魔法戦記リリカルなのはIS 高町なのはのIS学園見聞録   作:ピロッチ

45 / 93
さて、前々話から登場しているGIGN-FI5ですが、
ここでようやくアンジェラ以外の面子の正体が明かされます。
まあ、もう解ってるんでしょうけど…。


第45話  夏はやっ「パリ」、兎鍋!

 パリを騒がせる妖怪ハサミ兎こと怪人シゾー。

フランス国防相イザベル・ライラックはパリ市警の協力の下、

陸軍と国家憲兵隊、更には諜報機関DGSEまで動員して罠を張り、

新型機「タイフーン」のお披露目会に乱入して来たシゾーを

パリ支社に閉じ込める。

 

 だが、シゾーは謎の人型ロボット「蒸気獣ポーン」の大群を呼び出して反撃。

フランス唯一のISチーム、GIGN-FI5が迎撃して壊滅させるが、

今度は兎型の専用ロボット「蒸気獣プレリュード」を呼び出し、

戦闘は一時膠着状態に。

 

 そこに乱入したのは我等が暴走核弾頭、高町なのは。

昼食をパァにされた怒りに任せて殴り込み、

逃げるシゾーを追って戦場は凱旋門前へ。

GIGN-FI5を差し置いて殆ど一人でプレリュードを八つ裂きにすると、

「兎鍋にしてやる!」の宣言通り

シゾーの首を脊椎ごと引きちぎってトドメを刺したのであった。

 

オオオオオッ、モンデューッ(オーマイゴッド)!!

暴走核弾頭め、何て事をしてくれたんだい!!!」

 

 突然叫び出したのは作戦の指揮を執っていた国防相イザベル・ライラック。

折角の作戦を全部なのはに台無しにされたショックで悶絶し、転げ回っていた。

 

「アイツの所為で、折角奴を生け捕りにして余罪を追及する筈が、

全部パァにされちまったよ!!」

 

「こ、国防相ーっ!!」

 

「グラン・マ?!お気を確かに!!」

 

 つられて部下達も大慌て。だが、彼女達に煩悶している暇は無かった。

 

「やあ。」

 

「「「「「ギャーッ!!」」」」」

 

 なのはがいきなり眼前にワープして来たのだ。しかもシゾーの首を持って。

 

「ヒイイイイ!!暴走核弾頭が目の前に!!」

 

「な、何だ!!何をする気だ!!!」

 

 戦慄する軍と国家憲兵一同。それを見据えてなのはの口から出た言葉は…

 

「そこのフランス軍…聞きたい事が有るの。」

 

「何だ?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この辺りに生鮮食料品店は在るの?在るなら場所を教えて欲しいの!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「…………………………………………………………………?」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの兎を鍋にして皆で食べるの!!だから、具材を調達したいの!!

知ってる人は教えて欲しいの!!!」

 

 なのはは首を引きちぎったシゾーを指して言葉を続けた。

兎鍋というのは例えでも何でもなく、本当に鍋にして食べる積りらしい。

 

「はぁ…それなら北に…って、ちょっと待てー!!」

 

「何なの?」

 

「あれを食うのか?!あれを食う気なのか?!!」

 

「止せって!絶対腹壊すぞ!!」

 

「いや、それ以前の問題かと…」

 

「ドンだけ食い意地張ってるんだこいつはーっ?!」

 

「もう狩猟肉(ジビエ)料理ってレベルじゃないぞ!!」

 

 そりゃ当然返ってくる反応はこんなのばかり。だが、なのはは本気だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

⌒*(◎谷◎)*⌒

 

兎゛鍋゛食゛え゛よ゛!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「ヒイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!」」」」」

 

 なのはの容赦ない一喝がパリに響き渡った。

 

「折角兎狩りを果たしたのだから、狩った兎はきちんと食べるの!!

最初に捕まえた兎も、野生なら残さず食べるの!!!」

 

「ナンデ?!」

 

「今日の夕食なの!!」

 

「ちょ、おま…アタシ等は兎狩りをしてたんじゃねーんだぞ!!」

 

「「「そうだそうだー!!」」」「そんなに食べたいなら一人で食えー!!」

 

「Quelle?!」「「「「「ヒィ!!」」」」」

 

 なのははアームを遠隔部分展開し、

GIGN-FI5を引っ掴んでブンブン揺さぶった。

 

「それでも正義のヒロインなの?!!!

狩った獲物を食べないなんてケダモノ畜生にも劣る極悪人なの!!

何と言う極悪非道、これはもう鬼畜の所業なの!!」

 

「ち、ちが…ちょ、待て、待って!!」

 

「誰が正義のヒロインだ!!

確かに私達は国と市民の守護者だが、断じてアニメやゲームの…」

 

「違うの!!ネタは上がってるの!!国家憲兵隊治安介入部隊第5介入隊、否…

 

巴      里      華      撃      団      !

 

その通り、アンジェラ以外のGIGN-FI5の飛行隊員達はどう見ても

デビュー作が今年で発売15周年を迎える彼の巴里華撃団そっくりだったのだ。

だが、どうも様子がおかしい。

 

「「「「「……………………はぁ?」」」」」

 

 例によってこの反応である。その光景は以前、帝国華…ではなく、

ICPO-ICDのIS飛行隊と繰り広げたやりとりと全く同じだった。

 

「えーと、それって…私達の事…でいいんですか?」

 

「如何にも!」

 

「ぱりかげきだんって…何?」

 

「貴方達のチーム名は巴里華撃団なのでしょう?!!

それ以外の何でもないの!!」

 

「いやいやいや、ちょっと待てよ!!勝手に変なチーム名つけんなよ!!」

 

「却下!!それ以上の言い逃れは許さないの!!!

文句を言うと、この場で名前を言い当ててやるの!!」

 

「「「「「え゛?!」」」」」

 

 なのはは以前ICDのIS飛行隊員にした様に、

隊員を左端から順番に指差して、名前を読み上げ始めた。

 

「先祖はヴァイキングなのにタコ嫌い、メイドの数は88人!!

黒猫1こと斧使いのグリシーヌ・ブルーメール!!」

 

「違うぞ!先月に2人結婚して退職したから…あ、あれ?

来月新しく2人入るから…ギャーッ、合ってる!!」

 

 

「パリジェンヌなら偶にはプリンじゃなくてブラマンジェも食べるの!!

黒猫2こと機銃使いのエリカ・フォンティーヌ!!」

 

「えー!!プリン美味しいのにー!!」

 

 

「いい加減、その眼鏡のヒビを直して貰ったらどうなの?!

黒猫3こと、パイロキネシストのロべリア・カルリー二!!」

 

「あ、テメェ!アタシの最大の秘密を何処で知りやがった?!」

 

 

「先祖に喋る白い犬が居るんでしょ?!

黒猫4こと、弓使いの北大路花火!!」

 

「えっと、あれは確か白戸家だったような気がするんですが…」

 

 と言う訳で、次々とGIGN-FI5の隊員の名前を言い当てるなのは。

 

「な、何て奴だ…何で我々の名前とプライベートを知っているんだ?!」

 

「えーと、ひょっとして…す、すと…」

 

「ストーカーの事か?ああ、有り得るな。何たって雇い主がアレだからな…。」

 

 だが、何か忘れていないだろうか?

 

「ちょっとぉぉぉおおお!!何でアタシを無視すんのよ!!」

 

 その通り、最後の一人であるアンジェラがほったらかしだった。

 

「あ、いたの?」

 

「いたのじゃなーい!アタシこそGIGN-FI5の隊長で、

フランス国家代表のアンジェラ・バルザックなのよ!!何で無視するのよ!!」

 

「……………………。」

 

 なのははいたたまれなさそうな表情をすると、アンジェラに背を向けた。

 

「無視すんなァーッ!!チックショー!!隊長なのに、国家代表なのにー!!」

 

「お、落ち着いて黒猫0!!下手に刺激するとこっちが攻撃されるから!!」

 

「くぎゅぅうううううううううううううううううううううううううーっ!!!」

 

 とことんパッとしないアンジェラであった。

 

「はぁ…それで、一緒に食べる気になったの?!」

 

「「「「「なるかーっ!!」」」」」

 

「あ~ん?(シゾーの首を掲げる)」

 

「わああああ!!ちょ、止めて!!一々見せんでいい!!」

 

「これでもまだ逃げるの?!!大人しく一緒に食べるの、巴里華撃団!!」

 

「「「「「イィーーーーーーーーーーヤァーーーーーーーーー!!!」」」」」

 

「こ、国防相?!国防相からも何とか言ってやって

(イザベルの方を向く)…っていない?!!」

 

 見ると、イザベル一行は装甲車の群れでさっさと逃げ出していた。

 

「「「「「さよ~ならぁ~…」」」」」

 

「グラン・マァァァ!!逃げないでぇぇええ!!」

 

「逃がさないの!」

 

 すかさずなのはが残ったアームを遠隔部分展開し、逃げるイザベルを掴んだ。

 

「ギャーッ、捕まったぁ!HA☆NA☆SE!!」

 

「却下!!今回の作戦の責任者は逃がさないの!!

と言う訳で今夜の夕食は兎鍋なの!!早速食材を調達するの!!!」

 

「「「「「「そんなぁぁぁあああああああーーーーーーーっ!!!」」」」」」

 

 おお哀れ、巴里華撃団…ではなくGIGN-FI5とイザベル、

ついでにパリ支社の社員とシャルも諸共巻き添えで

なのはお手製シゾーの兎鍋を食わされる羽目になったのであった。

 

「兎鍋かぁ…私、兎って食べた事無いからちょっと楽しみかも…」

 

「おいいいいい?!エリカ…じゃなくて黒猫2!!

落ち着け!!あれは兎の様で兎じゃないんだぞ!!目を覚ませー!!」

 

 

 その日の夜…

 

「もぐもぐ…これなの!これが食べたかったの!!

でもキムチが無かったのが残念なの!!あればキムチチゲに出来たのに!!」

 

 なのはは哀れな生贄達と一緒にシゾーの兎鍋を食べていた。

 

「なのはさん…何でこんな暑い日に鍋なんですか?せめてムニエルに…」

 

「却下!!私が兎鍋を食べてみたかったの!!ポン酢で頂くのがイケるの!!」

 

「酷過ぎる!ってか、あそこにいるのって、うちの国の国防相ですよね…?」

 

「そうなの!兎狩り作戦の総責任者には狩りの結果と向き合って貰ったの!!」

 

 シャルの指したところには、確かにイザベルとGIGN-FI5がいた。

 

「ううっ、何で大臣になってまでアタシがこんな目に…

ちゃんと食べられる料理になってるのが逆に腹立たしい!」

 

「何故だ…何故あの怪人の肉からこのレベルの鍋料理が作れる…!」

 

「アイツの料理の腕前が優れているのか…

はたまたこれが東洋の神秘なのか?」

 

「これが、兎鍋…?兎って、こんな味なんですね!」

 

「ちょ、喜んでどうすんの?!確かに普通に食べられるけど…」

 

 フランスの狩猟肉(ジビエ)料理には兎肉も存在する。

その為、このメンツにも兎肉を食した事のある者がいた。

彼女達はなのはが拵えた兎鍋が真面な鍋料理になっている事に驚き呆れていた。

特に兎料理初体験の黒猫2ことエリカ・フォンティーヌに至っては、

普通に兎鍋を喜んでいた。元がアレなのに…

 

「とはいっても、これだけの人数が居ても1食ではとても食べきれないの!!

………よし、明日の朝食も兎肉でいくの!!!」

 

「あ、いいですねそれ!!」

 

「「「「「阿呆かーッ!!!!」」」」」

 

 これにて、一件落着…なのか…?

 

 

 

 翌日…

 

「大変有意義な2泊3日だったの!!今度はワインの季節にまた伺うの!!」

 

「「「「「二度と来んなぁーっ!!!」」」」」

 

「⌒*(◎谷◎)*⌒あ゛あ゛?!」

 

「「「「「ヒィ!是非またいらして下さい!」」」」」

 

 こうしてエリカ以外の巴里華…ではなく、GIGN-FI5とイザベルの

在り難いお礼の言葉と共になのははパリを後にし、

次の目的地ロンドンへと向かったのであった。




まさか、巴里華撃団の顔見せだけで3話も使ってしまうとは…
尚、アンジェラ=サンは歳の都合で当分出られないであろう
ベトナムのあの娘の代役です。
やっぱり、残りの国はもっと描写をあっさりさせるべきなのかな…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。