魔法戦記リリカルなのはIS 高町なのはのIS学園見聞録 作:ピロッチ
本作初の死人が出てしまいます。誰かは…敢えて言いませんよ?
第3世代機「タイフーン」のお披露目会に突如乱入してきた連続通り魔
「妖怪ハサミ兎」こと怪人シゾー。
だが、仏国防相イザベル・ライラックはこの襲撃を予想し、
パリ市警の協力の下、陸軍と国家憲兵隊、更にはISまで動員して
パリ支社そのものを罠とする包囲網を敷き、見事にシゾーを追い詰めるに至る。
しかし、追い詰められたシゾーは謎の人型ロボット蒸気獣ポーンを呼び出し、
包囲作戦の切り札でフランス国家憲兵のISチーム、
5倍近い数を物ともせず、ポーンの群れを圧倒するGIGN-FI5だが、
シゾーも負けじと切り札、兎型ロボット「蒸気獣プレリュード」を投入。
戦闘が佳境に入った正にその時、我等が暴走核弾頭、
高町なのはがヤマトを展開して戦場に乱入したのであった。
「うおおおおおおおおおおおお!!少し頭かち割ろうかぁ?!!」
「ピョッ?!」
いきなりプレリュードに槍で殴りかかるなのは。
プレリュードはハイジャンプで辛うじて回避。パリ支社の屋上に脱出した。
「な、何をするウサ?!」「取って食うの!!」
「ナンデ?!」
「昼食の恨みなの!!ドタマかち割って、皮を剥いでやるのぉーっ!!!」
「ピョーッ!!」
完全に食べる気満々のなのはに堪らず逃げ出すシゾー。
だが、今の状況を解っているのだろうか?
「ちょ、ちょっと、そこの…暴走核弾頭さん!」
言わんこっちゃない。
後から追い掛けてきた赤い機体の「黒猫2」がなのはを呼び止めた。
「あ~ん?」
「あ~ん、じゃないですよ!!今私達が戦ってるのに、何で割り込…」
「兎狩りの邪魔なの、このプリン脳!!」
ドギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルゥゥウウウン!!
「アヒィーッ!!」
勿論、なのはが砲撃で返答した事は言うまでもない。
幸い砲撃は黒猫2ではなく、残った5機のポーンを狙ったもので、
光線は活殺自在の効果でポーンのみを蒸発させ、
包囲網を敷いていた誰一つ傷付けず飛び去った。
「な、何て事をするんだお前はぁあーっ!!」「危ないじゃないのよーっ!!」
「何でもいいの!!昼食の恨みを晴らしに来たの!!
邪魔する人は頭を冷やすの!!
正義のヒロインチームなら、それ位の空気は読むの!!
文句があるなら、兎狩りの後なの!!!」
「えーと…とりあえず、
妖怪ハサミ兎退治に協力してくれると言う事でいいんですか?」
「如何にも!!さあ、早速一狩りいくの!!!」
「どーん!!!」
ヤマトのどーん!の声と共に
ダッシュアッパーで再度シゾーに殴りかかるなのは。
「ピョーッ?!!」
しかし、兎の外見に相応しい跳躍力で辛うじて攻撃を躱す。
正に脱兎のごとし。
「あ!あいつ、逃げる気だな!!」
「私達も追うわよ!!FI5、全機続け!!」
アンジェラの指示で、GIGN-FI5も即座に後を追う。
幸い、速度はこっちが圧倒的に上なのですぐに追いついた。
「あいつ、凱旋門へ向かっているぞ!!」
「いかん!!近づかれたら、凱旋門が大変な事に!!」
慌てて急接近するGIGN-FI5。ヤマトもワープで後を追った。
「ええい、しつこいピョン、調子にのりやがって!!
こうなったらあの門をちょん切ってやるピョンねー!!
その間こいつらで遊んでろ、出でよポーン共!!」
シゾーは懲りずにポーンを召喚、数は十数機と一度目より少ない。
が、凱旋門へ取り付くまでの足止めなら…
「奮!!」
次の瞬間、ポーンの頭から何かが生えた。
「ピョッ?!!」「な、何が…?!」
「どーん!!!」
KABOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOM!!!
「ピョオオォォーッ?!!」「うわ!!」
直後、全てのポーンが一斉に爆破四散。
生えてきた何かの正体はヤマトのミサイルだった。
以前傀儡兵を殲滅した時と同じ手段で、
ポーンをミサイルで串刺しにして爆破したのだ。
「遠隔部分展開の応用技、実体弾兵器を標的と同一の座標に展開し、
いかに強固な物体であろうと、その硬さに関係なく貫通する。
大した技じゃないから名前は付けなかったけど、
こうして見ると便利な技なの!!」
なのはは簡単に言うが、この応用技は途方もなく恐ろしい反則技だ。
何しろISの絶対防御すら問答無用で貫通し、内部から木端微塵に出来る。
今でこそ1秒未満とはいえタイムラグがあるが、
これを減らせば減らす程、その威力は指数関数的に増加するだろう。
「こ、これが…噂に名高い『暴走核弾頭』の戦い方なのか?!」
「は、はは…何が大した技じゃないだよ…。
あんなの、対処できる奴なんかいねーよ…!」
「道理で、テロリストの使い走りが国家代表の座を掠め取れる訳だわ…」
GIGN-FI5にしてみれば堪った物ではない。
事と次第によっては自分達がああなるのだ。特に国家代表のアンジェラなど、
来年のモンド・グロッソでは1対1で対峙する可能性がある。
もしもかち合ったりした日には…想像もできない事になるだろう。
「さて兎、逃げてないで戦うの!!
それ以上逃げると凱旋門ごと同じ目に遭わすの!!!」
「ゲゲッ!!お、おのれーっ!!」
「「「「「ちょっとおおおおおおおおおっ!!!」」」」」
凱旋門と言えばエッフェル塔に次ぐパリ名物。爆破されては一大事だ。
こうなったらGIGN-FI5のやる事は一つ。
「これ以上奴をのさばらせたらパリがどうなるか解らないわ!!
妖怪ハサミ兎は我等の手で仕留めるわよ!!いざ!!」
「「「「Oui!!」」」」
ヤマトには目もくれず一斉に前に飛び出した。
先頭は斧使いの黒猫1、その直後に大鎌を展開した黒猫3が続く。
「黒猫2、黒猫4、散って!凱旋門を背に、タイミングを見計らって叩く!!」
「「Oui!」」
アンジェラと黒猫2、4は例によって援護及び牽制の弾幕担当だ。
「ソイヤァアアアーッ!!!」
「あーらよっと!!」
「おわっとと…ええい、猪口才な!!」
早速黒猫1が斧で斬りかかるが、
プレリュードのジャンプはかなり俊敏で中々当たらない。
「おっと、こっちにもいるんだぜ!!」
その隙に、今度は背後から黒猫3も大鎌で斬りかかる。
「そんな物が当たるか!!」
プレリュードはジャンプで凱旋門に飛び乗った。
「ああ!何て所に!!」「野郎、引きずり降ろしてやる!!」
黒猫1、3も凱旋門上に飛び乗りシゾーを挟撃。
怒涛の攻防戦の様相を呈してきた。
「この!この!!この!!!」「ええい、そんな物が効くか!!」
シゾーも棘付き鉄球パンチと四連装機銃で応戦。
黒猫1は左手の盾でガードしながら間合いを保つ。
「こいつめ!!」「ケーッ!!やられて堪るか!!」
背後から黒猫3が斬りかかるも、こちらは耳状の大ハサミを伸ばして止めた。
「何て所にいるのよ、あの馬鹿兎!!」「許せません!!」
残りの3機も加勢の為上空へ、そして、なのはも動く。
「私とてただ見てるだけに来た訳では無いの、加勢するの!!」
副砲塔をスラスターウイングから外して両腕に装着すると、
早速主砲共々援護砲撃を射掛けた。
「食らえ三式弾、蜂の巣の火達磨に成るが良いの!!」
挨拶代わりの三式弾と副砲弾が凱旋門上空で起爆。
青白い殺人花火が凱旋門に乱れ咲く。
当然、凱旋門上で白兵戦を仕掛けていた黒猫1、3も巻き込まれる事に。
「ギャーッ!黒猫1と黒猫3がーっ!!」
「何て事すんのよぉーっ?!!ウチの仲間を…」
「Quelle?!」「ヒィ!!」
「このヤマトのワンオフ・アビリティは活殺自在!
物体への破壊と非破壊を意のままに切り替えるこの力なら、
例え無関係の人間や物体を巻き込んでもダメージは無いの!!」
「「「な、ナンダッテー!!」」」
言われてみれば、凱旋門と周囲は何ともない。当然、黒猫1、3も無傷。
そもそも、活殺自在とはこういう時の為の能力。今使わないでいつ使うのか?
「な、何て便利な…」「これが、国家代表の力…?」
「そうか…だからあの時も死人が出なかったのか…!!
これがISの母の本気…何て恐ろしい!!」
一方、凱旋門上のシゾー+2は…
「な、何だったんだ今のは…?!」
「し、死ぬかと思った…」
「暴走核弾頭め、なんつー心臓に悪い攻撃するんだよ!」
黒猫1、3は活殺自在の効果で無傷だが、
プレリュードも余りダメージは無い様だ。
このクラスの機体には榴散弾は効果が薄い様だ。
「ちっ、あまり効いてないの!!ならば通常砲撃なの!!」
今度は通常砲撃に切り替えて斉射。ビームが凱旋門上部を薙ぎ払う。
「ええい、私まで射つ気か?!」
「こ、こんな所にいられるか!!」
「ひぇええ~!!」
慌てて飛び降りる黒猫1、3、そしてシゾー。
当然、凱旋門にダメージは無いが…
「隙を見せたの…」「んなっ?!」
いきなりシゾーの眼前にヤマトがワープ。
「どーん!!!」
ゴッ!!
「ぷぎゃぁあ!!!」
思い切り殴られたプレリュードは凱旋門を通って反対側へ吹き飛ぶ。
そして飛んだ先には…
「知らなかったの?私からは逃げられないの!!」
ワープで回り込んだヤマトがいた。勿論、もう一発ぶん殴られた。
「ううう…でっかい図体の癖にちょこまかと~!!」
「今時蒸気機関なんぞ使ってるそっちが悪いの!!
文句があるなら、兎鍋になって食べられてから出直すの!!!」
「ええい、言わせておけば!!
本気でこのシゾー様を取って食うつもりか?!許さんピョーン!!
堪忍袋の緒が切れたピョン!!真っ二つピョン!!
受けてみろ、
プレリュードの切り札、
やる事は耳状の大ハサミで標的を切断するだけだが、その破壊力はかなりの物。
真面に食らえば、ISでも切断可能な威力を誇る。
シゾーは大ハサミを目一杯伸ばし、ヤマトを斬り付ける。
ジョギィィン!!!
目にもとまらぬ早業でハサミの刃が閉じられた。果たして、どうなったのか…
「あ、あ、あらら~…?」
むーざんむざん、はさみでかくだんとうきったら、はさみがぽっきりおれた。
「その程度の鋏がヤマトに効くと思っているの?」
プレリュードの大ハサミは見事に真っ二つに折れていた。
カーバイン&グラフェンの積層装甲は
只のスチールでは傷一つ付けられなかったのだ。
「ピョォォォオオオオオーッ?!!何ぞこれぇぇぇえええ!!!」
「折角の抵抗も、無駄に終わった様で何よりなの!!さて…」
ガシィッ!!!
「ギャーッ!!何か一杯手が!!」
6基の追加アーム、錣曳が一斉にプレリュードに掴みかかる。
「人の昼食を邪魔したお返しなの!!!
こんなダサいロボットは…八つ裂きにしてやるのぉぉぉぉぉおおおおお!!!」
ブチブチメキメキメキバキバキグシャアアアッ!!
「ぎょえーーーーーーーーっ!!!」
何と言う怪力無双、ヤマトは腕力に任せて蒸気獣をバラバラに引きちぎった。
「何とぉーっ!!」
「力づくで、あの兎ロボをバラバラに…」
「……。(驚愕のあまり声が出ない)」
「バケモンだ…真正のバケモンがいた…」
「ま、正に暴走核弾頭…。」
流石のGIGN-FI5もこれには思わずドン引き。
と、ここでイザベルが他のGIGN隊員と陸軍共々
装甲車で凱旋門前に到着した。
「黒猫0、妖怪ハサミ兎はどうした?!」
「え、えーと…たった今決着がついたのですが…」
「………………。」
アンジェラが指し示した先には、バラバラになったプレリュードの残骸と
恐怖に震え上がるシゾー、そしてなのはがいた。
「あー、黒猫0?」「何でしょう?」
「どうしてこうなった?」
「…暴走核弾頭に、直接聞いてみて下さい。
もう、あれは私達の理解を超えてますから。」
「あ、あわわわわわ…こ、このシゾー様が人間如きに負けるとは…」
「私が人間?違うの、私は悪魔なの!!!
それでね、もう一つ言いたい事が有るの…」
「な、何ピョン?!」
「
「アイエエエエエエエエーッ?!」
シゾーは逃げようとしたが、ヤマトが遠隔部分展開で引っ掴んだ。
「逃がさないの!!今夜の夕食にしてやるの!!!」
「ヒィィイイイ!!このシゾー様を本気で食べる気か?!よせ!!止めろ!!
絶対不味いから!!食べたら腹壊すぞ!!食中毒起こして死ぬぞ!!!」
なのはは有無を言わさず、アームでアイアンクローを仕掛けると…
「奮!!」
もいだ。
なのははシゾーの首を引きちぎり、脊椎ごと引っこ抜いた。
当たり一帯がたちまち血に染まる。
なのはは返り血を浴びながらイザベル一行に見せつけるように首を高く掲げ、
大音声で宣言した。
「妖怪ハサミ兎、討ち取ったのぉぉぉおおおっ!!!」
直後、謎のアナウンスがパリ中に響いた。
Flawless Victory
FATALITY
まさかフランス編だけで5話も使う事に成るとは…
次からはもっと端折るべきか…?