魔法戦記リリカルなのはIS 高町なのはのIS学園見聞録   作:ピロッチ

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さあ、遂に戦闘開始です。第5世代機の初陣、とくと見よ!


第17話  そして魔王は目覚めた

 一夏の声に応え、ラウラの捕縛に来たドイツ軍をぶっ飛ばすべく降臨した

我等が暴走核弾頭、高町なのは。

だが、そこに現れたのは束捕縛の為大改革を成し遂げたICPOの実働部隊、

帝国華撃団…もといIS犯罪対策課(ICD)のIS飛行隊だった。

 

 ドイツ軍に同行していた彼女達に横槍を入れられて怒り心頭のなのはだが、

追い打ちをかける様にドイツ政府は捕縛の指揮を執る

ドイツ代表操縦者セルベリア・ブレスに

「なのはもラウラ諸共捕縛、若しくは殺害せよ」との指令を下す。時は来た。

なのはは伝家の宝刀、束から託された専用機「ヤマト」を展開したのであった。

 

 

 

「だ、第『5』世代機?!」

 

「そんな!世間はまだ第3世代機の試作中やのに…?!」

 

「いや、そんな事より…何ですのあの物騒な武装だらけのISは?!」

 

「全身武器の塊かよ…こいつ、強い!絶対に強い!」

 

「これが、篠ノ之束の最新作…?」

 

「冤罪晴らすべし、ジヒは無い!!!

例えこの島が海に沈んでも、私は絶対に妥協しないの!!!

さあ帝国華撃団+1!今この瞬間より…挑 戦 を 許 可 す る の ッ !

 

 なのはが挑戦許可を出した瞬間、

アリーナ中に某8代将軍の大立ち回り時のテーマ曲が流れ始めた。

ヤマトが放送機器のコントロールを掌握してこの曲を放送させているのだ。

 

「『挑戦』を『許可』だと?!何と高慢な物の言い方を…

まあ良い、望み通りに殺してくれる!!ICD、一斉に取り囲め!!」

 

「「「「「「ハイ!!」」」」」」

 

 セルベリアの命令一下、一斉に散開して上昇、なのはを取り囲むICD。

しかし、なのはは悠然とアリーナ中央へ歩きだす。

 

「上空を抑えられて、全く平然としている…」

 

「あいつ何をする気だ?いや、何かする前に決める!!」

(後ろを取った今なら…!)

 

「(私達も!!)」「(助太刀を!!)」

 

 まずカンナが背後から仕掛けた。先祖代々続く琉球空手の使い手らしく、

瞬発力特化、武装は両手のビーム爪だけというシンプルな機体だ。

更に剣術に長けたさくら、及び薙刀使いのすみれも側面から同時に斬りかかる。

事前の連絡無しに独自判断で連携出来るのは流石の一言に尽きる。

プロの面目躍如、余程の鍛錬を積んだのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし…相手が悪すぎた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貰っ「どーん!」

 

 ビダァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!

 

「グワーッ!!」「きゃああああっ!!」「なっ、何が…ンアーッ!!」

 

 ヤマトに飛び掛かった瞬間、カンナ機がヤマトを迂回してさくら機に激突。

更にすみれ機も巻き込み3機纏めてアリーナの壁に激突した。

 

「な、何だ?!何がどうなって…」

 

「ちょ、カンナ?!何をやっているの?!!」

 

「きゅ、急にコントロールが利かな…「ちょえーーーーーーーーーーっ!!!」

 

「うわぁあああああ?!」

 

 ヤマトの掛け声と共に、

カンナ機は見えない手で振り回されるかの様な滅茶苦茶な機動で

他の機体に超音速で激突を繰り返す。

 

「「「「「ぎゃあああああああっ?!!」」」」」

 

「な、何だ?!故障か?!」

 

 流石にセルベリアはギリギリの所で全て回避したが、

他の隊員は避けきれずに激突。あっさり包囲を崩されてしまった。

そしてすみれ機の脇腹に頭から叩き付けられるかの様に激突した直後、

カンナ機は上下逆さまの状態で急上昇。その時、マリア達は見てしまった。

 

「?!!カンナの機体、足首に何かがくっ付いてる?」

 

「な、何だよ、何だこのアームは?!くっそ、離せ、離せよ!!」

 

 良く見ると、カンナ機の脚部を謎のアームが掴んでいたのだ。

まさか、あの正体は…

 

「もう遅い、脱出不可能なの!!」

 

「とどめのいっぱつ、どーん!

 

 ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウウウウウン!!!

 

 そのままヤマトの声に合わせて、カンナ機は頭から地面に突っ込んだ。

土煙が収まると、カンナ機は逆さまの状態で足首まで地面に埋まっていた。

 

「か、カンナ! 一体何が?!」

 

「これぞ第5世代技能『遠隔部分展開』なの!!」

 

「えんかく…ぶぶん…てんかい?」

 

「ヤマトは私の視界のどこにでもパーツを部分展開し、

そのパーツは私の意のままに操作可能!!

即ち、ヤマトは機体その物が分離式機動兵器なの!!!」

              

「「「「「「な、ナンダッテーーーーーーーーーーーーーー?!!」」」」」」

 

 一同仰天。

カンナ機を掴んだ謎のアームの正体は遠隔部分展開したヤマトのそれだった。

これこそが今まで一夏達の鍛錬で何も無い所から攻撃が放たれる現象の正体。

あの現象の真相は、ヤマトが「銃火器の先端だけ」展開して攻撃していたのだ。

 

「(分離式機動兵器…確か英国がBT兵器の名で研究中だったが、

タバネ・シノノノめ、もうその進化系を完成させていたのか!)」

 

「アカン!皆止まっとったらアカン!!はよ動き回らんと!!」

(や、ヤバすぎる!!こいつ、距離っちゅう概念をブチ壊しにしよった!!)

 

 ロケットランチャーを連射しつつ瞬時加速でその場から離れる紅蘭機、だが…

 

「全くその通りなの!!」

 

「ぐ…がっ?!」

 

 ヤマトがそれより早くアームを遠隔部分展開し、

紅蘭の頭部にきつーいアイアンクローを仕掛けた。

 

 ミシミシミシミシミシ!!

 

「あだだだだだだだくぁwせdrftgyふじこlp;@:!!!!」

 

 声にならない悲鳴を上げている紅蘭を機体ごと自身に引き寄せるや…

 

「おら!!!」

 

 ドガ!!

 

「アイヤァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」

 

 もう一方のアームで殴り飛ばす。飛んで行った先には…

 

「くっ、まだまだ!!私はまだ戦えます…わ…?」

 

 BLAM!!!

 

「「ぶわ!!」」

 

 すみれがいた。当然、両機は激突。

すみれは紅蘭機とアリーナの壁に挟まれてペチャンコに。

但し、絶対防御の御蔭で一応は無事だった。

そして、飛んでくるロケット弾はと言うと…

 

「うおおおおおおおおおお!!鬼嫁は爆発するのおおおおおおおおおおっ!!」

 

 これも簡単に片付いた。遠隔部分展開でさくら機を掴み、

弾幕の中に放り投げて弾除けにしたのである。

 

「ギャーッ!」

 

 勿論さくら機はロケット弾諸共無惨に爆発。アリーナに転がる事に。

 

「ひ、酷い…何で…鬼…嫁…ガクッ。」

 

「後3機…もう総崩れ?弱過ぎてお話にならないの!!」

 

 挑戦許可を下してから20秒足らず。しかしその間に7機中4機が脱落した。

無事なのはマリアと織姫及びセルベリアの3機。完全に総崩れである。

だが勘違いしてはいけない。ICPO-ICDの隊員が弱いのではない。

ヤマトとなのはが強過ぎるのだ。

 

「今度はこっちの番なの!!倍返しなのおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

 ドギュルルルゥウン!!ドギュルルルゥウン!!ドギュルルルゥウン!!

 

 反撃開始とばかりに主砲と副砲を射ちまくるなのは。

通常の数十倍の速さでディバインバスターを連射している姿を想像すれば、

なのはのとんでもない猛攻ぶりが伺えよう。

 

 更に副砲からも直径1mを超える光弾が雨あられと放たれる。

しかもタチの悪い事に、この光弾は一定の距離まで進むと大爆発。

たちまち島の上空は爆風の青い閃光に包まれた。

 

「ええい、考えなしにエネルギー弾を乱射する弾幕狂いめ!!」

 

「くっ…まだよ、まだ終わらない!!

ICDは、テロリストの手先などに屈しない!!」

 

 マリアは20mmレールガン「氷河(リディニーク)」と

12.7mm連装重機関銃「雪娘(スネグーラチカ)」を連射。

徹底抗戦の構えを崩さない。

 

「私も援護しマース!!」

 

 織姫機も指先に仕込まれた計10挺のレーザー銃「我が太陽(オー・ソレ・ミオ)」を斉射。

射出されたレーザーは一見見当違いの方向へ飛んで行く。

 

偏向射撃(フレキシブル)の妙味、とくと味わうデース!!」

 

 だがICPO-ICDはここからが違う。何とレーザーが空中で軌道変更。

織姫は精神感応制御によってレーザーを自在に操る事ができるのだ。

しかしなのはに射撃戦を挑む事はそれ自体愚かな選択だった。何故なら…

 

「射撃戦こそ私の本領なの!!

長距離特化の力、とくと思い知るの!!!対空戦闘始め!!」

 

 なのははヤマトの全身に備え付けられた四連装機銃

「ノイジークリケット(束命名)」で直ちに応戦。

銃口に光となったエネルギーが収束すると…

 

 

「どーーーーーーーん!」

 

 

 15基60挺の対空機銃が一斉にビームを発射。

只のビームではない。一発でも掠っただけで即SE切れ必至。

命名元にも勝る驚異の大出力だ。

 

「馬鹿め、どこに目を付けている?!」

 

 しかしICPO-ICDもセルベリアも黙って食らう様な事はしない。

この程度の弾幕は難なく回避した。

そもそも、後方の1基は真反対の方向に射撃している。

だが、ヤマトには向きなんてどうでも良いのだ。何故か?

 

「おおおおおおお!!みようみまねのふれきしぶるぱぅわぁーーーーーー!!」

 

 ヤマトの雄叫びと同時に、60条のビームが一斉に軌道変更。

生き残った3機に殺到した。

何とヤマトは織姫の偏向射撃を一目で看破し、その場で習得したのだ。

正に第5世代機。ISの本家本元篠ノ之束の技術を遺憾なく見せつけた瞬間だ。

 

「馬鹿なーッ!奴も偏向射撃を使うのか?!!」

 

「しかもこの数を同時制御?!それに見よう見まねって…まさか?!」

 

オーディオミオ(オーマイゴッド)!!見ただけでパクったのデスーカ?!

そんなの反則デース!!」

 

 織姫はオー・ソレ・ミオの偏向射撃で迎撃するが、

10対60では話にならなかった。

 

「マンマミィアッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

 あっさりパワー負けして大爆発。海上へと吹っ飛ばされていった。

これでICPO-ICDは隊長のマリアを残すのみ。

 

「そ、そんな…!!」

(30秒足らずで私以外全滅?!有り得ない!これが第5世代機の力なの?!)

 

 余りの戦力差に思考停止するマリア。しかしその隙はヤマトの前では致命的。

 

「隙あり!」

 

 ガシッ!!

 

「うっ!!」

 

 即座に遠隔部分展開で首絞めを仕掛けられた。

 

「なっ…!!くっ、こっちもか!邪魔だ!!」

 

 セルベリアが振り払おうとするが、彼女にも別のアームが掴みかかる。

これは紙一重で躱され、

逆に槍型荷電粒子砲「ユグド」とサーベルで払いのけられた。

 

「(こ、このっ…)」

 

 マリアは左手で何かを掴む。

手に取ったのは液体窒素を詰め込んだ冷凍グレネードだ。

それをヤマトのアームに叩き付けた。

 

「!!!」

 

 たちまち液体窒素で関節が凍り付き、異常を察して手をひっこめるヤマト。

 

「むむ、右手が凍ってしまったの…まあ左手が有るから良いか…。」

 

「(隊長として、せめて一矢報いなければ!!)食らえ!!」

 

 すかさず20mmレールガンをヤマトに射ち込む。

弾丸は全弾がヤマトへの直撃コースを取る。

 

「無駄な事を…」

 

 バチバチバチバチバチバチバチバチバチィ!!

 

「?!!」

 

 直後、ヤマトの眼前で火花が散った。

何とヤマトは四連装機銃で20mm弾を「撃墜」したのだ。

 

「何ッ!銃弾を射ち落とすだと?!」

 

「そんな!!これ程の精度のFCSがこの世に…!」

 

「うおおおおおおおおおおおお!!いんかみんみっそおおおぉぉぉーっ!!!」

 

 ヤマトは右手のお返しとばかりに

煙突状構造物とスラスターウイングの全発射管から計36発のミサイルを発射。

 

「今度はミサイルだと?!ハッ、そんな物、全て射ち落として…」

 

「多重量子変換解除!!」「何?!」

 

 その時、不思議な事が起こった!!

 

 ドン!

 

「?!!!!」

 

 何と薬瓶程度のサイズだったミサイルが巨大化。

ミサイルの正体は超音速対艦ステルスミサイルだったのだ。

 

「きょ、巨大化?!…いや、これは量子変か…!!」

 

 ここでミサイルが一斉に起爆。

この対艦ミサイル、束により燃料を減らした代わりに弾頭重量を増やし、

炸薬は1gでRDX爆薬8g分の威力を持つ束謹製の液体炸薬に改めていた。

その威力は絶大で、36発の一斉起爆により学園上空は爆炎に包まれた。

 

「これぞ第5世代技能『多重量子変換』!!

量子変換の重ね掛けで並のISでは搭載不能の大型実体弾兵器を

対IS用小型ミサイルとして搭載し、一斉解除で元のサイズに戻す技能!!

今のヤマトは、ICBMすら搭載できるの!!!」

 

「くっ、今のでICPO-ICDは全滅か…。どうやら広域殲滅型らしいな。

タバネ・シノノノめ、あんな物を造り出すとは本気でテロを起こす気なのか…?

だがっ!これでこちらの勝ちは決まった様な物だな!!」

 

 唐突な勝利宣言。だが、セルベリアにはそれなりの根拠があった。

 

「んん?何を…!! 成程、よく考えたの!!」

 

 よく見るとセルベリアは学園校舎を背にしてヤマトと向かい合っている。

このままヤマトが攻撃すれば、

背後の校舎に流れ弾が直撃するだろう。これでは手も足も出ない。

 

「これで地の利を得たぞ!!

今射てば背後の校舎に当たる!!最早攻撃できまい「と思っていたの?」

 

「…えっ?」

 

 ドギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルゥゥウウウン!!

 

「何ィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」

 

 何となのはは迷わず主砲を斉射。セルベリアは光線をギリギリで躱した。

 

「その昔、遥か彼方の銀河系にいた伝説の戦士

『ジェダイ』に伝わる究極奥義『チノ=リ』。意外な所でお目にかかれたの!!

だが、ヤマトの単一仕様能力(ワンオフ・アビリティ)の前では無意味!!」

 

「単一仕様能力だと?!やはり使っていたか!!」

 

「後ろを見るが良いの!!」

 

 言われて振り向いたセルベリアの視界にあったのは…

 

「な、何…!!これは…そんな、馬鹿な!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何 で 傷 一 つ 付 い て い な い ん だ ? ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこにあったのは自分達が乗り込む前と何も変わらない校舎。

だが、校舎にはヤマトの砲撃が直撃した筈だ。

 

「な、何が起きたんだ…奴の砲撃は校舎に直撃した筈!!

それなのに…何故校舎は無傷で残っている?!!」

 

「これぞ私の単一仕様能力(ワンオフ・アビリティ)!!

私の視界にある物全て、活かすも殺すも心のままに!!

物体への破壊と非破壊を自在に制御し、無関係の物体を素通りして、

標的のみどんな防御策も関係なく射ち抜く究極の一撃必殺攻撃。

その名は…『活殺自在』!

 

 このワンオフ・アビリティ、束がなのはに語った説明に依ると、

 

「生身の人間の背後にISがいて、

生身の人間越しにISに向けて主砲をぶっ放したとする。

このワンオフ・アビリティがあれば、生身の人間もISも傷付けず、

ISの操縦者だけを絶対防御を素通りして討ち取れる。」

 

 との事である。零落白夜をも超える防御不可能攻撃の一つの完成形。

正に人智を超えた神の力である。

 

「カッサツ…ジザイ…?!破壊と非破壊を意のままに制御するだと?!」

 

「その通り、碌に力も制御できずに国際機関に喧嘩を売ると思っていたの?」

 

「あ、在り得ん…!!何なんだ?…何なんだこいつは?!

タバネ・シノノノは…もうここまでISを進歩させたのか?!」

 

 だが何を言った所で無駄である。あるのはICPO-ICD飛行隊は全滅し、

残るはセルベリアただ1機という結果のみ。

 

「さて…。」

 

 なのはは生き残ったセルベリアの方に向き直ると…

 

「さあ決戦なの!!!1対1なの!!!タイマンなの!!!

私は冤罪を許さない!!!本気で叩き潰してやるの!!!

徹底的に〆て〆て〆捲ってからO☆HA☆NA☆SHIなのぉっ!!!」

 

 荒ぶる暴走核弾頭、高町なのは。もう誰も彼女を止められない。




3世代の差は余りにも大きかった…合掌。
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