魔法少女リリカルなのはvivid×仮面ライダーキバ 〜戦いの運命〜 作:NAGI
ダークキバとイクサ。なのは達の戦いが始まる。イクサに迫るアインハルトとダークキバに迫るフェイトと怯えて縮こまるフリードを抱き抱えるキャロにこの状況を上手く飲み込めず、立ち竦むなのは達。そして上空で待機しているキャッスルドランとククルカンと少し離れた場所で見ているフェニックスレジェンドルガ。彼女は戦うつもりがないのか、微動だにせずにいる
アインハルトの拳が連続してイクサに放たれる。それを躱しているイクサに険しい目を向けるアインハルトはパンチを繰り出しながら話した
「貴方はまた私の邪魔をするのですね‼︎」
一度、バインドで止めた時の事を言っているのだろう。そしてアインハルトには明確な怒りが存在しているのをリュウヤは感じていた
「いやいやいや‼︎なんでそうなる⁉︎邪魔してんのはお前だろ!」
「問答無用‼︎」
アインハルトの拳を躱し、後ろに大きく後退したイクサ。彼は攻撃をする訳にもいかず、焦り始めている
一方のダークキバも冷静とは言えない状態だった。彼は本気で戦えば彼女達が来る事は分かっていた。まさか捕まえようとして来るとは思っていなかったが、それでも逃げ切れる自信がある。今、彼が持つカードの中で使える者は二つほどだ。ただ、それを使えば大なり小なり彼女達が怪我を負う可能性があった。言い方は悪いがワタルにとって初めて会ったキャロ達がどうなろうとあまり関係の無い話。だが、ヴィヴィオやリオ、コロナ。ミヅキ、なのはやフェイト、ノーヴェといった一部の者は別だ。なるべくならあまり傷付けたくはないというのが彼の思いであった
「(・・・どうすればいい。敵を狙おうにもこのままでは)」
敵を逃すつもりはない。おそらく相手もまだ逃げるつもりはないだろう。そして理由は分からないが戦うつもりがないという事も。それが分かっていても、この状況に苛立ちを覚えていた。人間に危害を与えた事などない。むしろ自分は人間を守って来た。なのに何故、自身に刃を向ける?黒い感情が彼の心を蝕み始めるが、その考えを打ち消すように首を横に振る
「とりあえずはこの状況を打破しなければならないぞ」
「分かってる」
その時、スワローテイルファンガイアが現れる。なのは達が異形の存在に身構える中、ダークキバは安心したような声を出す
「ビショップ!」
突如現れたスワローテイルファンガイア。その正体はチェックメイトフォーの一人『ビショップ』だ。ワタルに魔術を始めとする力を教えた者でもある。今はキバットバット三世と共に調査に向かっていたのだが。ビショップはダークキバに向かって膝をつき、頭を垂れる
「ただいま帰還いたしました。王よ」
「うん。あれを頼める?」
「・・・貴方の頼みならばなんなりと」
そう言うとビショップはダークキバの前に立ち、光の壁を出現させた。壁はサークル状になのは達を囲むように展開され、一種の結界でもあるこの壁はダークキバ達が逃げる時間を作るには十分すぎる時間を与えていた
「逃げられた‼︎」
結界を破壊しようとした瞬間、結界が消えたがそこにはもう彼らの姿は無い。悔し気に唇を噛むフェイトとアインハルト。正義の為、復讐の為。目的は違えどダークキバを追う二人の姿はなのは達を困惑させていた
一方で無事に逃げ切ったダークキバ達は周囲を警戒しながらビショップに話しかけた
「ありがとうビショップ。助かったよ」
「礼には及びません。それよりもご報告が」
変身を解いたワタルとリュウヤ。ビショップも丸眼鏡と黒いロングコートを着用する長身痩躯の男の姿になる。ビショップがワタルに話をしようとした
「うん・・・っ!」
木にもたれかかったワタルはダークキバに変身した副作用から痛みが走り、小さな呻き声が溢れる
「あんま無理すんなよ」
「・・・やっぱり闇のキバになるのは・・・疲れるね」
自嘲気味にそう話すワタルだが、数分もすれば痛みが引くレベルの軽いものだ。そしてビショップは頃合いを見計らって膝をつき、頭を垂れる
「キング。アークの遺跡からある物を発見しました」
「ある物?」
「ブラッドストーンです」
ビショップの言葉にリュウヤは疑問の声を上げた。その疑問に答えたのはワタルだ
「ブラッドストーンって何だよ?」
「かつての戦いにおいてレジェンドルガを封印する時に使われたという伝説の石。伝承によるとその石は封印の力を増幅させ、半永久的に持続させる能力があると言われている」
更にワタルの言葉を二世が引き継ぎ、自身の考えを話す
「奴らは蘇った。それは外部から何者かの干渉があったとしか考えられない。封印された者に抵抗する力などある筈はないからな。まあ、ワタルは奴らが復活した際に回収したものと思っていたようだが、手札は出来るだけ増やしておきたい」
「何者がやったかどうかはまだ分かっていないけど・・・それは遺跡を調べればいずれ明らかになる。今は彼らを倒す事が先決だよ。そうしなければ世界は闇に覆われてしまう」
ワタルの強い決意がこもった言葉にリュウヤとビショップが頷く。二世も頷いてはいないが考えは同じ筈である。しかしそこにフェニックスレジェンドルガの声が響いた
「なるほど。今代のキングも中々・・・」
彼女はワタルと木を挟んで背中合わせの状態だった。気配がしないのにも関わらず、声はする。警戒を高めたワタルは距離を取ると臨戦態勢を取り、戦おうとする。しかし、それを制止するようにビショップがワタルの前に出る
「盗み聞きとは趣味が悪い。キング。少しお下がり下さい。ここは私が」
「レジェンドルガはこの世界を手中に収めたい。ですが、その為には貴方達ファンガイアを排除
そう話すフェニックスレジェンドルガにワタルは厳しい目を向ける。一族を滅ぼすと告げているのだ。とても無視出来る内容ではない
「それは我々への戦線布告と思っても?」
「構いません。この戦いはレジェンドルガが滅ぶか、ファンガイアが滅ぶまで終わる事はありません」
ファンガイアとレジェンドルガ。 この二つの一族の戦いは魔族の存亡に関わる。もちろんその戦いからワタルは逃げる事は許されない。ワタルにはキングとして一族を、一族と友好を結ぶ魔族を守る義務がある。とはいえ、ワタルに逃げる気は微塵もないが
「消えるのは貴方達だ。ファンガイアはキングの誇りにかけて必ず守り抜く‼︎」
「ファンガイアを滅ぼす。これはアーク様のご意志!私達はアーク様への忠誠を示す為、ファンガイアを滅ぼします‼︎」
「変身‼︎」