魔法少女リリカルなのはvivid×仮面ライダーキバ 〜戦いの運命〜   作:NAGI

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第13楽章 double date! 闘争と逃走。謎の鎧

アインハルトが切羽と同居を始めてから3日が経った。彼女はこの3日間で知ったのは切羽はあまり喋らない事と彼が記憶喪失をあまり気にしていないようである事。そして腹部に黒の丸い痣がある事ぐらいだろうか。学院へは明後日から通う事になっている

 

彼女は可愛らしい薄ピンク色の服を着ていた。みづきから貰ったものである。女の子なんだし身嗜みには気を付けなきゃねと言うみづきによって彼女の棚には可愛い服で溢れている。色は薄紫色などの淡い色が多いらしい。まあ、それは兎も角。彼女は今日、切羽と買い物に行くのである

 

「アインハルト。準備出来た」

 

今日の買い物の主な目的は切羽の服を買いに行く事だ。今日の朝。今から2時間前の朝8時に決まった事である。早朝トレーニングから帰って来たアインハルトは一昨日と同じ服を着ていた切羽に驚き、聞いたところ服が2着しかない事が判明したという一連の流れから買い物が決まった

 

「では行きましょうか。切羽」

 

 

 

 

一方で二人が服を買いに街中を歩いている頃。それはとてもお洒落な格好をしたワタルはこれはまた可愛らしい明るめな色合いのものを着たみづきと街中を歩いていた。後ろには運転手が幾つもの荷物を持っている。普通なら不満を感じそうなものだが、彼の表情は輝いていた

 

「(ああ。なんて素晴らしい光景かな。まさかお二人のデートをこの目で見られるとは!心残りがあるとすればこの手‼︎カメラで撮影出来ないのが無念でなりません。いや、しかしワタル様に頼りにしてると言われて渡されたこの袋共を落とさないという命よりも大事な使命が私にはあるのです!仕方ありません。ええ、悔しくありませんとも!)」

 

変人入りしているしか言えない心の声である。因みに頼りにしているぞと言ったワタルは落としたらお前クビなというニュアンスを含んでいたのだが、彼が気付いている様子はない。とはいえ落としてはいないのだから結果オーライである。恐ろしきは彼の凄まじいキングとクイーンへの愛である(みづきはクイーンではないが彼の中ではクイーンと位置付けられているようだ)

 

そして近くにはとファンガイアの男性と女性がそれぞれ携帯とカメラ(動画撮影)を構えていた

 

「次は何を買おうか?」

 

「本当に良いの?」

 

「大丈夫だよ。みづきちゃんの為にこの金達があるんだから」

 

二人は二人で彼を気にしている様子がない。みづきはワタルとのデートに浮かれているし、ワタルはそもそも彼を認知しているのかが怪しいところである。いや。荷物を持って車に帰ったと思い込んでいるのかもしれないが

 

「じゃあ・・・本屋さんに寄ってもいい?」

 

遠慮がちにそう言ったみづきにワタルはニッコリと笑って了承する

 

「いいよ。どんな本が欲しいの?」

 

料理の本が欲しいのと答えたみづきはワタルに作ってあげたいというささやかな望みがあったのだが、ワタルは分かっていないだろう

 

「みづきちゃんの料理。食べてみたいな」

 

「うん。頑張るね‼︎」

 

しかし、無意識のうちに彼女が望む言葉を言ってみづきのやる気を引き出したのは流石というべきか。呆れればいいのかリュウヤがいたらさぞ悩むであろうワンシーンであった

 

 

 

 

さて。時間は1時となり、ちらほらと昼食を摂っている人がいる。それを買い物を済ませたアインハルトと切羽の二人が見ていた。時間は1時であるので昼食を食べていても不思議でない時間だ

 

「切羽。そろそろお昼でも摂りましょう」

 

「近くに知っている店はあるのか?」

 

切羽の質問にアインハルトが頷いて答える

 

「ええ。この前ヴィヴィ・・・私の友達に教えてもらったんです」

 

じゃあ、そこでと切羽が言ったのを聞くやアインハルトは切羽を連れてその店に向かおうとしたのだが、彼女は自身の周りに人があまりにも人が少ない事に気付いた。辺りを見渡すアインハルトに首を傾げる切羽が彼女に問いかける

 

「どうしたんだ?アインハルト」

 

「気付いたか。ならば話は早い。お前には来てもらうぞ。我々レジェンドルガの元に」

 

「レジェン・・・ドルガ?」

 

近付いて来た20人程の人達の顔にステンドガラス模様が広がり、ファンガイアに変わる。オクトパス、ラット、ホースなどたくさんのファンガイアが二人に近付いて来る

 

「逃げますよ。切羽‼︎」

 

アインハルトは切羽の手を引いて走る。これだけの数相手に勝つ事が出来ないのは明らかだ。逃げるしか手はなかった

 

 

 

 

「何のつもりですか?」

 

同時刻。ワタル達のところでも二人と同じ事が起きていた。10人以上の人達が立ち塞がり、進路を塞いでいた

 

「貴方には我々レジェンドルガの繁栄の為に死んでいただきます」

 

そう言ってアインハルトのところと同じようにファンガイアに全員が変身する

 

「なるほど。レジェンドルガに魂を売ったか」

 

ワタルはみづきを庇うように立っていた。間の悪い事に男性達は仕事が入った為に帰ってしまっている。運転手も荷物を車に置きに行っている為にいない。いささか戦い辛い状況だった

 

「はあっ!」

 

しかし、ワタルはその場から動かずに左手を前に出して制裁の雷を放つ。上級ファンガイアにダメージを与える事は出来ないがこの中に上級に匹敵する力を持つ者は一人もいない。一度放っただけで僅かな数しか残らず、それも再び制裁の雷を放ち呆気ない程すぐに終わった

 

「白銀ワタル。やはり貴様は倒しがいがある」

 

近付いて来たのはワタルよりも年上らしき少年だった。黒い髪と同じ色の鋭い瞳をしたその少年をワタルは警戒するように見つめる

 

「・・・誰だ?」

 

「ふん」

 

五角形のベルトを巻き、フェッスルを取り出す。少年がベルトに手をかざすと機械音がベルトから発せられる

 

『hope。ready』

 

そして上部の挿入口を開けて赤いフェッスルを挿入して再び手をかざす

 

「変身」

 

『change hope mode flame』

 

瞬間、少年の身体を鎧が包み赤い戦士に姿を変える

 

「前は名乗っていなかったな。俺の名はホープ。ファンガイアの希望を砕き、絶望を与える為に生まれた戦士だ」

 

「ホープね。こっちからしたらディスペアーの方が合ってると思うけど」

 

「ふん。そんな事はどうでもいい。俺は貴様を殺す」

 

「なるほど。まあいい。貴方がファンガイアに仇なす以上放ってはおけない。王の名の元に貴方を処刑する。二世!」

 

「ガブリッ!」

 

飛来した二世がワタルの左手に噛み付き、ベルトに収まる

 

「変身」

 

ダークキバに変身したワタルはホープと対峙する

 

「みづきちゃん。下がってて」

 

ダークキバの言葉に従ってみづきが後ろに下がると同時に二人の雰囲気はより冷たく鋭いものに変化していったのをリュウヤやそれなりに経験のある戦士達から感じただろう

 

「こい」

 

二人の拳がぶつかり、空中で静止する。お互いに力は拮抗しているように動く事はない

 

「前の未完成という言葉は嘘じゃなさそうですね」

 

「俺は嘘が嫌いだ。そしてこれはキバの鎧に匹敵する力を秘めている」

 

「そうですか。でも、勝つのは僕です」

 

二人の拳が引かれ、ダークキバは金と白の、ホープは白のフェッスルを取り出す

 

「ザンバットソード。召喚だ」

 

ダークキバは二世の口に差し込み

 

『sword』

 

ホープは上部の挿入口に挿入してベルトに手をかざす

 

 

 

キャッスルドラン城内で仕事をしていた次郎、力、ビショップの3人は王の間に安置されていた王だけが振るう事を許された剣。ザンバットソードが橙色の玉に包まれ、ダークキバの元へ向かって行ったのを確認していた

 

「ワタルのところへ行こうとしているのか。それ程の敵が現れたか」

 

次郎はあくまで冷静に状況を推測し、ビショップは与えられた仕事を全うするだけだと言う

 

「キングがあれを使うとは少々意外でしたが我々がやるべき事は変わりません」

 

「分かって、る」

 

それに力が頷き、仕事に戻ろうとする中、ビショップだけが席を立ってどこかへ行こうとする

 

「どこへ行くんだ?」

 

「少し仕事を」

 

「認めるものか。私は」

 

顔を歪めてそう言ったビショップの声は二人に聞こえていなかったようだ。すぐに仕事に戻っていた

 

「力。お前の一族はどうだ?」

 

「万事、オーケー」

 

「そうか。後はお互いの内容を確定させるだけだな」

 

ホッと一安心する次郎に力が言う

 

「まか、せろ。俺、やる」

 

「頼むぞ」

 

 

 

 

場面を戻し、双方共に剣を持って対峙していた。ダークキバの持つザンバットソードは使用者を選ぶ。キングの為に創られたこの剣に認められなければ持つ事は出来ず、認められたとしても力が無ければ意味は無い。確固たる意志と剣に見合うだけの強さ。この二つを持っていなければ剣に自我を奪われる

 

ワタルは剣を持ち、自身の意志で扱うだけの力があるにはあるのだが、相乗効果で力が暴走しやしないかと不安が拭えない為に次郎、ラモン、力の3人のライフエナジーが融合して生まれた幻影怪人 ザンバットバットがザンバットソードに憑依してザンバットソードの魔皇力を制御しているのだ

 

とまあ、それは兎も角

 

「はあっ!」

 

「ふんっ!」

 

二人の剣が重なり、火花を散らす。剣が交錯するとお互いに離れ、ダークキバは一度ザンバットバットをスライドさせる

 

ダークキバが仕掛け、上から振り下ろすが身を屈めてホープは躱し、回し蹴りを繰り出すもそれはザンバットソードで受け止められた。膠着状態。その言葉が今の状況に合うだろう。お互いに一撃が遠い

 

ワタルがダークキバに変身していられる時間は長くはない。二世が今のキバット族の中で最も魔皇力の制御に長けた者であってもコントロールしていられる時間には限りがあるし、反発し合う力によってワタルの身体にも負荷がかかる

 

しかし、変身していられる時間が長くないのはホープも一緒だった。ホープの能力はダークキバと互角に渡り合える程だが、こちらも負荷が大きいし、稼働時間を過ぎると変身が解けて大変な事になる

 

おそらく最初に一撃を与えた方が勝つ。そう二人は直感していた

 

「はあっ!」

 

数秒の沈黙の後に二人が動き出す。ザンバットバットをスライドして、ダークキバは剣を振り下ろした。しかし、それはホープに躱される。ホープもまた剣で突くが身体をずらしてダークキバが躱す。両者共お互いに微妙な距離を取っていた。二人は今、膠着状態になるのを恐れている。その為、お互いの攻撃を受け止めるのではなく、躱すようにしていた

 

「(だけど今のままでは同じだ)」

 

「(奴を倒す為にも徹底的に攻める)」

 

剣が交錯してどちらも引かない状態になるかと思われたがダークキバは右足でホープを蹴り飛ばす。転がるようにして倒れたホープにダークキバが剣を振り下ろすが彼は何とか受け止めて持ち堪えていた。それでも段々と腕が身体に近付いて来ていて、時間の問題だ

 

「ぐっ・・・・・・」

 

もう少しでホープに剣が届く。しかし、それは出来なかった。切羽を連れたアインハルトが逃げて来た為だ。ホープは突然の事で力が緩んだダークキバの剣を押し上げ、体勢を持ち直す

 

「キバ!これでは」

 

周りにはファンガイアの群れが出来ていた。ダークキバはその群れの内、その普通とは違う歪な形をした一体は改造ファンガイアだろうと推測した。二世は自身らの周りに群がる彼らを見てゆっくりと口を開く

 

「反対勢力のファンガイア共だな」

 

「雑魚ばかりだ。大した事はない」

 

ダークキバはザンバットソードを構え、ホープを警戒するがホープは自身の戦いを邪魔した一番前にいるファンガイアに文句を言う

 

「おい!邪魔をするな。奴は俺と戦っていたんだ」

 

「ロードの命令です」

 

「何?」

 

顔が見えない為、どんな表情をしているのかは分からないが拳を強く握っている事から悔しいのである事は分かる

 

「キバを確認。最優先対象はアインハルト・ストラトス。キバは死者共が相手をしろ」

 

「リョウカイ」

 

「死者だと⁉︎」

 

「行け」

 

ダークキバは自身の横を過ぎ去ろうとしたファンガイア五体を斬る

 

「貴様らに慈悲はいらないな。絶望と共に死ね」

 

ザンバットバットをスライドし、向かって来た者から斬り捨て、またスライドする。足は前へと進んでいて自身の間合いに入った者全てを斬っていた。改造ファンガイアは躱したが他の者は斬られるしかない。しかし、逃げるという選択肢はレジェンドルガの僕となった時点で消えている。ただ、捨て駒として斬られるのみだ

 

 

そしてその様子を近くでアインハルトは見ていた。今なら逃げられる。しかし、それは出来ない。切羽が頭を抱えて蹲っている以上、逃げられなかった

 

「大丈夫ですか?切羽。早く行きましょう」

 

様子がどこかおかしいとアインハルトは感じていた。何となくであるが切羽の纏う空気が鋭くなっている気がするのだ

 

「ウァァァアアアアアアァァァアアアア‼︎」

 

切羽を中心に風が起こる。それによってアインハルトは建物の壁に吹き飛ばされて気を失う

 

「キバァァァ」

 

風がおさまった時。切羽がいた場所にいる者の姿にダークキバとホープは動揺する

 

「なっ⁉︎」

 

「ありえん‼︎何故・・・」

 

そこにいたのは薄紫色の複眼。黒い鎧とボディー。胸と両脚、両肩にある真紅の魔皇石

 

「キバに・・・似過ぎている」

 

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