【更新停止】七草香澄の婚約者な優等生と炎髪灼眼の魔法師 作:魂魄木綿季
第一高校 図書館前
達也「既に乱戦模様だな。だが中に入るには突破するしかないか。」
レオ「ここは俺に任せなッ!...パンツァー!!」
レオは達也達を追い越し目の前にいたテロリストにボディーブローを決める。
するとそのテロリストは殴られた勢いで近くに居た仲間を巻き込み吹き飛ぶ
エリカ「あれって音声認識?またレアな物を。よっと」
懐から伸縮警棒を取り出し斬りかかってきた生徒をいなす
レオに目掛けて魔法で石を飛ばす。
レオ「ンなもん効くか!オラオラッ」
それを篭手型CADで殴る事で無力化する
生徒「嘘だろ!」
今度は腰の警棒を使い殴り掛かるが
レオ「ッ!パンツァー!!」
ガギンッと鈍い音を鳴らし再び篭手型のCADで受ける
エリカ「うっひゃー。よく壊れないわね。」
達也「どうやらCAD自体に硬化術式を織り込んであるようだな。
硬化魔法は物質を構成する分子の相対位置を固定する魔法だ。
さらにレオのは音声認識のCAD。なるほど実戦的だな。
さらに10年前に流行った逐次展開で魔法の効果を切らさずに使っている」
エリカ「音声認識なら篭手の中にセンサーを入れておけば外側が壊れない限りは
幾らぶん殴って乱暴に扱っても壊れないってわけね。
ほんと、お似合いの魔法だわ。っと達也くん!ごめん1人逃した!」
達也「(向かってくるなら容赦はしない。レオのパクリにはなるが硬化魔法で...!?)」
構築した硬化の式が完成前に砕けた
達也「(発動しない。なら回避を、)『お兄様!』っ!」
達也が避けた瞬間、そこには真っ直ぐに深雪の飛ばした氷が飛来し
テロリストの意識を刈り取った
深雪「お兄様、ご無事ですか?」
達也「すまない深雪、助かったよ
(・・・今の俺では魔法は危険か。)」
自分の予想を超えるレベルで焦りが生じていることを自覚させられる
エリカ「達也くん、レオが道を開いてくれたわ!」
レオ「先に行け!達也、ここは俺1人で十分だ!!」
達也「...分かった。先に行くぞ、レオ!」
・・・・・・・・・
第一高校 図書館一階 カウンター
達也「...正面の階段の影に1人、階段を上がってすぐに1人、奥の部屋に3、いや壬生先輩を含めて4人だな。」
エリカ「すっごい、そんな事まで分かるんだ。達也くんがいれば待ち伏せなんて無意味ね。」
戦場では出来るだけ相手したくないかな。とぼやく
深雪「お兄様。」
深雪は達也が制服の膝の裾を力強く握り締めているのに気付いた
達也「いや、どうやらここには居ないみたいだ。」
エリカ「達也くん、香澄の事よね?」
流石にそろそろエリカでも気付けるほどに達也の焦りは酷くなっていた
達也「・・・大丈夫だ。今は目の前の事に集中する」
そう言って立ち上がり階段脇にいたテロリストと相対する
エリカ「普段落ち着いてるように見えて結構脆いのね。達也くんて」
達也が昏倒させたのを確認しエリカも立ち上がる
深雪「...」
私では無理なのを理解した筈だったのに。静かに呟く
生徒「誰だ!?」
そう言って出てきたのは階段上に隠れていた一高生だ。
その手にはスタンロッドが握られていた
エリカ「ここは任せて。2人は奥に!」
即座に警棒を伸ばし生徒の動きを止める
達也「...すまない。」
達也はエリカの開けた階段の隙間を走り抜ける
深雪「エリカ、お願いね」
深雪は自分に魔法を使い静かに2階に降り立った
達也「深雪。俺はどうするのが正解なんだろうな。」
ショルダーホルスターから『シルバーホーン』を抜き、ゆっくりと奥に向けて歩く
今となってはその足取りすら危うく感じられる
深雪「・・・お兄様。」
問の意味は分かる。『四葉達也』としてテロリストを鎮圧するか
それとも『婚約者』として香澄を探すか。
その二択に達也は答えを得られていないのだろう
だがそれは深雪にとっては許せない事だ
達也「深雪?」
突然止まった妹を心配し振り返る。だが返ってきたのは言葉ではなかった。
パンッ
達也達以外誰もいない廊下に乾いた音が響く
達也「・・・・・・みゆ、き?」
振り返った直後の妹からの平手打ちにより達也は思考が一切回らず問いかける
深雪「お兄様は卑怯です!私が昔から欲しかった居場所を私以外に譲りながら
譲った相手を、香澄を信頼していないのですか!?
私がずっと欲しかったお兄様の隣はもう...
私は、!お兄様に愛していただければそれで良かったのです!ただ、それだけで。」
当の深雪はと言うと俯いたまま泣き出してしまう
深雪「なぜ香澄なのですか!?私の方がお兄様を慕っております。敬愛しております。
尊敬しております。心より信用しております。忠誠を誓っております。
妹としてはではなく女性としてお兄様を、四葉達也を愛しているのに!
なぜ、なぜ。なぜ私ではないのですか?」
感極まり達也の胸で泣き出してしまった
達也「...深雪。」
深雪「分かって、いたのです。ですが、今のように揺れているお兄様を見ると
どうしても『今ならば私でも』と考えてしまうのです。」
達也「・・・そうだな、俺は香澄を信用してなかったのかも知れない。いや、信用できてなかったんだろう」
深雪「お兄様、香澄はとてもいい女の子です。
正直な所、自分に嘘をつかないあの性格を私自身羨ましく思う面も大きいのです。」
涙は止まったようでいつもの落ち着いた深雪に戻り始める
達也「・・・深雪、こんな時に。いやこんな時だからこそ俺は意思を決めた。お前にこの話をする覚悟をな。
深雪。この間叔母上が来た時に俺にだけ話した事を教えよう。俺の意思で」
真夜『私は今度の師族会議、並びに分家会議にて四葉深雪を正式な四葉の次期当主として発表します。』
深雪「お兄様、それは!」
私では役不足です。と言おうとしたのだが
達也「深雪、お前は俺なんかよりも遥かに高スペックだよ。
魔法技能だけじゃない。一部の事を除きお前は常に冷静だ。
それに俺では出来ない事もお前の才能なら出来るだろう。お前は俺の妹だからな
それとお前が仮に辞退したとしても俺には四葉は継げない。
香澄との婚約を条件に俺は相続権を放棄したからな。」
深雪「・・・お兄様。やはり私では香澄には勝てないのですね。」
深雪が意を決したのを確認し口を開く
達也「次期当主様。私にご命令を。」
達也の言葉を聞き思考を巡らせる。いや、巡らせる必要などなかった。
頬に流れた涙を拭い去り
深雪「四葉達也さん、次期当主『四葉深雪』からの命令です。
現時点で四葉達也への封印を破棄します。
全力を持って速やかにこの自体を収束させ、婚約者七草香澄を連れ帰りなさい。」
達也「はい。ご命令とあれば。我が身の全てをかけましょう。」
言い終えると共にその場には想子の嵐が起きる。
今まで深雪との契約で封じられていた達也の力が完全に戻ったのだ。