魔法少女リリカルなのはvivid×仮面ライダーキバ 〜戦いの運命〜   作:NAGI

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第15楽章 seal! 漆黒の戦士 ディザイア

ワタルこれから文献を読んで戦争に役立つ情報を集める為にキャッスルドランの中にある廊下を歩いていた。行き先は本棚のある一室。キングの手記を見つけた場所だ。しかし、彼が歩いていると後ろから険しい顔をしたビショップが近付いて来る。おそらく何か話したい事があるのだろうとワタルは歩く速度を落とす

 

「キング。何故、アインハルト・ストラトスを始末しないのですか?奴は貴方の命を狙う存在。始末しても良いでしょう」

 

「彼女を殺すかどうかは僕が決める。僕が許さない限り彼女を殺した者には罰を与えるからそのつもりで」

 

鋭い目を向けてそう言い放つワタルにビショップはなおも質問をぶつける

 

「貴方は一族より人間を取るつもりなのですか?」

 

「そんな事は言っていないよ。彼女はまだ罪を犯してはいない。それなのに殺しては我々の掟に、人間と結んだ協定に反する事になってしまう。ただ、それだけの理由だよ」

 

ただ、それはワタルが見逃しているというだけでファンガイアに危害を加えるのは重罪だ。それもトップに立つキングを襲うという暴挙。二世代前の二代目キングなら即処刑となっていただろう。彼はワタルと違い、甘くはなかった。一族の害になるならすぐに消す。そういう性格をしていた。そんな彼を知っているだけにビショップはワタルのやり方を甘いとしか見れないでいる

 

「しかし・・・・・・いえ。分かりました」

 

ワタルの後ろ姿を睨み付けるように見るビショップ。その目はどこか狂気を孕んだ、そんな目をしていた

 

「貴方も所詮人間側だと言うのですか。キング」

 

 

 

 

 

赤い目をした白色の蝙蝠 キバードと切羽が森の中を歩く。歩いていると足元には小人のホビット族やこの森の警護に当たっているウルフェン族、ファンガイア族の戦士達が見える

 

「おい。どこだ?ここは」

 

「ここはファンガイア族が所有する土地っス」

 

この森にはホビット族が住んでいて、ファンガイアの庇護下にある一族である。そしてこの森はファンガイア一族の中では大切な森。その為、人間などが浸入する事のないように常に警備が敷かれているのだ

 

「何故ここに来る必要がある?」

 

「あんたの中には鎧が存在するって言ったっスよね。そしてそれは力を制御出来なければ世界に破壊を齎す鎧」

 

一応、簡単な説明を受けた切羽だが、そこまでのものだとは思わず、息を呑む

 

「ここに来たのは鎧を封印するのに都合が良い場所だからっス。今のままではまた、あんたは暴走する戦いによってあんたは闘争本能を刺激されて暴走する」

 

キバード達は森の中にある泉の前に着く

 

「お前はそれを止められるのか?」

 

「俺もキバット族の端くれっスよ。甘く見ないで欲しいっス」

 

キバードは切羽を泉に浸からせるとゆっくりと口を開き、それじゃあと言葉を紡ぐ

 

「あんたの中の鎧を俺の中に封印させてもらうっス」

 

封印の儀式が始まる。長くも短い時間。しかし、それが新たな戦士誕生の為の大事な時間なのだ。邪魔する事の許されない大切な

 

 

 

 

 

 

 

ミッドチルダにある古ぼけた屋敷。門には蔓が巻きつき、長い間人が住んでいないように見える。しかし、中は蜘蛛の巣も存在せず綺麗なまま。屋敷の中には次郎がいた。彼がいる二階の部屋のガラスケースの中には二人の赤ん坊を抱えたマヤと共にオトヤがいる写真とオトヤが作り上げたバイオリン 『ブラッディローズ』が置かれていた。次郎によってガラスケースが開けられ、写真を手に取る

 

「オトヤ。お前は今どこにいるんだ?ワタル達も大きくなった。お前の見届けるべき成長を俺は見守ってきた。だが、あいつらを導くのは俺でも他の誰でも不可能だ。親であるお前とマヤが導かなくてはな。なあ、オトヤ。どうしてお前はあいつらの近くで愛情を注いでやらなかったんだ?」

 

写真を手に取った次郎は写真に写るオトヤに自身の気持ちを吐露する。分かっていた。これはキングを守る使命を帯びた自分達がキングであったオトヤを守れなかった為だと

 

ワタル達が親の愛情を受けた記憶がないのは自分達のせい。守るべき者を守れず、ワタルが幼い時からキングとして生きなければならない辛い運命を背負ったのは自分達が不甲斐ないせいだった

 

「そんなものは問わなくても分かるだろう?2代目の力が足りなかったせいだ」

 

不意に自分以外の男の声が響く。振り向けばそこにはドウコがいた

 

「お前がここに来るとはな。何かあったか?ドウコ」

 

さらに自分の生き様に迷いが生じたのかと問い掛ける次郎にドウコは鼻で笑い飛ばす

 

「ふん。俺は自分の生き方を悔いた事はない。それはこれからもだ」

 

悔いるという事は自分の生き様を否定する事だとドウコは考えていた。あの時、こうしていればなどという酔狂な世界に浸る事など愚の骨頂。過去は振り向くものではなく、未来への踏み台。昔からそう宣うこの男を次郎は今は敵という形になったとはいえ、今でも高く評価していた

 

「戻る気は無いのか?」

 

「今更戻ってどうする?俺は裏切り者だ。永遠にな。まあ、目的は変わらん。俺はアインハルト・ストラトスを殺す。それをオトヤのガキが邪魔するのなら怪我を負わせて邪魔出来ないようにする」

 

「お前は相変わらずだな」

 

「ふん。貴様こそな」

 

二人の間に緩やかな空気が流れるがそれはすぐに消える。ブラッディローズが触れていないにも関わらず、音を奏で始めたからだ

 

「ブラッディローズが呼んでいるのか?」

 

自身の主の形見を。 そして教えている。時の到来を。次郎がそう考えているとドウコは背を向ける

 

「ついに時が来たという事だ。オトヤの言うところの運命(さだめ)がな」

 

「キバ、イクサ、サガ、ホープ、ディザイア、アーク。この戦いのカードが全て揃った。一つの世界にいなくともこの全てが目覚めた。最早、止まりはしない。この戦いから逃れる事は出来ん!」

 

戦いが終わるのは世界の消滅か、キバとアーク。ファンガイアとレジェンドルガ。どちらかの絶滅した時だけ。そこには人間も含まれる。しかし、殆どの人間が知らないところで存続をかけた戦いが始まっていた。そしてそれを防ぐ為に新たな戦士が生まれようようとしている

 

 

 

 

「ぐぁああーーーーーー‼︎」

 

絶え間無く響き渡る悲鳴に等しい叫び。身体中を駆け巡る痛みは彼から鎧を抜く為。人間の姿とディザイアの姿が交互に見え隠れする。想像を絶する痛みの中、気を保っているのは痛みが眠る事を許してくれない為か。彼の強い精神力によるものかはキバードにすら分からない。しかし、痛みに耐えようとするその姿は彼も戦士なのだと教えている

 

「楽しみっスね。新たな戦士、漆黒のキバ。ディザイアの誕生の瞬間が」

 

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