カメラを持った飛行場姫さんが各地を転々とする話 作:灯火011
その他の船ものんびりと、余生を過ごしているようだ。
あ?なんや君。ぶっきらぼうに。・・・レ級の話を聞きたい?ま、ええよ。鳳翔さん、お通しと熱燗追加してー。あたりまえやん。君も呑むんやで?
そーや、ここは居酒屋やし、それにレ級の話をするには酒ぐらい入ってたほうがええねんて。
ほな、乾杯。
うん、旨いなぁ。そいや鳳翔さん、今日港湾はおらへんの?・・・はぁ?よっぱと一緒にイギリスに?生牡蠣とスコッチウィスキーを楽しみいった・・・!?ぬかりないなー。ふふ、お土産に期待やね!
それで、ええと、なんやっけ?ごめんごめん。レ級やね。あー、でも、どっちのレ級やろか?うん、うん、尻尾のある方?っていうことは酒飲みヨッパのレ級やね。
そうやなぁ、どこから話そかなぁ?最初から聞きたいって?ええの?そっかそっか、君も物好きやねぇ。
私とレ級が最初に会ったのはまさにこの居酒屋鳳翔なんよね。ふふ、普通だったらありえへんやろ?そうやろそうやろ、どうやって深海棲艦がここまでこれるんや!って思うやろ?
それがな、提督・・・今は大将か。がレ級を見つけて、ここに連れてきたんよ。そうそう、女性で初めての大将のあの人。当時はここの鎮守府の提督やったんよね。当時から型破りな人でなぁー、酒は呑むし艦娘を腕っ節で組み伏せるし、ま、だからレ級を連れてきた時は驚いたんやけど、この提督が連れてきたんなら問題ないなって思ってなぁ。
・・・ははは!そうやろそうやろ!大将は昔からあの性格やったんや。ま、それでな、レ級もあばれたりせずに、出された酒と摘みを大人しく楽しんでたんや。そういえば鳳翔さんの食事と酒にえらい感動しとったなぁ。
鳳翔さんも覚えてるか!くくく、やっぱり忘れられんよね!・・・なんせ深海棲艦が満面の笑みで酒とツマミ喰ってるんやで?敵意丸出しの深海棲艦しか見たことなかったから本当衝撃的やったわ。
しかも途中からレ級と大将の愚痴り合いやで?・・・そう、そうや。敵の兵とうちの鎮守府の提督が酒片手に愚痴り合いやで?ま、それであの頃から私達艦娘の中で深海棲艦ってそんなに怖くないんかね?って話が出てきてなぁ。
ま、そこからや。その次にレ級がきた時・・・・そうやで?レ級は正式に仲間になる前に何度も鎮守府に来てるんよ。鳳翔さんの料理と酒が忘れられないってなぁ。面白いやろ?しかも純粋な笑顔で毎度毎度うまそうに食って呑むもんやから、追い出すにも追い出せんかったしなぁ。あ、でも一回金剛と喧嘩しとったね。
・・・そうやで?日本帝国海軍に修羅有りと言われとった高速戦艦金剛や。そそ、今度艦娘出身でありながら、初めての提督になる金剛。あいつも出世したなぁ・・・。
ま、それはいいとして。なんやババァとかレ級が金剛に言ったそうでなぁ!とっくみあいの喧嘩になったんよ。
どうなったかって?ま、予想通り大将が腕っ節で取り押さえたんよ。で、そのまま朝までぐっすり。ってね!
あとは君も知っているとおり、あれよあれよの人類勝利。え?はしょりすぎ?ええやないの。私も君も酒飲み。話半分できいとくのがおすすめやで。
---xx年x月x日 上級士官 艦娘:龍驤
◆
私がレ級さんと出会ったのはまさにこんな夜でしたね。えぇ、龍驤さんもいらっしゃいましたよ。ほかには・・・今は退役してしまいましたが、軽空母の準鷹さんもいらっしゃいました。ええ、そうです。横須賀で居酒屋を開いている準鷹さんです。
最初は提督に連れられて来られたのですが、本当にびっくりしました。あの当時敵であった深海棲艦、それも最難関とされていたレ級が居酒屋にやってきたのですから。ですが、提督曰くお客さんとのことでしたし、そのままおもてなしをさせて頂きました。
--怖くなかったのですか?--
怖くないと言えば嘘になりますが、この居酒屋鳳翔は見ても分かる通り鎮守府の中にあります。暴れる気であれば提督と共にここまで来るとは思えませんでしたからね。それに、レ級さん、お酒を見た瞬間に目の色を変えていましたから。あぁ、これは本物ですね、と思ったんです。
--目の色を変えた?--
えぇ。突き出しと日本酒をお出ししたのですが、その瞬間目がキラキラ輝いておりました。一口酒を含むと、幸せそうな笑みを浮かべていたので、あぁ、本当にお酒が好きな深海棲艦なのだなと。
--はぁ・・・最初期からよっぱさんはお酒がお好きだったのですね--
そうですね。ふふ。テレビとか雑誌でレ級さんを見かけますが、必ずお酒とお摘みが写っていますものね。
--そういえば、鳳翔さんはカメコさんや飛行場姫さんとはお付き合いはなかったのですか?--
現役当時は一切ありませんでした。風のうわさ・・・というか金剛さんからよくその話は聞かされていました。艦娘に親しくしてくる深海棲艦が居たと。ただ、ソロモン攻略戦から一切姿が見えないので、意地でも横須賀に引き入れておけばよかったな、と。
--なるほど。よく判りました。・・・現役当時は、ということは、それ以後はお付き合いがあるのですか?--
ええ。あります。終戦後ですが、よっぱさんが飛行場姫さんとカメコさんをお連れになったことがありまして、それ以来二人は常連ですよ。ただ、最近は飛行場姫さんはお見えにならないのがちょっとさみしいですね。
--常連だったのですか?--
はい。レ級・・・カメコさんは今でも定期的にいらっしゃいます。情報省中将の響さんと一緒に、息抜きにいらっしゃいます。
◇
「今日もいい夜だーねー。鳳翔さんハイボール!!」
「私もそれにしようかな。鳳翔さん。つまみも適当にお願い」
戦艦レ級フラッグシップ改(偽名「戦艦レ級エリート改」)のカメコと、情報省中将の響は月に一度、必ず居酒屋鳳翔へと顔を出している。
「おら、お久しぶりです。響さんにカメコさん。竹鶴でよろしいですか?」
「「お願い」」
背格好がほぼ同じカメコと響は、並んでいると髪の色とあいまって姉妹のようである。彼女らは今現在横須賀鎮守府で日夜日本の平和を守っており、なかなか非番の日が無い。だが、月に一度ある非番の日はこうして、必ず居酒屋鳳翔へと顔を出すのが彼女らの日課である。
「お待たせしました。竹鶴ハイボールです」
鳳翔さんが笑顔でハイボールを差し出し、笑顔で響とカメコがハイボールを受け取る。終戦からこの日まで、月に一度繰り返されてきた情景だ。
「「平和な日本に、乾杯!」」
カメコと響はそう言いながら、まず一杯目のハイボールを軽く呑み干す。そして、追加でもう一杯ハイボールを頼み、摘みと共に愚痴という言霊を交わしながら、ゆっくりと夜を過ごすのである。
「鳳翔さん聞いてよ~、さむおじさんの艦娘が最近さー」
「そうなんだよ、鳳翔さん。まったく、日本の艦娘を舐め過ぎだと思わないかい?」
機密事項をばんばんと話す光景にも慣れたもので、鳳翔は笑顔を浮かべながら相槌を打つのであった。
◇
--私個人としては気になるお話もありましたが・・・思い浮かべるとすごい光景ですね。おっと、申し訳ない、そろそろ次の取材があるもので。最後に何か一言いただけませんか?--
えぇ、いいですよ。--艦娘と深海棲艦が肩を並べてお酒を呑む。平和の象徴だと私は思っております。皆様もぜひ一度ここ、居酒屋鳳翔へといらしてください。
---xx年x月x日 引退艦娘:鳳翔
◆
インタビュー的な・・・!感じが出てればいいなぁと思いながら妄想しておりました。