仮面軍団と決着が付いたその後、○×川の河川敷はまるで戦場跡地のような風貌となっていた。
辺りには仮面をつけた黒装束が倒れており、まさに死屍累々。
先程まで高校生三人と黒装束連中がドンパチやっていたとは思えない静けさが漂い、聞こえてくるのは虫のさえずりだけであった。
そんな中、
「いててて‥‥」
「我ながら、派手にやったもんだ‥‥騒ぎにならないかな?」
「この辺りは住宅街から離れているし、普段から人通りも人目も付かない場所だから多分大丈夫よ」
高校生三人‥士道、達也、摩利がボロボロになりながらも立っていた。
人目のつくことを一番に警戒した黒装束連中の慎重さが幸いしたおかげで周辺には今回のこの騒動は知られていない様だ。
「さてと、それじゃあこいつらの素顔、拝ませてもらいますか‥‥」
三人は倒れている黒装束の仮面を次々と剥いでいき、ついでに逃亡や抵抗を防ぐためあらかじめ用意していた縄や手錠で彼らの身柄を拘束して行く。
仮面を剥いでいくと知らない顔もいたが、摩利の睨んだとおり、仮面の下からは第一高校、風紀委員も含まれていた。
そして、彼らのリーダー格だったのが‥‥
「まさか、お前とはな‥‥根元恭ニ副風紀委員長」
摩利は無機質な声で、黒装束のリーダー格の名を口にする。
風紀委員が不正にかかわっていたことは前々から掴んでいた。
しかし、誰が関わっていたのかは分からず、こうして士道と達也の二人に依頼をしたのだが、その不正の元締めがまさか、風紀委員の副委員長だったとは、摩利に驚愕と失望の二つの衝撃を与えた。
彼女にしてみれば、飼い犬に手を噛まれるようなものだったからだ。
摩利は、真由美に連絡を入れ、此処で倒れている連中を護送する人員の手配を連絡した。
やがて、風紀委員、生徒会、教師を中心とした人たちがやって来て、黒装束連中を次々とバスの中に押し込んでいく。
「お疲れ様、みんな」
真由美が士道達に労いの言葉をかける。
「「お兄ちゃん!!」」
同じく生徒会に所属している明野ともえかも士道に駈け寄る。
「おう、明乃、もえか」
傷つきながらも自分は問題ない事をアピールするかのように片手をあげる士道。
「って、お兄ちゃん怪我している!!」
「えっ!?ホント!?大丈夫なの!?」
「大丈夫だ。こんなのかすり傷にも入らないって」
「ダメだよ、ちゃんと手当てしないと」
「そうだよ!!」
そう言われ、士道は明乃ともえかに手を引かれてバスの中で治療を受けた。
同じく達也も深雪にボロボロになった姿を見られてお説教と共に彼女の治療を受けた。
今回のこの一件は真由美や摩利が思っていたように第一高校にかなりの衝撃を与えた。
本来、取り締まる側の風紀委員が取り締まらず、不正をした生徒を脅し、金品を揺すっていたのだから‥‥
摩利が知らない顔の連中もなんと、周辺の高校の風紀委員や生徒会のメンバーであり、今後の対策が練られたが、具体的な策は提示されず、風紀委員や生徒会、教師陣を悩ます結果となった。
根元恭ニ副風紀委員長ら黒装束連中は全員学校を退学処分となり、その身柄は警察へと引き渡された。
そして、警察の家宅捜索により、彼らの部屋のパソコンやデジカメ、携帯からは第一高校を始めとして様々な高校の生徒らの万引き、援交等の軽犯罪現場をうつした写真や動画が次々と押収され、それらの写真や映像の生徒達も補導や厳重注意処分を受けた。
第一高校の風紀委員では、抜けた副風紀委員の後任や退学処分となった風紀委員の人員確保が進められた。
そんな中、今回の事件の功労者の一人である士道は、
「今回の事件では、明乃ともえかも協力してくれたからな、そのお礼をしてやろう。何か欲しいものとかはあるか?」
と、明乃ともえかに何か欲しいモノがないかを尋ねた。
「そ、それなら‥‥」
「うん‥‥」
「なんだ?遠慮なく言ってみろ」
「「じゃあ‥‥」」
「「今度のお休みの日に私とデートして!!」」
「はっ?」
士道はいきなり明乃ともえかのWデートを要求された。
「えっと‥‥」
士道は返答に困った。
「さっき‥‥」
「『遠慮なく言って』って言ったよね?」
「うっ‥‥」
士道は墓穴を掘ったと言う顔し、先程自分で言ってしまった発言を今更ながら後悔した。
「「言ったよね?」」
迫る明乃ともえかの勢いに士道は‥‥
「はい、言いました‥‥」
と、あっさりと陥落した。
こうして、士道は次の休みに明乃ともえかを連れて買い物と言う名のWデートにつき合わされる事となった。
とりあえず風紀委員事件は終わりましたです。次の事件は原作と同じかな多分w
では次回です。