魔法少女リリカルなのはvivid×仮面ライダーキバ 〜戦いの運命〜   作:NAGI

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第1楽章 start! 先祖の形見と覇王との邂逅

ワタルの一日はバイオリンとリュウヤに割かれる。バイオリンに割かれるのは音楽、特にバイオリンが好きな為。リュウヤに割かれるのは唯一無二の友人である為に一緒にいる事が多く、更にはファンガイア関係者でもあるので必然的に時間が多くなるのだ

そして今日は学校も終わり暇だった為にリュウヤと遊んだワタルは夜。タキシードを着崩したワイルドな男性 次狼ことガルル、燕尾服を着た屈強な男性 力(リキ)ことドッガ、セーラー服を着ているラモンことバッシャーがいるキャッスルドランに来て、彼らと本棚を整理していた

 

しかしその最中、ラモンが一つの赤い古びた本を手に取った時。突如本が光り出し、弾かれるようにラモンは本棚に背中をぶつける

 

「うわっ!」

 

その際に出た音に気付いたワタルたちがラモンに近付く。まず最初に口を開きかけた次狼だったがラモンの近くにある赤い本を見て顔色を変える

 

「これは・・・」

 

特に変わった様子もないただの本にしか思えなかったワタルは次狼に問いかける

 

「次狼さん、あれが何なのか知ってるんですか?」

 

「ああ。ワタル。その本を左手で持ってみろ」

 

言われた通りに手袋をした左手で本を持つが何もない。ますます不思議に思うワタルに反し、次狼は何かを確信したかのように笑い、指示を出す

 

「これに意味あるんですか?」

 

「慌てるな。直に分かる。一度地面に置け。力。今度はお前が持ってみろ」

 

すると力はラモンと同じように弾かれるように後ろへ後退させられる。まるで何かが拒絶しているかのようで三人は困惑した顔を見せた

 

「ねえねえ。どうしてワタルだけ大丈夫なの?」

 

「それは初代キングが後世のキングに残した本だ。おそらく、レジェンドルガとその時代に生きた王たちについて書かれている。覇王についても詳しくな」

 

ファンガイアの王家には初代キングの警告にも似た遺言が残されている

 

”イングヴァルトの子孫と関わるな。もし、関われば苦難が待ち受ける”という謎の遺言が。ワタルは一度ビショップに聞いた事がある。何故こんな文を初代キングは残したのかと。その時返って来たのはますます困惑させるような答えだった

 

『初代キングは覇王とご友人でした。共に切磋琢磨し合う相棒のようだったと言われている程に。だから私も何故そんな文を残したのかと言われても分からないのです。ただ、私は覇王との間に何か二人の仲を切り裂く何かがあったのではないかと思っています』

 

だが、だからこそその日からワタルはその二人の仲を切り裂く何かがあったのか、何故あのような遺言を残したのかを知りたいと思っていた。その答えが今、目の前にあるのだ。気付けばワタルの喉がゴクリと鳴っていた。ただ、白紙なので何か見る為の仕掛けがあるのだろうと考えていた

 

「じゃあ、曽祖父さんがなんであんな言葉を残したかも・・・」

 

「書かれている筈だ。魔皇力を込めてみろ」

 

ワタルが次郎の言う通りに魔皇力を込めると何も書かれていなかった本に文字が浮かぶ

 

「文字が・・・」

 

ワタルはページを開くと息を呑む

 

 

 

 

一時間掛けてワタルは初代キングの手記を読み終えた。その文に書かれていたのはワタルの疑問を解いてくれた。だがまだ全てではない

 

「なるほどな。これで幾らか謎は解けたな」

 

「はい。でも最後に書かれていた我がクイーンの形見って何だろう?」

 

「さあな。それはまだ分からん」

 

初代クイーンの形見とは何なのか、この場にいる誰も分からなかった。初代クイーンの形見はおそらく紛失したのだろう。あるのならばワタルが、次郎たちが知らない筈がないのだから

 

しかし場所が分からなくてもワタルはミッドチルダにあると思っていた。何故なら、初代クイーンが死ぬ間際まではあったと記載されており、初代クイーンはミッドチルダで亡くなったのだ。そしてその後、何らかの理由で紛失してしまったのだと思っていた

 

幸いにも最後の行に、クイーンについて書かれた本をキャッスルドランの本棚のどこかに隠したと書かれている。ならば見つかる筈。まずは本を見つけ、初代クイーンの形見が何なのかを知り、場所を特定しなければならない

 

「じゃあ、僕は明日から形見について調べときます。場所も分かると思うし」

 

早速明日から始めようと思ったワタルだが次狼がそれに待ったを掛ける

 

「待て。それは俺たちがやっておく。お前はヴィヴィオと覇王の末裔に気を配っておけ。その二人を狙う奴らが現れるかもしれんし、覇王の末裔が本当に初代キングが記した通りなのか知る必要もあるしな」

 

「だけど・・・」

 

しかし、それでもワタルはまだ調べる気があった。それに気付いた次狼は自分の本音を話していく

 

「いいか。お前はまだ子供だ。オトヤのように一人で簡単にこなせる物は少ない。だが力なら、オトヤに負けているとは到底思えん。もしかしたら凌いでいる可能性もある」

 

「僕が父さんを?」

 

ワタルは次郎の言う事が信じられなかった。なんせ、オトヤは歴代キングの中でも最強だと言われているのだ。それに対して自分はファンガイアのなり損ない。ファンガイア態になる事は出来るし、その力は上級ファンガイアとやり合える程である。だが、なった後の後遺症がとてつもなく凄い。力の反動とも言うべきそれはファンガイア態の途中になる事すらあり、とても実戦で使うにはリスクが高すぎる。所謂宝の持ち腐れという奴だ

 

自分はファンガイア態にならなくてもある程度はファンガイアと戦えるがファンガイア態になると力の制御が難しい。しかしオトヤはファンガイア態にならないで中級ファンガイアと余裕でやり合えるし、ファンガイア態になっても力の制御は完璧。ファンガイアになると自我を失いかける事すらあるワタルとは正反対なのだ

 

なのにも関わらず自分が父を凌いでいる可能性すらあると次狼は言う。ワタルはそれがお世辞であっても嬉しいと思った。そう言ってくれるという事は自分を認めてくれているという事だから。ただし、次狼はお世辞でもなく、本当にそう思っていたのだがワタルはそう思わなかったようだ

 

「ああ。だからこそ、お前は二人に気を配っておく必要があるんだ。これから先に起こる戦いではどちらかが重要なキーマンとなる。奴らの手に渡るような事があってはならない。分かるな?」

 

小さくコクンとワタルは頷く

 

「これはお前にしか出来ないキングとしての責務だ」

 

ワタルは次狼の言う通りにする事にした。それが最善だと思ったから

 

「はい。でも、何か分かったら教えて下さいね」

 

だが初代クイーンの形見が何なのかは気になるのでちゃんと報告するように釘は刺したが

 

「ああ。ほら、早く寝ろ。もう子供(ガキ)は寝る時間だ」

 

「おやすみなさい」

 

そのままワタルは部屋を出て、寝室に向かって行った。それを確認した次狼たちは再び作業を再開した

 

 

 

 

〜翌日〜

 

昼の時間 ワタルはリュウヤと屋上でご飯を食べながら話していた

 

「今日さ。ワタルは用事あんの?」

 

「ないけど・・・」

 

キングの仕事はやる事が少ないから楽だというのはオトヤの弁。まさにその通りで、やる事は全くないので趣味に一日の大半が割かれるがワタルも今日はやる事がないので暇だった

 

リュウヤはワタルの言葉を聞いてガッツポーズをする。ヴィヴィオは近所に住む妹みたいな存在で大事に思っているから試合を応援しに行ってやりたい。だが流石に女子ばかりがいる所に男一人だけで行くのは気が引ける。その為に女子がたくさんいても全く気にしないワタルについて来て貰おうと考えたリュウヤはすぐに誘おうとした

 

「よし。じゃあ、ヴィヴィオがスパーやるから来てくれって言ってたから一緒に行こうぜ!」

 

「分かった。でも、一応あれは持って来なよ?襲い掛かるだけの価値がある人ばかりいるんだから」

 

確かにナンバーズは数人は絶対に来る。しかもヴィヴィオは聖王だからファンガイアが襲い掛かって来ても不思議ではない。ならばワタルの言う通りアレを持って来た方がいい

 

「分かってるって‼︎」

 

そう判断したリュウヤは満面の笑みで返事をする

 

「(・・・・・・不安だ)」

 

 

 

 

 

 

〜放課後〜

 

ワタルはリュウヤと彼の家に向かっていた。リュウヤが持って来ない可能性は高いので付いていく事にしたのである。やがて二人の目の前に一軒家が見え、リュウヤが鍵を開け、扉を開ける

 

「ワタルはちょっと待ってろよ」

 

「うん。なるべく早くね」

 

「ああ‼︎」

 

ドタドタという音と共にリュウヤは家の中に入り、階段を登って行く。その直後、ガシャガシャと何かを漁る音が数分の間、響き渡った

 

 

 

 

 

しかし漁る音が止むとリュウヤが出て来る。少し疲れた顔をしており、少し息切れを起こしていた

 

「お待たせ〜」

 

「あったの?」

 

「入れといたっての。じゃあ、行こうぜ」

 

その言葉とともにリュウヤはすぐに息を整えると区民センターに向かって歩き始めた

 

 

 

 

区民センターに着いた二人は中に入るとどんどん進んで行く。やがて練習場へ足を踏み入れると女子の人集りが出来ているところに近付いて、10歳くらいの金髪の少女に声をかける

 

「よう、ヴィヴィオ」

 

「あっ!リュウヤ!ワタルさんも!」

 

高町ヴィヴィオ。彼女はリュウヤの家の近くに住むご近所さんで母親は高町なのは。因みにワタルが少し怖かったりする

 

「お前、スパーって誰とすんの?」

 

リュウヤがヴィヴィオに問いかけると答えたのは近くにいた赤髪の女性 ノーヴェだった

 

「あいつだよ」

 

ノーヴェが視線を向ける方に二人が目をやるとそこにはアインハルトがいて、ワタルが小さく声を上げる

 

「あっ」

 

「あいつは・・・」

 

二人は戸惑いが籠った目でアインハルトを見ている。まさか彼女がヴィヴィオの相手だとは思わなかったがワタルにとっては彼女を見極める良い機会だと言えた

 

「アインハルト・ストラトス」

 

初めて覇王の末裔と魔皇の末裔が邂逅を果たした日であった

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