Fate×Gate = Gate Order =   作:No.20_Blaz

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さてさて。相変わらず少しグダってるんですが…それでも頑張ってご期待に応える所存です。
今回はイタリカ攻防戦の第二回…なんですが…ね。
案の定ですよ。ええ。私の作品を何度か見ている人なら「あっ…(察し)」のはず。
というわけで近代兵器の酷い黙示録は次回に持ち越しとなります…(汗

なにせ今回、開戦前の話を盛り込み過ぎたので、予想よりオーバーしてしまいました…

という訳で今回は夜戦開戦を少しにしてメインはその前の所…というかアニメの五話を丸々したような感じになります。


さてさて無事に出来るのやら…(汗

それではお楽しみ下さい。


チャプター1-2 「イタリカ攻防戦 = 邂逅する者たち =」

敗残兵の末路は、みじめな死しかない。

だが、それは誰かが言ったことであり、実際にそうなるという確証はない。

歴史的にそれが頻発しただけで、実際は敗残兵となれば絶対に死ぬということはないのだ。その理由は敗残兵の行動にある。

敗れた軍にいつまでも居る理由もない。戦いで自軍の敗北が決定したのであれば戦う理由もない。

故に敗残兵となって散り散りに散らばり、故郷へと逃げ帰る。

その間に敗残兵に対しての狩りを行う連中に捕まったりして、惨めな最期を迎える。これが一般的に起こったことだった。

 

が。それが絶対であるというのは先ほども言った通り。敗残兵が絶対に散り散りになるという保証は百パーセントではないのだ。

もしかすれば、というifの確率も少数ながら存在してしまう。しかし、その確率も行動や状態によっては少数から高確率に変化するだろう。

 

 

 

例えば。敗残兵を纏める者がいて、その人物によって部隊として再編されてしまったら?

敗残兵が所謂、残党組織となってしまったら?

 

敗残兵狩りにとっては最悪でしかない。なにせ、彼らは少数の敗残兵が獲物なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――火の手は一か所に集中している。どうやら城門の一つに兵力を集中させているようだ」

 

軽装甲車の上から城塞戦の様子を窺うアーチャー。流石に弓兵というのもあって視力はよく、所々見えないところがあるものの大体の様子は確認できていた。

 

「ま。当然だわな。あの城塞で包囲戦をするならば兵糧攻めだ。だが奴らはあえて短期決戦の一点集中を狙った…と、なれば」

 

「敗残兵を纏める人間はそこそこの経験しかないってことか…」

 

ライダーの読みに伊丹は相手の指揮官のレベルを考え、残党の指揮官が有能というレベルの人間ではないことを知る。一点集中の攻撃は確かに城塞への攻撃ではセオリーと言えるが、当然防御側にとっても戦力を傾けて守ればいいことでどちらにしても多大な犠牲が出ることは確実だ。

ならば包囲戦を仕掛けたり内部工作を行ったりするのが定石だったりするが、後者の場合は前もっての準備が必要なので手あたり次第の彼ら残党には出来ないこと。

であれば最後に残るのは戦力を分散させて攻撃をしかける包囲戦などがあるのだが、結局残党は正面切っての攻撃のみというゴリ押しを選択したらしい。

 

「ありゃバタバタ人がやられてるでしょうね」

 

「だろうな。まぁ、余であっても正面切っての攻撃はするが、あそこまで生ぬるい攻撃はせん。槍や弓の攻撃で城塞への進路を確保。突撃部隊を後方に温存させ、進路確保と同時に進撃。わき目振らせずに城門を突破させる」

 

「強引っていうか…それできたんですか?」

 

「さてな。確かにアイツらの戦い方もありっちゃアリだが。あんな生ぬるい攻撃だと、そろそろ…」

 

 

「残党軍が撤退していく。どうやら、その「そろそろ」だったらしい」

 

「うわぁ…ここからでも嫌な臭いが…」

 

戦いが終わり、残党が一時撤退していくのを見て、車から顔を出した蒼夜は城塞から漂ってくる臭いに鼻をつまむ。漂ってくるのは異臭ともいえるニオイに、鉄分の塊がドロドロの液となって流れて来たニオイで、その中には焦げた肉のニオイも混じっていた。

 

「防衛側もかなりやられたらしいな。見えている限りでは数える程度だ」

 

「それに、あの様子だと辛くもの勝利という感じだの。それもかなり」

 

 

「どうします、隊長。このままいけば戦闘に巻き込まれますけど…」

 

「うーん…」

 

さてどうするか。倉田からの問いに頭を抱える伊丹は目の前に立ち上る煙を見ながら考え込む。

どの道、自分たちはあそこに行かなければならない。だが今は戦闘の真っただ中だ。

では諦めるか。それとも進むか。

いずれにしても、目の前で起こっていることに、彼の頭では二つに一つの状態だった。

 

 

 

伊丹たち第三偵察隊が向かう場所、イタリカがまさか戦火に巻き込まれているなどと誰が思っただろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

交易都市イタリカ。

そこは二つの街道の丁度境目に作られた町で、その拠点としての重要度からか城塞都市として完成していた。

北側には切り立った山岳があり、残る三方にはいずれも城門が建てられている。

絶対の難攻不落とは言えないが、守りに関しては一定のアドバンテージが存在するのは

確かだ。

 

しかし。今回の彼女(・・)初陣(・・)としてはあまりに酷いハンデが列を連ねていた。

 

 

「………はぁ」

 

 

イタリカの中央、統治者であるフォルマル家のある屋敷、その廊下では一人の女騎士が心労と疲労、そして傷などから姿勢がふらついて、今にも召されてしまいそうな様子で歩いていた。

赤毛のショートヘアをなびかせ、装飾のある鎧を着た彼女は帝国の皇女ピニャ・コラーダその人。つまり、日本と戦争をしている帝国の王女だ。

しかし王女だからといって彼女も優雅に自堕落な生活をしている理由ではなく、一人の立派な騎士として幼少のころから訓練を積んできた。

そして今回、その初となる大将としての戦いが幕を切ったのだが―――

 

 

「これが……これが、戦い……」

 

ピニャの心労は自分が予想した以上に絶大で、その心労はまるで全身に錘をつけているかのように全身にのしかかっていた。

柱に手をつき、疲労で倒れそうな彼女は、他の者たちにそんなところを見せまいと平静を装っていた。だが、いざ誰も居ないとなると緊張などがほぐれそれまで耐えていたものが一気に襲い掛かって来た。

 

 

「ッ―――一先ず眠ろう…次の攻撃までは…」

 

そう呟くと、ピニャはまるで重傷者のようにふらついた足取りで用意された客間へと転がり込んで行った。

 

 

 

 

そう。これがピニャの率いる薔薇騎士団の初陣。つまり初めての直接戦闘だった。

それまでは彼女たちは儀式や催しのお飾りとしてしか呼ばれず、これといった戦いに赴いた事が一度もなかったのだ。

理由はピニャ自身でも薄々とは理解していたが、それでも今回の初陣とは何ら関係はない。唯々辛い現実だけが目の前にあった。

イタリカまで足を延ばし、諸王国軍を破ったアルヌスの軍勢の様子見。その為に一度立ち寄ったこの町だったが、イタリカは盗賊かぶれとなった諸王国軍の残党勢力に襲撃されていたのだ。ある事情からその為にイタリカを守ってほしいと頼まれた彼女は、それを受諾。そして初陣を飾ったのだが、同時に彼女は幾多の現実に直面した。

 

かつて正規兵だった諸王国軍が盗賊に成り下がって町を襲撃していたこと。

その前に行われた帝国と自衛隊の戦闘でイタリカに居た正規兵が残ってなかったこと。

残るのは民間人だけで、正規兵は自分が連れて来た三名だけ。

そして兵力と士気の差。民間人ということもあるが、士気は最低の一言に尽きた。

斯くして始まった最悪な初陣。当然、自分も呑気に後方で指揮するという気にはなれず、ピニャも前線で指揮を執り戦った。だが元とはいえ正規兵。練度の差も圧倒的だ。

勇敢に立ち向かった民兵から次々と死んでいき、それによって残された民兵には精神的なダメージしか返ってこなかった。

敵が一時撤退したことで安心はしたが、彼女が民兵に防衛陣の補強を指示した時、その表情は言葉でなくても彼女の心に大きく響いた。

 

まだ戦うのか。また戦えというのか。死にに行って来いというのか。

 

 

まだ、こんなことが続くのか。

 

 

まるで出口のない洞窟に迷い込んだような彼らの表情は、彼女の記憶に深く食い込んでいた。

 

(――――――戦とは…本当に甘くないのだな……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刹那。ピニャに向かいバケツ一杯の水がふっかけられ、その冷たさに直ぐ様彼女の目は覚めた。反射的に体が起き上がり、目の前に顔を向けると、そこには一人の女中と自身の騎士団の一人である男が居た。

 

「ッ…グレイ…それに…」

 

「姫様、直ぐに来てください」

 

騎士のグレイの言葉にまさか敵なのかという予想が脳裏を過る。ついさっき攻撃したばかりだというのにもう来たのかというのには思わず目を見開くが、彼女が敵かと訊ねた時に返って来たセリフは予想とは大きく反していた。

 

 

「―――敵か味方か……」

 

「…どういう意味だ」

 

「兎も角、今は来てください」

 

直ぐに来てほしいということに、グレイほどの熟練者でも指示を仰ぐほどのことかという事態に、ピニャも無言のまま頷くと直ぐに準備を整えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

騎士団の三人。老剣士グレイ、彼よりも若いノーマ。そして秘書官の立場にある女騎士のハミルトン。中でもグレイは歴戦の剣士で、その実力からピニャも心配するまでもないというほどの信頼を置いている人物だった。

そのためピニャが居なくてもある程度の指揮は執れると思っていたが、目の前のことには流石の彼女もグレイが指示を仰ぐ理由に納得するしかなかった。

門にある小さな戸口から外側の様子を見たノーマを除く三人はこの光景に驚いた。

 

「なんでしょうアレ…木…ですかね?」

 

ハミルトンが後ろから聞くが、しっかりと見る事の出来るピニャからは到底それが木でできたものには見えず、恐らくという言葉が前に置かれるが確信を持った。

 

「いや。アレは鉄だ。四方全てが鉄で覆われている」

 

「て、鉄ですか…?!」

 

「あんなものは小官も見た事がありませんな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何者か! 敵でないなら姿を見せろ!!」

 

城壁の上から若い剣士であるノーマの声が響く。止まっていた伊丹や蒼夜たちは一体何と言っているのかを同乗していたレレイに目を向け翻訳を頼む。

 

「敵じゃないなら、姿を見せろ…と」

 

「なるほど。俺たちがこのまま乗ってたら矢の嵐か」

 

「どうしますか。伊丹さん」

 

このまま進むのは当然愚考でしかない。では誰が出るのかというのを考えた伊丹は、とりあえずは隊長である自分が出るべきなのだろうという場の空気に従い、自分と翻訳としてレレイ、そしてテュカたちに同行を頼む。

 

「…取り合えず俺たちが出よう。レレイ、テュカ。それと…」

 

「………。」

 

「…来るの?」

 

「勿論ッ」

 

そしてロゥリィも加わり、三人プラス一人で行こうとした時。

 

「―――余も同行するぞ」

 

「えっ?」

 

愛馬からいつの間にか降りていたのか、ライダーが後方のドアから顔を出して言い出したことに伊丹たち全員が思わず顔を向ける。しかもマスターである蒼夜も突然何を言い出すという顔で驚いており、全員が唖然としている中で率先してマシュが訊ねた。

 

「えっと…どうしてなんでしょうか、ライダーさん」

 

「うむ。ちと気になってな。直接、中を見ておきたいと思っている」

 

「イタリカの中を…ってこと?」

 

ああ、と最低限の言葉でしか答えないライダーにどうしてなのかと理由を尋ねたい蒼夜だが、雰囲気からして易々答えてくれるような様子ではないと見て、一度マシュと顔を合わせると伊丹に対し「言うだけ無駄」と首を横に振った。

これには伊丹もどうするかと考えるも、拒否する理由もないことから一つだけ条件をライダーに言った。

 

「いいけど…他の子たちも同行させる。それでいいか?」

 

「おう。王の警護は優秀なものでなくてはな」

 

「……だ。そうだ。悪いけど、数人連れて行ってくれるかい?」

 

「分かりました。えっと…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人目。まずはレレイが姿を見せる。

 

「あの杖…リンドン派の正魔導師か?」

 

「見た限り歳は十四、五といったところでしょうか」

 

 

二人目。レレイが後から出てくるテュカに大丈夫かと気遣いながら降りてくる様子を確認している。

 

「エルフ…!?」

 

「ッ…魔導師とエルフの精霊魔法の組み合わせ…厄介だな…」

 

「ですがあの種族、見た事ないですね…」

 

「きっと希少種なんだろう。ッ…殿下、また一人…」

 

 

そして三人目。トドメとばかりにロゥリィが降りてきて、得物であるハルバードを片手で軽々と持ち、現れた。その瞬間三人の間に衝撃が走った。

 

「ッ!? ロゥリィ・マーキュリーだと…!?」

 

「えっ…あの少女がですか?!」

 

「ああ。亜神は使徒となった時に年齢が固定されると聞いた。見た目はああだが、年齢は確か五百を超えている筈だ」

 

「確か、死神ロゥリィの年齢は…えっと…」

 

「グレイさん。亜神とはいえ男が女の歳を聞くのは野暮です」

 

「………。」

 

 

正魔導師、エルフ、亜神。この三人だけでもピニャたちにとって衝撃でしかない。特にロゥリィは亜神というだけあって有名で、その姿を見ていた彼女はつばを飲み込むほど。彼女の実力は嫌でも耳にしているため、全身から汗が吹き出し心臓の鼓動も早くなっていく。

死神と呼ばれる亜神。それが二人の付き人を従えてやってきたのだ。悠々と向かってくるその足取りは、まるで彼女に決断を迫らせているようで、無意識の内にピニャの手には拳が作られ、今にも肉が千切れそうなほど握りしめられていた。

 

「―――兎も角。このタイミングで死神ロゥリィが現れるとはな…」

 

「ええ。ですが、まさか神官ともあろうものが盗賊風情の残党に手を貸すでしょうか?」

 

グレイの問いに小さく鼻で笑ったピニャ。彼女にとってその問いは意味のないもの、特にそれがロゥリィのような人物であるなら猶更だ。

 

「エムロイの神官だからな。あり得ないことでもなかろう。なにせ、気まぐれな神だからな」

 

「…神官に聞かれれば事ですぞ」

 

「構わん。所詮、神の御心など…デタラメにすぎん。特に奴らにとってはな」

 

神への冒涜をも恐れないピニャの言い方に、二人は顔を青ざめさせる。事実、この世界に神は存在し、それを真向から否定しているのだ。人間が神を冒涜することがどれだけ愚かな事か、と神官たちはいうのだろうが、彼らにとってはそのたくましい肉体を震え上がらせるだけにすぎないが、その冒涜の相手が戦などを司る神となるとその震えも自分が意識的にやったりすることよりも激しいものになる。

 

「し、小官は何も聞きませんでしたッ!」

 

「わ…私も…」

 

「…ビビり過ぎであろう…」

 

ピニャも二人が怯えることが解らなくもないが、特にハミルトンが戸口から目を逸らして身を屈めたのには流石にやり過ぎじゃないかと呆れてしまう。いくら神に対しての悪口を言ったからといってそれが直ぐに来るわけでもない。

 

「―――で。いかがなさいますか?」

 

「………。」

 

戸口から一旦目を離して後ろを振り返ると、そこには心配そうに自分たちを見つめる民兵の姿があった。外側で何が起こっているのか。また敵なのかと怯えている者も居る。

だがピニャはそれだけでなく民兵の身なりと持っている武器を一通り確認し、現状を把握。そこから一つの結論に至った。

 

「…何故、死神ロゥリィはこのタイミングで姿を現した?」

 

「…といいますと?」

 

「奴は戦神エムロイの使徒。仮にグレイの言う通り、盗賊に手を貸していたとしたら……遅すぎではないか?」

 

「あ。確かに…」

 

しかもロゥリィは先ほどの戦闘では見なかった魔導師(レレイ)エルフ(テュカ)を連れており、その後ろには更に鉄でできた馬車()を置いている。いくら戦神とはいえ、既に戦闘が終わった時に堂々と姿を現すことがあるのだろうか。死神と呼ばれる彼女は戦場に現れ戦うこともある。つまり、仮に今連れている二人を従えて現れるのは戦闘中というのが最も道理的に適っている筈だ。

 

「ということは…盗賊に組みしていない?」

 

「可能性として、だがな」

 

もし仮に盗賊に組みしてなかったとしたら。これが今彼女の中で考えられる可能性の一つであり、最有力候補だ。盗賊と手を組んでいたら、絶対に彼女が戦域に乱入し殺戮の地獄絵図になっていただろうが、その可能性は否定され現在は盗賊に組みしていない第三勢力説が有力になっている。もし、それが事実であるならピニャは最高の援軍を得ることになる。

 

「…しかし、結果として答えは二者択一だ…敵であるかそうでないか…」

 

答えは二つに一つ。敵であるか味方であるか。当然、ピニャとしては援軍であってほしいと願うしかないが、相手は亜神。しかも戦神の使徒だ。どちらに組みした方が自分たちに得するのかが優先され、その場合は確実に神への生贄が多い方が優先されるだろう。

つまり。敵であるという可能性も捨てきれないのだ。

このままどうするかと考えていたピニャだが、時間はその考える間さえも与えてくれなかった。

 

 

次の瞬間には木製の門が叩かれる音が響き、それには近くにいた三人も思わず肩をびくつかせる。もう既に門の向こう側にはロゥリィたちが待っている。

時間はもう一刻の猶予もない。それが余計に彼女の思考を鈍らせ、決断を迫られる。混乱した頭の中で、ピニャはいよいよ決心する。

 

「ッ………すまん。私はこっちに賭ける……!」

 

「ぴ、ピニャ様!?」

 

意を決したピニャの選択。それは門を閉じる木をどかせてロゥリィたちを中に入れるということだった。だがもし敵であるなら目の前に居るピニャたちは確実にやられる。だがそれでもロゥリィのこれまでの行いを考えれば絶対に敵であるという保証もない。

ピニャはそこに一縷の望みを託し、閉ざされていた門を勢いよく鈍い音(・・・)と共に開かせた。

 

 

 

 

 

 

「よ、よくぞ参られた!……………た……た?」

 

すると。目の前にはロゥリィたち三人。蒼夜たちとライダー、セイバー、清姫とマシュ。

 

 

 

 

そして。彼女の目の前でピクリとも動かない伊丹の姿があった。

 

 

 

 

「――――――――わ…………妾?」

 

 

ピニャの問いに全員が無言のまま頷いた。

 

 

 

 

 

その後。ピニャの青ざめた叫びが響き、伊丹の胸に着けた通信機からはランサーの笑い声と桑原の声が聞こえていたのだった。

 

 

 

 

 

 

「伊丹が死んだ!」(レレイ)

 

「このひとでなし!」(テュカ)

 

「えっ妾!?」

 

そんな掛け合いもあったとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方。桑原たち待機している隊員たちやアーチャー、キャスターは目の前でズルズルと引きずられながら門の向こうに消えて行った伊丹の姿に心配な汗を流していたが、隣で蒼夜が心配しないでとばかりに振り向いてくれていた。ただし、汗だくの顔で。

その中でランサーは一人ゲラゲラと腹を抱えて笑っており、笑い死にそうになっていた。

 

「いやぁ…あの兄ちゃん期待を裏切らねぇな!」

 

「ホント…先行き不安でしかないわ…」

 

これには栗林も失笑するしかなく、もうあのまま帰ってこないのではないかと思いもしていた。仮にも隊長なので殉職するならマシな死に方で後任もマトモな人にしてくれと。

もはや頭の中では伊丹の犠牲もやむなしのようになっていたが、一応は隊長というのもあるのか生還を願ってもいた。

 

「隊長、大丈夫なんでしょうか…」

 

「さてな。ただ頭をぶつけただけなら、直ぐに気が付くだろう」

 

その隣では同隊員の富田が心配そうに呟いているが、様子を一部始終見ていたキャスターの差ほどの心配のなさに余計に心配になっていた。一応伊丹の頭にはメットが被られていたので、直接のダメージはなかっただろう。しかし問題は当たり方でかなり強烈な音が彼らの目の先で響いたので、それには面々も思わず口を半開きにして、彼の無事を祈るしかなかった。

 

「……結構凄い音でしたね」

 

「ホント。脳震盪起こしてなきゃいいけど…」

 

その後。桑原の連絡によって伊丹の無事が確認。先にピニャたちに連れられて屋敷へと向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イタリカが帝国の中で重要な拠点であることには違いない。二つの街道に交差した点にこの町が存在しているのだ。だが、そのイタリカではある問題があった。

ひとつは、頭首の不在。そして二つ目に治安の悪化。

前者後者共に、考えられる理由は一つだけだ。全て連鎖的に起こってしまった出来事。自衛隊との交戦でイタリカの主であるフォルマル家の当主が討ち死にしたのだ。

 

 

「結果。イタリカの治安は当然の如く悪化。しかもそこに盗賊風情に成り下がった残党が居ると来たものだ。守るだけでも手一杯…いや明日一日守れるかさえも怪しい」

 

「そんな…」

 

「そして、その中で起こったもう一つのトラブル。後見人争いだ」

 

ピニャに連れられ、伊丹と蒼夜たちはフォルマル家の屋敷の廊下を歩き、道中でイタリカの状況について話を聞かされていた。

門をくぐってひと悶着はあったものの、ピニャがどうにか協力してほしいと願い出たのでそれに乗った彼らは現在こうして説明されながらある部屋に向かっていた。

イタリカの主が亡くなったことで自動的に跡継ぎが頭首を継ぐ。それはこの町、フォルマル家では差ほど問題でもなかった。三姉妹が頭首の娘として居て、その内上の二人が別の家に嫁いでいたのだ。よって残った末娘が新たな頭首となったのだが

 

 

「えっ…!?」

 

「…子どもではないか」

 

蒼夜、マシュは目を見開き頭首の椅子に座る末娘の姿に驚いた。ライダーの言葉通り、そこには蒼夜やマシュ、更にはセイバーよりも若い少女が緊張した顔でこちらを見ていたのだ。

 

「確か、公女は今年で十一のハズ」

 

「じ、十一!?」

 

「先輩は確か…」

 

「…十九だ」

 

「清姫さんよりも若いですよ…」

 

セイバーのセリフにえっ、と声を出した伊丹はセクハラにならない程度にと驚いた顔で後ろに振り返り清姫に歳を訊ねた。

 

「えっ…君、いくつなの!?」

 

「えっと…(よわい)十三です」

 

清姫伝説では彼女はその年で自決したという記録があるので、伝説をもとに英霊として現界しているならその歳が妥当なものだ。だがそこは関係なく、つまりその部屋にいる誰よりも末娘である公女ミュイは若い歳で頭首となってしまったのだ。

そしてピニャは彼女の隣に立ち、話を続ける。

 

「そう。いくら頭首とはいえ、十一の少女に軍を率いろ、指揮をしろというのはあまりに酷な話だ。だから、偶然この町に立ち寄った妾が代わりに軍を指揮している…という訳だ」

 

肝心の頭首がまだ若い少女であるということに驚きを隠せない蒼夜たち。しかも指揮官どころかマトモな兵士が一人も居ないという状況には、もはや口を半開きにする以外反応のしようがなかった。

それを伊丹たちは重く受け止めていたが、ただ一人。今のところ一度も重い表情から顔を変えない人物が居た。

かつて一国を収めていた男、ライダーだ。

 

「…なるほどな。軍は全滅。指揮官も討ち死に。残ったのは愛娘とボロボロの町と民兵のみか」

 

「ああ…正直な話。あと一度の攻撃でこの町が耐えられるかどうか―――」

 

「ムリだな」

 

ピニャに割って入ったライダーはそう断じる。

 

「残ったのは戦闘経験のない民兵だけ。武器も装備も整っていない。食料の備蓄もない。指揮官はズブの素人。マトモな兵士はお前の部下含め四名のみ。これで三日持ちこたえろというのは神に祈るような事ぞ。

 余なら次の戦闘で確実この町が陥落すると断言できる」

 

「ッ……」

 

「第一、何故この町にはロクな兵士が残っていない。これだけの城塞都市なら、治安維持のために最低限その為の兵士も用意されている筈だが」

 

「それは……帝国が治安維持の部隊までも出せと言って来たからで…」

 

「だからといって素直に出す馬鹿もおらんだろう。大方、ここの頭首もそれは知っていたはず。なのに、ロクな兵士が残っていないということは…」

 

中世であるなら治安維持は軍の兵士が行っていても不思議ではない。だが、それを除いたとしても最小限、治安維持のために兵士を残している筈だ。なのにピニャの話では残っているのは自分たち四人と民兵だけといい、残された兵士が居ないと言っていた。それがもし頭首が馬鹿で全軍引っ張りだしたのなら笑い話だが、ピニャの表情からそれはないとライダーは断言していた。

つまり。この町には治安維持のための兵士が最低限残されていた。そして

 

「前線に出て全滅。恐らくあの南門の中にその死体が転がってるだろうな」

 

「それは……」

 

「別に不思議ではない。指揮官として兵士として、戦力として見込めるのであれば当然軍に加える。前線に立たせる。

 だが。今回はそれがマズかった。最低限の兵力であるなら指揮官などにするのではなく、一個の隊として、動かしておけばよかったのではないか?」

 

「……どうだろ。それでも結果は変わらないと思うけどな」

 

割って入った伊丹だが、ま。そうだわなと小声でライダーは呟く。どの道、元正規兵ばかりの残党相手に正規兵少数でどう打ち勝てというのかという無茶ぶりだ。

少数対多数。結果は目に見えているが、仮にライダーの言った通りにしていればもう少し相手に優位に立てたハズかもしれない。

少なくとも、正規兵に素人の民兵を指揮するよりは生き残れたかもしれない。

 

(流石ライダーさん。言う事が違うというか…)

 

(伊達に征服王…マケドニアを預かってないってことか)

 

 

「だが相手は元正規兵だ。対してこちらは兵力も指揮も練度も低い。ならば正規兵を指揮官にして民兵の犠牲を減らすべきで――」

 

「そして、代わりに数少ない正規兵が死んでいった。だろ?」

 

「ッ―――」

 

「………。」

 

 

「図星…なのかな」

 

「でしょうね。ライダーの言葉通りなら、あそこにこの町の自警団的な人たちが転がってると思いますし」

 

「民兵に一騎当千の働きをしろというのは当然できぬ話だ。ならば、それを踏まえた戦法をすれば、民兵の犠牲も最低限に抑えられたのではないか。例えば、敵軍を態と門の中に入れて、市街地でのゲリラ戦を展開する。城壁に敵が上ることを前提に矢の嵐を城壁にぶちまける。やりようはいくらでもあると思うがの」

 

「ッ……!」

 

確かに。イタリカに残された兵力は正直いって正面から残党と戦える戦力ではない。ならば、それを踏まえた戦法を使えば、やり方によっては勝てたかもしれない筈だ。

なのにピニャはあえて正面から迎え撃つという選択をして城門の中に敵軍を入れてしまい、多くの民兵を失ってしまった。

それしか知らないのではなく、そうしてしまったのだ。

 

「正直言うが、世事にも余はそこまで戦略を立てられる頭もない。難しいことは全て参謀任せだった。だが、そんな余でも。それだけのことは上げられた」

 

「………。」

 

 

「ら、ライダーさん…?」

 

「ん。どうした?」

 

恐る恐る挙手して話に割って入る伊丹。恐らくこのままであれば確実に話がこじれるだろうと思った彼は出来るだけ良い空気で話を纏めたいと思い、一言進言する。

 

「出来るだけいい感じに話しまとめて下さいね? 仮にも俺たち、敵陣に居るんですし…」

 

「ああ。そうだったな。だが、今はそんなことも言ってられんだろう」

 

「…まぁそうですけど……」

 

「ライダー。説教はその辺にしておかないと、俺たち何しにここに来たのか…」

 

 

結局。その後伊丹と蒼夜の制止にようやく言い切れたライダーは仕方ないと言って止まってくれたのだが、それ以上ライダーが言っていれば十一歳の隣で姫が泣き始めていただろう。

斯くして、最悪とも言えるような出会いと会話をしてしまった一行。特に蒼夜たちはその後まともにピニャの事を直視することができなかった。

 

「…伊丹さん。後でフォローお願いします…」

 

「ああ…このままだと俺たちにも飛び火…してるだろうな」

 

 

 

 

 

 

 

その後。伊丹たちによって無事に会合は終了。

もっとも、彼らが主導で話を進めてくれたので、ライダーとの会話の後は目立ったいざこざもなく、ある理由で同意することとなった。

イタリカの状況から鱗を売るどころの話ではないと判断した伊丹たちは、イタリカの防衛に協力することにして、第三偵察隊を門の中に。そしてピニャの指示で攻撃を受けた南門の防衛を任されることとなった。

 

「…で。無事にウチの王は悶着を起こしてきたと」

 

「仕方あるまい。まさかあそこまで教科書通りのことをするとは思ってもなかったからの」

 

カルデアメンバーも一旦集まり、防衛の協力をすることを話していたが、それ以上にキャスターは案の定というような顔で呆れており、深いため息をついた。

彼も大方イタリカの指揮官に一言二言、なにか言うとは思っていたのだろう。

 

「ゴメン、ロード…止めるに止められなくて…」

 

「いや。マスターでも止められんだろ。俺でも無理だ」

 

「仕方あるまいて。ライダーほどの武将の王なら、この惨劇には嘆くより呆れが来る」

 

「同感だ。これじゃあヒデェって思うのはなぁ…」

 

アーチャー、ランサーも門の中の様子を見て同情よりも、どうしてここまで被害が出るのかということに呆れるしかなかった。門を潜れば彼らの鼻には嫌というほどの異臭が入って来てアーチャーに至っては思わず鼻を塞いでしまう。死体は片づけられたというのにそこには今も死体があるかの如く死臭が残っていたのだ。

 

「これじゃあ、殺してくれと言ってるようなもんだ」

 

「ピニャさんはあえて門を開けて内部での戦闘を行ったと言ってますが…」

 

「戦術としては間違ってないだろうな。だが問題は中に居る自軍のことを考えてなかったことだ」

 

民兵が率先して戦うというのも難しい話だ。ある程度訓練されていたりするのであれば前に出て戦うのだろうが、戦いの経験もないと頭の中が真っ白になってどうすればいいか分からなくなる。そしてその瞬間、その民間人(・・・)は終わってしまう。

 

「どちらにしても、このまま見過ごすわけにもいかん…だろ、マスター?」

 

「ああ。流石に、関係がないっていえばそれまでだけど、助けない理由もないし」

 

「決まりだな。あとは…」

 

キャスターがそういうと目線を蒼夜たちから南門に入って来た自衛隊の車両に向ける。車内では、伊丹が無線機を使いアルヌスに連絡を入れており「戦闘に巻き込まれたので今日は帰れない」と言い、それに上官の檜垣が絶叫の如く叫びをあげていた。

 

「それと―――」

 

 

「…で。俺たちは南門の守備か」

 

「ええ。既に陥落した場所なので、問題はない…らしいです」

 

説明を終えて解散したサーヴァントたち。そして、そこに代わるように桑原が蒼夜たちの前に来て、ピニャたちと何を話していたのかを説明する。多少のいざこざはあったが、鱗を売るため、イタリカを守るために一旦協力を結んだのだと説明する。

そして自分たちが既に一度は開けられた南門の守備を任されたということも、包み隠さずに。

 

「…なるほど。向こうもかなり切羽詰まってるらしいな」

 

「ムリもありません。正規兵はピニャさんたちの部下三名だけ。もう兵力も士気も底をつきかけてます…ライダーさんの言う通りあと一回で確実に…」

 

「だろうな。民兵の姿を見てみろ」

 

振り返ると、町の至るところに戦闘に参加し生き残った民兵の姿があり、その身なりと様子に蒼夜やセイバーは表情を暗くする。装備はバラバラ、しかも中にはそれが武器なのかという物を武器にしている者も居て、鎧もなく服だけが防具だったりする。

そしてそんな彼らの顔は等しく覇気を失い、死人の如く力尽きていた。中にはまだ戦えると言う者も居るが、それがあと何人残っているかもわかった物ではない。

イタリカの状況は最悪の一言だ。

 

「…このままじゃ、多分民兵も犬死だ」

 

「だから、彼女は最後の手に出るだろうな」

 

「まさか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――殿下。二次防衛戦。及び第三次防衛戦の用意が完了。部隊の再編も完了しました」

 

「そうか。ならばあとは西と東に割り振るだけだな」

 

城壁の上でハミルトンからの報告を受けたピニャは、残った西と東に戦力を割り振り、残党を迎え撃つ用意をしていた。自衛隊とカルデアのメンバーが配下に加わったことで幾分か戦力に余裕が出たらしく、彼女の指揮のもとで守りを固められていた。

そんな中、報告を終えたハミルトンは心配そうにピニャに訊ねる。

 

「…殿下。本当によろしいのですか? いくら炎龍を撃退したとはいえ…」

 

「敵である緑の人を受け入れた…か? そう悠長なことも言ってられんだろ。この際贅沢を言わず、向こうから協力してくれるのであれば受け入れるだけ。あとでどうとでもなる」

 

そう。もはやなりふり構っていられない。ピニャの予想でもあと一度の攻撃で確実にイタリカは壊滅する。それは未だ未熟な彼女でも容易に想像できる結末だった。

だがそれ以上に彼女の脳裏には、未だあの男、征服王の言葉がよぎり続けていた。

 

「…それに」

 

「………。」

 

「―――あの男は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事情説明や協力についての話の後のことだ。

話が纏まり、いざ戻ろうとした時にライダーが何事もなかったかのように出て行こうとしたので、ハミルトンが食って掛かったのだ。

 

―――お前は一体何様のつもりだ

 

仮にもピニャが姫であることを踏まえればハミルトンの言葉も分からなくもなかったが、ピニャはそれを制して別の言葉で彼に訊ね直した。

 

―――貴方は一体何者なのだ

 

 

すると、ライダーは半分ほど顔を向かせ白い歯を見せながらこう言った。

 

 

 

 

「――――――余か?……………かつて、とある一国を治めていた王よ」

 

 

 

 

 

 

 

「ッ…………落ちた王に非難されて、黙っているわけにもいくまい」

 

 

だが、その落ちた王と非難した男はかつて大国をまとめた英雄であるというのを、この時ピニャは知らず。そして彼のその実力を目にするのは少し後のことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと。今のうちに状況を確認しよっか」

 

円陣のように囲んで集まった伊丹と蒼夜たち。無論、全員の視線は伊丹に向いており更に全員揃って石の上に座り込んでいた。

 

「今回、俺たちが請け負うのはここ。南門。みんなも昼間の煙は見たと思うけど、ここは一度堕ちている。その為、もう守備機能は無きに等しい…っていうか無い」

 

「門の様子も見ましたけど、開ける閉めるは兎も角、閉じるための木材が壊れさてました。ちなみに予備はないって言われました」

 

「だろうな。向こうはあまりこちらを信用してないと見た」

 

マシュからの報告に皮肉のように言うアーチャーだが実際それが現状なので伊丹たちも返す言葉はない。だがそれでも彼らは兎も角といって話を続ける。

 

「よって。姫様の狙いはここを手薄と見せかけて屋敷の近くに配置した第二次、第三次防衛戦を決戦場として戦うつもりだ。あそこは迷路みたいになってるし、ゲリラ戦にはうってつけだろう」

 

「ですが今更そんなことして意味あるんですか?」

 

栗林が挙手して質問する。しかしそれには十分意味はある、とキャスターが返した。

 

「一応、向こうは門をくぐっただけで市街戦は行っていないようだ。証拠に奥に向かうほど返り血や死臭はなかった。多分、向こうの戦力もあって押し込めるだけの力がなかったのだろうな。だから、あえて誘い込むのは間違ってもない」

 

「同時に間違いそうで怖いけどね」

 

市街戦でゲリラ戦を展開するのは間違ってもないが、同時に自分たちにもう後がないと背水の陣を敷かせているのは、伊丹たちから見てもどうかと思ってしまう。後がないのであれば死ぬ気で戦うだけというが、もし失敗すればどうなるか。そしてその時、満足な指揮ができるかなども問題点は数多く存在する。特に、残された兵の状態を考えると果たしてそれが得策なのか。

 

「ゲリラ戦で、敵との練度差を縮めるという意図があるのでは?」

 

「それは分かるけど、残ったのは殆どがズブ素人だ。市街地で戦って勝てる見込みも薄いと思う。それでも正面切って防衛戦するよかマシだと、俺は思ってるけどね」

 

富田からの考えも予想はしていたらしく、そこも伊丹が直ぐに切り返す。

かなり軽い話し方をしているが、彼の言葉は一々正確で確実に返してくる。そしてその言葉には確かにと思ってしまうこともある。

 

「で。ここでぶっちゃけるけど…俺やおやっさんの考えでは多分。南門への攻撃の確率は低いと考えている」

 

「………え?」

 

すると意外そうに声を出したのは、その意外にも当てはまる人物ロゥリィだった。

 

「ん? どうかしたのか?」

 

「…ここ。敵、来ないの?」

 

「来ないっていうより…来ないかもしれない。まだ決まった理由でもないし…」

 

伊丹はライダーに目を向けると、そのまま何も言わずに彼と目を合わせた。どうやら何かを無言のまま言っているらしく、その隣で蒼夜が言葉に直して聞く。

 

「ライダー。もし君ならどうする?」

 

「うん? 余ならか。まぁチンタラやってる時点でそんなこともしないと思うが…」

 

適当にそこら辺に転がっていた石を使い、ライダーは地面に図面を書き始める。

四角く書かれた物は恐らくイタリカ。そしてその他にも使われてない石があって、書き終えるとそれを適当に外側に置く。それが諸王国軍の残党。そして残った石二つが自分たちとピニャたちだろう。

 

「さて。まず今置かれている戦況からするに、敵の行動は大きく二つに分かれるわけだ。

 ひとつは馬鹿正直にこの南門を攻めるか。もう一つは南門以外の門である西と東を攻めるか。前者であれば向こうの姫様も好都合だろうが、後者であれば総崩れだろうな」

 

「…包囲戦…というのはないんですか?」

 

当然の如く包囲するというのもアリかもしれない。だがそれを質問した黒川にはアーチャーが代わりに返答した。

 

「難しいだろうな。今し方敵の斥候、それと後方の部隊を確認したが、勢力の総勢からして包囲戦をするほどの余裕もないだろう。仮に北門を外して残り三方に割り振ったとしても戦力的に不十分だ」

 

「そういえば向こうは残党でしたね。という事は頭数は足りてないと」

 

今更だがそれを思い返した富田に伊丹も、そういうことと言う。

 

「三方攻めるにしても戦力数から手薄になる可能性が高い」

 

「だからこそ、どこか一カ所に集中する。というのが定石だ」

 

「なるほど…」

 

 

「では、敵はどこから攻めるとライダーさんは思っているのですか?」

 

身を屈めて考えるセイバーの隣で正座をするマシュが今度は問う。

その隣では二人の姿に横目で見ている倉田が居るが、同じ隊員である古田に肘打ちを受けた。

 

「…この時点で余とあの姫との考えが相反することは承知しているはず。なら、答えは自ずと絞られる」

 

 

つまり。

ライダーの予想、彼がもし残党側だとしてこのイタリカに二次の攻撃を仕掛けるのであれば攻めるのはココ(南門)ではない。

 

「残る二つ。この時間だと…そろそろ夜襲の時間だ」

 

気が付けば、すっかりと日は西へと落ちており、周りには影ができて茜色に染まり始めていた。夕日が沈む西の太陽を眩しく思いながら、淡々と話を続ける。

 

「攻めるのであれば確かに南門なのだろうが、だからこそ。警戒を緩めている残る門へと攻める。特に夜であれば先制攻撃は確実に成功するだろうからの」

 

「つまり。捨て駒にしたハズだけど、捨てられたのは向こうってワケだ」

 

ジョークのように言うランサーだが、それはつまり民兵に再び被害が出るということ。そうなればもうイタリカを守備する軍は次第に砂の様に崩れ始めるのは確実だ。もうまともな兵士は数えるほど。士気も既に底に達している。戦えるにしても朝を迎えられるかさえも怪しくなっている。

 

「どの道。このままほっておくってワケにも行かない。こっちの本心伏せた状態にして今は従うってのがベストだと思う」

 

「あくまでこっちは従う側を貫いて、向こうの出方を見よう。助けない理由だってないワケだし」

 

斯くして伊丹たちは敵が来るかという可能性に身を任せ、敵が来るのを待つことにする。だが彼らも大人しくやられる気もないので、相応の用意を始めた。他の二カ所では自分たちが見えないので篝火を用意しているが、伊丹たちのところはあえてそれを要らないと蹴った。敵を誘い込みやすくするということもあるが、その真意は別にある。

 

 

「よいしょっ…」

 

「篝火はこのあたりでいいですかね」

 

セイバーとマシュが下で篝火の移動を手伝い、迎撃の用意をしている中。城壁の上では蒼夜がアーチャーと夜での行動について話をしていた。

 

「場所は大丈夫?」

 

「ああ。あの高台でなら十分視認は可能だ」

 

アーチャー、弓兵という名は伊達ではなく彼の視力は常人では考えられないほど優れている。本人曰く、二十階ほどのビルの上から地上のタイル版の数も数えられるらしく、かつてその目を使って何度も彼らは危機を脱したこともある。

 

「よし。あとでランサーたちには西と東への偵察に出てもらうけど…」

 

「確率は三分の一…いや、二分の一か」

 

「当たると思う?」

 

「さてな。いずれにせよ、敵がここに来るという確率は刹那にも等しい。今は静観あるのみだ」

 

「…だな」

 

斯くして。イタリカの存亡を賭けた、第二次の戦闘が幕を開けようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日が沈み、夜もとっぷりと深くなった頃。

伊丹と蒼夜たちの居る南門は他と比べて異常といえるほどに暗くなっていた。

篝火を一切使わず、明かりの類は何一つとして使っていなかったのだ。

このままでは見えない、と思うのが特地の人間の考えなのだろうが、伊丹たちはその中でも十分戦える装備を持ち合わせていた。

暗視装置、ナイトビジョンと呼ばれるこの装備は暗闇の中でも問題なく見えるようになっている。

 

「へぇ…そんなのがあるんだ」

 

「ああ。だから篝火は要らないし、火があるとかえってこれを付けた時に見えなくなるんだ」

 

元々暗闇の中で使われる物なので火があれば目に悪影響を及ぼすのだ。なので伊丹たちは暗視装置を使うためにあえて篝火を焚かなかった。

不思議そうに暗視装置を見るテュカに説明する伊丹は、火を焚かなかったので大丈夫かと訊ねるが、暗順応のお陰がかなり見えるようになったと言う。

最初こそ暗くて何も見えなかったが、暗順応と遠くの篝火のお陰で見ることには苦労していないようだ。

 

「…夜もそろそろ、か」

 

「始めますか、先輩?」

 

「ああ。ランサー、ちょっと来てくれ!」

 

おう。とランサーが答え、得物の槍を肩にかけたまま近づいて来る。そして蒼夜は今の内にやっておこうと伊丹たちにある提案を持ちかけた。

 

「伊丹さん、ちょっといいですか?」

 

「ん。どうしたんだ、蒼夜」

 

「念のために西と東の門に偵察を出したいんですけど…いいですか?」

 

「偵察?」

 

アーチャーを配置したのは敵襲がどっちからかというだけで守備隊については基本無視を命じている。だがそれでも遠くからでは分からないこともあるということで蒼夜たちはあえて偵察を出して守備隊の様子を見ようという考えを打ち明けたのだ。

 

「うーん…偵察ね……けど、そんなことしたらバレるでしょ?」

 

「その辺については問題ありません」

 

マシュの自信ありげな言葉にどういう意味かと口を開く伊丹。すると、蒼夜は伊丹から目を離してポツリと呟く。

それは、ここに居るもう一人(・・・・)のサーヴァントを呼び出す合図だ。

 

 

「―――アサシン」

 

「ここに」

 

すると、突如暗闇の中から霧のように姿を見せた白い髑髏の仮面に、近くに居たテュカや栗林が驚く。なにせ、白い髑髏以外は全て黒いローブに身を包み仮面以外を闇と同化しているような姿をしていたのだ。

だが、彼こそ蒼夜たちの仲間、七騎のサーヴァントの最後のクラスであるアサシンのサーヴァントだ。

 

「な、なにその髑髏!?」

 

「髑髏は仮面です。彼はアサシンさんと言って…」

 

「我はアサシン。暗殺者のサーヴァント。こと気配遮断については我らに勝る者は居らず」

 

「ってなワケで。暗殺者のサーヴァントです」

 

「それ絶対誰かを獲るヤツだよね!?」

 

流石に突っ込みを入れる伊丹だが、蒼夜はそんな事はしないと一応は断言する。

アサシンは確かにマスターを暗殺するという諜報戦などに特化したサーヴァントだが、それ故に彼のクラスに特有のスキルがあることを蒼夜は当然知っていた。

アサシンのクラスに召喚された者たちが絶対に付与される「気配遮断」のスキル。これは戦闘時以外は気配を察知されることはなく移動などが出来るスキルで、髑髏の仮面を持つアサシン、その名前(クラス)の由来であるハサン・サッバーハも高ランクで持ち合わせていた。

 

「それに、アサシンさんは仕事以外のことはしない主義だと言いますので無為に人を殺すことはありません」

 

(それって仕事なら容赦なく殺るってことだよな…)

 

 

マシュの言葉に一抹の不安を感じながらも、伊丹は仕方なく蒼夜たちの偵察を許可する。が、西と東を彼一人で調べるのかと思ったので、それを一応訊ねてみると、蒼夜もそんなことはしないと言ってランサーを呼んでいた。

 

「よし。ランサーは西、アサシンは東門の偵察をしてきてくれ。くれぐれも民兵たちに気付かれないように、手出しも無用だ。状況確認を終えたらすぐに戻って来てくれていいから」

 

「あいよ。んじゃとっとと済ませて戻ってくるわ」

 

「承知した。主殿」

 

ランサーは槍兵のクラスのため気配遮断のスキルは持っていないが、彼にはルーンと呼ばれる魔術があり、しかも神秘が満ちていた時代の魔術ということもあってその効果は強い。ルーン魔術はケルトで使われていたもので、攻撃から補助に至るまで色々な物がある。ランサーはその中でも原初、つまり最も古く強いルーンを扱える英霊でそれを用いた探知や気配を消すことも可能だという。

 

「…ランサー。本当に頼むよ?」

 

「なんだ。俺が仕事をさぼるってか?」

 

「いや。仕事の合間にナンパでもしてそうで…」

 

「あー…そりゃねぇわ。今回は」

 

自慢できる話でもないが、ランサーにはナンパ癖があり、それには蒼夜たちもほとほと手を焼いていた。マシュなどは対象外なのか時折からかったりはしているが、それより年上だと偶にそういった事が起こるらしく蒼夜にも報告されている。

が。今回はそれは無いと断言したランサー。その理由はいたってシンプルだ。

 

「だって既に綺麗なねぇちゃん(黒川)が居るからよ!」

 

 

「…黒川さん。ランサーさんのナンパには気を付けてくださいね」

 

「ああ。大丈夫です。隙を見て眉間に撃ち込みますから」

 

といって、黒川は腰に下げていた9mmのロックを外したのであった。

 

「…怒らせるなよ?」

 

「鉄砲ぐらいで撃ち抜かれねぇっての………多分な」

 

 

 

 

 

ランサーはルーンを使い、アサシンは気配遮断を使って気配を消し、それぞれ西と東に偵察に出る。原則として誰かに見られることはNGなので、出来るだけ接触をしないようにと念を押した蒼夜は風のように屋根を飛んでいく彼らの後ろ姿を眺めていた。

 

「一応、要請があれば動くけど、勝手に偵察してはダメだって言われもないですからね。それに…」

 

「…深夜二時…時間としてはまぁまぁだけど…」

 

「もう少し夜更けを待つと思いますね」

 

蒼夜、伊丹、倉田は時計を確認しつつ敵がいつ夜襲を仕掛けてくるか待ち続ける。夜襲であるなら時間も十分だが、未だ攻めてこない残党の様子に今か今かと待ち続けていた。その中で蒼夜はここまで夜を長く過ごした事もなかったので手を当てながら深い欠伸をしていた。

 

「流石に眠いですね…」

 

「自衛隊入ると、こんなことで眠いとか言ってられなくなるよー…にしても、どっちから来るのやら…」

 

「………そろそろ連絡くる頃だと思いますけど…」

 

すると、蒼夜に魔力での念話が届き、ようやくきた報告に眠っていた頭を叩き起こす。

サーヴァントとマスターとの間でのみ通じる念話なので他のサーヴァントや敵に傍受される確率も低いものだ。

 

『坊主、俺だ』

 

「ランサー。西はどう?」

 

『穏やかなもんだ。これじゃあこっちはハズレだな』

 

「そっか……なら……」

 

ランサーの方が外れならアサシンのほうに何か変化がある筈だ。そう思い連絡を入れようとした、次の瞬間。彼らの念話に割り込みが入る。それは彼が偵察に出したもう一人、アサシンからだ。

 

『―――主殿』

 

「ッ…アサシン。もしかして…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――今し方、戦端が開かれました」

 

アサシンの目の前では、幾つもの火矢が飛び交い、城壁の中は燃え盛る業火の祭りとなっていた。兵士たちは踊るように倒れ、かわして防いだ者たちは反撃に転じる。弓を持つ者は外の敵へと射るが、残党は幾つもの盾を使い防御陣を形成しており、矢の類は全てその盾に弾かれてしまう。更に残党からの矢での攻撃も行われ、死者は加速的に増えていく。

 

『ッ…やっぱりか…! 現状確認後、直ぐにこっちに合流してくれ! 俺たちもそっちに向かうッ!』

 

「承知しました。道案内はこちらで」

 

 

 

「始まったか…!」

 

「ええ。位置は東門、今守備隊と戦闘して城壁を越えようとしてます!」

 

伊丹の問いに答えた蒼夜は火の手が上がる東門に目を向ける。アサシンの言う通り戦端は開かれて多くの兵士たちの()が響いていた。

叫び、絶叫、嘆き、掛け声。その種類は多く、しかし塊のように一つとなっている。

もはやどれが誰の声かさえも分からない混沌とした存在。それがまるで幽霊のように至る所から響き渡っていた。

 

「ココからでも聞こえるな…」

 

「マルサンヒトヒト…時間としても夜襲にはもってこいですね」

 

「仮にも元正規兵だからな。そこら辺は熟知しているだろうに」

 

「おまけに、こっちの指揮官(ピニャ)は実戦経験がない。多分、陥れられたんだろうな…」

 

時計で時刻を確認する倉田に、納得するように語る桑原。元正規兵ということもあるが、この奇襲の良さには彼も称賛するしかない。だが、それでもあえて言わなかった事実を伊丹はハッキリと言った。

彼女、指揮官であるピニャを騙すには十分だ、と。

 

「東門からの救援要請は?」

 

「出てない。と言うよりも…」

 

「ありゃ出せんな。戦線崩壊、部隊が総崩れを起こしておる」

 

キャスターが来るだろう伝令の姿を確認しようと下や城壁を見るが、伝令役の兵士の姿は来ない。それは恐らく、いや確実に出せるような状態ではないからだろうとライダーは語る。

 

「辛うじて保っては居るのだろうが…恐らく、守備隊は城壁の奴らからやられて、孤立、分散化するだろう」

 

「指揮官が居てもそれぞれの判断で動く…そのせいか」

 

「その場で誰かがまとめられるというのは確かに正しいのだろう。だがその場合は本隊、指揮官との合流が先決だ。仮にも頭、情報が一番集約されるだろうところだからな。故に、部隊が分散化すれば」

 

「敵が各個撃破に乗り出す…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ねぇ伊丹」

 

「ん、どうした?」

 

「…なんで、敵、来ないの?」

 

「えっ…いやだって言ったじゃん、来るかもしれないって」

 

「…来る…かも…?」

 

「………へ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

直後。伊丹へのいわれのない攻撃に、見ていたレレイとテュカは何も言えず、ただ地面に倒れる彼の姿を見るしかなかった。

ちなみにその一撃は重く、ずっしりとした一撃の音だったという。

 

「理不尽…」

 

「仕方ないもの、亜神なんだし…」

 

「取り合えず今は現実から目を逸らすんだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

偵察から帰還しているアサシン。屋根を伝い音と気配を消して進んで行くが、ふと足を止めると足元の地面から女子供の悲痛な声が聞こえてくる。言葉をあまり理解していないアサシンには何を言っているのか半分以上は分からなかったが、ただ彼女たちがこういっていることだけはハッキリと理解していた。

 

「救援、緑の人たち……!?」

 

 

―――救援は、緑の人たちは来ないのか

 

 

助けを請うその姿にアサシンは沈黙するが、特別感情をもって見ている訳でもない。ただ彼らが緑の人と呼ばれた自衛隊たちを待っているということは確かで、それを耳に入れていただけだ。

今すぐに助けをする気もない、理由もない。アサシンはそれが任務でないのならと言う理由から関わることをしない。

 

 

「―――血塗られた戦場、か」

 

さて。これを主が見たらなんと思うだろうか。

そんな事を考えながら、アサシンは再び炎が照らす東から離れていき主の居る南門へと飛び去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

現れた残党の急襲に抵抗する守備隊。だが次第にそれは劣勢となり、部隊は総崩れを始めていく。

勇敢に戦う者には死を。怯え震える者には哀れな結末を。

そして、その中でただ一人戦う戦士には、空しい敗北を。

 

紅蓮の炎に焼かれていく東の門は屍の山となり、命を散らしていく。

 

 

 

 

 

「隊長…」

 

「ああ………さて、どうする。姫様?」

 

 

崩れゆく理想と、現れた現実に勇敢な姫は何を思うのだろうか。

そして伊丹、蒼夜たちの決断は。

 

 

 

 

 

 

 

―――――――次回に続く

 

 

 

 




オマケ。

その頃のアルヌス―――

「さて。今回の救援要請だが…」

「陸将、ぜひ我ら第四戦闘団を!!」

「一等陸佐、大音量スピーカーとコンポ。そしてワーグナーのCDと台本を用意してあります!!」

「パーフェクトだ、用賀二佐ッ!!」

「………。第四戦闘団に出動を命じる。今は速度が大事だからな。それと


























お前の中の人的にはジャ○ク・バウ○ーじゃないのか?」

「それは言わんでくださいッ!!!」

「はい。自分、勇者です!」

「スパロボ参戦おめでとう。つか貴様らは何でここに居る!!!」

「いえ、呼ばれた気がしたので」

「お前らが出るのは後だ! 今はさっさと宿舎に戻れぃ!!!」






―――――今日も自衛隊は平和です(レレイボイス)
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