魔法戦記リリカルなのはIS 高町なのはのIS学園見聞録 作:ピロッチ
ですが、そのまま戦うと力量と性能差に差が有りすぎてすぐ終わるので…
結構大変でした。
1年生の日本人生徒からから夏休みを奪い、
補習で日本人としての魂を鍛え直すと称して
学園に乗り込んできた近接戦至上主義者の回し者一味。
よくよく話を聞いてみると、この回し者共が剣に偏重する原因は
ICPO-ICD隊員の一人、真宮寺さくらの亡父、一馬にその一端があった。
優れた剣士だった彼はISによる剣技を確立する為自らを資料とし、
その結果完成した刀法で千冬がモンド・グロッソを優勝できたと言うのだ。
だが、その際の無理が祟った一馬はそれを見る事無くこの世を去る。
要は「こうやって成功したのだから、
お前らも同じ位苦労して剣を学べ」と言いたいのだ。
だが、それは「競うな、持ち味を活かせ」がモットーのなのはとは
全く相容れない思想だった。
ご丁寧にも持ち込んできた一馬の遺影に土下座して謝れと倉林は迫るが、
なのはは遺影を奪い取り、破って踏み躙るという真逆の返答を返す。
そして、勿体付けてばかりの倉林に遂に専用機を展開させたなのはは、
それを待っていたかのように二次移行を宣言したのであった。
「な、何だとォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
いきなりの二次移行宣言に慌てふためく倉林。
この前のは本気では無かったと言う事なのだ。
直後ヤマトは発光。暫くして光が収まった中から現れたのは、
更なる異形へと変形したヤマトであった。
「で、デカい、デカすぎる!!」
その高さは優に4mに達し、バイザーの頭上には三方を向いた般若面。
三連装主砲も3基から5基に増え、
背中から生えた巨大な手を思わせるフレキシブルシャフトの先端に移設。
しっかりと腕に付けられ、左腕の一本にはなのはの相方、
レイジングハートエクセリオンモードを模した長槍をその手に握っていた。
即ち、その姿は三面八臂の天魔鬼神。
否、それ以上の何かだった。
「これが…これがッ!これが!!ヤマトの第二形態『まほろば』なの!!!
さあ掛かって来るの!!今度と言う今度は、徹底的に〆てやるの!!!」
「な、何じゃあの化け物は…腕ばかり増やして気持ち悪い!!
第一貴様、いきなり二次移行なぞ卑怯だぞ!!それでも日本人か?!」
「私が化け物?違う、私は悪魔なの!!そして言っておく事が有るの!!
このヤマトは形態移行をする度に戦闘力が遥かに増す…
その形態移行を後2回も私は残している…この意味がわかるよね?」
「あ、後2回…後2回じゃとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお?!」
ISの形態移行は一次、二次、三次移行が知られているが、
このうち三次移行は理論上の物とされ、実際に達成した者は一人もいない。
だが…もしなのはの言葉が事実なら、なのはは三次移行を通り越して
更にその上、四次移行を達成したと言う事になる。
その姿を目の当たりにした日本人生徒もその異形に震え上がった。
「あれがヤマトの二次移行…!」
「高町さん…本物の悪魔になっちゃったんだ…」
「悪魔と言うより、むしろ仏像?ほら、ナントカ明王さまとかあんな姿だよ。」
「でもさ、見た目は仏様でも…中の人『アレ』だよ…?」
「うん、そうだよね…」
「「「「「…………………………………………………………………。」」」」」
「千冬姉…」「すまん一夏、私が監督達に強く言える立場にないばっかりに…」
「気にすんなって!悪いのはあいつらなんだから!!
それに、あんな奴等なのはさんが瞬殺してくれるって、だから泣くなよ。」
「そうか、そうだな…」
「一夏…」「んん?どうした?」
千冬は涙ながらに、無言で一夏を抱きしめた。
「有難う…私の為に、あれだけ怒ってくれて…」
「千冬姉…」
少しだけ、姉が丸くなった様な気がした一夏であった。
「これで理解した?誰を相手にしたのかを、してしまったのかを。
さてエセ日本人のバ監督、『本人の合意無き干渉は禁止』の原則を破って
学園に踏み込み、先人の犠牲を盾に下らない理論を押し付けた罪は重い。
よって今この瞬間より…挑 戦 を 許 可 す る の ッ !」
なのはの挑戦許可を合図に、学園中に音楽が鳴り響く。
流れるのは例によって某8代将軍大立ち回りのテーマ曲だ。
「ムキーッ!!生意気じゃ!!全員かかれー!!」
倉林が命令した次の瞬間…
「どーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!」
KABOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOM!!!!!
「「「「「ぬわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」」」」」
どーん!の声でいきなり空間が爆発。なのはに向かっていったISは
全て爆発に巻き込まれて全滅した。何が起こったと言うのか?
「な、何じゃぁ?!」
「0.79秒。この程度の数なら1秒かからないの。」
「「」」
何の事はない。なのははありったけの近接防御グレネードを
向かってきた各機の直近に遠隔部分展開し、起爆させたのだ。
この離れ業に遠巻きに見ていた他の教員や生徒達も唖然とした。
「な、何と言う…殆ど超能力じゃないか?!」
「あれが『暴走核弾頭』の二次移行…?!」
「何あれ、あんなの誰も反応できないわよ…」
「あれで本気の…片鱗の…一部…なんだよね…」
「これ、逆に強すぎてモンド・グロッソ出禁とか…あるよね、絶対。」
「「「「「うんうん。」」」」」
「それで?まさか今ので怖くなって動けないとか言わないよね?」
「ムキーッ!!どこまでも舐め腐りおって!!
貴様こそ、この倉林サマがあの小娘に勝ったと言う事を知らんのか?!」
「小娘…?それって、千冬先生?」
「そうじゃ!!あの屑めが、弟可愛さに決勝を放棄し負ったから、
この倉林サマが懲罰模擬戦で専用機を再起不能にして、
代表から降ろしてやったんじゃ!!」
意外や意外、こいつも千冬に勝った事があるらしい。
こんな性根の腐った奴が居座れるのはそういう事なのか。
「どうじゃ、恐れ入ったか!!ん~?今なら逃げても良いんだぞ?」
こうは言っているが、コイツの専用機は第3世代機、
一方千冬の暮桜は第1世代機である。
第3世代機で第1世代機に勝っても、それが何だというのか?
と言いたい所だが、
それを言うと第5世代機で戦ってるなのははどうなんだと言う事になるので、
心の内に収めて3本指を立ててこう告げた。
「3分間!」
「3分?3分が何じゃ!!」
「3分間待ってやるの。好きに打ってくるの!!織斑千冬に勝ったというなら、
その力に敬意を表してハンデをくれてやるの!!在り難く思うの!!!」
なのはは「3分だけ黙って攻撃を食らう」というハンデ戦を宣言。
色々な意味で大丈夫なのか?
「な、なーちゃん?!」
「待って下さい!相手も千冬さんに勝っているんですよ?!
ハンデなんかあげて良いんですか?!」
「いいんだよ。私に勝てるのは、同世代機を駆る織斑千冬だけなの!
この程度の相手ならどうやっても負けは無いの!!
さあ、バ監督と役者不足!!このハンデ戦、受けるの?受けないの?!!」
「こ、小癪なぁ~~~~~~~~~~~~…(ビキビキ」
「この程度?どうやっても負けないだと?!!
き…き、さ、ま…。言っちゃいけない事を言ったなぁぁぁぁああああああ!!」
完全にいきり立つ倉林と奈緒。やる気満々だ。
「その意気なの!!さあ、さっさと打ち込んで来るの!!!」
「言われなくてもやってやるわ!!」
そう言い放つと、一斉になのはに飛びかかった。
そして…。
「「ぴぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!!」」
両機はまほろばの攻撃で吹き飛ばされ、絶叫をあげながら転がされた。
「もう終わり?」
なのははただ一言吐き捨てた。纏っているヤマト…
いや、まほろばは全くの無傷だ。
その背後では、5基の三連装速射砲が排熱の為蒸気を上げている。
「そ、そんな…あれだけ攻撃されて、ビクともしないなんて…」
「やっぱり、暴走核弾頭には誰も敵わないのか…」
勝負は一方的だった。ハンデとして3分だけ一方的に攻撃できる為、
一気に近づいて猛攻をかける両機。
当然、なのはは黙って受けると言った手前動かず、回避しようともしない。
「ハーハッハッハッハ!!私に3分与えたのが運の尽きだったな!!
貴様や束の様な奴がいるから、
日本人が世界中から危ない奴等だと誤解されるんだ!!
大和撫子の魂の剣、受けてみろ!!」
直後、奈緒は目にもとまらぬ速さで怒涛の猛攻を仕掛けた!
「
そして、これが…!!我が師真宮寺大佐より授かりし奥義、
破邪顕正・桜花放神ぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいん!!!」
奈緒の怒涛の猛攻でアリーナから爆炎が上がる。
曲りなりにも国家代表に選ばれる実力があるという事が良く解る光景である。
これならばICDの飛行隊相手にも五分以上に戦えるだろう。
そして、倉林はと言うと…
「この忘八めがぁぁぁぁぁ!!!
貴様なんぞ剣も振れんまぐれ勝ちだけのロクデナシじゃああ!
貴様に倉林流双鞭術の恐ろしさを解らせてやるわ!!
この双鞭『人倫丸』でぶちのめしてやるわ!!
見たらすぐさま土下座して詫び入れろやあああ!!ん、徳義鞭んんーっ!!」
倉林は鞭を両手に縦回転しながらまほろばに吶喊。
流石の超ヘビー級ISのまほろばも激突の衝撃で後ろに押し出された。
「ほ、節義砕ぃ!は、信義撃ぃ!よ、忠義突ぅ!」
今度は振り下ろし→軸回転→突出しの連撃だ。
「や、道義縛ぅ!! あ、正義断んん!!」
そして、縛り上げてから折りたたんだ鞭で連打。
千冬に勝ったと豪語する怒涛の鞭捌きでなのはを攻め立てる。
「そしてこれでとどめじゃ!!!絶対正統・人倫丸ぅ!!!」
何と人倫丸が十数本に枝分かれした。
某鬼の哭く街の獄長を髣髴とさせる多条鞭だ。
「そして最大奥義…あ、大義殺ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
な、何たる卑劣非道か!!〆に放たれたのは多条鞭の全力振り回し。
奈緒が間合いにいるにも関わらずトドメを刺しに掛かったのだ。
最早言葉も出ぬ程の蛮行だ!!
「な、監督!!私まで巻き込む気なのですか?!」
「知るか!隙を見せた餓鬼の耄碌は叩きのめすだけじゃ!!」
当然、見ていた生徒や教員達も怒り心頭だ。
「何て事を…!あの人飯田先輩に当たったらどうする気なんですか?!」
「うわー、見損なったわ…。」
「どうじゃあ!!この攻防一体の鞭捌きを破れた者はおらんのじゃ!!
これで貴様の馬鹿さ加減がわぁぁぁぁぁかったあああああああああああ!!!」
そして、タイムリミットの3分が経過した。周囲は鞭の土煙で何も見えない。
だが、徐々に鎮まるとまほろばが姿を現した。どうやらなのはも無事だ。
果たして、どうなったのだろうか…?
「プピーッピッピッピッピ!!
勝った!!これだけの攻撃を受ければもうSEは残るまい!!
何か言わんか、この畜生が!ん~?それとも、
この倉林サマの言ってる事が余りにも正し過ぎて反論が出来んのか~?」
完全に勝ったと思い込み勝ち誇る倉林だが、
それに対してなのはは嘲笑するかの様な表情でSEゲージを見せる。
そこにははっきりとこう記されていた。
まほろば SE残量 1000000/1000000
「プピィィィィィィィィィイイイイイイイーーーーーーーーーーーーッ?!!」
「ば、馬鹿なーッ!!ノーダメージだと?!!
いや、それよりもSE100万?!何だそのふざけた数字は?!!」
なぜこんな事になったのか?答えは簡単だ。
一見ノーガードで攻撃を食らっている様に見えたなのはだが、
その実、全方位にラウンドシールドを展開して全ての攻撃を受け止め、
SEを消費せず悉く捌ききったのだ。
「甘い甘い、そんな石ころの様な攻撃がヤマトに効くと思っていたの?!
ISの本家本元、篠ノ之束の最先端技術ならこの位は当然なの!!
最後の慈悲として、今のを1手としてあと9手分だけ待ってやるの!!
少しでもダメージを入れられる物なら入れてみるの!!」
「い、言わせておけば…」
「ムキーッ!!どうせまぐれじゃ!!
そうに決まっとる!!今度こそ叩きのめしてくれるわ!!」
「やれるものならやってみろー!」
その後も眼にも止まらぬ猛攻を仕掛けるが、
ラウンドシールドに弾かれてまほろばのシールドには掠りもしない。
これでは何度やってもSEには1ポイントもダメージは入らない。
そして、倉林も奈緒もそれに全く気づいていない。
「あと8手…7手…6手…5手…4手…3手…2手…1手……。」
なのはがする事と言えば、淡々とカウントダウンを続けるだけ。
「な、何て事?!まるで効いていないの?あれだけの攻撃が…!!」
「これが暴走核弾頭?恐ろしい…あの力は最早ISのそれを超えている…。」
「もう織斑千冬の再来なんてレベルじゃねーぞ!!」
そして…
「時間切れなの。良く頑張ったがとうとう終わりの時が来た様なの。」
ラウンドシールドに悉く弾かれ、
ヤマトのSEに遂に1ダメージも与えられなかった。
「な、何故だ…何故だ何故だ何故だ!!!
何故ダメージが入らないんだ?!!こんな事が有って良いのか?!!!」
どうやら、最後までラウンドシールドを破れなかったようだ。
「大人しく本土に籠っていれば痛い目に遭わずに済んだ物を…
流石似非日本人と褒めてやりたい所なの!!!」
なのはが右手を上げると…
ガシィッ!!
「な、何ッ?!」「プピィーッ!!な、何じゃこりゃあ?!!」
まほろばの追加アームが遠隔部分展開され、正義丸と撫子虎を掴んだ。
勿論、多重量子変換は完全解除、最大サイズで機体を握りしめる。
「とっておきなの。」
事ここに至り、倉林と奈緒は
なぜなのはが暴走核弾頭という異名を名乗る理由を思い知った。
「覚悟はいい?私は出来ている。」
なのはは主砲塔を遠隔部分展開し、砲口を顔面に押し付けて接射。
上記の状況に至ったのであった。
「これで自分達の軟弱さが解ったでしょ?
IICの回し者みたいに海に落とされたくなかったら、早く本土に帰るの!!」
「こ、こんな馬鹿な…こいつが正しいと言うのか?
我が師真宮寺大佐の命を賭した苦労の末に確立された剣技が、
全く通用しないとは…!!千冬とて、そうやって大佐に鍛えられて
漸く日本代表となり、世界頂点にまで上り詰めたというのに、
それすらも全て無駄だったと言うのか?!」
それに対し、ヤマトが嘲るように言い渡した。
「わかってねーの、なのははそのせんじんいじょうのそんざいなの。
じぶんのせんぽうをかくりつして、ぶらこんせんせーにだってかったの。
だから、そんなものはほこるにあたいしないの。
だいいち、こうしんならせんじんをこえ、
そのうえをいこうとするのがれいぎなの。それこそがただしいありかたなの。
せんじんのくろうだのなんだのと、
ひとがたやすくさからえないものをならべたてて、
そのきになっていたおまいらのすがたはおわらいだったの。ぷーくすくす。」
「ヤマト、さっさと黙らせるよ。もう一発ブチ込んであげて。」
「はーい。」
なのははそう言うと、
砲塔をもう2基遠隔部分展開して正義丸と撫子虎を押さえつけた。
「さて、先人達の苦労を盾にした愚行のツケの徴収の時間なの!!」
もう一度主砲で吹っ飛ばそうとした瞬間…
「!」
突如割って入る何者かの声。どうやらこの戦いはまだ終わりではなさそうだ。
最後の声ですが、帝国か…ではなくて、ICDではありません。
敢えてヒントを挙げるなら、
「今までのゲスト出演者の中に、同じ作品の出身者がいる」
とだけ言っておきましょう。もちろん、全員女性です。
尚、奈緒の技名は彼女のモデルとなったあるキャラクターから拝借しました。
皆さん、誰かはもう解りますね?