魔法戦記リリカルなのはIS 高町なのはのIS学園見聞録   作:ピロッチ

18 / 93
さあお待ちかね、いよいよ一騎打ちでの決着の時です。
昨日投稿した前話ですが、
連載開始以降、初めて日間UAが1000を突破しました!!
いつかは旧版の様に日間1500に到達できると良いなぁ…。


第18話  決着!

 遂に全貌を現したなのは専用機、「ヤマト」。

ドイツ代表操縦者セルベリアと帝国華…じゃなかった、

ICPO-ICDの飛行隊計7機相手に真正面から喧嘩を売り、

3世代差に物を言わせ、ICPO-ICDを一方的に全滅させた。

残るはセルベリアただ1機。果たして、勝つのはどっちだ?!

 

 

 

 その頃、IS学園地下管制室では…

 

 千冬はラウラを連れて学園の地下まで逃げていた。

 

「ここまでくれば、奴等もそうは追ってこれまい。」

 

 そう言いつつも千冬は準備を怠らない。

壁のラックを開けると、中から現れた日本刀を手に取る。

 

「教官、申し訳ありません、私のせいで学園に大変な迷惑を掛けました。」

 

「気にするな、お前は悪くない。

悪いのは高町の言う通り、束の言葉を無視した奴等だ。お前は気に病むな。」

 

「ですが!そのせいで大佐殿が私を捕えに来てしまいました。

教官殿はご存知でしょう、あのお方がどれ程の実力者かを…!」

 

「うむ。通称『青い魔女(ブラウ・ヘクセ)』。

第1・2回モンド・グロッソのドイツ代表操縦者で、成績は両大会とも第3位。

奴が公式戦で負けたのは私が相手の時だけだな。」

 

「仰る通りです。私を助ける為とはいえ、

彼女は余りに無謀な事をしています。このままでは…」

 

 涙ながらに語るラウラだが、千冬はラウラの頭上に手を置いてこう返した。

 

「お前が心配する事はない。安心しろ、高町は勝つ。

何せ奴は私より強いからな。前にも見せただろう?私の額の傷跡を。」

 

「はあ…。」

 

「奴自身は自分の過去を全く語らない上、

どれだけ調べても詳しい出身地や、家族構成等は一切不明だった。

だがこれだけは解る。奴は強い。途方もなく強い。

そして己が良しとした事なら一切の妥協なく、

結果も顧みずに実行する途方もない行動力の塊だ。

誰かが奴を『暴走核弾頭』と呼んだが、正にその通りの女だよ。

奴はああやって私達の知らない所で

もう何年も修羅場を潜り抜けて来たのかも知れんな…。」

 

 ラウラは千冬の言葉を聞いているうちに、体が震えていることに気が付いた。

 

「超人…。」

 

 ラウラの出身国ドイツにはかつて、

「神は死んだ」と説いた哲学者ニーチェがいた。

彼は「自身の価値観が世界に屈しない生」を説き、

それを成す者を「超人」と呼んだ。

 

 もしもなのはが本当に千冬の言う通りの人間であるならば…

彼女は最早人間ではなく、ニーチェの説いた超人その物ではないのか?

 

「だからお前も、奴を、高町を信じろ。きっと奴は勝って帰ってくる。」

 

「解りました。おかげで、心が落ち着いた気がします。」

 

「そうか、それは何よりだ。ああ、それと…」

 

「何でしょうか?」

 

「ここは一介の高校だ。私の事も教官殿ではなく、先生と呼べよ。」

 

「は、はぁ…。」

 

 

そして、アリーナに戻ると…

 

「さあICPO-ICDはもういないの!!!これで心置きなく戦えるの!!

人類初の『ブリュンヒルデを破った女』に挑める事を誇りと思うが良いの!!」

 

「お、おのれーっ!!…いいだろう、かくなる上は真の姿を見せてやる!!」

 

 セルベリアが告げた真の姿。それは稼働時間と戦闘経験が蓄積される事で

ISコアや機体その物と操縦者との同調が高まり、

単一仕様能力が発現可能となる第二形態、「二次移行(セカンドシフト)」の事を指していた。

 

「見るがいい!!青い魔女(ブラウ・ヘクセ)の本気の姿を!!」

 

「Blau Flamme, Zweite schicht!!!」

(B・フランメ、二次移行(セカンドシフト))!!!

 

 その瞬間、B・フランメが発光し機体が変形。光が消えた中から現れたのは、

両肩からW字型のスラスターウイングを生やした全身装甲型のISであった。

 

「これぞ我がB・フランメの第二形態『天の業火(ヒンメル・フォイアー)』!!

ブリュンヒルデが引退さえしなければ、奴の前で始めて披露する筈のこの姿、

見られた事を光栄に思うがいい!!食らえ!!」

 

 次の瞬間、ヤマトの動きが止まった。

 

「!! AICか…!!」

 

 B・フランメは第2世代機だが、

3度の改良により第3世代機兵装も取り入れられている。

当然、AICも後付けながら搭載されていた。

 

「ひっかかったな!いくら第5世代機でもAICからは逃れられまい!!

そして受けてみろ、我が単一仕様能力…『猛火の戦乙女(ヴァルキュリア・フランメ)』を!!」

 

 直後、B・フランメが炎上。機体全体が青い炎に包まれた。

これがセルベリアの単一仕様能力『猛火の戦乙女(ヴァルキュリア・フランメ)』。

自身をジェット推進効果を伴う炎のバリアで覆う事で

高機動と防御を両立した攻防一体技だ。

この性質故、近くに味方がいると移動の邪魔な上に

衝突時に危険度が増す為使えた物ではない。

つまり、完全なタイマン時専用の単一仕様能力である。

 

「この超音速機動、見切れるか?!」

 

 セルベリアはマッハ2+の超音速機動でヤマトの周囲を周回。

AICで行動不能になったヤマトはセルベリアが何処にいるのか把握できまい。

動けないなら、槍型荷電粒子砲「ユグド」の最大出力で一気に決められる。

 

「これで終わりだぁー!」

 

 セルベリアが一気に急接近。すれ違いざまにユグドからビームを発射。

当然、ビームはヤマトへ過たず直撃。

またもアリーナ上空で大爆発が巻き起こった。

 

「勝負あったな…いくらタバネ・シノノノの専属とは言え、

所詮は軍事教練など受けていない性能任せに暴れるだけの学生風情…

私の敵では無かったか…。」

 

 だが、セルベリアは思い知る事になる。

何故ヤマトが第5世代機と呼ばれるのかを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「   ど   こ   へ   い   く   の   か   な   ?   」

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!!!」

 

 セルベリアには絶対に聞こえる筈のない声がはっきりと聞こえてしまった。

声のした方向に向き直ると…

 

「そ、そんな…そんな馬鹿なぁ!!!」

 

 ヤマトは全くの健在だった。

 

「この私が3世代前の荷電粒子砲で死ぬと思っているの?」

 

「あ、在り得ん…在り得んぞ!!

あれをまともに受ければ並みのISは絶対防御すら貫通される筈だ!

何故だ?!何故貴様は…」

 

「何故?そんなのは簡単なの。ヤマトのSE最大値は…530,000なの。」

 

 最大SE53万。これがどれ程ふざけた数値かは他のISと比較すれば解る。

例えば白式を初め競技用のSE最大値はリミッターにより一律1000で固定。

セルベリアやICDの使う業務用は少なくとも1万。

そして軍用の第3世代機ならば4~5万は行くのではないかと言われている。

 

つまり、ヤマトの53万と言うのはその10倍以上。

最早常識もへったくれもない文字通り桁違いの数値であった。

 

「ごじゅう…さん…まん?…53万だとぉぉぉ!!!

貴様ふざけるのも大概にしろ!

最大SEが6桁のISなど、そんな物この世に存在して堪るか!」

 

「無いから束さんが作ったの!!

これぞISの本家本元!!ISの母の叡智、ここに在りなの!!」

 

「ぐっ、ぐぬぬーっ!!…だが、AICある限り

貴様は一歩たりとも動けない「と思っていたの?」

 

 何と背後からなのはの声が。

 

「な、何ッ!!」

 

 セルベリアが振り返ると…やっぱり、ヤマトを駆るなのはだった。

 

「ナーアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァ?!!」

 

「AIC敗れたりッ!!

ヤマトは瞬時加速が使用不可能だけど、その代わりがこのワープ能力なの!!

これぞ第5世代技能『ヤマトワープ』!!!」

 

 つまり瞬間移動である。最早反則どころではない。

科学の範疇を逸脱したウルトラチートだ。

そして、即座にヤマトのアームが遠隔部分展開でB・フランメA3を掴む。

 

「良く頑張ったがとうとう終わりの時が来た様なの。

私は冤罪を許さない!!絶対に、絶対に…」    

 

 

 

 

 

ゼ      ッ      タ      イ      に      !

  

 

 

 

 

 

 

 

「くっ、させるか「レストリクトロォーック!!」

 

 なのはは満を持してレイジングハートを展開。

レストリクトロックでB・フランメA3を拘束。

 

「な、何だこのリングは!!くっ、動けん!!貴様、まさかAICを…」

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!これが私の全力全開!!!!

咎人に滅びの光を!!星よ集え!!全てを撃ち抜く光となれ!!貫け閃光!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

STAR LIGHT…BREAKEEEER!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドッゴォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオン!!!

 

「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 

 

 

 

\キラーン/

 

 

 

 

 

 セルベリアはスターライト・ブレイカーの直撃を食らい、

遥か彼方へ吹き飛ばされていった。

 

 

 一方その頃ベルリンでは…

 

「全く、VTシステムがあっても一撃でやられるとは、

VTシステムのデータ収集すらできんとはとんだ役立たずめ。」

 

「所詮はヴォーダン・オージェとも適合しない欠陥品。

これを期に処分してしまうのが妥当でしょう。」

 

 ベルリンの某所で密談をする謎の輩。

その正体はドイツ国防相を含む国防省の官僚連中である。

ラウラの専用機にVTシステムを仕込ませたのはこの連中の差し金であった。

 

「ドニエール事務総長。

この件で本当に我がドイツが疑われる事は無いのでしょうな?」

 

『如何にも。VTシステムが操縦者の意志に反応する事は広く知られている。

本人が勝手にやったことにすれば誰も疑いはすまい。

この件でドイツ政府が捜査を受ける事は無いと保証しよう。

仮に疑われても、隠蔽は容易い。

それに、ICDの存在感を世界に示す良い機会にもなる。』

 

 ホログラムモニターで密談に加わっているのはICDの直属の上司、

ICPO事務総長にしてデュノア社の社長夫人アリエノールの父

アルフォンス・ドニエールだ。

彼等が結託した理由はただ一つ。「先例」が欲しかったのだ。

 

 代表候補生の専用機に違法システムが搭載されていた事実を逆手に取り、

違法システム使用犯逮捕の名目でIS犯罪対策課(ICD)と軍が学園に乗り込む。

これでICPOがIS学園に干渉できる先例を作ろうとしていたのだ。

そうすれば、以降ICPOがIS学園に不穏な動きがあるとして

強制捜査の名目で乗り込んでも国際社会からは疑われない。

 

 それどころか、自分達が疑われまいと積極的に捜査に協力するだろう。

例えその際、代表候補生の専用機を「抵抗の恐れがある」として押収しても

誰がそれを止め立てするだろうか?そうなった際、最も得をするのは…。

 

「この前はおかしな奴等がロベルトに言い寄ったおかげで、

第3世代機開発の遅れを口実に追い落とすチャンスを失ってしまったけど、

丁度良く巻き返しのチャンスが転がり込んできたわ!」

 

 そう。同席しているアリエノールの言う通り、

ICPO、ひいてはそれを率いているドニエール一族の人間である。

 

「いくらあのメス猿めがタバネ・シノノノの専属とか抜かしていても、

事実上の世界ランク2位と

国家代表に匹敵するICDの精鋭相手に何が出来るものでしょう!

楯突いたところで返り討ちに会うのがオチ…

ドニエール一族に逆らえばどうなるか身を以て思い知る事になる筈ですわ!!」

 

『うむ。「あの方々」に世界中の最新ISのデータを献上し、

我が一族の力と有用さを示せば、我等はいつまでも安泰であろう!』

 

「首尾よく事が運べば、次はあの妾腹よ!

本当ならタバネ・シノノノが第3世代機をロベルトに差し出した後で

事が起きるのが理想だったけど、起きてしまった物は仕方ないわ!

ほとぼりが冷めたらあの妾腹もロベルトがスパイとして送り込んだ事にして、

治安介入部隊(GIGN)とICDの合同作戦で捕えましょう!」

 

「その時は、残りの代表候補生のISも押収しましょう!

そうすれば日本に取って代わりEUが、

ひいては『あの方々』がIS開発の最先端に立てるでしょうからな!」

 

 完全に勝ったと思い込んでいる一同。確かに完璧な計画だっただろう。

只一つの誤算を除けば…そして、その誤算の因果は速やかに跳ね返って来た。

 

『大臣、ハンブルクから緊急報告が入りました!』

 

「何事だ!」

 

 国防相あてに職員から通信が入った。

 

『現地の秘密研究施設が、先程謎のISの襲撃を受けて破壊されました!』

 

「何?!」

 

 そこは表向きシュヴァルツェアシリーズのメーカーが保有する施設。

だが、その実体はドイツ政府の、いや、その裏にいる

「あの方々」の命令でVTシステムを研究している闇の施設であった。

 

『内部からのリークの痕跡がない以上、犯人はタバネ・シノノノでしょう。』

 

「そ、そうか…で、報道機関には知らせてあるのか?」

 

『まだ、そこまでは。』

 

「ならば報道機関には『イスラム過激派のテロの可能性高し』と知らせておけ。

VTシステムの件はあくまで末端の暴走として片づける。」

 

「はっ。」

 

『国防相!例の一件で首相閣下から命令が!』

 

 今度は別の職員が国防相に通信で報告に来た。

 

「何、首相から?何と言っている?」

 

『大統領閣下との連名で、

「今回の一件はドクトル・シノノノの報告書に基づいて沙汰する。

よって逮捕した全員を不起訴処分として直ちに釈放せよ。」と有ります!』

 

「何ぃ!奴め、いつの間に政府に手を回し…」

 

チュドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!

 

「「「「「『な、何だぁーっ?!!!』」」」」」

 

 突如外から響く轟音。その正体は…

 

「こ、こ、こ、国防相!!大変です!!!」

 

「何事だ!!!」

 

「こ、こっか、こっかい…

国会議事堂が、桃色の巨大光に呑みこまれ爆発四散しました!!!」

 

「「「「「『ナ、ナンダッテーーーーーーーーーーーーー?!!!』」」」」」

 

「馬鹿な?!!国会議事堂だぞ!!

フランスの件と言い、こんな大掛かりなテロが…!!」

 

『ま、まさか…いや、そんな筈が「ぅゎぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!」

 

「ん、何だ?」

 

 ドォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!

 

 突如何かが轟音と共に会議室に墜落してきた。慌てて墜落現場を見ると…

 

「「「「「『な、何ィーッ?!!!』」」」」」

 

 そこにいたのはB・フランメを展開したセルベリアだ。

スターライト・ブレイカーを食らったセルベリアは

遥かベルリンの国会議事堂に墜落。

着弾の際の大爆発でここまで吹っ飛ばされたのだ。

 

「こ、これはブレス大佐!学園で捕縛任務に当たっていた筈では…」

 

『な、何だと?!』

 

 更にその直後…

 

「「「「「「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」」」」」」

 

 6機のIS、R・R・ICDモデルが上から降ってきた。

正体は言うまでもないだろう。

 

「「「「「「『うわぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!』」」」」」」」

 

『な、何だ!!何がどうなっておるのだ?!!』

 

「何なのだ、これは!どうすればいいのだ?!」

 

 墜ちてきたISは全てズタボロの状態である。そして…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なのおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ズドォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!

 

「「「「「「「グェーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」」」」」」」

 

 無残に床に転がるISを踏み潰し、8機目が降り立った。




決着完了!
2話を跨いでいるので長い事戦っている様に見えて、
この戦い、実際は2分も経ってません。
華撃団とセルベリアが弱いのでは無く、なのはとヤマトがそれだけ強いんです。
戦闘機で言えば、1機のF-35に
6機のF-104と1機のF-4が挑む様な物です。
操縦者の腕も負けてるのに、どう勝てと?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。