ではスタートです。
工房見学を終えると、士道達は食堂で昼食をしていた。ちなみに、学校の施設は生徒全員が使えるため、施設に限っては二科だからといって遠慮する必要はない。
「ここの学食、意外と美味いな」
「アンタは口に入れば同じでしょうけどね」
レオが味の感想を述べるとエリカはレオにそう答えて、レオとエリカはまた口論になる。とは言っても、最早この2人はこれが当たり前となっている。
「もう如何して言い争うんですか?!エリカちゃんもレオ君も仲良くしないと駄目じゃないですか!」
美月はいつも言い争っている2人に毎回注意をしているが効果がない。そんな美月を見てる達也は苦笑いを堪えながら見ていて助ける様子はなかった。
「はぁ…レオもエリカも食事中くらいは止めろって。それにそんな大声で言い争ってると周りの迷惑になるから…」
「あ、す、スマン…」
「ご、ごめん」
士道が注意すると、レオとエリカは謝って静かになった。
「お兄様!」
『お兄ちゃん!』
4人を観察していた達也の背後から、嬉しそうな声が聞こえた。レオ以外は声の持ち主が分かっていた。
「お兄様とお兄ちゃんって誰の事だ?」
レオは誰の事か分からず達也達に聞く。
「アンタの頭じゃ推理出来ないでしょうね」
「なっなんだと!?」
「エリカちゃん!言い過ぎだよ。レオ君も落ち着いて!」
また言い争いになりかけたが、美月が止めたので口論する事はなかった。
「俺の義妹で、もえかと明乃だ」
「そして、こっちが俺の妹の深雪だ」
短く説明した士道と達也は、深雪達の方を見て迎え入れようとしたが、昨日と同じく大勢の人が勝手についてきていた。そんな様子を見てる士道と達也は苦笑いを浮かべている。
「深雪、もえか、明乃、待ってたわよ」
「こんにちは、深雪さん、もえかさん、明乃さん」
3人に気さくに挨拶をするエリカと美月だが、その2人に嫉妬の篭った視線を向ける一科生が居たの事は達也と士道だけ気付いた。
「それでは皆さん、わたしともえかと明乃はお兄様達と一緒に食事を…」
深雪が言いかけた言葉に森崎が乱入した。
「君たち、この席を譲ってくれないか」
「!!」
森崎が言った言葉に深雪は勿論もえかと明乃の表情が歪んだ。深雪に至っては歪んでいても達也にしか分からない程度である。
(深雪、この場は堪えろ)
(はい…)
深雪にアイコンタクトで抑えた達也は、暫く成り行きを見守る事にする。
「どうして、アンタの言う事を聞かないといけないのよ!」
「そうですよ!私達がまだ使ってます!」
「二科生が何を言う。ここは魔法科高校なんだぞ?実力が全ての世界で、補欠如きが粋がるな!」
「ちょっと!」
「言い過ぎだよ…」
「森崎君!そんな事言ったらダメだよ!」
「お兄ちゃんの悪口は許せないかな…」
他の一科生が森崎の言葉に頷く中、ほのかと雫、明乃ともえか、ほまれとあかねだけは森崎に非難の目を向けている。それに気づいた達也は、彼女たちなら深雪と上手く付き合えると思っていた。
「ご馳走様でした。エリカ、美月、レオ、達也、俺は先に教室に向かうよ」
「え?うん、分かったわよ」
士道がそう言うとエリカが代表して答えた。
「おい!待てよ!二科生の癖に謝りもせずに逃げるのか!」
士道が席を立ち教室に行こうとした所で森崎が士道を止めるのだが、森崎の態度にいい加減我慢が出来なくなった生徒が2人が森崎に言う。
「いい加減にして!」
「そうだね、森崎君の言い方は流石にどうかと思うよ?」
「うんうん!もかちゃんの言う通りだよ!いくら一科生だからって二科生の人達にそんな言い方ってないよ!」
森崎に抗議したのは明乃ともえかだった。
「岬さん、五月さん、僕たちは当然の事を言ってるだけですよ。それに魔法科高校では一科生が上で二科生は下です。貴方達も分かってるでしょう?」
「森崎君?貴方は何言ってるんですか?いくら二科生でも学校の施設は皆が平等に使えます。それを忘れてませんか?それに私は二科生だからと言って差別するなんて事はしません」
森崎の言葉にもえかはそう答えると、
「もしかして、五月さん、そんなどこの馬の骨とも分からないような、礼儀知らずで二科生の男に惚れたんですか?名家である五月家も随分と落ちぶれたモノですね」
森崎は小馬鹿にしたようにもえかの家族をバカにする。
「っ!?」
自分の家をバカにされたもえかは、森崎を睨む。
「おい、お前、言うに事欠いて、義父さんと義母さんをバカにする気か?」
流石の士道も自分を受け入れてくれたもえかの家族をバカにされては我慢ならなかった。
「事実を言っているだけだ。二科生なんて役立たずを擁護している時点で、君達は一科生の恥だ。世の中には二種類の人間によって構築されているんだ。それは、使われる雑草以下の価値しかない人間とその雑草を使ってやる高貴な人間だ。我々一科生はその高貴な人間なんだ」
「‥‥いい加減黙れ………!!」
「なっ!?」
「そんなに偉そうに言うなら、その高貴な人間って奴の実力、見せてもらおうか。ええ?高貴な人間様よ」
「ふん、雑草の分際で一丁前に僕達に逆らうのか?いいだろう。相手をしてやるよ雑草。雑草は雑草らしく地面に這いつくばっているのがお似合いな事を教えてやる」
こうして森崎と士道との間で模擬戦が行われる事となった。
模擬戦会場にて、
「戦いを始める前に罰ゲームを決めようじゃないか」
「罰ゲームだと?」
「そうだ。勝者には敗者を好きに使える権利があってもおかしくないからね」
「‥‥良いだろう」
「それじゃあ、僕が勝ったら、今後、五月さんと岬さんには近づかないでもらおうか?君の様な雑草がいては折角の花が枯れてしまうのでね」
「‥‥良いぜ、その条件飲んでやる」
「「お兄ちゃん!?」」
士道の言葉に思わず驚愕の声を出す明乃ともえか。
「‥ただし、俺が勝ったら、土下座してもえかに謝れ‥『家族の事をバカにしてすみませんでした』ってな」
「ふん、そんな事天地が引っくり返ってもあり得ないのにか?」
「随分と余裕だな‥‥それで、呑むのか?呑まないのか?」
「いいよ、君の条件受けてやるさ」
「ふん、雑草の力見せてやるぜ」
「せいぜい粋がっていろ、お前の様な雑草、簡単に摘み取ってやるよ」
こうして森崎と士道の模擬戦が始まった。
模擬戦が始まると同時に、士道と森崎は魔法式を展開し、森崎は士道に向けて魔法を放つが…
「なっ!?どこに行った!?」
森崎の目の前には誰も居なかった。森崎は士道を探してる間に、森崎の背後にいる士道は森崎に向けて魔法を放った。
「ぐっ!」
魔法を受けた森崎は地面に倒れる。
「勝者、1-E組五河士道!」
模擬戦の担当をしていた教師が勝者を言うと周りは騒然となった。
『おい?!森崎が負けたぞ!』
『どうなってるんだ!?』
『彼は本当にニ科生なの!?』
「もかちゃん!お兄ちゃんが勝ったよ!」
「うん、そうだね。やっぱり私達のお兄ちゃんは強いね」
明乃ともえかは士道が勝った事を聞くと、お互い抱き合いながら喜んでいた。
「ねぇ。雫?今の魔法って自己加速魔法?」
ほのかは士道が使った魔法について雫に聞いた。
「解らない…多分、自己加速魔法だと思うけど、でも自己加速魔法だとしてもあれは速すぎる…それに森崎君が最後に受けた魔法も私には解らない…」
雫はほのかにそう答える。
「ほまれ、相変わらず士道君って強いね。まさか圧勝するなんて思わなかったよ」
「うん。本当に士道君は強いよね。私達も士道君の様に強くならなきゃね」
「そうだね。士道君の足を引っ張らない程度に強くならないとね」
ほまれとあかねはそう決意する。
「さて、森崎?試合前に言った罰ゲームの事、ちゃんと覚えてるよな?まさか覚えてないとは言わせないよな?」
士道は目を覚ました森崎にそう言う。
「…くっ、俺は…俺は謝らないぞ!雑草如きに謝るなんて事!!絶対にこんな事、認めない!!この試合は無効だ!!」
森崎のあまりの見苦しさと自分勝手さに士道は呆れ、
「‥‥もういい‥‥お前の様な下らない奴の相手をするだけで時間と労力の無駄だった‥‥」
罰ゲームの内容さえもバカらしくなり、その場から去って行った。
森崎の態度に明乃ともえかさえも呆れている様子で戻って来た士道に近づき、労いの言葉と共に腕を組む。
(五河‥‥士道‥‥よくもこの僕に恥をかかせてくれたな‥‥)
明乃ともえかと共に去って行く士道の後ろ姿を森崎は殺気を含む目で睨んでいた。
(五月家は十師族だ‥‥お前の様な雑草なんかが生息していい場所では無い!!必ず駆除してやる!!)
森崎は士道を睨みながらそう思うと同時に熱い視線でもえかを見ていた。
うん…森崎と士道が模擬戦をしたですねww
そして結果は士道の圧勝ww
森崎は森崎で…何気にもえかを狙い始めたし……
失恋に間違いないのにねぇ…
では次回ですw