魔法戦記リリカルなのはIS 高町なのはのIS学園見聞録   作:ピロッチ

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第47話  ハギスは嫌"い"な"の"です!!

 そして、なのはが用意したのは…

 

「まずは英国名物、フィッシュ&チップスなの!!」

 

 まずなのはが出してきたのは英国が誇るファースト・フード、

フィッシュ&チップスだ。

 

「な、何と言うか…庶民的な所から攻めてきましたわね…。」

 

 貴族の家に生まれたセシリア、

実はフィッシュ&チップスはこれが初めてだったりする。

そして、なのはもフィッシュ&チップスを作るのはこれが初めてである。

 

「私は英国に行ったら、一度はこれを食べてみたかったの!

でも、こっちで作ったのは信用ならないの!

こうして自分で作る機会を持てたのは渡りに船なの!

ソースはタルタルソースとケチャップソース、

更にバーベキューソースを用意したの!と言う訳で熱い内に早速頂くの!!」

 

「は、はぁ…では頂きます…。」

 

 セシリアは早速一口。すると…

 

「こ、これは…!実に素晴らしいですわ!!」

 

 どうやら気に入って貰えた様だ。

 

「それは何よりなの!!色々ソースを変えて試してみるの!!」

 

「実にサクサクに仕上がってますわ!初めてでこれとは……」

 

 チェルシー率いるオルコット家の従者達も好評の様だ。

 

「普通のフィッシュ&チップスは生地に苦みと食感を追加するため

ビールを加えるらしいけど、

私はビールが好きじゃないから日本製の調理酒で代用したの!!」

 

「調理酒…ですか?それって、我々が同じ物を作る場合、

日本から態々取り寄せが必要になると…」

 

「そういう事になるの!!アルコール度数が高いから水分がより多く飛んで、

衣のサックリ感が上がるの!!」

 

「な、成程…」

(いつか役に立つかもしれないので、これはメモしておきましょう…。)

 

「所でなのはさん、なのはさんがフライに掛けているそれは何ですの?」

 

「おろし醤油なの!!

すりおろした大根のペーストとソイソースを一緒に掛けるの!!」

 

「大根のペースト…そういうのも有るのですか…。」

 

「所でなのはさん…チップスがやけに塩辛いのは…?」

 

「塩で事前に味付けしておいたの!…そんなにキツイかなぁ?

これにバーベキューソースを付けて食べるのが、私の好みなの!!」

 

「そ、それは何と言うか…随分と…スパイシーな食べ方ですわね…。」

 

「そうなの?マクドナルドで慣れてるから大して疑問に思わなかったけど…

ああ、そうか、行った事無いよね?マクドナルド。」

 

「ええ、まあ…。」

 

 和食は欧州料理と比較して塩気が多いと言われている。

故に、その味に慣れたなのはの味付けは英国人には濃いめと思われた様だ。

 

「日本人基準での味付けは向こうでは濃すぎる…か。

今度やるときはもう少し薄めにするか…。

さて、次はステーキ&キドニーパイなの!!」

 

 次になのはが出してきたのは、

伝説の推理小説「シャーロック・ホームズ」シリーズでお馴染み、

あのジェームズ・モリアーティ教授の好物として有名な

牛肉と牛の腎臓を用いたパイである。

腎臓の下処理がなってないとアンモニア臭がキツイので

よく不味いと言われるが、逆に言えば、下処理がきっちり出来ていれば…

 

「まぁ!今まで食べたどのパイよりも美味しく仕上がってますわ!!」

 

「腎臓の癖が全くなくなってる…

あのやり過ぎな程に徹底していた腎臓の下処理はこういう事だったのですね…」

 

「ここまでやって、初めてまともなパイになると言う事か…。」

 

「内臓はきっちり洗ってこそなの!!アンモニア臭のする様な物を出すから、

イギリスは悪食帝国なんて呼ばれるの!!良く覚えておくの!!」

 

「は、はぁ…(でも、このパイも味付けは濃い目なんだな。)」

 

「さて、本日のメインディッシュなの!!出でよ、ローストビーフ丼!!」

 

「「「「「ろ、ローストビーフ丼?!」」」」」

 

 なのはのいた方の日本では昨今大流行中のローストビーフ丼。

それは、早くも米が恋しくなったなのはの願望が生み出した産物だった。

 

「ヒイ!!牛肉が米の上に山盛りに!!!」

 

 山の様にと言うのは例えではない。

なのは製のローストビーフ丼は牛肉が富士山の形に盛られていたのだ。

傍から見れば生焼けの牛丼だが、

ローストビーフは赤みが残るのが最上とされているので、これで問題は無い。

 

「牛肉の赤の中に白いワンポイントとして

西洋わさび入りのヨーグルトソースをあしらったの!

それと、追加のグレイビーソースを用意したの!!

これは日本ではツユダクと言って、

ソースをわざと多くかけて米まで浸透させる牛丼ではよく見られる技法なの!!

試したい人はやってみるの!!」

 

「わ、わざわざご丁寧にどうも…」

 

「本当はもう一つアクセントとして、天辺に生卵を載せるはずだったけど、

まともに使えそうな生卵が無かったの!嘆かわしいの!!」

 

「な、生卵って…」「うわぁ…」

 

 当然だ。英国に生卵を食べる習慣は無い。あるのは日本くらいのものだろう。

 

「それと、セシリアのは特別製で、肉は全てエンドカット

(ローストビーフの両端、最も味が染みている貴重な箇所)で統一したの!」

 

「まあ!そこまで気を遣って頂くなんて!!では早速頂きましょう!!」

 

 因みに、オルコット邸に箸は無いので皆スプーンで食べている。

 

「ローストビーフは英国でも外れの少ない料理ですけど、

この様に手を加えると、更に美味しく頂けますわね!!」

 

「炊飯器を使わないでお米を炊いたのは小学校の飯盒以来なの!!

上手くいって良かったの!!さて、間髪入れずに次のが来るの、これなの!!」

 

 次に出されたのは、悪名高い英国料理の中でも特にゲテモノの2品だった。

まず一つは…

 

「こ、これはまさかウナギのゼリー寄せ…」

 

 ご存知ウナギのゼリー寄せ。見ただけで食欲が失せる事請け合いの

英国料理の暗黒面の象徴。

実は独仏やイタリアにも同種の料理が有るのは内緒だったりする。

ただし、なのは製ウナギのゼリー寄せは何かが違っていた。

 

「あの…何か茶色いんですけど…」

 

「しかも、ウナギがぶつ切りじゃなくて開きに…」

 

「いかにも!それはウナギはウナギでも、ウナギの蒲焼のゼリー寄せなの!!」

 

「か、カバヤキ…?」

 

 まさかの蒲焼のゼリー寄せ。というか、これは最早蒲焼の煮凝りである。

 

「ま、まさかウナギのゼリー寄せにここまで大規模なアレンジを加えるとは…」

 

「こっちはウナギと向き合ってきた歴史が違うの!!

石器時代からウナギを食べていた民族の知恵と技術を駆使すれば、

ウナギのゼリー寄せでもここまで出来るの!!」

 

「せ、石器時代って…」

 

「 色 々 と お か し い 。」

 

「さあ食べるの!!感想は食べてから聞くの!!!」

 

 と言う訳で早速頂く一同、その感想は…

 

「こ、これはこれでよく出来ている…出来てはいるが…」

 

「確かに美味しいけど、ソイソースベースのタレと山椒の味しかしない…」

 

 なのはの行き過ぎたアレンジと、

欧州人の舌には濃い味付けから言葉に詰まる一同。全員の総意を表すなら、

「料理としてはよく出来ているが、ウナギのゼリー寄せではない。」

といった所か。

 

「……何か不評みたいだけど、文句位なら聞くの。」

 

「いえいえいえ!!和風のアレンジに不慣れなだけであって、

断じて美味しくないとか、その様な事はございませんわ!!」

 

「………疑わしいの。では次に行くの。それは…これなの!」

 

 さて、次である。食卓に並べられるのはソーセージ状の物体。

切ってみると、レバーのミンチに麦を混ぜたような何か。これは、まさか…

 

「スコットランドが産んだ伝説の逸品、ハギスなの!!」

 

「「「「「ギャーッ!で、出たー!!!」」」」」

 

 やっぱり予想通りだった。そのあまりの不気味な外観と味の所為で、

隣国の大統領から「あんなの食ってる連中は信用ならん」と言われ、

時の外相が「この料理に関しては尤もだ」と返答し、

本場のスコットランドですら不人気な事で有名なある意味名物料理、ハギス。

 

「な、何て物をチョイスしたのですか…?」

 

「幾らなんでも、よりによってこれを選ぶとは…」

 

 オルコット家の従者達もこれには絶句。そしてセシリアに至っては…

 

「あ、あ、あ…は、ハ…ハギ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハギスは嫌"い"な"の"です!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 真っ青になっていきなり逃げ出すセシリア。

 

「え?ちょ、なんなの?」

 

「ハギスは嫌"い"な"の"です!!

 ハギスは嫌"い"な"の"です!!

ハ ギ ス は 嫌" い" な" の" で す ! ! !」

 

 部屋の隅に丸まって震え上がるセシリア。

どうやら、トラウマを刺激してしまったらしい。

 

「まさか、ヘンな地雷を踏んだのかな?」

 

 何はともあれ、とりあえず落ち着かせることに。

 

「……ヤマト。」

 

「はーい。」

 

 ヤマトは震えているセシリアにワープで近づくと…

 

「そぉい!」

 

「おうっ!」

 

 ヤマトはアームの一撃の下に意識を断ち切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数分後…

 

「…………ハッ!ワタクシは何を…?」

 

 目が覚めたら、そこは自室のベッドだった。

 

「お嬢様、お気づきになられましたか?」

 

「チェルシー…一体何があったのですか?」

 

「お嬢様はハギスをご覧になって、ショックで震え上がっておられました。

それを落ち着かせて、こうしてベッドまでお運びしたのです。」

 

「申し訳ないの…チョイスを誤ったの…」

 

「そうだったのですか…ワタクシは10年前、

お母様が作って下さったハギスに中って何日か入院した事が有りまして、

その時のトラウマが蘇ってしまったのです。」

 

「そう言う事だったの?」

 

 つまり、セシリアのメシマズは母キャサリンからの遺伝という事である。

素直に料理番に任せればよかったのに…

 

「ですが、ハギス自体は大変美味しかったですよ。」

 

「そうですか…ワタクシは遠慮致しますが…」

 

「⌒*(◎谷◎)*⌒」じ~…

 

「ヒィ!あ、在り難く頂かせて頂きます!!」

 

 その後、勇気を出して何とかハギスを完食したセシリアは

この時の出来事をこうコメントしていた。

 

「味は素晴らしかった…ですわ…」

 

 かくして、オルコット邸での晩餐は何とか終了した。

この時のなのはのレシピはチェルシーが記録し、

後にオルコット家の食卓を彩る事になる。

 

 

 そして2日後、英国観光を終えたなのはの次の目的地は、

ドイツ南部、バーデン=ヴュルテンベルク州の地方都市カルフ。

そこはラウラ率いる黒兎隊と、黒兎隊を指揮下に置く連邦軍特殊部隊、

特殊作戦コマンド旅団(KSK)の本拠地であった。




次回はドイツ編。果たして、黒兎隊の反応やいかに…?
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