魔法戦記リリカルなのはIS 高町なのはのIS学園見聞録   作:ピロッチ

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さあ、遂に一夏の鍛錬の成果が試される時が来ました。
相手はラウラと箒。果たして、勝負の行方は…?

尚、昨日を以て、本作はお気に入り100件、
およびUA10,000を突破いたしました、ありがとうございます!

水曜日以降は今月いっぱいまで暴走核弾頭がその本領を発揮する
オリジナル展開を予定しています。御期待下さい!!


第13話  タッグマッチ第二試合

 さあ、気を取り直して次の試合である。1回戦第2試合、対戦カードは…

【織斑一夏&シャルル・デュノア】

 

VS

 

【ラウラ・ボーデヴィッヒ&篠ノ之箒】

 

 試合開始直前、一夏とシャルロットはピットに待機しており、

対戦相手の情報を確認していた。

 

 

 

「シャルル、ラウラのデータがなのはさんから届いたからそっちにも送るよ。」

 

「うん、解った。」

 

「それとなのはさんからの伝言で、

フェアプレーの為に向こうにも俺達のデータを送ったって。」

 

「仕方ないね。一夏、作戦は覚えてるね?

僕は箒と戦うから、その間ラウラの足止めをお願い。」

 

「ああ、あの2人には悪いけど負けられないからな。

…そうだ、そういえば聞いてなかったけど、

お前の機体ってどういうもんなんだ?」

 

「あれ?説明してなかった?僕の機体は…」

 

 シャルロットの説明によると、

機体名はR・リヴァイヴ・カスタムⅡ(以下、R・R・カスタムⅡ)、

量産機であるR・リヴァイヴから基本装備の一部を外し、

後付装備の為に拡張領域(バススロット)を倍増したモデルである。

特徴は最大20種類の武装をシャルロットの特技である

高速切替(ラピッド・スイッチ)で適宜切り替えながら戦える汎用性で、彼女が主に使うのは

 

・15.5mmアサルトカノン『ガルム』

 

・連装ショットガン『レイン・オブ・サタデー』

 

・近接ブレード『ブレット・スライサー』

 

 そして、切り札となるのが

 

・69口径(約17.5mm)パイルバンカー『灰色の鱗殻(グレー・スケール)

別名、『盾殺し(シールド・ピアース)』である。

 

 原型機こそ量産型第2世代機だがその基本性能が第3世代機並みの上

大規模カスタムの上乗せも合わせれば、

事実上第3世代機とほぼ同等のいわば準第3世代機とも言える機体だろう。

 

「へえ、いろいろ積んでるんだなぁ。

俺のは剣一振りしかないから、そういうのが羨ましいよ。」

 

「そう?沢山の武器を使いこなさないといけないから、

これもこれで大変なんだよ。」

 

「そんなもんなのか。あっ…そろそろ時間だぜ。」

 

 2人はISを展開して順番にカタパルトに接続する。

 

「俺が先に行くよ。」「うん。」

 

『カタパルトシステムオールグリーン。進路クリアー!

織斑君、デュノア君、発進どうぞ!』

 

 管制室にいる真耶の声を聞き、まず一夏が、次にシャルロットが発進する。

 

「織斑一夏、白式、行くぜ!!」

 

「シャルル・デュノア、R・R・カスタムⅡ!行きます!!」

 

 勢いよく飛び出す2人。

アリーナに降りると既に箒とラウラのペアが待ち構えていた。

ラウラは専用機のS・レーゲン、箒は量産型の打鉄だ。

 

「一夏!も、もし私が優勝できたなら、

えーと…その…私と付き合って貰うからな!」

 

「ほ、箒?!」

 

 いきなりの爆弾発言に思わず引いてしまう一夏。と言うのも、

 

『このトーナメントで優勝したペアは一夏とシャルルのペアと付き合える』

 

 という噂がまことしやかに囁かれているのだ。

まさか箒は例の噂を信じたのか?だが、彼女の言葉には続きがあった。

 

「か、勘違いするなよ!私は噂の真偽などどうでもいい!

正々堂々、実力でお前に私を認めさせたいだけだ!」

 

「…………。」

 

 実に箒らしい言葉にある意味安心した一夏であった。一方ラウラは…

 

「一夏よ、偉大なる織斑教官の弟の名に相応しい

堂々たる戦いを期待しているぞ!」

 

「あ、ああ…」

 

 と、ここでシャルロットが口を開く。

 

「あの…2人共僕には何も言う事はないの?」「「あっ…。」」

 

 何かを思い出したような顔をする2人。気まずそうに顔を見合わせると…

 

「「スマン…一夏しか見てなかった。」」

 

「(よし、箒は全力で〆よう。)」

 

『それでは、1回戦第2試合…

織斑一夏&シャルル・デュノアペア対

ラウラ・ボーデヴィッヒ&篠ノ之箒ペア…始め!!』

 

 シャルロットが黒い笑みで危ない決意を固めると同時に、

真耶のコールで試合が始まった。

次の瞬間、一夏は正対していた箒ではなく、

ラウラに瞬時加速で吶喊し斬りかかった。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

「何っ、箒に向かわないだと!!」

 

 まさか自分と相性の悪い一夏がいきなり向かってくるという事態に

一瞬平静を失うラウラ。しかし、これでも一国の代表候補生。

袈裟斬りに斬りかかる一夏の雪片弐型を即座にプラズマ手刀で受け止めた。

 

「デヤーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」

 

 バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ!!!

 

「ぐっ、このおおおおっ!!」

 

 雪片弐型を止めると、すかさずワイヤーブレードを発射。

しかし、一夏はスウェーしながらバックステップで後方に下がり、

バリアを掠めただけで切り抜けた。

 

「さ、流石は代表候補生、一瞬で反応して受けやがった…。」

 

「当然だ!『ドイツの冷氷』の異名、伊達ではないぞ!」

 

 一方、シャルロットは箒にアサルトカノンを向け、斉射を浴びせかける。

 

 VARRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRR!!!

 

「うおおっ!」

 

 結構正確な射撃で、数発程被弾してSEを奪われてしまう。

「ぐっ、汚いぞ一夏!!私と戦うんじゃないのか?!」

 

「悪いな、今のお前とチャンバラやるほど、俺の腕は戻っちゃいないんだ!」

 

「そういう事さ。悪いけど僕の相手をして貰うよ、箒!」

 

「は、謀ったな一夏!」

 

 試合は2対2ではなく、2つの1対1に分かれる様相を呈した。

 

「正対している相手に向かうと見せかけて、

敢えて違う相手に行き、相手に本調子を出させないか。成程これは妙手なの。」

 

 控え室のモニターで観戦しているなのはが感心したように頷く。

一方、管制室でも…

 

「へえ、織斑君とデュノア君、考えましたね。」

 

「ふっ、私の弟だぞ、この程度できて当然だ。

…と言いたいところだが、よくあそこまで成長したものだ。

高町め、ISの操縦のみならず教育者としての才能まであるとはな。」

 

 当然である。なのははIS誕生前から管理局で教導任務に従事している。

教官としてのキャリアは千冬の4倍にもなるのだから。

 

「確かに…高町さんが卒業したら学園の実技教官の資格を取ってほしいですね。

きっと良い教師になりますよ。」

 

「だと良いがな。」

 

 一方アリーナでは…

 

「くっ、これがなのはさんから送られたデータに有った砂漠の逃げ水(ミラージュ・デ・デザート)戦法か!」

 

 箒が間合いを詰めると銃火器に換装して射撃戦に、

逆に間合いを取ろうとすると剣に換装して接近戦に切り替える。

装備の呼び出しをほぼ一瞬で行える技能、高速切替(ラピッド・スイッチ)を応用し、

状況に応じて武器を使い分け、一定の間合いと攻撃リズムを保ち続ける戦法、

それが砂漠の逃げ水(ミラージュ・デ・デザート)だ。

 

「ぐっ!」

 

 またもアサルトカノンの15.5mm弾が右肩に着弾、

当然箒はバリアーで無傷だが、SEが残り半分を割り込む。

 

「まだだ、まだ終わらん!!」

 

 しかし、箒も諦めない。

シャルロットの射線を見切り、的確に回避しつつ剣の間合いに飛び込む。

 

「オオオオオオオオッ!」「哈ァァァアアアッ!!」

 

 シャルロットも近接ブレードに切り替え、応戦する。激しく切り結ぶが、

やはり剣捌きは箒に分があるのか、

打鉄の太刀がR・R・カスタムⅡのバリアを斬りつけ、

少なからぬダメージを与える。

 

「くっ、やっぱり箒に剣で挑むのは危険だな。

そういえば、去年全国大会で優勝してたっけ。

量産機でこれなら専用機なんか持たせたら!!」

 

 IS操縦適正こそ最下位のCランクだが、

仮にも全国大会優勝者の実力者。近接戦闘なら箒は一夏よりも強いのだ。

だが、これはIS戦。シャルロットには剣技の差を

機体の性能と操縦の腕でカバー出来るだけの実力があった。

 

「そーら!!」

 

 連装ショットガンに切り替え、至近距離でぶっ放す。

箒が瞬時に身を捻って射線から身を躱すが、

散弾がいくらかバリアーを掠めたようだ。

シャルロットはその隙に間合いを取り、

今度は右手にアサルトカノン、左手にアサルトライフルの2挺の銃を構える。

 

「求めるほどに遠く、諦めるには近く、

その青色に呼ばれた足は疲労を忘れ、緩やかなる褐色の死へと進む。

さあ追いつけるかな?砂漠の逃げ水(ミラージュ・デ・デザート)に!!」

 

 一夏とラウラの戦いも一進一退の様相を呈していた。

雪片弐型一本で近接戦闘を挑む一夏と、

AICでの行動封じをチラつかせながらレールカノンとワイヤーブレードで

中距離を保つラウラだが、AICには操縦者の集中力が要求される。

 

 そこで一夏は、

「ヒット&アウェイでラウラを苛立たせて集中力を奪い、AICを使わせない」

事でAICを封じる作戦に出た。

 

 確かに一夏はろくに攻撃していないが、

ラウラの攻撃もまるで一夏には当たらない。

なのはの弾幕に鍛えられた一夏にとって、

ワイヤーブレード6本とレールカノン1門の回避などお手の物。

ラウラは接近と離脱を繰り返す一夏に怒りを募らせていた。

 

「ええいちょこまかと!まともに戦う気は無いのか?!

それでもブリュンヒルデの弟か!!」

 

「へっ、悪いな!ご自慢のAICは集中してないと使えないんだろ?

だから俺はお前自身じゃなくて、お前の集中力を攻撃してやるぜ!」

 

「くっ…舐めるな!!」

 

 ならばと、6本のワイヤーブレードを発射して上下左右を封じ、

そこにレールカノンを撃ちこむも、僅かの隙を見抜いて巧みに回避する。

 

「遅ぇ!あの悪魔の弾幕に比べれば、この程度屁でもねぇよ!!」

 

「これでも当たらんのか?!何という回避力…ちぃっ!」

 

 今度こそ雪片弐型で斬りかかる一夏、

AICで止めようにも発動までの隙を考えると間に合わないと判断したラウラは

プラズマ手刀でのガードを選び、両手を交差させて刃にぶつけた。

 

「「オオオオオオオオオオオオオオオッ!!」」

 

 ラウラは両腕を振り抜いて一夏を振り解き、至近距離でレールカノンを発射。

一夏は雪片弐型を峰打ちに返して盾とし、砲弾を弾き落とした。

 

「ぐっ…すげえ衝撃だ、直撃してたら一発で半分くらい持ってかれたかもな…」

 

 砲弾を弾いた衝撃で両腕がビリビリと痺れる。

もう一度やったらまともに剣を振れなくなりそうだ。

やはりレールカノンは受けるのではなく、回避で切り抜けるしかない。

 

 ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

 第1試合とは打って変わっての接戦に、観客の生徒達の興奮は最高潮だ。

 

「くっ、このままではじり貧だ…」

 

 短期決戦を図っていたラウラは予想外の展開で集中力を切らしたらしく、

大きな隙を晒している。

 

「よし、今だ!…瞬時加速(イグニッションブースト)!!」

 

 勿論一夏はその隙を見逃さない。

瞬時加速(イグニッションブースト)で急接近を図る、だが…

 

「掛かったな、馬鹿め、その時を待っていたのだ!!」

 

 ピタッ!

 

 突如一夏が動かなくなった。

 

「ぐっ、しまった!!」

 

「やった、遂に捉えた!!」

 

 恐れていた事態が、一夏がAICに捕捉されてしまったのだ。

 

 ラウラは距離が離れた所にわざと隙を見せて一夏の瞬時加速を誘い、

瞬時加速中は方向転換できないという特性を利用した進路予測からのAICで

遂に一夏の行動を封じたのだ。

 

 管制室で観戦していた教員コンビも…

 

「!! 織斑君が捕まった…!」

 

「くっ、やはり!」

 

「やはり…? 織斑先生、何かご存知で?」

 

「ああ、あいつは小さい頃から、

有頂天になっていると左手を開いたり閉じたりする癖がある。

そうなると初歩的なミスを犯すことが多いんだ。

ああやっているのを見てまさかとは思ったが…」

 

「そうだったんですか…でも、今は織斑君を信じましょう。」

 

「ああ…」

 

「くっ、完全に動けねえ…」

 

 こうなってしまった一夏は最早腕一本動かすこともできない。万事休すか…

 

「勝負ありだ、もはやのがれることはできんぞ!片を付けてくれる!!」

 

 ラウラがトドメを刺そうと右肩のレールカノンを一夏に向ける。

 

「これで最後だぁっ!!」

 

 レールカノンのトリガーを引こうとした瞬間…

 

 KABOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOM!!!

 

「グワーッ!」

 

 S・レーゲンにグレネードが直撃。

体勢を崩された衝撃でAICが解けてしまった。ぶっ放した犯人は…

 

「シャルル!」

 

 言うまでもない、40mmグレネードランチャーを構えたシャルロットである。

 

「一夏、無事?!箒はやっつけた、ここからは2対1だ!」

 

「ああ、サンキュ…じゃなくてメルシー!!」

 

 シャルロットの言う通り、彼女の背後では

SE切れで行動を停止した打鉄に乗って項垂れている箒の姿がある。

 

「くっ…あれだけ大見得を切っておきながら一番に脱落とは…。」

 

 いの一番に脱落した事で落胆もひとしおだ。

 

「さあ、2対1だぜ。まだやる気か?」

 

「くっ!だが、まだ負けた訳ではない!!」

 

 レールカノンとワイヤーブレードを発射しながらなおも抵抗するラウラ、

だが平静を失った攻撃が動いている相手にそうそう当たる物ではない。

 

「何故だ!何故こちらの攻撃が当たらん!!」

 

「当たり前だ!!

俺の師匠の、なのはさんの弾幕は、こんな物じゃ済まされなかったんだぜ!!

この世で唯一人、俺が誰よりも強いと信じてる千冬姉が

手も足も出なかった人がここまで俺を鍛えてくれたんだ!そして見せてやる!!

俺があの人に少しでも追いつくために磨いた技を!!」

 

 雪片弐型を脇構えに持ち、上体を低くして前のめりになる。

その状態で最後の瞬時加速を発動。

 

「うおおおおおおおおおおおお!!!二重(ダブル)瞬時加速(イグニッション・ブースト)オオオオオオッ!!」

 

 しかし、一夏はその状態から更に瞬時加速を発動。

一気にラウラの懐に飛び込んだ。

 

「あ、あれは!!」

 

「織斑先生?!」

 

「一夏…お前…」

 

 眼前の光景に千冬が思わず身を乗り出す。二重瞬時加速。

それはかつて千冬だけが出来るとされた最強の加速法だった。

 

「二重瞬時加速…馬鹿な…あいつ…使えるようになったのか?!!」

 

「ええ?!二重瞬時加速って…」

 

「高町…奴め、あそこまで鍛えたと言うのか?!」

 

 いつ会得したのかは誰も知らない、恐らく当の本人にも解らないだろう。

だがその理由は明白だ。

なのはの弾幕を避けたいという男の一念が一夏に姉の奥義を会得させたのだ。

 

「ふっ…そうか。まさか、あいつがな…」

 

 いつしか千冬の眼から涙が、頼りなかった弟の成長が嬉しいのだ。

普段はあんなにスパルタだが、なんだかんだ言って

弟が好きで好きでしょうがない千冬がその本性を見せた瞬間である。

 

「ウリャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

 前のめりになっていた上体を起こしながら振り上げられた雪片弐型、

上体移動の力も加わった強力な居合抜きでS・レーゲンのアームを両断。

 

「ぐあっ…」

 

「まだ終わらないよ!!行っけえええええええええええええええええええ!!」

 

 さらにシャルロットが決戦兵器、69口径パイルバンカー灰色の鱗殻(グレー・スケール)を展開。

胴体に多大な隙を晒したラウラの腹部にぶちかまし、壁に叩きつけた。

 

 ドガッシャアアアアン!!

 

「グワーッ!!」

 

 叩きつけられた衝撃と、

アマチュアに追い詰められた屈辱で混濁した意識の中、ラウラは憤った。

 

「(馬鹿な!この私が負けるだと?一国の代表候補生である私が、

乗り始めて2か月程度のアマチュア如きに?

ナノハ・タカマチは、一体どれ程の鍛錬を施したと言うのだ?)」

 

 薄れゆく意識の中、ラウラに何者かが囁きかける。

 

『汝、力を求めるか?』

 

「力…?何の事だ?!」

 

『何者にも負けない力を求めるか?』

 

「何を言っている?!お前は誰だ!!」

 

『自らの変革を望むか?より強い力を欲するか?』

 

 謎の声はラウラに力を授けようとしている。

だが、ラウラにはそれを絶対に受け入れられない理由があった。

 

「断る!力は自らを磨いてこそ手に入る!私は織斑教官からそれを学んだ!!

願うだけで手に入る力など、有る筈がない!!」

 

『ならば、汝はあの頃に逆戻りするだろう。

出来損ないと蔑まれていたあの頃に…』

 

「そんな筈はない!今は力が及ばなくとも、

いずれ私は勝つ!放っておいてくれ!」

 

『愚かな…この結末は汝が招いた物。

そこから見ておけ、心の奥底で憧れていた絶対の力を…』

 

「止めろ、止めてくれ!私はそんな力などに頼る気は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

VT-system zu starten!!

(VTシステム、起動します!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その瞬間、アリーナが震えた。

 

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」

 

 ラウラの絶叫が響き渡り、S・レーゲンが謎の放電に包まれると泥状に融解。

 

「や、やめろ!放せ!!、誰か、助け…」「ら、ラウラ?!」

 

 ラウラを飲み込みながら、新たな姿に。

その姿は嘗て、彼がモンド・グロッソで見た憧れの姿とまったく同じだ。

 

「千冬…姉…?なんだよ…何で…千冬姉の暮桜がこんな所にあるんだよ!!」

 

 そこにいたのはかつての世界最強。

現役時代の千冬とその専用機「暮桜」を模した漆黒の怪物だった。

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