この世には天国や地獄、煉獄冥界浄土悪魔神仏罪罰因果善などは存在するのだろうか。
それは人間の中に存在する。それは生きている者達にのみ許された空想。ファンタジー。
しかし、今俺がいるこの世のあの世は一体何と呼べば良いのだろうか?
望めば喜怒哀楽を降せ、星の瞬きすら等しい存在に戻る術を選択し得ないこの日常。
原理との因果が果てしなく、人となりに意味を求めず、専伝異語の言葉もない。
ここが天国だ。
ただ、あの映画の続きが気になっていた。
もう、俺が居たあの世界は初期化されてしまったようだ。
データの一言の皆が、ホントは何処かで死んでいて、俺も死ねば同じところに行けるかと、そんな希望を見ていたかっただけさ。
いつまで生きていよう。死ぬのが怖い。例え、あの世があったとしても、俺には誰も居ないんだ。
空想、フィクション。俺のあの世はここだ。なら、せめて正直に、変わって行こう。星と共に生きよう。
シュミレーションで子供を産もう。輪廻転生を繰り返していこう。本の世界に繰り出そう。ゲームの世界に冒険しに行こう。
女男オカマオナベBLGLなんでも御座れだ。娼婦売国奴正義の味方サラリーマンなんでも御座れだ。
まずは魔法がいい。魔法使いになろう。そして皆を助けるんだ、そして助けて欲しい。
次は学門の仕事がいい、知識を修めて皆に教えてあげるんだ。そして教えて欲しい。
あとは幸せな家庭を持とう。家族を幸せにするんだ。そして幸せにして欲しい。
ここは俺のほかには誰もいない。飯がだんだん美味しくなっていた母さん。
酒癖が酷くなってきた父さん。就職活動中の弟。彼氏に振られた妹。最近立って歩けるようになった姪。
俺を好いてくれた恋人。俺を憎んでる恋人の元彼。そんな元彼と俺の共通の友人。
目の敵にしていた上司。セクハラしてくる女同僚、男同僚死ね。ケツの穴が締まるぜ。ホモォ・・・
ここには誰も、いないんだ。
寂しいよ
寂しいよ
寂しくて堪らないんだ。
寝ても覚めても誰もいないんだ。
どんなに外を歩いても、大声をだしても、誰もいないんだ。
どうしたらいいんだ?どうしたらいいんだ?どうしていないんだ?
だって、だって、だって。
だって、皆なんていないんだ
皆なんてシュミレーションなんだ。
シュミレーションが現世なんだ。
僕ももうすぐ転生するんだ。
楽しみだなぁ。
転生したら、何をしよう、何をすればいいのかな。
今度は女の子になってみるのもいいかな。
なら治安は良い所にしないとね。
子供の名前はなんて付けよう。
里香?和人?
楽しみだなぁ
あ、その前に旦那さんと結婚しなきゃいけないね。
ウエディングドレスはなんか嫌だから白無垢?だったっけか?
それならいいや。
楽しみだなぁ
なあ
はい
月はないって言っていたが、じゃああの月みたいなものはなんなんだ?
はい、あれは星型演算コンピュータです。
今回発見した地球人類の円滑なシュミレーションを行うために製造された、一般的な端末の一つです。
あれが・・・コンピュータだって・・・!
はい、そうです。
お前達のコンピュータってのはあんなのが普通なのか?
はい、いいえ。あれは小規模のものです。本来は太陽系のように複数の端末を並行して使用します。
今回はあの端末のみで完遂可能だと判断されたため、一つのみになります。
大規模のものでは銀河系型・空間型コンピュータを使用します。
・・・俺達の言葉では言い表せないような存在なんだな。お前達は。
はい、いいえ。私達は一生命体でしかありません。生死があり、物質文明の縛りに囚われている矮小な存在でしかありません。
・・・神、のような存在はいるのか?
はい、いいえ。現在までにそのような存在は確認されていません。
地球人類の価値観が持つ宗教のような明確なものは、この物質世界でしか存在できないものだと判断しますが、言語での思考を重ねることによるバグだと定義する事が賢明だとします。
・・・
すでに人類は貴方のみとなる為に、思考の自由は保障されています。
・・・
シュミレーションを開始しますか?
・・・頼むよ。
はい、それでは第130257回シュミレーションを開始します。良い夢を。
その回数は?
はい、今までの4人のシュミレーションの回数です。
そうか・・・
転生とは、優秀な人間にとっては大きな支えになるのに対して、愚鈍な人間に対しては枷にならざるを得ないのだろう。
私はそう実感していた。
ここ数年生きてきたが、私は何も変わらず――他の人間の脳、体、境遇になったとしても――何も育んでおらず、そして、産まれてもいないのだろう。
私は赤子にすらなれない。堪らなく悔しい。嫌だ。私は私でいたいのだ。私は私で新しく産まれたいのだ。
だが、私では無理なのだ。短絡なのだ。可笑しいのだ。能力が足りないのだ。無能・・・なのだ。
どこまでも続く道を、足かせを、荷物を、痛みを、伴いながら進むことは諦めたのだ。
私は、私でいたかったんだ。
今日も・・・夢は見なかったな。いつになったら俺は夢を見ることが出来るのだろうか?いつまで、一瞬で過ぎ去る日常を過ごせばいいんだ?
皆、夢を見ている。現実でも、眠りの世界でも、誰かと一緒に。自分の意識と共に。無意識と共に。私だけは一人なのだ。
そんな無形な妄想を垂れ流すことしか俺には出来ない。次はいつだ。俺が妄想に逃げ込むことは何度目だ。俺はもう生きていけない。
暗い。聞こえない。味がしない。匂いなんてなんの役に立つんだ。
俺にはもう快楽しか残されていない。
堕ちていく。なんて甘美で劣情を催す言葉だろうか。などと続けていくしかないのだ。
俺は腐り果てるんだろうか。もう期限は近そうだ。
僕は私で在りたいと願った。私は俺でよかった。私は僕にしかなれないんだ。どこか遠くでも、ここでも。
誰か助けてくれないかな。僕は楽しかった。私はうれしかった。
狭いよ。狭くて身動きが取れない。ここは、ここにしか居られない人しかいない。坩堝の中だ。
もう壺を割る順番に来たんだろう。次はない。もう次はここなのだから。
神様転生でへりくだっている理由
あなた方生物は、人間の価値観で言う神様なのです。
全能という存在にも限界があり、優劣があり、そして疲弊もするのです。
その疲労であったり、優劣を補うために一定期間を休養として生物になるのです。
日本的に言うのならば、生命と呼べる物は全て神様が宿っているのです。
それこそ、細菌やウイルスと言った物ですら。
そういう意味では、魂が神様という概念で問題ないと思います。
そして、貴方を死なせてしまった私達は、同僚もしくは上司の休暇を阻害した邪魔者になります・・・
ですので、また別の場所で安らかに生きてほしいといったところです。
安らかに、というのは、神様から見て生物の一生が総じて安らかだからです。
大変ですよ、元に戻ったら。
騎士が立ち上がる。金属のギアが磨り減り、関節が磨耗し、体中が軋みを上げながら、しかし、悠然と、勇敢に、力強く、立ち上がった。
それは原初の一歩。人となるべくして立ち上がった人類のように、それは涙する光景。されど、侮るなかれ。これは悲劇の始まり。
人類が犠牲に、自慰の様に消費し、記憶を擦れさせた無駄のように、彼等もまた、新たなる踏み台を欲しているのだ。侮るなかれ。
旧世紀に退化し、血を流し続ける証明をしたまえ。それこそが、古き一歩。彼等に一身の祝福を。
騎士が剣を振るう。腕は精確な尾を引き、分割された消耗品のみが後に残る。剣としての役割を終えた存在は、宿木に身を屈め、静寂はその意味を取り戻した。
出来るのならば、彼等に喝采を、罵倒を、賛歌を。彼等はもう、歩み続けることが出来る。人類が望むべくして望んだように。
彼等の屍を踏み越えてこそ、彼等は産まれていた意味を賜るのだろう。これは推測でしかない、予測でしかない、未来でしかない。
彼等は過ぎるのだ。道が創られたなら、私は進もう。彼等がすぐそこまで歩みを進めているのだから。
人間は立ち上がる。筋肉が悲鳴を上げ、骨が軋み、消耗品としての存在だとしても。
そう、彼等がしてきたように。
これは大体の都合が付く環境を所持している(拾った)人物が、昔を懐かしんでいい気分になりたいが為に、人助けをしていく物語です。
私は、人助けをしようと思うのだ。この時、自分の行動が物語のバタフライエフェクトのように、全体としての利益や人材を損なうとしても、それはその世界が内包する確立の範囲で変化していくだけだ。それならば、その時その瞬間に、良い事象を観測しても良いのではないだろうか。例えばだが、人類は幾度も戦争を起こしているが、その中にはアインシュタインやマイケルジャクソンのような偉人になれた人物や、その祖先が居た筈なのだ。その確立の選別は一体何処にその責任を求められるのだろうか。今回からの事案では、私に責任を追及出来るだろう。何故ならば、私は事実を認識した後に変化を齎すからだ。私は、それでも、誰かを助けてみたいと思う。好きな人たちがいるから。助けたいと思う人たちがいるから。本当は、昔を懐かしみたいから。私はそろそろ誰かに迷惑をかけてみたいと思うから。だから、私は、人助けをしたいと思う。
この宇宙には地球と呼ばれる星がいくつもあって、その星には日本やドイツ、アメリカといった国々が、一定の法則で存在しています。名前が違うことや、消滅している場合もありますが、言語等はほとんど変わりません。
そして何よりもおかしい点。それは地形です。大陸があり、島があり、そして極点がある。それらはどの地球を調べても、ほぼ同じと言っても良いでしょう。少しの差異の部分は、人間の手で変えられた場所ばかりで、世界地図を重ねれば、ピッタリと重なります。
このことから推察するに、この宇宙は……いえ、私たち人類は、何らかの知的生命体……いえ、もっと……
私たちでは認識すら行えない、何かによって制御されているのでしょう。
それが何なのかはわかりません。その何かはご丁寧にも、太陽系から観測する宇宙に、他の太陽系を消去する工作をしています。貴方達が見上げている星空の中に、いくつもの太陽系が、確かにそこに存在しているのです。
この事実を知ることができるのは、太陽系を旅立ち、新たな宇宙を観測できた人間だけ……
……私たちは、人間は……いったい……
人は進化した。科学、人学、知学の最盛により、人間と言う個は、複数の体を持つようになった。赤子、0歳時にニューロンデバイスを脳としたホムンクルスと接続させることにより、一人という『数』は、3も、5をも含む意味となった。
脳を複数持つ状態となり、自分と自分との境界を並列処理しながら融和させ、男、女、無性、両性、そのものの個も融け合わせ、それら個体から得られる情報を受け入れた人間は、自らをリンク生命体、ノーディレスと呼称した。
「一つお聞きしたいのですが。」
「はい、何でしょう」
もう仕事は済んだとばかりに、人心地ついていた彼女に質問を投げかける。
先ほどまであった重圧や緊張を微塵も感じさせず、安らかに答える彼女。
食後のティータイムの軽い会話をしていたかのような気安さに、私は少し苦笑いを零してしまった。
まるで別人のようだ……と、思わずにはいられない。
「死後の事はわかりました。私が転生することも、余剰の力を貸し出してくれることも、人生には干渉しないことも。
ですが――――――ですが、『次の人生が』終わったとき、私はどうなるのですか。」
その時、目の前の彼女が豹変した。
何も変わった訳ではない。何も変わった訳ではないが、『何か』が変わった。
先ほどまでの彼女でもなく、数分前の彼女でもなく、何か、別のものに変わった。
そう、感じた。
「『貴方が』、どうなるのか
それを私の口から言わせるのか、お前は」
今までの人生、一度も知ることがなかった、『意思』を体験した。
足が制止し、血管が太いゴムパイプにでもなったかのような、体中を磔にする血潮。
眼球は乾き、肌はその生命を失わせた色をしている。そこには何もない。命の気配が、どこにも。
息をしているのか、立っているのか、目を開いているのか。それすらも、認識できなくなる。
「私が洗練し、洗礼し、洗源したのは、何故だと思うのだ、お前は」
「私が集成し、偶成し、転成したのは、何故だと思うのだ、お前は」
音を認識できない、言葉を認識できない、声を認識できない。
意味を認識できない、意義を認識できない、『意識』を認識できない。
目の前で起こっている事、行われている事、○されている事――――――
転生して早くも10年。私は原作など、どうでもよくなっていた。
0歳児、真っ当な赤子としてこの世に生まれ、両親と姉の愛情を一身に受け、友達、先生、近所の知り合い達から名前を呼ばれる日々。その日常が、『私』という存在を『僕』に変えた。
「『 』!何が悲しいの?おしめ?お腹すいた?どこかぶつけたの?」
一人の女が私を抱き上げる。その顔は見えずとも、焦燥の表情を浮かべていることであろう。
私としても、何故泣いているのかは、感情の渦に巻き込まれて判断が付かない。
赤子の意識というのは、ここまで暴虐の限りを尽くすものなのだろうか……。
「……え~……ちょっと真面目にわからないよ……どうしよ……。
携帯も繋がらないしっ!姉さんっ!なんで私にお守りなんか務まると思ったのかな……」
この人が私の生命線であり、命綱であり、又は、死神になるかもしれない事を思案すると、私も涙が出てくるようだ。もしかしたら体はそれを感じ取っているのかもしれない。だって、よく見えない目の代わりに、耳から聞こえてくる情報は、唯々慌ただしく、金属音が響いており、悲鳴も聞こえてくるという惨状だった。そりゃ赤子は泣くだろうよ。
私の父と呼ばれる人も、なかなかに騒々しいのだが、普段はこんな大げさに泣かないようだ。その違いは、やはり、命に関わる問題であるからに他ならない。
「うん……困ったときはご近所を頼れとも言われたけど、恥ずかしいな……」
早く頼るんだ!間に合わなくなっても知らんぞ!人の命(私)が掛かってるんだ!誰か助けてください!
そのような、現実逃避の悲鳴を上げることしか、私にはできない。この身のなんと恨めしい事か……。
ひぃめく
自分の死後に、一人だけ、誰かを地獄に落とせるとしたら、あなたは誰を地獄に落としますか?
貴方を責めた人?苦しめた人?嘲笑った人?
貴方を育ててくれなかった父?貴方を育ててくれなかった母?
愛する人を奪っていった男?愛しい人を攫っていった女?
貴方を愛してくれなかった恋人?
貴方を裏切った、一生を添い遂げると約束した人?
貴方たちは、誰を地獄に落とすの?
それを決めていいのは貴方だけ。
貴方が決めていいのはそれだけ。
あなたはどうしたい?