魔法戦記リリカルなのはIS 高町なのはのIS学園見聞録   作:ピロッチ

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いよいよ今回、束の口からヤマトの詳細が語られます。
果たして、世界初の第5世代機とは何ぞや、いかなるコンセプトで造られ、
どのようなスペックなのか、その全貌をご覧ください。

追記

前話の投稿を以て、本作のUAが2万を突破致しました。
ありがとうございます!!
これからもリメイク前の7万に少しでも近づき、
追い越す努力を重ねます。御期待下さい。




第24話  悪魔の艦の名を継ぐ者

「あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!

『俺達は米軍の暴走ISを止めようと作戦会議をしてたら、もう解決していた』

な…何を言っているのか解らねえと思うが俺も何が起きたのか解らなかった…」

 

「一夏、誰に向かって話しているんだ?…いや、そんな事より束!!

お前は今、変なISをやっつけたと言ったんだな?!!」

 

「そうだよ。…何か悪いことした?」

 

「(福音の画像を見せる)そのISは、こんな姿だったか?!」

 

「ああ、これだよこれ!

ヤマトの装備テスト中に飛んできたから、

実験台代わりにどーん!で吹っ飛ばしたんだ!!

今頃砂浜でスケキヨ状態になってるよ!!

そんなに大事な物なら、早く回収に行って来たら?」

 

「「「「「「……………………………………………………………。」」」」」」

 

 一同声が出なかった。学園が米軍の暴走ISを止めようとしていたら、

それより先に動いて片づけていた。だがちょっと待って欲しい。

 

「有り得ん…お前が今日持って来たヤマト用の装備の量は尋常ではなかったぞ。

あれだけの装備をもうインストールし終わったと言うのか?」

 

「んん?あの箱の中身の半分は換装、追加を補助する機材だよ?

追加装備自体もそこまで多くないし、簡単だったよ。」

 

「何だ、そうだったのか…。」

 

「でねでね、具体的にどうなったのか聞きたい?」

 

「そんな暇はない!」

 

「えー、ひどーい!!聞いてくれても良いじゃなーい!」

 

 と、ここで沈黙を通していたなのはが動いた。

 

「是非そうするべきなの!!!」

 

「た、高町…?!」

 

「ここにいる皆はヤマトを知らないの!!

今の内にヤマトとは、第5世代機とは何かを知るべきなの!!」

 

「そ、そうね!高町さんの言う通りよ!

設計者の篠ノ之博士から説明して貰いましょう!!」

 

「ひ、日高主に…ムグ!」

 

「(千冬ちゃん、ここは言う通りにして!

あの2人が機嫌を悪くしたら何するか分からないわ!!)」

 

「ううむ、解りました。束、時間が惜しいから手短にしろよ。」

 

 と言う訳でなのはの鶴の一声で束によるヤマトの説明会を始めることに。

 

「やったぜ。じゃあヤマト、出ておいでー。」

 

「はーい。」

 

 束の声で天井から何かが降りてきた。

そこにいたのは3頭身のぬいぐるみ、待機状態のヤマトなのだが…

 

「ヤマ…ト…?」

 

 デカい。あから様にデカい。具体的に言うと、身長が60cmに倍増し、

見た目も小学校時代から今のなのはの姿を模した物に変貌していた。

 

「「「「「(何か成長してるー!!)」」」」」

 

「(ナンデ?!成長ナンデ?!)」

 

「(わ、私に聞くな!)」

 

「ふっふーん。これぞ、本来建造する予定だったヤマトの正式版!

今までのヤマトは入学に間に合わせる為、

最低限の機能を付けたα版だったのだー!!」

 

「「「「「うっそーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!」」」」」

 

 驚愕の事実であった。つまりこの前のICDとセルベリアは…

 

「未完成のIS1機相手に、2分と保たずに蹴散らされた事になるのか…?」

 

「御愁傷様としか言い様がないな。ブレスが聞いたら憤死は免れまい。」

 

「でしょでしょ?それじゃ説明するよ!」

 

 そして、束がプロジェクターでヤマトの詳細を披露した。

 

 

 

 

 

 高町なのは専用IS「ヤマト」

 

 概要

 

 世代分類   第5世代

 

 戦闘スタイル 誰が何と言おうが長距離砲撃特化型。

 

 待機形態   3頭身にデフォルメされたなのはの人形。

        自律行動も可能。しかも喋る。

        声は束が自分の声をサンプリングした。

        怒ると盗難防止用の電気ショッカーで攻撃してくるぞ!

 

 展開時形態  どう見ても某擬人化軍艦目白押しブラウザゲームの

        戦艦大和の艤装。

        但し艦後側を縦に分割した形の脚部パーツが追加される。

        また、同名の宇宙戦艦の要素を多分に取り入れている。

 

 SE総量   どこぞの宇宙の帝王に肖り、53万。

 

 全高     3330mm

 

 装甲     カーバイン&グラフェン積層装甲

 

 最高速度   270ノット(500km/h)。ヤマト最大の弱点で、

        エネルギーリソースを攻撃力と防御力に回している為

        瞬時加速も不可能。尤も、補う手段はある。

 

 モチーフ   敵側の目線で見た「宇宙戦艦ヤマト」。

        死神または悪魔その物の戦闘力を与え、

        「例え悪魔の誹りを受けようとも、

        建造された理由、そしてISの本文を果たすべし」

        という願いをこの姿に込めた。

 

 武装

 

 光学兵器

 主砲   :三連装速射砲「ショックカノン」×3

      (両肩、主エンジン後方)

 副砲   :三連装機関砲「ショックカノン」×2

      (スラスターウイング先端部上方)

 近接火器 :四連装機銃「ノイジークリケット」×15

      (スラスターウイング外側各4、

       煙突型VLS両脇上下各1、後方1、両腕各1)

 

 実体弾兵器

 煙突型八連装ミサイルVLS×1(後背部)

 三連装重ミサイルランチャー×4(スラスターウイング先端部)

 側面八連装ミサイルランチャー×2(スラスターウイング側面)

 八連装近接防御グレネード投射機×2(煙突型VLS両脇基部)

 

 特殊兵器

 ロケットアンカー付き電流鎖×2(スラスターウイング先端部)

 戦闘機型自律機動兵器「コスモファルコン」×32

 (短刀型に量子変換されて大腿部に格納。

 分解されたスペアパーツも4機分搭載される。)

 

 決戦兵器

 ホーキング輻射装置「波動砲」×1(スラスターウイング右側)

 

 

 

 第5世代特殊技能

 S・レーゲンのAIC、BティアーズのBT兵器に相当する固有技能。

 

 技能1:遠隔部分展開能力

 従来の機体も部分展開は可能だが、展開位置は操縦者に装着した状態のみ。

 しかし、ヤマトはなのはの視界のどこにでも部分展開が可能で、

 その状態でパーツを操作可能。

 

 技能2:ヤマトワープ

 読んで字の如し。なのはの視界範囲内、及び一度行った事のある場所なら

 どこにでもワープ可能。瞬時加速出来ないヤマトの機動力を支える生命線。

 

 技能3:多重量子変換

 量子変換を複数回行う事で、ISが搭載できない大型の実体弾兵器を

 対IS用小型ミサイルのサイズに変換して搭載可能とする技能。

 ヤマトは全ての実体弾と分離式機動兵器「コスモファルコン」を

 この技能により格納している。

 

 

 第5世代機のコンセプトとは何ぞや?

 

 1:マルチコア化

 ISコアとはCPU兼動力炉兼バッテリー。

 当然、多数搭載すればそれだけ高性能なISが作れるが、

 どの国もコアを製造出来ない上、数が限られている為

 ISはシングルコアが原則だった。

 だが、世界で唯一コアを製造できる束ならその制約には縛られない。

 という訳で、ヤマトは4つ(入学当時、今は8つ)のコアを搭載した

 世界初のマルチコアISとなった。

 

 2:コアとCPUの分離

 マルチコア化のもう一つの問題点は、CPU=脳髄が複数になると言う事。

 これではどのCPUの意思で動けば良いのかがはっきりしなくなり、

 混乱の危険性が出てしまう。

 そこで、ヤマトはコアと別に主CPUとして人工知能を設ける方式を採用。

 ISコアには動力炉としての機能に専念して貰う事で、

 より多くのエネルギーをISの稼働に回せる事になった。

 

 3:操縦者との会話による意思疎通

 2で触れた通り、ヤマトのCPUは人工知能。

 このCPUに人間と会話する機能を搭載する事で学習効率を高め、

 機体稼働率の円滑な向上を実現。現在のヤマトの稼働率は97%に達する。

 

 4:常時武装完全展開

 武装呼び出し時のタイムラグを無くす為、常時武装を展開状態に。

 その為ヤマトに拡張領域(バススロット)は存在しない。

 

 

 

「ヤマトの説明はこんな所かな?

何はともあれ、これで、ヤマトは堂々の完成だよーん!」

 

「「「「「「……………………………………………………………。」」」」」」

 

 束の概要説明はこれで終了。説明を受けた一同の反応は…

 

 

 

「「「「「 何 こ れ ? 」」」」」

 

 

 

 この一言が全てを表していた。

 

「何だこのチートマシンは…。束、お前は全人類と戦争をする気なのか?」

 

「もう、何と言うかワタクシ達の理解を通り越してますわ。」

 

「頭痛くなってきた…姉さん…もう勘弁して下さい。」

 

「まあ、次世代機を通り越した次々世代機だからという事で納得してね?」

 

 と、ここで一夏から質問が。

 

「あれ?ヤマトには今日見せた紅椿みたいな展開装甲は無いんですか?」

 

 確かに、第5世代機を称するヤマトなら前世代機の装備である

展開装甲を装備していても何ら不思議ではない。だが、なのはは否定した。

 

「要らないの!展開装甲は多数の機能を一つに集約しているの!

それがやられたら一気に性能がダウンする事になるの!

何より一つの機能を使用中に別の機能が使えない、

だからヤマトには付けない事にしたの!!」

 

「へえ~…。そういう考えもあるのか。」

 

「とことん実戦仕様と言う訳か、で、これで終わりか?」

 

「まだまだ!今度は後付装備の説明だよーん!!」

 

 

 

 後付装備1:スーパーチャージャー

 ヤマトは瞬時加速が出来ない代わりに機動力をワープで補っていたが、

 ワープしてから再度ワープ可能になるまでに間隔があった。

 だが、これで瞬時加速並みの間隔でワープが可能になる。

 

 後付装備2:追加アーム「錣曳(しころびき)

 非固定浮遊部位(アンロックユニット)化された6基の追加アーム。

 これらのアームもまた四連装機銃搭載の上多重量子変換済みで、

 全ての量子変換を解いた場合、

 IS1機を容易く握り潰す程度のサイズになると言う。

 

 後付装備3:多重量子変換機構・改

 多重量子変換能力を強化し、より小型に量子変換することに成功。

 実体弾を更に多く搭載可能とし、継戦能力を強化した。

 

 後付装備4:対空榴散弾「3式弾」

 史実で使用された同名の弾薬と基本は同じ。

 普段はBB弾以下に小型化されているが、

 主砲口から飛び出すと多重量子変換が自動で解除され、

 直径480mmまで拡大する。

 

 

「そして、これが今回の後付装備の最大の目玉!!!」

 

「じゃじゃーん!」

 

 ヤマトが空中に展開したのは、スピーカー状の謎の物体だった。

 

「何だそれは?」

 

「むっふっふー。これぞこの束さんの自信作、『瞬間物質移送器』でーす!!」

 

「瞬間…物質…移送器?」

 

「ほら、ヤマトには遠隔部分展開があるでしょ?

遠隔部分展開はインストールしたパーツと

それが触れている物体にしか効果が無いけど、

これならインストール無しで他の物体を…

具体的には、他のISを丸ごと転送できまーす!」

 

「「「「「!!!」」」」」

 

 恐ろしい装備である。

これ自体は遠隔部分展開の応用品だが、その効果は凶悪だ。

 

「………最早ISの範疇を飛び越えていないか?」

 

「そうかもね~。でも、これが第5世代機なんだよ!」

 

「「「「「(もうツッコミ切れない…。)」」」」」

 

「やれやれ、…おっと、こんな事をしている時間は無い。

福音を回収するとしよう。」

 

「解ったわ、もう無力化されているみたいだし、

後は私達が片付けるから、千冬ちゃんと生徒の皆はここで待機してて。」

 

「「「「「「ハイ!」」」」」」

 

 と言う訳で、教員勢が福音の回収に出発した。

万一に備え、全員ISを展開しての出発になる。

 

 

 

 花月荘前の砂浜

 

「あれね…」

 

 束の言う通り、砂浜からISの下半身が突き出し、スケキヨ状態になっていた。

 

「さて、それじゃあまずは砂浜から引きずり出しましょうか。」

 

 真耶が福音に近づき、両足を持って砂浜から引きずり出す。

幸い砂地が柔らかいので、簡単に引っ張り出せた。

そして、残りの教員が操縦者から機体のパーツを引き剥がし、

更に安全の為にコアも抜き取った。

 

「コアを外したわ、これで動く事は無くなったわね。」

 

『了解しました。では、操縦者の安否を確認して下さい。』

 

「了解、脈を確認するわ。」

 

 操縦者の脈を確認すると、幸い失ったのは意識だけで命に別状はない様だ。

バイザーを脱がせると、中から現れたのは金髪の白人女性の顔だった。

 

『む?』

 

「織斑先生、どうかしましたか?」

 

『いや、見知った顔だったのでな。』

 

「知り合いなんですか?」

 

『ああ、名はナターシャ・ファイルス、

米軍のテスト操縦者の一人だ。一度会った事が有ってだな…』

 

「そうだったんですか。」

 

『目立った外傷も無い様だが、一応校医に見て貰おう。

私は理事会に状況を報告しておきますので、

残りの先生方は機体の運搬をお願いします。』

 

「「「「「了解。」」」」」

 

 

 

 だが、波乱はこれで終わりではなかった。

 

 

 

「はぁ~、終わりましたねー。それじゃ戻り…」

 

 ザグッ!!

 

「ガッ…?!」

 

 最後尾を歩く真耶が突然言葉を詰まらせる。その様子に皆が振り返ると…

 

「あ…あ…?」

 

 真耶の胸部から流血が。

よく見ると血塗られた槍の穂先らしき見えない刃が刺さっている様だ。

しかし、背後には何も見えない。

 

「ぐっ…あ…」

 

「え、ちょ…山田先生?」「真耶さん?!」

 

「山田先生?!」「な、何?!」「え?!」

 

「がはっ…!」

 

 直後、真耶は吐血してその場に倒れ伏す。

 

『日高主任、何事ですか?!』

 

「……………ヤマト!」

 

「まかせるの!!」

 

 モニター越しに異変を察知したなのは。即座にワープで海岸に出ると、

見えない何かがいるであろう空間にヤマトの追加アームを発射。

金属音が響き、何かが吹き飛ばされた様だ。

更に、真耶に刺さった「見えない槍」を探り当てて、

機銃で撃ち抜いて叩き折った。

 

「千冬先生!緊急事態なの!!」

 

『どうした?!』

 

「山田先生が刺されて負傷!敵は光学迷彩で肉眼では捕捉不可能なの!!」

 

『何だと?!』




まさかの急展開。果たして真耶の安否は?!そして、下手人の正体は…!!
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