魔法少女リリカルなのはvivid×仮面ライダーキバ 〜戦いの運命〜 作:NAGI
切羽がなった姿は言うなれば漆黒のキバ。ダークキバでさえもあの鎧を知らない
「何故・・・あれはキバという他ない」
漆黒のキバがダークキバに向かって来て、パンチを連続で放つ。それを全て躱しながらも彼は違和感を感じていた
「グルァァァ‼︎」
漆黒のキバに改造ファンガイアが迫る。それを見てダークキバは一度下がる。シープファンガイアのところどころが歪な形になっていたりしている姿は改造を施された存在である事を示している
「おい。お前も知らないのか?」
「・・・知らないさ」
「そうか」
改造ファンガイアに漆黒のキバの攻撃が放たれる。その姿は野生的な印象を受けた。彼は改造ファンガイアに対しパンチや蹴りだけでなく頭突きも使い、その攻撃は荒々しい。その様を見て二世が呟く
「まるで獣だな」
しかし、そんな攻撃でも改造ファンガイアを倒している。いや、むしろ予測が出来ない為に改造ファンガイアを倒せたのかもしれない。両の掌から放たれる魔皇力は閃光となってダークキバを襲う
「おい。ここは一時共闘しないか?」
ホープはそれを見てダークキバに共闘を持ちかけた
「確かにそれが妥当か。分かった。協力しよう」
脅威なのはその戦闘力もそうだが、それだけではない。力は自分達よりも少し上なだけ。やりようはいくらでもある。一番の脅威は理性がない事だ。理性がない分攻撃がどうくるか分からない。今まで経験のないタイプ。それゆえに二人共警戒しているのである
「奴はお前の存在を認識している」
「なるほど。つまり、僕へ視線が集中する訳だ」
先程、ホープは彼がキバと言ったのを聞き逃しはしなかった。そしてダークキバに連打を繰り出した。そこから考えられるのはキバを狙っているという事だ
「ああ。そうだ。隙を作るにはお前が近接戦闘。俺が遠距離からの射撃。これしかない」
「まあ、時間があれば他のも思い付くけどそんな時間はないしね。それで行こう」
『gun』
ホープは銃を構えて連射する。それは全て命中した。それによって狙いを一瞬、彼に定めたようだが、ダークキバがザンバットソードで斬る事で対象がダークキバに戻る
「(躱さないのか。いや、躱せない?)」
みづきが気絶しているアインハルトを呼ぶ
「アイン。起きて!アイン!」
ゆっくりと目を開けたアインハルトにミヅキはホッと息を吐く。
「みづき。何でここに?」
「ちょっとね・・・・・・」
みづきがここにいる理由は答えられない。ワタルが今、ダークキバになって戦っている以上、言えばまずい事になる事も考えられるからだ。二世の話では襲いかかった事もあるようなのだから。その為、みづきは答えをはぐらかしたのだが、アインハルトは切羽の事の方が気になっていた為にあまり気にしている様子はない
「切羽は?」
「アインと一緒にいた子ならあの黒い鎧を着て戦ってるけど暴走してるみたい」
アインハルトは切羽の姿を見て目を見開く。明らかに動揺し、狼狽えている
「そんな・・・あれはキバに。それにこれではキバに倒され・・・」
「大丈夫だよ。きっと」
”ワタル君が何とかしてくれる”
その言葉は心の中に仕舞われたけれどみづきの見る目が信頼に満ちているのをアインハルトは感じ取っていた
ダークキバは戦いながらも違和感を感じていた。漆黒のキバは攻撃を避けるという事をしないのだ。ただ、本能のまま暴走するように動くだけで攻撃をしてもそのまま受けるか我武者羅に攻撃をして弾き返す事しかしない。だが、後者の方が多い辺り自衛本能は優れていそうだとダークキバは思った
「大丈夫か?」
執拗に攻撃をされてダークキバが後ろに大きく下がるとホープが近付いて来る
「彼は躱す事が出来ないのかもしれない」
「・・・確かに奴は躱そうとしないな。それなら必殺技をお見舞いしてやれば倒せるだろう。あいつはやばい程防御力が優れている訳でもないだろうしな」
「よし」
ダークキバはザンバットバットに付いているフェッスルを取り、二世の口に咥えさせる
「wake up!」
ザンバットをスライドすると刀身が赤く染まる
”ファイナルザンバット斬”
ザンバットソードの魔皇力が限界まで高められた事で発動する必殺技だ
そしてホープも赤いフェッスルを上部の挿入口に入れ、ベルトに手をかざす
『hope,Lightning burst』
「はあっ‼︎」
ホープが持つ銃の銃口に黄緑色の球体のエネルギーが溜まっていく。ダークキバはザンバットソードを手に迫り、剣を振るがその攻撃はアインハルトが庇うように両手を広げて止めに入った為に当たる事は無かった。それを見たホープは舌打ちをして銃の引き金を引く
「っち。屈め!キバ!」
ダークキバはザンバットソードを持っていない右手で倒れ込む際にアインハルトの手を引いた。ホープの攻撃は球体となって迫り、それを切羽は両手で受け止めようとするも受け止める事は出来ず、後ろに後退する結果となった
「どういうつもりだ?覇王の」
相手と距離が出来た事でホープが二人に近付くが怒っているだろうなとダークキバは分かった。みづきの方をチラッと見ると彼女がいた場所にあった椅子などが倒れていた為、押されたのだと想像出来る。彼女は駆け足気味にこちらへ来ていたのだが、今はこちらを見どうするかだ。ホープは敵を倒すタイミングで邪魔をされた為に怒っている。ダークキバはこちらへ味方すべきなのだろうがアインハルトが庇うように邪魔をしたのには理由が、いや。彼が大事な存在であると考えていた
「場合によっては殺す」
ドスがきいた声で言うホープにアインハルトが懇願するように話す
「あの子は私の知り合いなんです。だから」
「てめえっ」
これは収束がつかなくなりそうだと思ったダークキバは話しを切り替える為に案を出す。その際には声を変えて言うのでアインハルトへの警戒心は大きいのだろうが
「仕方ない。死なないダメージを与えて変身解除だ」
ホープもその思惑に気付いているだろうがこの不毛な話しをするよりかは彼をどうにかすべきだと考えたのかこの話しに参加した
「奴の弱点が分からないが」
「もう一度必殺技を放つしかないか。だが、外すと不利になる。変身を解除させるにも動きを止めて確実性を高めるべきだ」
例えばバインドを使って敵を動けなくするなどがある。しかし、キバの鎧シリーズでは魔法を使えない。ホープも魔法を使うには少々制約があるようだ。それを見てみづきが控えめに手を挙げる
「なら私が。バインドで縛れば少しだけど動きを止められる」
みづきは魔法が得意だ。と言っても攻撃魔法は使わないのでサポート魔法に限られるようだが一瞬でも動きを止められれば行けると二人は考えているので問題はない
「なるほどな。覇王の。貴様はそいつの護衛をしてろ」
「私も戦います」
「足手まといはいらないよ」
また邪魔される可能性もあるし、自分達が放つパワーは人間の身体など簡単に捻れる。掴む時の力加減は出来るがパンチを放つ時などになるとそうもいかない。そうなると危険だし、あちらは掴む場合でも手加減などしないだろう。無謀と勇気を履き違えた今のアインハルトでは余計な死者を生み出すだけだとダークキバはそう思った
「覇王の。今やるべき事は分かるよな?」
「はい」
邪魔することは事は許さない。言外にそう言われ、悔しいという気持ちを抱えながらも切羽を助ける為にその気持ちを我慢する
「大丈夫。彼は助ける」
そう言った瞬間、鎧に埋め込まれた魔皇石が光り出す。その光のせいでダークキバと二世以外は気付いていないがみづきの青い宝石が埋め込まれたネックレスも光っていた
「光ってる・・・」
「凄い力を感じる」
ダークキバの身体に変化が起きる。マントの形が翼になり、複眼の色が黄緑色に。そして魔皇石は碧く染まる
「キバの新たな姿・・・!」
翼を広げ、前に接近する。今までとは段違いの速さ。切羽が反応する前に間合いに入り、ザンバットソードを振る
「(これなら行ける‼︎)」
今なら変身解除まで持ち込めると確信したダークキバは空高く飛翔し、再びウェイクアップフェッスルを装鎮した
「wake up!」
紅く光る刀身。最大限に高められた魔皇力は今まで以上の力を発揮し、周囲にまで影響を及ぼす。空は赤い満月が浮かぶ夜へと変貌していく
「空が夜に・・・・・・」
「はあっ!」
急降下してすれ違いざまに斬る。空を自由に動き、連続して斬ったダークキバはみづきに声をかける
「今だ」
「うん!」
ダメージを負った切羽に水色のバインドが仕掛けられ、それを見たホープは高熱のレーザーが射出する
『hope,burning triger』
それは切羽に当たり、ダークキバがトドメにとザンバットソードで一閃
「喰らえ‼︎」
最早変身を保つ事は出来ず、身体から火花が散ると同時に切羽の変身が解ける。倒れ込んだ切羽をダークキバが抱き抱える。ホッと一息ついたダークキバにホープが話す
「キバ。お前の強さは分かった。だが、それでも俺は勝つ」
「負けないよ。僕にも守りたいものがあるから」
自分の一族という大きな纏まりを。ホープは分かってはいないだろう。だが、彼はダークキバの守りたいものの為に負けないという言葉を否定しなかった
「ふん。なら、守りたいものを守ってみせろ」
彼はそのままテレポートシステムを使ってその場を後にする。それを見届けたダークキバはアインハルトに切羽を渡す。不思議な事に切羽の怪我は軽かったが心配そうに切羽を見るアインハルトに二世が言う
「寝ているだけだ。時期に目を覚ます」
「ありがとう・・・ございます」
ダークキバはアインハルトに聞こえない声量でみづきに待ち合わせ場所を言うとその場を離れた
変身を解いているワタルは下を向いて何かを考えていた
「何か考え事か?」
「あの鎧の力は強大だし誰か制御する者が必要だなと思ったんだけど。キバット族でやれそうなのいない?」
二世には一人だけ該当する者がいた
「思い当たる奴が一人だけいる」
「キバットバット族でも異質の存在。キバードという奴がいる。そいつなら行けるかもしれん」
実力は確かだが性格に難ありだと思っている二世からすればあまりお勧め出来ないもののあの鎧を制御する者が必要だというのもまた事実で。そして彼しか制御出来そうにない事も分かっていた
「明日にでも城に連れて来てもらえる?」
「言っておこう」
誰もいなくなった戦闘の場に人間のを姿したフェニックスレジェンドルガがいた。彼女は改造ファンガイアを回収すると感心したように呟く
「まさかディザイアが蘇っていたとは。それに改造ファンガイアを倒すなんて。彼の実力は私達と同等という事かしら?」
しかし、後ろからクリュサオルレジェンドルガが現れ、彼女の言葉を否定する
「いや。あれは改造ファンガイアの不具合によるものだ」
「どういう事?」
「まだブラッドストーンが馴染んでいないのだろうな」
それだけではないがなとクリュサオルレジェンドルガは思っていたがそれを告げる事はない。単に説明が面倒だったのもあるがそれ以上に言う必要がないと判断していた
「まだ調整が必要ね」
「早く帰るぞ。ロードがそろそろ次の計画に移る」
「では準備が出来たのですね」
彼女の頰が緩む。彼女の言葉に頷いたクリュサオルレジェンドルガは説明を続ける
「ああ。我々最後の同士も含め全てのレジェンドルガが復活した」
「いよいよ始まるのですね。何者も邪魔する事は許されない聖戦が」
二人は戦いがもうすぐ始まるのだと感じていた
次回
『あんたの中の鎧を俺の中に封印させてもらうっス』
『ブラッディローズが呼んでいるのか?』
第15楽章 seal ! 漆黒の戦士 ディザイア