魔法少女リリカルなのはvivid×仮面ライダーキバ 〜戦いの運命〜   作:NAGI

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第9楽章 a step! 魔族と謎と人間と

ワタルはダークキバに変身し、フェニックスレジェンドルガに迫る

 

「はぁあっ!」

 

「・・・それでは、また」

 

ダークキバのパンチが当たったと思われたその瞬間、フェニックスレジェンドルガの身体は消え、無数の羽根が飛び散る

 

「逃げられたな・・・」

 

変身が解かれ、ワタルの肩に二世が乗る。ワタルの顔は暗い。フェニックスレジェンドルガが見せた召喚術。彼女が出来るのはそれだけではないだろう。しかも、まだ同格の敵は何人もいる筈だ。今のままで果たして勝てるのか。そんな不安がワタルにのしかかる

 

「・・・うん。しかも彼女と同格の者は少なくとも一人はいる」

 

「しかし、今はそれを考える時ではない。一刻も早く戦いの準備を整える事が先決だ」

 

ワタルは気を取り直して彼らに話す。キングである自分が不安がってはいけない。そう自身に言い聞かせ、ワタルは自分の不安を隠すように明るく装う

 

「とりあえず僕とリュウヤはここに残るよ。いなくなったら怪しまれるし」

 

「そうですか・・・では、私は護衛兵の選別を行っております」

 

「俺も俺でやる事がある」

 

そう言って去ったビショップと二世は赤の戦士と同じように黄色い二重の輪が二人の身を包み、ミッドへと転移する

 

「あれ何?」

 

「・・・テレポートシステム」

 

ワタルがリュウヤの質問に苦々しく答える。彼にとって、あまり好ましい物ではない。システムの有用性は認める。しかし、その開発者がワタルがこの世で最も憎む者なのだ。その為にワタルはあまり好きではない

 

「あの野郎が開発した物か・・・」

 

一方のリュウヤもワタルの表情を見て、誰が開発者か察したのだろう。彼もまた、苦虫を噛み潰したような表情になる

 

「帰ったら聞いてみようか。会いたくないけど、会わなきゃいけないな。神田博士には」

 

そう呟いたワタルにリュウヤは頷く。そのまま二人が帰ろうとしたが、そこにミヅキとルーテシアがやって来る。気配を感じ、一瞬であるが眉を顰めるワタルは彼女達の方を向く

 

「あら。こんなところにいたの?お二人さん」

 

「二人は?演習中じゃないの?」

 

中止されている事を知りながら知らないふりをして聞くワタルにルーテシアは意地の悪い笑みを浮かべる

 

「どっかの誰かさんのせいで中止になっちゃったのよ。今はそいつを探しているんだけど見つからなくて」

 

「そうなんだ。探すの手伝おうか?」

 

さらにはルーテシアの皮肉を躱すワタルだったが、内心は焦っていた。気付かれてる。そう思い、どうするか思案しているが、ルーテシアが彼の腕を掴む。みづきはオドオドしており、リュウヤは状況についていけていない

 

「そうね!なら、情報収集を手伝って貰おうかしら?白銀ワタル。いいえ、魔皇 キバ」

 

ワタルはすぐに周囲を見ると、小さな虫が飛んでいるのを見つける。それを見て、すぐに彼は得心がいった。ルーテシアが虫に追跡させていたのだろうと。彼女は召喚師である為、虫を呼び出すくらい造作も無い事。ましてやワタルの集中力は低下していて、リュウヤは元々、小さな気配をかなり近くで無いと感じ取る事が出来ない。しかし、それでも気付く事が出来なかった自分にワタルは苛立ちを覚える

 

「誰にも口外しないのなら三つだけ答えましょう」

 

自分の感情をおくびにも出さず、質問に答える姿勢を条件付きで見せるワタルにルーテシアは内心、舌を巻きながらも質問をする

 

「なら、聞かせてもらうわ。貴方はキバ。つまり、貴方の先祖は覇王イングヴァルトと関係があったのよね?」

 

「えぇ。一度は親友ですらあったようですね」

 

「それなら二つ目の質問よ。何故、アインハルトはキバを憎んでいるの?」

 

「覇王には二つの記憶があるとだけ言っておきましょうか。何故そうなったのかは僕にも分かりませんけど・・・」

 

ワタルの答えにある程度の納得がいったのか、ルーテシアは最後の質問をする

 

「そう。じゃあ、最後の質問。貴方は人間の味方?それとも敵?」

 

「それは人間の行動次第で決まる。まあ、()()味方だと言っておきましょうか」

 

ワタルは最後まで余裕のある表情で質問に答えた

 

「・・・そう。みづき!貴方も聞きたい事があるんでしょ?」

 

自身としては聞きたい事を聞いたルーテシアはみづきに話を振った。その言葉を聞いたみづきはワタルの前に立ち、ルーテシアとリュウヤにお願いする

 

「二人きりにしてくれる?」

 

「良いわよ。じゃあ、ごゆっくり〜」

 

「あんたも来なさいよ!聞きたい事もあるしね〜」

 

ルーテシアがリュウヤの腕を引っ張る。強く握られるそれはリュウヤにとってはあまり痛くないし、振り解くのも簡単だ。しかし、逃げるのは許さないという無言の圧力がかかっているせいで抜け出す事が出来なかった。結果、ルーテシアに連れて行かれたリュウヤは色々聞かれる事となる。まあ、後でリュウヤは予想外の展開に状況を呑み込むので精一杯だとワタルにボヤいたそうな

 

「ワタル君がキバ・・・だったんだね」

 

二人がいなくなるとみづきが呟いた。ワタルはみづきを注視する。みづきは妙に落ち着いているのだ。ルーテシアも落ち着いてはいなかった。最後の質問が自分を警戒しているのを示していた。なのに彼女には警戒心がない。その様子がキバの事を知っているのではないかというワタルの疑心を駆り立てる

 

「・・・・・・うん」

 

みづきはキバについてこれ以上追求する事は無かったが、おずおずと躊躇いながらも口を開く

 

「あの、覚えてる?」

 

「何を?」

 

「ううん。何でもない。良かったら今度、一緒に遊びに行こ?」

 

一瞬、悲しそうに目を伏せたみづきは作り笑いをして、ワタルに遊びの誘いをする

 

「うん。みづきちゃんさえ良いなら」

 

柔らかくワタルが微笑む。みづきは顔を赤く染めて、俯かせる。因みにみづきの誘いは二人きりならば、完全にデートである事は言うまでもないだろう。二人がその事に気付いているかは分からないが。ともあれ、二人は和やかな雰囲気だった

 

 

 

 

 

一方でリュウヤとルーテシアの二人はお互いに睨み合い、微動だにしていない

 

「ねえ、リュウヤ」

 

ルーテシアは笑顔を見せるが、額に縦ジワを寄せて不機嫌そのものだ。怒っていると察したリュウヤだが、何故だか分からない

 

「ん?」

 

「私が怒っているのは分かるわよね?」

 

「ああ!何でかは全然分からないけど」

 

リュウヤは彼女が怒っている理由が分からない為、正直に答えたのだが、それは彼女を更に怒らせる結果となってしまったようだ

 

「分からないですってぇぇぇぇぇええええええ!!!?」

 

「な、何だよ?言わないと分からんねえよ」

 

「そうね。なら言ってあげるわよ‼︎」

 

ルーテシアの迫力に押されているリュウヤに彼女が予想の斜め上をいく言葉を紡ぐ

 

「お、おう」

 

「何でキバが白銀ワタルだって事を黙っていたのよ‼︎」

 

「・・・・・・は?」

 

しばしのフリーズ。こいつはワタルの事を知ってたのか。いや、そもそも先程はすごい意地悪な感じを出してたよなというのはリュウヤの心の声である。だが、それを言えばどうなるかは明白で、それが分からぬ程リュウヤは空気が読めない訳では無かった。とはいえ、予想外の言葉に固まってしまい、ルーテシアが疑心に満ちた目を向けてきたのは仕方がないだろう

 

「何よ?」

 

「いや。お前、キバ好きなの?」

 

リュウヤの質問にルーテシアが目を輝かせる

 

「勿論‼︎なんたって昔、私を救ってくれたのよ!色は白銀ワタルのとは違って白だっただけど」

 

昔、キバに救われたというルーテシアはそれ以来、キバに会いたいと思っていたようだ。だが、自身を救ってくれた相手に会う事は出来なかったので、落胆しているのは間違いないだろう。まあ、リュウヤは彼女がダークキバと謎のキバを同じ存在としている気がしてならないが

 

「(・・・白?他のキバなんて黄金のキバしか知らねえけど白なんていなくね?まあ、後でワタルに聞いてみよ)」

 

因みにこの後、イクサシステムについて聞かれたリュウヤは皆には自分達の正体を教えないようにと念を押していた

 

 

 

その日の夜。怪しまれる事なく、やり過ごした二人はベッドで横になっていた。既に服は夜間着に着替えている。ワタルは携帯電話を弄る。因みにパスワードは0108。デバイスは必要ないので持っていない。元々身体能力は人並み以上にあり、襲われたら制裁の雷。それで対処出来なかったらダークキバに変身するとは言っても、変身するのは上級ファンガイアレベルの者だけである。一方のリュウヤは少し疲れているようだ。欠伸をしてから一度、伸びをする

 

「ふぁあ〜疲れた」

 

リュウヤを見るワタルはまあ、確かにと同調すると、穏やかな目から一転して少し厳しい目を向けた

 

「で、他にキバがいるって話は本当?」

 

「おう。あいつが言うにはそのキバに助けられたんだと。他にキバっていんの?」

 

「いや。闇のキバと黄金のキバ。それに最初のキバの鎧であるサガ。この3つ。他に存在するなら僕が所持していなくても知っている」

 

ワタルの所持する闇のキバの鎧と黄金のキバの鎧。それにコウガの所持するサガの鎧の三つしか今、ファンガイアの王の鎧は認知されていない

 

「ナイトとポーンが他の奴に流したとか?」

 

「いや。それは無いよ。でも、それも近いうちに調べていかないとね」

 

柔らかく微笑むワタルは布団をかけると数分後には寝息を立てて寝ていた。やはり、ダークキバに変身すると疲れがかなり溜まるようだ。リュウヤも、ワタルが寝たのを確認すると眠りについた

 

 

そして旅行4日目 ワタル達は多少のハプニングがあったもののミッドへと帰る。その間、ワタルは頭の中でこれからのレジェンドルガの行動について考えていた

 

最初から幹部クラスが来るかどうかは分からないが、いきなり全戦力を傾けはしないだろう。気になる事があるとすればヴィヴィオを始めとする古代の王の血を引く者達。無関係じゃないかもしれない。そう考えると彼女達に護衛をつけるべきか否か

 

昨日、ワタルはインターミドルチャンピオンシップ。通称”DSAA”という大会にヴィヴィオ達が出るという事で、去年の出場選手を調べていたのだが、それによってジークリンデ・エレミア。ヴィクトーリア・ダールグリュンの2名が大会に出場していたという事を知った

 

この二人は古代ベルカの王の血を引く者。それに加えて彼女達の話から今年の大会にヴィヴィオとアインハルトも参加するようだ

 

「(もし、彼女達を狙っているのならばそれを見逃す筈が無い。と言ってもエレミアとダールグリュンという人は情報でしか知らないから警護するのは大会当日から。チェックメイトフォーに近い実力を持つ者達に警備員を装わせて守らせよう)」

 

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