魔法戦記リリカルなのはIS 高町なのはのIS学園見聞録   作:ピロッチ

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第49話  八つの道

 ラウラ率いる黒兎隊を指揮下に置くドイツ特殊部隊、

KSK旅団の基地に招待されたなのは。

基地に着くや、待ち構えていたKSK旅団長で先代国家代表操縦者の

アドルフィーネ・ガランド准将からKSK対なのはのIS戦を希望されたが…

 

「…………………………じ~。」

 

 何故かガランドをガン見するヤマト。

 

「何だ?別に仇討ちする訳では無くて、只の親善試合だ!……ホントだぞ?」

 

「…………………………じ~~。」

 

 それでもやっぱりガン見するヤマト。

 

「な、何が不満なんだ?」

 

「…………………………ほんとに?」

 

「ほ、本当だ!…ホントにホントだぞ?!」

 

「…………………………じ~~~。」

 

「……全然信用されてない…。」

 

 当然の結果である。

 

「まあ何でも良いの!!で、何対1なの?」

 

「い、いきなり多対1が前提なのか?まあ今までした事を考えれば当然だが…

それなら、我等は私とヴィルケ中佐、

そして黒兎隊の3機の総勢5機で挑む事とする。

これでKSKは、配備された全ISを動員する事になる。」

 

「5対1なの?…まあ、そのくらいなら…」

 

「そうか…なら、早速操縦者に支度をさせる。

準備出来次第黒兎隊の者が呼びに来るので、それまで別室で待機願おう。」

 

「承知したの!!…ああ、そうだ!!」

 

「どうした?」

 

「先日のタイフーンのお披露目会、

闖入者の所為で発表し損ねたタイフーン専用装備が有るの!!

丁度ヤマトが同じ物を持っているから、

私はハンデとしてその専用装備のみで戦うの!!」

 

「タイフーンの専用装備…?」

 

「それは、我がドイツのAIC、

英国のBT兵器に相当する物と解釈して良いのですね?」

(やった!遂に喋れた!!)

 

「勿論なの!!第5世代の武装だと、

どう頑張っても只の集団いじめられにしかならないから、

私は敢えて、このハンデを付けて戦う事にするの!!」

 

「左様か…。では、その様に。」

(こちらが何も言っていないのに、勝手にハンデをくれた…?)

 

「(余裕なのか、はたまた自身の装備を

間近で見せる気は無いと言う機密保持の為か…。

何にせよ、私達を新兵器の実験台にされては叶わないわ、

ここはKSKの力を見せないと!)」

 

 何はともあれ、KSK対なのはの5対1ハンデ戦の準備は着々と進む…。

 

 

 

「まさかお師様と戦う事になるとは…准将は何を考えておられるのだろうか。」

 

 こちらは数の上でKSK側の主力となる黒兎隊。ラウラとクラリッサ、

そしてもう一人の操縦者が準備中だった。

 

「我が国最強の『青い魔女』が手も足も出なかった強者…

我等だけで勝てるのでしょうか?」

 

「解らん。そもそも戦いになるかどうかすら怪しいな。

何しろあの織斑教官が一撃で倒された空前絶後の怪物だ。」

 

「! あのブリュンヒルデが一撃で?!」

 

「そうだ、教官の額にはその時の傷が残っている。」

 

「…………………。」

 

「彼女は一体どのように戦うのでしょうか?」

 

「『相手が動く前に行動を封じ、全火力で一気になぎ倒す』のが基本だな。

お師様のヤマトは遠隔部分展開と言って、

機体の一部を視界のどこにでも展開する事が出来る。

その上でアームを展開して標的を掴み、装備した無数の重火器で吹き飛ばす。

それが必勝パターンだ。」

 

「………! それは、距離という概念を完全に破壊する能力では?」

 

「そうだ。AICも効かんぞ、何しろお師様はテレポートの使い手だ。

通常移動の遅さをこの力で完全に打ち消してしまっている。」

 

「て、テレポート!」

 

「それ、もうISの定義から外れてませんか?」

 

「そうかもな。ISの母、ドクトル・シノノノ直々の次世代機。

火力、装甲、速力どれもこれも既存のISを骨董品に貶める、

現時点で間違いなく最強のISだろう。」

 

「……もう、暴走核弾頭という言葉では足りませんよね?」

 

「だろうな…。」

(ハンデ戦で全火器を封じるらしいが、果たして、何をしてくるのだろうか?)

 

 

 

 

 そしてIS訓練場にKSK側の5機が集結した。

かつてセルベリアと戦った時とは違い、今回は双方量産機が1機も無い。

まず、数の上での主力となる黒兎隊は

3機とも第3世代機のシュヴァルツェア・シリーズ。

 

 その内訳は、ラウラはお馴染みの専用機S・レーゲン。

副長のクラリッサは2号機の「S・ツヴァイク(黒い枝)」。

3人目の操縦者は3号機の「S・ドラッヘ(黒い竜)」。

 

 そしてKSK大幹部の2人はセルベリアと同じ第2世代のブラウ・シリーズだ。

ガランド専用機は「ブラウ・マウス(青い鼠)(以下、B・マウス)」。

ミーナ専用機は「ブラウ・フュルスティン(青い女公爵)

(以下、B・フュルスティン)。

 

 機体こそ古いが、操縦者は先代代表と現役代表。

性能の不足は、技量の面でカバー出来るだろう。

 

 

 

 

 一方、なのはだが…

 

「ヤマト、『アレ』の準備は?」

 

「ばっちりなの。どこもいじょうはないの。」

 

「ならばよし…、後は向こうの準備を待つか…。」

 

 そして、KSK側の準備ができたらしく、呼び出しが来た。

 

「遂に来たか…さて、行くか。」

 

 そして、なのはも訓練場に。

宣言通り、展開しているのはヤマトの本体のみで、武装は全て未展開だ。

 

「(あれが暴走核弾頭の機体『ヤマト』か…。

3つの顔と8本の腕…まるでブディズムの『ホトケ』だな。

本来なら、これに銃火器が展開されるのだろうな。

見てみたいが、相手にはしたくないな。)」

 

 視認したヤマトを見て仏像を思い浮かべるガランド。

 

「(寧ろ、あの異形はインド…ヒンドゥー教の様な…?)」

 

 一方、ミーナはヒンドゥー教の神を連想したらしい。

 

「さて、例のフランス製第3世代機の専用装備のみ使用すると言っていたな?

その専用装備はどう言う物だ?」

 

「これが、それなの!」

 

 なのはが取り出したのは、長さ1m超のバトン。

 

「これぞタイフーン専用第3世代装備、HR兵器なの!」

 

「HR兵器…?」

 

「近接武器?…いや、それにしても刃がない…あるいは光学式なのか?」

 

「一体、どうやって使うのだろう…」

 

 KSK側は、この新兵器がどう使われるのか全く予想がついていない様だ。

 

『では、これより5対1のハンデマッチを開始します!!』

 

 訓練場にアナウンスが鳴り響き、KSK側は一斉に身構えた。

対するなのはは、追加アームも全て量子変換して格納し、

HRをアームの上でルーレットの針の如く回転させている。

安全の為、モニター越しに観戦しているKSKの兵も緊張の面持ちだ。

 

「暴走核弾頭、ナノハ・タカマチ…。

ISの母、タバネ・シノノノの側近にして専属操縦者であり、

その意思を最も忠実に実行する者。

同時に我が同期、セルベリアを痛めつけた仇であり、

部下を冤罪から救った恩人でもある。

我等KSKに恨みも恩もある

この『偉大なテロリスト』に今後我等がどう向き合うか、

この一戦で少しでもヒントが得られれば良いが…」

 

「偉大なテロリスト。」

ガランドの言葉は、連邦軍にとってのなのはがどういう存在かよく表していた。

超一級の国際テロリストに仕える身であり、

かつて部下が教えを受けたあのブリュンヒルデを一撃で負かす程の操縦者。

同じISの名を冠する中東の某組織も一蹴しうるこの真の怪物に、

果たして、つけ入る隙はあるのか?

 

『3…2…1…始め!!』

 

 そして試合開始のコールが響いた瞬間、KSK側は全機が一斉に後退し、

散開しながら攻撃を開始した。

 

 シュヴァルツェアシリーズは

レーゲンとツヴァイクが88mmレールカノンを斉射。

ドラッヘは後方へ下がり、砲戦装備パンツァー・カノニーアを展開して

後ろから20mmレールカノン「ブリッツ」を連射する。

 

 一方ブラウシリーズは上空を抑えながら両手剣(ツヴァイヘンダー)兼用の

30mmリヴォルヴァーカノン「ボルトカノーネ30」を連射。

相手の武器が近接戦用と推定して、間合いを取って銃撃戦を仕掛けたが…

 

「周囲を警戒しろ!!特に後ろだ!!隙を見せると回り込まれるぞ!!」

 

 ガランドの指示通り、KSK側が最も恐れていたのは、

セルベリア戦で見せたヤマトワープでの背後への回り込みだ。

いくらハイパーセンサーで後ろが見えるとはいえ、

大抵のISは振り返らなければまともな反撃ができない。

 

 ではどうするか?背中合わせになれば良いのだ。と言う訳でガランドとミーネ、

そして黒兎隊の3機は背中合わせになって固まり、

全方位を警戒しながら射撃を続ける。

 

「ヤマトに動く気配無し…こっちに対処できなかったとは考えまい…」

 

 ワープで逃げた様子は無い。着弾点をハイパーセンサー越しに見ると…

 

「………傘?」

 

 ヤマトは光の傘を正面に向けていた。

それが、右手のHRの変化した姿だと言う事は明白だった。

 

「?! さてはビームシールドか!」

 

 只のシールドではない。

円錐型に成形され、傾斜装甲の原理も応用した極めて強固なシールドだった。

 

「くっ、あれが有る限りレールカノンは通らんか…射撃戦は止めだ!!

奴に銃火器は通らん!!黒兎隊は先行して近接戦に移行せよ!!」

 

「「「ヤー!」」」

 

 自分が行かないのは、黒兎隊のシュヴァルツェアシリーズの方が

より近接戦装備が充実しているからだ。

 

「そんな所だろうと思ったの…。」

 

 次の瞬間、ビームシールドだったHR兵器から

ストックにグリップ、更に細い筒が飛び出すと…

 

「な、何ッ?!」

 

 ドガァッ!!

 

「グワーッ!!」

 

 筒先からビームが放たれ、先頭のS・ドラッヘを直撃。

一撃で脱落させてしまった。何と、ビームシールドが光線銃に変形したのだ。

 

「しまっ…野兎(ハーゼ)3が!」

 

「光線銃だと?!馬鹿な、さっきまでビームシールドだったはず!」

 

「まさか、高速切替(ラピッド・スイッチ)か?!」

 

「まさにその通り!HRとは仏語で『八つの道(ユイット・ルート)』の略。

すなわちHR兵器とはIS仕様の八徳ツールなの!!」

 

 これ1つで8つの武器となる多機能ツール。

人工知能の補助の下で束が開発した第3世代機向けの展開装甲。

それがHR兵器の正体だった。

空飛ぶ兵器庫とも呼ばれる程の多様な搭載兵器が売りのR・リヴァイヴの

更に数倍の拡張領域を持つタイフーンならではの専用装備だ。

 

「くっ、そう言う事だったのか!!」

 

 ラウラはレールカノンで牽制しながら、ワイヤーブレードを発射。

しかし、なのははHR兵器をビームシールドに切り替えて攻撃を弾くと、

すかさずHR兵器からもワイヤーブレードを発射した。

 

「今度はワイヤーブレード?!そんな機能まであるのか!」

 

 散開して回避するが、誘導機能付きの様でこちらを追ってくる。

 

「ええい、しつこい!!」

 

 プラズマ手刀で先端部を切り落とし、何とか切り抜けた。

 

「成程ね、自分が持ってるから対処は出来ると…ならば打って出るの!!」

 

「くっ、遂に来るか…一体、何を出してくるんだ?!」

 

「気を付けろ!今度こそテレポートが来るぞ、全機散れ!!」

 

 ……………パッ!!

 

 直後、ヤマトの姿が消えた。

 

「来るぞ!!」

 

 ガッ!!

 

 なのははまず頭を潰す構えだ。ガランドの真正面にワープアウトし、

HR兵器を槍に変形させて突き出した。

 

「チィ!!」

 

 ガランドは辛うじてボルトカノーネ30の刀身で槍を逸らしたが、

なのはは自分ごと一回転しながら続けざまにHR兵器を振るう。

今度は槍ではなく、単分子の刃を持つブレードだ。

 

「今度は剣か!だが!!」

 

 IS1機を超音速で振り回す様な怪力の機体と真面に切り結べば、

一瞬で武器が真っ二つにされるだろう。よって、ここは回避の一手だ。

 

「させない!!」

 

 そこに、ミーナが援護射撃。ヤマトは横に飛んで躱した。

 

「ならばこっちは!」

 

 今度はHR兵器の両端から湾曲した棒と、その両端を繋ぐワイヤーが飛び出す。

それは、ロングボウと呼ばれる物だった。

 

「今度は弓?!さては量子ロングボウか!」

(GIGNの操縦者に日系人の弓使いがいたが、それにも対応してるのか?!)

 

 更に、格納されていた矢が展開されて射出位置に並ぶ。

 

「弓は使った事がないけど、ISの補助を受けている状態なら!!」

 

 なのはは左腕でロングボウを持ち、後方に飛び退きながら矢を連射。

放たれた矢はプラズマの鏃をもつ無数の矢に分散、雨の如くに降り注ぐ!

 

「いかん、全機回避!!」

 

 数百発、いやそれ以上の矢が訓練場に降り注ぐ。

これではAICで止める暇もない。

 

 ズガガガガガガガガガガガガッ!!

 

「「「「うわあああああああああ!!!」」」」

 

 そして…

 

「くっ、大分食らったか…ミーナ、野兎1、損害は?!」

 

 ガランドが機体に刺さった矢を抜きながら状況を確認させる。

 

「まだ大丈夫です!!」

 

「私も何とか…ですが野兎2がSE切れで脱落です!」

 

 被害は甚大だった。

クラリッサはここで脱落、残り3機もSEに半分以上の大ダメージだ。

 

「ちっ、やっぱり専用機持ちはしぶといの!!」

 

 梃子摺っている様に見えるが、

KSK側はヤマトが本来の武装を全て封じているからこそ

ここまで持ち堪えている訳で、

そうでなかったらあっという間にビームの暴風雨の前に沈んでいただろう。

 

「それなら、とっておきのが有るの!!」

 

 なのははここで片を付ける構えだ。HR兵器を再び変形させる。

現れたのは6連装の空対空ミサイルランチャーだ。

 

「これを避けられるかな?」

 

 ミサイルのブースターに一斉点火。6発のミサイルが超音速で飛んでいく。

 

「ちぃっ!今度はミサイルだと?!」

(盾、銃、鞭、槍、剣、弓、ミサイル…

8徳ツールと言う事は、まだ1つ残っているな…。)

 

 KSK側はチャフとフレアをばら撒いて目くらましを図るが、

ミサイルはしつこく付いてくる。どうも熱感知式では無い様だ。

因みに、このミサイルは光学カメラとレーダーの複合式。

チャフとフレア程度ではまず惑わされない。

だが、本当にタチが悪いのは発射したなのはだった。

 

「OK、OK。その調子で一直線に並ばせて。」

 

 実はこのミサイルは自動制御では無い。KSK側のISを上手く並ばせる為、

ヤマトのAIがミサイルを遠隔操作して動きを誘導していたのだ。

 

「タチの悪い!これだから日本製は!!」

 

 ガランドがボルトカノーネ30に替わり、切り札の荷電粒子砲を抜く。

 

「向こうも追い詰められてるの。それでは…」

 

 なのははそれを確認すると、HR兵器最後の1つを展開。それは…

 

「纏めて吹き飛ばしてやる!!」「残念、それはこっちのセリフなの!!」

 

「何!」

 

 ガランドがミサイルの向こうに見た物、それは…

 

「これぞ本命の、155mmプラズマ砲なの!!」

 

 なのはが展開したのはバズーカ型のプラズマ砲。

口径155mmは既存のIS搭載兵器を遥かに上回る。

 

「ま、まさか?!(馬鹿な、あんな物を格納できるのか?!)」

 

「これで最後なの!!」「さ、させるか!!」

 

 なのはとガランドは同時にトリガーを引き、

荷電粒子ビームとプラズマビームが一斉に放たれた。

囮のミサイルを呑み込み、2つのビームが正面からぶつかる。

 

 しかし、ガランド専用機B・マウスの荷電粒子砲は第2世代向け、

対するヤマトのHR兵器は本来第3世代機向けの兵装だ。

1世代の差は、余りにも大きかった。

 

 ズッゴォォォオオオオオオウウウウウ!!

 

 正面衝突の瞬間、パワー負けした荷電粒子ビームはプラズマに呑み込まれた。

そして、射線上にいるガランドと残りの2機も…

 

「「「うーわぁぁぁぁあああああああああああ!!!」」」

 

 3機は大爆発して訓練場に転がる。これでKSK側は全滅だ。

 

『そ、そこまでぇぇぇぇ!!』

 

 終わってみれば、一撃も返せずに負けてしまった。

 

「くっ、一撃も返せないなんて…これが暴走核弾頭の力なの?」

 

「セルベリアの奴が歯が立たなかった理由が、良く解ったよ…。」

 

「素晴らしい!!流石はお師様です!」

 

「「(おいおい、隊長ったら負けて喜んでるよ…)」」

 

 かくして一方的とはいえKSK対なのはの親善試合は邪魔も入らずに終了した。

 

 

 

 一方その頃、ドイツ某所の地下施設では…

 

「ドクトル・ハルシュタイン。何故私をここへ…?」

 

 そこにいたのは、軍務への復帰間近まで回復した

もう一人のドイツ代表操縦者セルベリア・ブレスと、

亡国機業の筆頭エンジニア、ハルカ・ハルシュタイン。

ハルカは表向き、ドイツ国防省のIS部門で技官を務めている為、

こうして国家の研究施設にも堂々と入り込めるのだ。

 

「良い知らせが有るのよ。来たるべきヤマトへのリベンジの為、

貴女が乗るB・フランメに替わる専用機…第3.5世代機が完成したのよ。」

 

「第3.5世代機…!」

 

「この奥にあるのがそれよ。自分の眼で確かめてみなさい。」

 

 ハルカがパスワードを入力すると、分厚い合金製の耐火ドアが開く。

その奥には、1機のISが。

 

「これが、私の新たな専用機…」

 

「如何にも。これが貴女の今後の専用機、

第3.5世代機『ブラウ・ヴァルキュリア(青い戦乙女)』(以下、B・ヴァルキュリア)。

私が現時点で建造できる最強の機体よ。」

 

「最強の機体…?」

 

「1対1なら、ヤマト以外の誰が相手だろうと無敵を保証するわ。

これにイグニッション・プランでの制式化が決まったタイフーンが加われば、

この前の様な負け方はまず有り得ないわよ。」

 

「本当だろうな?奴も二次移行を達成したと聞いたが?」

 

「知ってるわ。

でも、今度の機体はタバネ・シノノノの力を一部利用しているのだから、

そうそう堕ちる様な軟弱な仕上がりにはなっていないわよ。

そもそも、タイフーンはあの女がデュノアと裏取引をして

デュノア社の名で開発した物。それをこうして、利用させて貰ったのよ。」

 

「タイフーンが?あれもタバネ・シノノノの作なのか?」

 

「そうよ。『業績を持ち直せば宇宙開発特化型と専門部署を作る』

という約束をしていたみたい。

でも、我々には不都合だから全力で妨害する必要があるのよ。

タバネ・シノノノは確かにISの本家本元、彼女以上にISを知る者はいない。

でも所詮は人間であり、彼女のISもまた人間の作りだした物。

それなら、我々人類が追いつけない道理はないのよ。」

 

「そうか…。良いだろう。今度こそ、ヤマトは、暴走核弾頭は私が堕とす!」

 

「それで良い。正式な軍への引き渡しは来月を予定しているわ。

予定通り、リハビリが終わりさえすればね。」

 

「分かった。期待して待っている。」

 

 着々と力を増す亡国機業。果たしてヤマトはこの先生き残れるのか?




今回登場したタイフーン専用装備、「HR兵器」ですが、
イメージとしては某スタイリッシュ戦国アクションゲームの
将軍様の武器の発展型です。
殆ど紅椿の展開装甲と変わりありませんが、大容量拡張領域のおかげで、
第3世代機のタイフーンでも何とか搭載できます。
つまり、同じ第3世代機の白式も…
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