【更新停止】七草香澄の婚約者な優等生と炎髪灼眼の魔法師 作:魂魄木綿季
状況は最悪らしい。最初に講堂に向かったメンバーからの連絡が途絶えて
数分後には実習棟、そしてさっきこの図書館の周りのメンバーからの連絡すらも
途絶えだした。今ではもう無線機からは何も聞こえなくなったようだ。
らしい、ようだ。という表現なのは私は今手足を縛られた状態だからだ
―クソッ。もう少しなのに!―
目の前で恨み言を言うのはブランシュの人。
確か日本の魔法機密文献が目的と言ってた。この人達は【差別を無くす】って
言ってたから協力している生徒もいるけれど。
『なぜ差別を無くすために最先端の魔法研究の資料が必要なのだろう。』
これはもう5回は自分に自問自答している問だった。
そしてこの問の答えは全てどんな視点から見ても明らかだった。
【彼らの目的は差別撤廃などでは無く。一高生達はテロ行為に巻き込まれただけ】
一高生達。そうゆうと他人行儀だけど私は四葉くんに言われてから考え直し
その後に抜ける。というのを司主将に伝えた。
結果裏切り者扱いされ。今となっては人質の身だ。
壬生「はぁ。」
先程から考えてはため息をついてばかりいる。
それでも手足を縛られたこの状態では何も出来ないため何となく部屋を見渡すくらい
しか出来る事はない。でも見渡したおかげで偶然にも驚くべき物を目にした
この部屋は機密文書の保護も目的とするため何重にも魔法防護が貼られ
さらにはちょっとやそっとの銃火器では傷すらつかない材質で出来ている。
それはもちろん入口の扉も同じだ。
なのに、その扉が今私の眼前で““一瞬で砂粒となった””
壬生「扉が、なんで!?」
私の声に釣られブランシュのメンバーも消え去った扉を見る
「おい、この扉は最高の防護壁じゃなかったのかよ!?」
「俺が知るか!だがここは核シェルター並と聞いているんだぞ!?
それがこんな一瞬で。そんな事はありえない!」
2人が狼狽えているのが分かる。いや狼狽えている何てものじゃない、パニックだ。
その時、機密文献にアクセスしていたハッキング端末が““バラバラ””に解体された。
達也『お前達の企みはこれで潰れた。投降してもらおう』
消失した扉から入って来たのは銀色の拳銃型CADを構えた四葉くんだった。
深雪「壬生先輩。ご無事ですか?」
四葉くんの後に続き部屋に入ってきたのは彼の妹さんだった。
ブランシュメンバーには目もくれずに私に駆け寄り拘束を解いてくれている
壬生「ごめんなさい四葉くん。私のミスで。」
達也「壬生先輩の事情はあらかた予想がついています。
恐らく今回の襲撃の逃走時に人質として使うつもりで拘束したのでしょうが
生憎。俺も真由美さんも自分の学校の生徒を利用する輩を許しはしません」
四葉くんの目付きがさらに鋭いものに変わる
「ふざけんなよ!四葉だと!?」
「おい。落ち着け俺達にはこれがある!」
そう言って1人が鉛色の指輪に触れる。すると甲高い音が脳に響き
私は頭痛に頭を抑えた。
あれはアンティナイトの指輪。つまり今鳴っているこの音はキャストジャミングだ
「へへ。魔法さえ使えなきゃ四葉と言えどもただのガキだ」
そう言って1人が四葉くんに掴みかかるタイミングを見図っているが
彼は気付いているのだろうか?
静かに構えていたCADを下ろし目の前の相手を見据える
達也「・・・」
四葉くんはキャストジャミングの中だろうと顔色1つ変わっていない事に。
「おらぁ!」
繰り出されたのはただの蹴り。
それはキャストジャミングの中で弱っている魔法師になら効果があったかもしれない
そう““弱っている魔法師になら””
深雪「愚か者。」
目の前の彼女から聞こえたのはその一言だけ。
声には呆れの色がハッキリ出ていた
よく見ればこの子も顔色が変わっていない
そしてドスッ鈍い音がして再度四葉くんの方へ視線を戻す
達也「・・・」
「ゴッ。ハ、」
蹴りかかってきた相手のお腹に無慈悲な拳を入れた四葉くん。
相手は息を切らしてその場に倒れる
「お、おい嘘だろ。なんでキャストジャミングの中でそこまで動ける!?」
これには少しばかり悲しそうに彼は答えた
達也「お生憎と四葉は日本の暗部を受け持っていてな。
俺からすれば実戦では魔法なんてあってもなくても変わらないさ
キャストジャミング程度。言ってしまえば羽虫の鳴き声程度の物。」
そう言って彼はショルダーホルスターにCADを戻す。
まるでお前相手には勿体ないとバカにするように
達也「それと、キャストジャミングだったか。お前如きの力では
三割もアンティナイトの能力を引き出せていない。この程度の干渉力なら。」
そう言って目をつぶった瞬間だった。達也を中心に想子の嵐が起き
壬生「・・・。音が消えてる。」
達也「事象干渉能力の差で抑え込める。お前はもうキャストジャミングも
魔法も使えない。ただの人間になったわけだ。」
その言葉に戦意を喪失したらしく大人しく四葉くんに
拘束されていた。
・・・・・・・・・
第一高校 保健室
あの後テロリストを鎮圧した達也は深雪を連れ十文字、真由美、摩利の
3人を保健室に呼んでいた
十文字「体は大丈夫か?壬生。」
壬生「えぇ。以上は無いそうです。」
真由美「それじゃあ早速で悪いのだけれど、
今回の一件で知ってる事を教えてもらえない?」
壬生「えぇ。全てを話します。」
数分後
話を終えた壬生は疲れを訴えたため眠らせ
廊下で3人は意見を交わしていた
十文字「概ね達也の予想通りなわけだな。いやはや全く恐れ入る」
摩利「全くだ。」
と十文字共々方を竦める
真由美「・・・ねぇ。ところでその達也くんは?」
真由美の一言にハッとなり周囲を見回すがそこには達也だけでなく
いつの間にか深雪までもが姿を消していた
『・・・・・・』
真由美「まさか、2人だけで行ったのかしら。」
摩利「...理由と行き先に心当たりがありそうだな。真由美」
真由美「それは...」
とてもぎこち悪そうに口を開こうとする。が、そこへ
泉美「お姉さま。香澄ちゃんは、まだ見つかっていないのですか!?」
保健室に響いた声で真由美の心情は摩利にも伝わった。
摩利「なるほど。私に講堂の周りを周回するように頼んだのは香澄の配置が
講堂周辺の警備だったからか。
しかし、なぜそこまで焦る?私が言うのもなんだが香澄はそれなりの実力者だ
それこそ1年の中では上位だろう。そんなヤツが...」
物事をスッパリ言う性格のため着々と真由美の心を締め付けていた
真由美「・・・そう、ね。」
摩利「真由美?」
泉美「渡辺先輩。もし何も起きていないなら問題は無いのです。
ですが。あの香澄ちゃんが““達也お義兄様の連絡にすら応じない””
というのを私には、ありえない可能性だと思っています。」
摩利「・・・」
摩利は無言で胸元から風紀委員会用の通信機を取り出しコールした。
もちろん相手は香澄だ。しかし、コール音は無情にも鳴り続けた
真由美「今、摩利が試した通りよ。私も泉美ちゃんも電話とメールの両方を
試したけれど結果は知っての通り。深雪さんも同じく。
何よりも泉美ちゃんが言った通り““達也くんの連絡すら出ない””
のは香澄ちゃんの性格上有り得ないのよ。」
真由美の顔がどんどん暗くなっていく。とそこに2人目の来訪者が来た
水波「十文字様、お迎えに上がりました。」
普段のほわわんとした言葉使いではなくキッチリとした言葉で
十文字に声をかけた
十文字「桜井。・・・なるほど。了解した」
真由美「十文字くん?」
十文字「どうやらやはり突撃して今回の一件を片すつもりらしいな」
水波「はい、既に駐車場の方に車は用意しています」
真由美「それなら私も」
泉美 「それなら私も」
姉妹と義兄、義弟が行くのなら身内の自分もと思うが
十文字「ダメだ。まだ校内にテロリストが居るかもしれない状況で学園の戦力を
外に回すわけにはいかん。なにより、まだ心身共にパニックな生徒もいる
こんな時は人を纏められる人間が必要なのだ。」
真由美「・・・分かったわ。それなら摩利アナタもよ。
十文字くんの言う通り校内にまだ残っているのなら摩利の力が必要だわ。」
摩利「分かった。」
泉美「・・・私は、お姉様のフォローに周ります。」
十文字「そうだな。そうしてくれ。
それでは、行くか。桜井案内を」
水波「はい。」
・・・・・・・・・
アジトに向かう中で達也の用意したジープに乗り十文字の運転の元
作戦会議を開始した。最初は「用意したの俺ですので」と達也が運転を名乗り出たが
「今のお前にだけはハンドルは握らせん。」と十文字が喝を入れた結果今の状態だ
十文字「達也。突撃を企画したのはお前だ。お前が指揮しろ」
達也「はい。まずエリカ、レオの2人は裏口に周り逃げ出そうとする敵の始末。」
エリカ「始末でいいの?」
達也「情報は至る所から手に入っていてもはや尋問の価値すらない。
発見次第始末だ。躊躇わなくていい」
2人が頷くのを確認した達也は次の説明に映る
達也「次に克人さんと、桐原先輩はエリカ達が確保した裏口から突撃を。
敵アジト内のフロアマップ等はすでに端末に転送済みです」
十文字「了解した。では期待に応えるとしよう」
エリカ(どこかで聞いた子のあるような。そのうち体は剣で〜とか言いそうね。)
達也「次に俺と深雪は水波を連れ、正面から突撃します。」
レオ「達也、突撃はいいがお前らの方人数足りんのか?いくら四葉って言ってもよ」
レオの言う人数は危険度との釣り合いの事だ。
達也「その点は安心していい。さらにヘルプで1人来る予定だ。
...と噂をすれば。・・・あぁ俺だ、もう着いたのか。了解した。」
十文字「達也。敵アジトが見え始めたが?」
達也「普通に中に入って大丈夫です。表の敵はアイツが片付けました」
・・・・・・・・・
アジト内の駐車場にジープを止め、各自CADを装備していると赤い服を着た
青年がゆっくりとしっかりした足取りで近付いてきた
?「やぁ。達也達以外では初めましてだな。」
エリカ「赤い制服にその紋章第三高校の人よね?」
一条「あぁ。俺は第三高校の『一条将輝』だ。」
その言葉にレオとエリカ、桐原は絶句するが達也達は一切動じなかった