魔法少女リリカルなのはvivid×仮面ライダーキバ 〜戦いの運命〜 作:NAGI
魔法が発達した世界ミッドチルダに存在する深き森。そこには馬の意匠がある異形の怪人 ホースファンガイアと白い純白の戦士 イクサがいた
イクサという名はIntercept X Attacker 未知なる驚異=ファンガイアに対する迎撃戦士の略称である。ロールアウトしてからそろそろ2年。もうすぐ新たなイクサシステムが創られようとしていた。これが今のイクサにとって最後の戦いとなるかもしれないのだ。当然今までとは気合の入り様が違かった
「さあ、そろそろお終いだ」
イクサの言葉にホースファンガイアの身体のあちこちに人間の顔が写り、喋り出す
『くっ・・・まだ負けはしない!』
そう苦しそうに呟くホースファンガイアだったがイクサは銀色のフェッスルを取り出し、ベルトの挿入口に差し込む。そしてイクサナックルを左に押す
「あばよ」
『イ・ク・サ・ナッ・ク・ル・ラ・イ・ズ・アッ・プ』
イクサはイクサナックルを右手に持ちホースファンガイアへと殴るように向ける。イクサナックルから放たれた山吹色のエネルギー弾がホースファンガイアを襲う。ブロウクン・ファングと呼ばれるこの必殺技はホースファンガイアの身体に当たり、大きく吹き飛ぶ
『グァアアア‼︎』
そして悲鳴を上げるとステンドグラスとなって砕け散った事を確認したイクサは変身を解く
「渡・・・頑張れよ。俺もかげながら応援しているからな」
そう呟くイクサの変身者 白銀オトヤ。ファンガイア族を統制する役割を持つ最強の四人 チェックメイトフォー。オトヤはその頂点であるキングという称号を持つ者だった。しかしそれは昔の話。今はもうキングは新たな者が襲名した。その者は白銀ワタル。彼の息子である。だがワタルはまだ赤ん坊。未来から来たワタルの話からおそらく悩み多き人生を歩むだろうと思いながらも彼は息子を信じていた。そして彼は自身の妻であるマヤと旅の途中だった
「あいつらは元気だと思うか?」
「大丈夫よ。ビショップたちがついてるわ」
「そうだな。まぁ、いつか時が来れば会えるだろう」
二人は手を繋いで森を歩いて行く
あれから12年後
夜の広場を何かから逃げるようにカメレオンの意匠を持つカメレオンファンガイアが走っていた。しかしカメレオンファンガイアの前に現れるブラウンの髪をした少年。彼を見た瞬間カメレオンファンガイアは尋常ではない程に狼狽える
「どこへ行く気ですか?」
『キング!』
チェックメイトフォーのキングこと白銀ワタル。ブラウンの髪は風に吹かれて靡き、目は鋭くカメレオンファンガイアを見つめている
「我々に害なす者よ。貴方に死の制裁を与えます」
そう告げるとキングの紋章がある左手をカメレオンファンガイアに向ける。慌てて逃げようとするカメレオンファンガイアであるがワタルの左手から制裁の雷と呼ばれる黄色い光がカメレオンファンガイアを襲う。するとカメレオンファンガイアの身体はステンドグラスとなって粉々に砕け散り、それを確認したワタルは音もなく姿を消した
ミッドチルダの首都クラナガンにある高層マンション。その一室にワタルはいた。空はまだ暗く、星が浮かんでいる
「さて。これからどうすればいいんだろ?・・・」
椅子に座り、手袋をしている左手を見ながらそう呟くワタル。そしてその疑問に答える黒い蝙蝠 キバットバット2世がいた
「今のところはお前にできる事はない。できるとすれば粛清とビショップからの連絡を待つだけだな」
「うん・・・もし僕たちが得た情報が本当なら大変な事になる。絶対に阻止しないと」
そう神妙な顔で呟くワタル。ファンガイアを統べるキングである彼には一族を守る長としての責任がある。その為一族が滅亡してしまうような事になるのは見過ごせないのだ。ここにいるのはキングという肩書きを持った少年ではない。一族を守ろうとする王の姿だった
「ファンガイアは必ず守ってみせる」
翌日
「そろそろ学校に行く時間じゃないのか?」
2世の言葉を聞いたワタルは時計を見る。確かにそろそろ行った方がいい時間だと思ったワタルは頷き玄関へと向かう
「うん。じゃあ行ってくるね」
「ああ」
ワタルが通う学校はST.ヒルデ魔法学院という。ここには初等部と中等部があり、ワタルは中等部一年生だ
「・・・頑張っているようだな」
ワタルが授業を受けている姿を少し離れたところから見ている2世はそう呟いた
放課後 ワタルの前に黒い短髪の少年 天宮リュウヤ。彼は手を顔の前で合わせながらワタルに頼み込む
「ワタル!宿題教えてくれよ!」
「いいけど。ちゃんと自主的に勉強してよ」
ワタルの話しに言葉を詰まらせるリュウヤは冷や汗を垂らす。リュウヤは勉強が大の苦手だ。得意な教科は何かと問われたら無いと話す程である
「うっ・・・善処します」
ワタルの家で勉強しようと家への道を歩いている二人は同じクラスメイトである蒼銀の髪をした少女 アインハルト・ストラトスを見かける
「あれってアインハルト・ストラトスじゃん。あいつは何してんだろうな?」
走っているアインハルトを見てそう呟くリュウヤは彼女が普段何をしているのか少し気になっていた
「さあ。ただあまり関わりたくないな」
「なんでだよ?確かに無愛想だけど可愛いじゃねえか」
ワタルの言葉に疑問を感じたリュウヤは自身が思っていることを口にする
「僕はファンガイアのキングで彼女はイングヴァルトの末裔で記憶継承者だ。僕がキングだと分かればどうなるか分からない」
”覇王イングヴァルト”
古代ベルカの時代に存在した王の一人であり、アインハルトの祖先だ。キングとも深い関わりを持っていた。その為アインハルトとあまり関わりすぎるとどうなるのか分からない。ワタルの答えに納得したような声を出すリュウヤは彼の肩を叩く
「そっか。確かにお前はキングだから色々大変だもんな」
「まぁ、僕の仕事はあまりないんだけどね」
ワタルの家に着いた二人はリビングで勉強をしていた
「で何が分からないの?」
「数学のこれだよ」
問題の一つを見せてくるリュウヤに溜め息を吐くワタル
「簡単だし前にやったやつだよ」
「数学は寝てるから覚えてねえ」
堂々と言い切る彼に呆れた目を向けるワタルは
「a=4だよ」
「おっサンキュー!」
こんな調子で勉強は進んだものの無事に終わった
夜のシロガネ邸
そこではワタルが寝間着姿で外を見つめていた。まだ眠れないようだ。そんなワタルに2世が近付いて来る
「眠れないのか?」
「うん・・・」
2世はコクンと頷くワタルの肩に乗る
「明日も学校があるのだろう?早く寝ろ」
「うん。ありがとう。ねぇ」
「何だ?」
ワタルは遠くを見ていた。行方が分からない父と母。二人の行方を自身の持つ力を駆使して探しているワタルと見たという場所に赴く双子の弟であるコウガだがいつもすでに去った後という状態だった
「父さんと母さんは見つかるかな?」
「きっと見つかるだろう」
「・・・そうだね」
こうしてワタルの1日が終わる。果たして彼はオトヤとマヤに会うことができるのだろうか?