて、やっぱり俺の妹は可愛いね!!
いやーそれにしても前世だったらお互い大人だから恥ずかしがってこんな素直な表情は見れなかっただろうけど今は精神が肉体に釣られて幼児退行してるから本当に色んな表(ry
~以下五分妹語り~
「お兄ちゃん出来たよ、お兄ちゃん?」
おっと危ない危ない、危うく妹語りに我を忘れてしまう所だった。
「ごめんごめん、ちょっと考え事しててな、それにしても初めてでここまで出来るなんて凄いじゃないか、俺は指先に集めるのに一日かかったぞ?」
その俺でも物覚えが良い方だって言われたんだから、初音の速さはちょっと異常だぞ?
夕飯の時にでも母さんに相談してみるか、もしかしたら何かの重病かもしれないし。
魔法関係でそう言うのは、異世界系ラノベの典型だからな。
「私は、お兄ちゃんの妹でお母さんの子供だもの、出来て当たり前よ!!」
ハッハッハ良い笑顔で言うじゃないか、お兄ちゃんそんな事言われて凄い嬉しいよ、鼻血出そう。
………だけどプレッシャー半端ねぇな、俺はまだCランク(ド◯クエの魔法使いで言うイオを覚えたくらいのレベル)の魔法までしか使えないんだけど。
こうなったら初音に隠れて練習量増やすか。
「それよりお兄ちゃん、早く続き教えてよ。」
いや~、初音は勉強熱心だなぁ、お兄ちゃん嬉しいけど、そんな頑張らなくても良いんだよ?
妹より魔法が下手な兄貴とか兄のイゲンガガガ
「悪い悪い、じゃあ空中に文字書く感じで、この紙に書いてある文字を一つ書いてみてくれ。」
いくら覚えが速いと言っても、魔法の習得の最難関がここだ。
空中に文字を書くのはどんな天才でも一日は掛かる、俺も一週間掛かったし、父さんも普通は一か月かかるって、え?
何でもう書けてんの?
普通最初は、ヒントが無ければどうやっていいか、勝手が解らないんだけど、よしんばかけても、適当な魔力量で書かないと、文字が冬に窓に文字書いた時みたいに滲んできて、発動が出来ないはずなんだけど?
俺の瞳には「風」の文字を書いて涼しんでる初音の姿がくっきりと映っていた。
「お兄ちゃん、風気持ちいいよ、こっち来て一緒に凉しもうよ」
初音のこの覚えの良さは何だ?
普通じゃありえん。
ギフトか?
調べなきゃ、何を宿してるのかは分からないが、使えることは出来る(普通はやり方が解らないか、怖くて出来ないが)。
普通、魔力を操作できるのは早くとも七歳位、五歳になる前に魔法を使えた俺が規格外な訳で、でも初音も俺と同じ
それともギフトを無意識に使っていたか、又は母さんのワイズマンみたいな常時発動型のギフトか……夕食の時に話す話題が一つ増えたな。
「凄いぞ初音!?、こんなに覚えが良いなんて………直ぐに俺のことを抜かすんじゃないか?」
取り敢えずいま俺が出来る熟語魔法(一つ文字が増えるたびに魔力消費が上がり、字が少しでも汚いと不発の可能性も高い魔法だが、安全性が高く威力が安定していて、比較的簡単な魔法)なら、知ってる限り教えても平気だろう。
その後は多分、今まで家の予想外に大幅な改築で、バレると面倒になるからと、隠蔽のために奔走していた父さんたち(母さんは俺たちの面倒を見ていたので、実質父さん一人)に余裕が出てきたから、近い内に今まで遅らせていた俺のギフトの鑑定をしに、神社に行くことになるだろう。
その時に多分、初音も一緒に鑑定してもらうと思う。
ここまで異常に(俺の魔法の才能は一応、常識の範囲内)覚えが良いと、ギフトは確実にレアギフト、それもいたずら者の事を考えるとミラクル・エフェクトとかじゃなく、ロイヤル・エフェクトやゴッズ・エフェクト並みの性能の常時発動型の可能性がある。
常時発動型は種類が少なく、また制御が難しいため、所謂
例を挙げるなら、家の母さんが常時発動型のワイズマン持ちだ、あの人も歴代最高峰レベルの巫女長らしい。
ワイズマンは、持ち主の魔力的な成長や、種族上限(これは、例えるなら前世の普通の人間が、極限まで鍛えたとしても、生身で溶岩ダイブすれば即死、良くて重症になるのと同じ原理だ。所謂種族としての限界、RPGで言うLv100のことで、これ以上は成長しない到達点。
だが、このワイズマンも、常時発動型だけあって制御が難しく(ワイズマンなら、親和性が高すぎて逆に魔法が暴走する)、暴走した場合、程度によるがちょっとした町一つ位の広さなら、消し飛ばす程の威力がある。
そのため、常時発動型は宿した時から死と隣り合わせで(発覚するのが早期の場合が多いため、周りにも被害が及ぶ場合が多く、そのため発覚した時点で殆どが、孤児院や専門の機関に預けられる)、制御出来た場合、もの凄い恩恵があるため(ワイズマンだったら、制御出来た時点で殆どの魔法を掌握出来るレベル)、それまで煙たがっていた人たちが、手のひら返しで媚び売り始めたり、慣れ慣れしくなったり、その宿主の数奇(と言うより、ある意味悲劇的で幸運)な運命から、別名
このような扱い注意なギフトなため、国も常時発動型のギフト持ちに対して政策を実施している。
発動の可能性がある行為があった場合、五歳未満でも鑑定してもらえるのは政策の一つだ(流石に証拠を提示する必要があるが)。
「ありがとうお兄ちゃん!!………お兄ちゃん、どうしたの?急に黙って、今日はなんだかいつもより変だよ?」
考え事をしていたら、初音がまるで不審者を見るような目でこちらを見ながら、心配してきた。
これが上目遣いで不安そうな顔つきだったら、俺は鼻血を出して倒れていた所だろう。
「一言余計だ。その言い方だと、俺はいつも変な奴になるだろ、ただ考え事をしていただけだよ。」
「事実じゃない、そんな事よりもっと難しい魔法無いの?簡単すぎて詰まんないよ。」
「はいはい、なら今度はこの紙に書いてある単語を書いてみな、今日はこの文字のところまでだからな?」
「はーい、明日の分が無くなっちゃうもんね、我慢するよ。」
初音は、そう言って未練たらたらの様子で紙を受け取った。
……この紙はさっきの紙とセットで今週の分なんだけど、普通こんな速度で習得できるとか予想できないだろ!!
予想できた奴はよっぽどの天才か、極度の心配性位だろ、頭痛くなってきた。
「どうしたのお兄ちゃん?頭抱ええて、痛いの?この紙に書いてある魔法で治そうか?」
ハッハッハ俺の妹は優しいなぁ、嬉しすぎて今度は腹が痛くなってきた(涙)。
俺たちがそうやって、和気あいあい(?)と魔法の練習をしていると、部屋にコンコンとノックの音が響いた。
「はーい」
俺がそう言ってドアを開けると、母さんの式紙(見た目は黒子姿)がドアの向こうに立っていた。
≪初様、初音様、夕食の支度が出来たので直ぐにリビングまで来るよう、麗奈様から伝言を預かっています。≫
そう言って
戸締まりしないと、放し飼いにしている魔獣が部屋に入ってくるんだ。
一度部屋に入ってピーちゃんと大乱闘して部屋を滅茶苦茶にされた。
それにしても、この家は広すぎてまだ迷う事がある、ハッキリ言って広すぎ。
こんなん全部の部屋は使いきれないし、覚えきれないだろ。
「初、初音の特訓の調子はどうだい?」
父さん、とても順調すぎて、ちょっと問題ありです。
「父さん、その事なんだけど、夕飯を食べ終わったらちょっと二人に話があるんだ。」
そう俺が言うと、父さんは少し驚いた後、何処か思いつめたような顔をした。
何か知ってるのかな?
「初君、それってもしかして、初音の魔法の覚えが速いって事?」
そう言った母さんの顔は、何処か縋り付いているような、認めたくないような、複雑な顔をしていた。
「そうだけど、母さんは何か知ってるの?」
「それは多分、私のガブリエルの力だと思うわ。私が許可した生物の特定の成長度を一定時間上げることが出来るんだけど、どのくらいまで魔法を覚えたの?」
そう言った母さんの顔は、それ以外は認めたくないと言うような、だけど答えをもう知っていて、その答えに絶望しているような、そんな複雑過ぎる顔をしていた。
だけど、ガブリエルにそんな能力が在ったとは、流石レアギフトぶっ壊れてるな。
あんな速度で魔法を覚えるのが、何人も量産出来るとか、本当にふざけてる性能だ。
「熟語魔法の二文字までなら安定して成功するよ。」
ん?
二人の顔が、すっごい怖い顔になったんだけど、何か怖いんだけど、特に父さん。
それに母さんは、どちらかと言うと泣きそうな顔だ、初音の事で昔、何かあったのかな?
「初君、後で私の部屋に一人で来て、リュウ君は初音が私の部屋に来ないようにして。」
「分かったよ麗奈、初音を寝かした後に部屋に行くから。」
あ~....この反応を見るに、ガブリエルのブーストはそこまで効果は高くないんだな。
つまり初音は素であの成長速度と言う訳か、やっぱりギフトなんだろうな、母さんはなんのギフトか心当たりがあるのか?
「お母さんたち、こそこそ何話してるの?早くご飯食べようよ!」
俺たちが入り口で話している間に、席についていた初音が急かしてきた。
地面に届かない足をプラプラさせて可愛いなぁ、でも行儀悪いからやめなさい。
「もう、初音足をプラプラさせないの。」
「今、お話が終わったからね。冷めないうちにご飯食べよう、ほら、初も早く席に着きなさい。」
気付いたら、前にいたはずの二人が、いつの間にか笑顔で席に着いていた。
いや、いつの間に移動したんだよ。
「分かってるよ、今日の夕飯は香辛料理だっけ?」
「そうなのよ♪麻婆豆腐食べたくなっちゃって、他にも色々あるわよ?」
そう言った母さんの笑顔は、泣き叫んでいる子供のような、見ているこっちが悲痛な思いになる笑顔だった。
その後は、皆で夕飯を食べてデザートの杏仁豆腐を食べた後に出された、煎茶に入っていた薬(軽い睡眠薬、魔法の練習で疲れていたのか直ぐに眠った)で初音が寝た後に、三人で母さんの部屋まで移動した。
初音は、父さんがお姫様抱っこで、部屋まではこんだ。
俺にもっと力があれば、運べたのに、悔しい。
三人で初音を部屋に寝かした後(念のため母さんが魔法で眠りを深くした)に来た母さんの部屋は、八畳程の部屋で、品の良い調度品が窓際に飾られている。
ただ今は二人とも、深刻そうな顔で、そんな物に構う余裕は無いとばかりに、空気が張り詰めているが。
「それで母さん、話って何?」
俺がそう言うと、母さんは強張った顔で隣に座っている父さんの手を掴みながら、震えている声で言った。
「初音のギフトはね、初音のお父さんのギフトなの。」
それを聞いた父さんの顔は、真っ青を通り越して、白かった。
初音のお父さんって、母さんの前の旦那さんの事?
不思議に思っていると、顔色の悪い父さんが、何かを悔やんでるように、顔を顰めた後、絞り出すようにして言った。
「初音のお父さんはね、麗奈が初音を身ごもって、直ぐに死んだんだよ、僕のせいで。」
そう言い放った父さんの顔を、俺は一生忘れはしないだろう。
次回は贋哉叔父さん登場まで行きたいですね。
後、活動報告に重要事項を載せておいたので、暇な人は確認よろしくお願いします。
追記:ゴッズ・エフェクトがゴッド・エフェクトになっていましたので改稿しました。
追記誤字報告を貰ったので該当箇所を修正しておきました、初めて誤字報告を貰ったのでこれであってるか、若干不安です。
読んで何か気付いたことや、感想など、感想は時間がある時にで良いのでしていただけると、幸いです。
追記2017:4/8友人に、文がキツキツで読み辛いと言われたので、改行して行間開けました。