ダンガンロンパカウントダウン 人の数だけ絶望がある   作:和沙

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プロローグ2

ボヨヨーン!

 

そんな音と共にそいつは出てきた。えっ、縫いぐるみ?白と黒っていう配色は評価するけど、それ以外はダサいね!

さっくり言うと、私達から見て左は白ベースの可愛らしい縫いぐるみ。目は黒い。

右は黒ベースの何だかおっかない縫いぐるみ。目が赤い模様があって、何処となくギラギラとしている。ずっと見てたら具合悪くなりそう…まぁ見ないんですけどね!

 

「…お前何考えてんの?」

「クマの配色がダサい件について。舞沙もダサいと思わない?」

「思うけど大事なのそこじゃねーよ!もっと他の奴みたいに慌てろよ!!」

 

他の奴?ちょっと見てみるか…

 

「いきなり何なんだ?全く、我等にこんなイタズラしている暇がよくあるな」

「えっ、何あれ………原口君、あれボクとキャラ丸かぶりじゃない?」

「何処が!?まだあのクマの事何もわからねーのに!?」

「成る程。実に面白い」

「今そんな事言ってる場合かな…?僕渡辺さんがよく分からないよ………」

 

…何か、私の思ってた慌てるって言葉と違うとです………入木です………

 

「あいつら何なの!?」

「ほら、やっぱり私の反応は普通」

「コラーーー!ボクに話をさせろーーーー!!」

 

するとそのクマは、私の言葉を遮り大きな声でそう言った。

 

「え。今変な声出したの誰?」

「谷崎君、多分ピエロさんじゃないかしら〜」

「何でもそいつのせいにするなよ!後、希望ヶ峰学園の学園長様に変な声とは何事だー!!」

 

あれっ、今あいつ喋った、よね?え、え??

 

「し、喋った…」

「尼寺さーん?そんなに驚く事じゃなくな〜い?今時の学園長のスタイルだよ!そんな事も知らないの〜!?」

「そんなスタイル今初めて聞いたけどー?」

「んもう、猫じゃないからって冷たいなぁキミは。ていうかさ…話していい?」

 

確かにこのままだと埒あかないよね。皆そう思ったのか、その言葉を切っ掛けに話すのを止めていた。

 

「えー、改めまして。ボクは希望ヶ峰学園の学園長の“モノクマ”。これから共同生活を送る上で先生にあたるからね!忘れないでよ!!」

 

ん?ちょっとwait。それって何・何・だ?

リア充御用達のテラスなお家なの??本当に本当に止めて頂きたい。

 

「共同生活?そんな事より旅に出たい」

「ねぇ西條クン話聞いてた?共同生活つってんだけど」

「三文字以内で説明してくれないとそろそろ飽きるぞ」

「おいおい三文字は無茶だろ!せめて、うーん…どんだけありゃ良いんだ?」

「何でそんなにキミ偉そうなの渡辺さん!?朝尾君もそこじゃないよ!…もう説明するの面倒臭くなってきたから電子手帳配るね。オマエラ自分の取って」

 

そういうと奴は私達の電子手帳?をぶん投げてよこしてきた。どうやら名前が書いてあるみたいだから、何とか私のを探して取った。

 

まぁシェアハウスの様なものだろう。確か希望ヶ峰学園は全寮制みたいだし。

そう思っていた時期が私にもあった。

 

そしてその考えが甘過ぎた事を知る。

 

 

校則①あなた達はこれから、この希望ヶ峰学園で共同生活を送ってもらいます。共同生活に期限はありません。

 

は?何この一文。大分意味が分からないんだけど。期限は無いって何??

 

「あのさ、この期限は無いって」

「今から説明するから入木さん黙ってて!言葉の通り、オマエラには一生此処で生活してもらいます!!折角の希望だもん。勝手にいなくなられたら困るしね!」

「はぁ…?何、俺達の人権は無視?俺達が動けない事の方が世間的には困ると思うんだけど??」

ロアちゃんめっちゃ荒れてる…そりゃそうか。

「あまり変な事をぬかす様だと我等も黙っていないぞ?」

大里さんも怒りを抑え込んでいるのが伝わってくる。誰だってそうなるよねぇ………

 

「でもでも〜、此処から卒業できちゃう方法が一つだけあるんだよね!ねえねえ、知りたい?」

「碌な話しなさそうだけど、聞かないよかマシだわ」

「そんな愛原君含め皆に大発表〜!!それは〜………」

 

 

 

 

 

 

「この中の誰かを“殺す”事だよー!方法はそれだけ!!」

 

 

 

 

は、え、何なん?殺す??遂に法律度外視ときたか。何このクマ。意味分かんないんだけど!?

 

「え、えっ、アンタ何言ってんの…?」

「何言ってんのはオマエラだよー!同じ事言わせないでよね、プンプン!だから、この中の誰かをサクッと殺っちまえばいいんだってば!!」

「お前、自分が何言ってるか分かってんのか?」

「分かってるよ煩いなー。何かのトーナメントみたいで楽しくない?」

「楽しくねーよ!頭おかしいんじゃねぇの!?」

「こ、殺すだ何てそんな…私達の中に殺してもいい、何て人が居る訳無いじゃない………」

ひたすらオロオロと戸惑うてっちゃん、皆が言えてない事を言ってくれて代わりに怒ってくれてる舞沙、涙目であのクマに当たり前の事を話す広井さん。

 

そんな私達の色々な思いを、あいつはこんな言葉でぶち壊すんだ。

 

 

 

 

 

 

「それはね、オマエラが決めるんだよ。誰が好きで誰が嫌いか。誰と生きたくて誰をぶっ殺すか。自分だけ生きるのか自分を殺すのか。その先にある“絶望”がボクは見たいんだ」

 

 

絶望?こいつは一体何を言っているんだ??というか、こんなに憤っている私達を見て何も思わないの?

いや、何も思わないっていうより…

 

「あれ〜?さっきまで皆元気一杯反抗期!って感じだったのに。つまんないの〜」

 

こいつ、ワクワクしてる。こんな状況なのにワクワクしてる………

 

 

「テメー何言ってやがる?あんまり舐めた事言ってっとぶっ飛ばすぞ」

 

 

このクマの恐ろしい言葉や此処の恐ろしいルールに怯み、何も言えなくなった私達に藤井さんのそんな声が響き渡った。

 

「舐めた事ってなーにー?ぺろぺろしちゃう感じ?」

 

「テメーのその態度だよ…なぁ、殺すのって誰でも良いんだよな?」

「そうだよ〜!おっ、早速やる気?やる気のある生徒で先生は感心です!!」

 

藤井さん何する気…?そういえば、藤井さんって結構モノクマの近くに居た様な。

 

そんな事を思っている間にも藤井さんはどんどん手をパキパキと鳴らしながらあいつに近寄っていく。あれ、まさか。

 

 

 

 

「えっ、ちょっとキミ何する気」

 

「アタシが殺るのはなぁ………テメーだよモノクマ!オラ、くたばれ!!」

 

 

 

 

 

 

そのまさかだった。あの少しの間に、彼女はモノクマの頬に一発パンチを決めていた。流石暴走族の仲間だっけ…?全く手捌きが見えなかった。

しかも藤井さんがぶん殴ったせいで、そのモノクマとやらはバラバラに壊れている。これじゃあ話すのはもう無理だろう。素人の私でもそう分かる位に破壊されていた。

 

「はんっ、大した事無いんじゃねぇか。おい、あんな大口叩いといてすぐ殺られるとはだらしねぇな?」

 

 

 

 

「オイオイ何してくれてんだよオマエ!お陰でスペアが一つ減っちゃったでしょーが!!」

「はんっ、だからどうした?テメーが変な事言うから悪いんだろうが」

 

いやいや!藤井さん普通に会話してるけど、一度壊れた筈のものがもう一回出てくるって、なかなかおっかないからね…?

 

「ていうかテメー予備あったんだな」

「予備あっても破壊しちゃ駄目!校則読めよ!!学園長に手を出すのは校則違反でしょーが!?」

「だから何だ。アタシが校則守れると思ってんのか?」

「それ威張って言う事じゃないんだけど…そっかそっか、そんなに痛い目見たいか。仕方ないな〜!皆!!藤井さんに言い残しておきたい事ある?」

「そんな考え無しにある訳無いでしょ…何で??」

「杜若君ってば冷た〜い!何でってそりゃあ」

 

あれ、嫌な予感しかしない…あいつ、やたら不敵な笑みってやつ?浮かべてるし………

そしてその嫌な予感は案の定当たってしまう。

 

 

 

 

「藤井さんとは此処でお別れだから!出でよ!グングニルの槍!!」

 

 

 

 

あれ、絶対藤井さんを殺す気だ。勿論私に彼女を助ける何て無理な話。そんな事を考えている間にも、どんどんその槍は彼女の元へと向かっていく。

 

ごめんね藤井さん、助けられなかった…

 

人に槍が刺さってしまう所を見たくなくて目を閉じたけど、そんな音まるでしない。何で?

 

 

 

そう思って目を開けてみると、槍からギリギリ離れた距離で、彼女を捕らえた渡辺さんがそこには立っていた。えっ、二人共セーフ?良かったよ………

というか、渡辺さんこっち来る時足音立たな過ぎじゃない?丸っ切り分かんなかった…

 

「君、大丈夫か?手荒な真似をしてすまない」

「あぁ…アタシは大丈夫だ、ありがとな。渡辺が居なかったら、ご臨終だった………」

 

「あー!何で助けちゃうのさ!!折角の見せしめが不完全になっちゃったでしょ!?」

「見せしめね…随分とゲスな事を思い付くものだな」

「やっぱりトラウマでも植え付けないと皆分かってくれないかなって!でもこれでも充分効果覿面みたいだから、今回だけはこれで勘弁してあげる!!でも次からは………本当に殺すまでやるからね?皆分かったかなー??」

 

こんな恐ろしい事されたら、分かったとなるしか無いじゃないか。とんでもないサイコパスだよ…

そんな折、更なる勇者が現れた。もうハラハラさせないでおくれ………

 

 

 

「ねぇ、唐突で悪いんだけどさ。僕の記憶が無い事とお前のよく分からない企みって何か関係ある?」

「ほぇ?何でそんな事聞くの??」

「あまりにもタイミングが良過ぎるんだ。お陰でよく分からない疑いも掛けられるし…関係があるなら今すぐこの場で吐け」

「成る程〜。それはね…」

 

「教えてあげないよ!ジャンッ!!」

 

それで何とかなると思ってるんだろうか?…そんな訳無いよね。多分苛つかせて楽しんでるだけだと思う。

「………うん、僕の事完全に侮ってるでしょ?そんなんで納得すると思う??」

「えー、どうしよっかな〜…」

「おい」

「杜若君怖い〜!ダメよ〜ダメダメ!!あんまり怖いから忠告だけしてあげちゃう!」

 

 

 

 

「君ね、絶対記憶思い出さない方がいいよ。君には致死量を超えた絶望が詰まってるんだ。だから最後までとっておいてよ、ね?」

 

 

 

 

「な、それってどういう」

「んじゃあ、ンジャメナだけに入学式はこれで終わり〜!後は敵情視察なりなんなり好きにやってちょ!!さらばだサラダバー!」

 

言いたい事思う事あいつへの愚痴、杜若君の記憶の謎…頭の中がとにかくごちゃごちゃで訳分かんないけど、これだけは言える。つかこれだけ言って一瞬だけ現実から逃げましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

あいつ、怖がらせるセンスはあるけど、ダジャレのセンスはねー!!

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