魔法戦記リリカルなのはIS 高町なのはのIS学園見聞録   作:ピロッチ

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第3話  学園祭

 箒が紅椿を受領した翌日、

1年1組では学園祭の出し物を何にするか話し合っていた。

 

「え~、それでは学園祭における1組の出し物を決めたいと思います。

意見のある人は挙手してから発言して下さいね。」

 

 担任の千冬は現在職員会議中につき、司会進行は真耶が行っている。

 

「はい!私は『織斑一夏のホストクラブ』を提案します!!」

 

「なら私は『織斑一夏とツイスター』を!!」

 

「じゃあ、私は『織斑一夏とポッキーゲーム』で!!」

 

「私は、『織斑一夏と王様ゲーム』が良いと思います!!」

 

 次々と意見が飛び出すが、どれも高校でやるにはちょっと…な意見だった。

 

「いやいやいや!!やらねぇから!!ってか、高校でやる事じゃねえだろ!!」

 

「「「「「えええええええ?!」」」」」

 

「えーって何だよ、おかしいだろ!誰得だよ、それ!!」

 

「私達得だよ!!織斑君とこういう事がやれたら皆喜ぶよ?」

 

「そうそう!少なくとも私は嬉しいわ!」

 

「「「「「そうだそうだー!」」」」」

 

「(ここって、世界一のエリート高校…で良かったんだよな?)」

 

 今更ながら同級生のはっちゃけ振りに混乱する一夏であった。

 

「や、山田先生!流石にこんなふざけた企画は駄目ですよね?」

 

「え?!ここで私に振るんですか?!」

 

 堪らず真耶に話題を振る一夏。

だが、真耶に振った所で事態が好転すると思っているのか?

 

「え、えーっと…私は…その…ポッキーゲームなんかしてみたいなぁって…」

 

 何故か頬を紅く染めて生徒達に賛同する真耶だった。

 

「駄目だこの人…早く何とかしないと…と、兎に角もっと普通の意見をだな!」

 

 と、ここで立ち上がったのが我等が暴走核弾頭、高町なのはだ。

 

「喫茶店なの!!!」

 

「…………えっ?」

 

 極めて当たり障りのない喫茶店という提案。

だが発言者は暴走核弾頭である。つまり、これは決定事項だ。

 

「飲食店系なら掛かった費用を回収できるの!!

学園祭中は招待券を持つ人だけ外からも中に入れるから、

休憩場にも利用して貰えるの!!裏方要員なら私に任せるの!!

なぜなら私は喫茶店の娘なの!!」

 

 暴走核弾頭らしからぬ真面な意見に、一同沈黙。

 

「お師様の仰せられる通りだ!!

折角だから、もう一捻り加えてメイド喫茶などどうだろうか?」

 

 真っ先に賛同したラウラ。だが、メイド喫茶にするとある問題が。

 

「あー、ラウラ?その案が通ったとして、俺はどうなるんだ?

ずっと厨房担当で良いのか?」

 

「そうだな。一夏には厨房…

もしくは執事の姿で接客をすれば、皆喜ぶと思うがどうだろう?」

 

 千冬の影響からか、一夏も容姿はそれなりに良い。

唯一の男子見たさに生徒達も続々押し寄せるだろう。

 

「ああ、それは良いよ!!

一夏が執事姿で接客すれば、一杯人が集まると思うよ!!」

 

「ちょ、シャルまで何言ってんの?!」

 

 シャルまでラウラの案に便乗して来た。

この2人はシャルが女だと公表されて部屋割りを更新した結果、

同じ部屋になっており、それ以来2人は仲が良くなっている様だ。

 

「うんうん、織斑君の執事とか最高じゃん!!」

 

「そうだよ!これが一番!!」

 

「私もそう思う!!」「私も!!」「私も!!」

 

 とうとうクラス全員が賛同してしまった。

 

「いやいやいや、メイド服と執事服はどうするんだよ?!」

 

「それならワタクシの家に山程ありますわ!!

何せワタクシ、これでも貴族の子ですから!!」

 

 衣装はセシリアが用意してくれる様だ。

かくして、学園祭での達1年1組の出し物はメイド&執事喫茶に決まった。

なのはは裏方で料理担当、一夏は執事服で女子達に接客をする事に決まり、

一夏は今後の展開に頭を悩ませる事となる。

 

 

 

 

 

 そして学園祭当日…

1年1組は朝から出し物の準備に追われていた。

 

「じゃ~ん!一夏、見て見て!!」

 

「ワタクシ、メイド服は普段から見慣れておりますが、

こうして自分で着るのは初めてですわ。一夏さん、どうですか?」

 

 一夏の目の前にはメイド服のシャルがいた。

二人とも一夏の感想が聞きたくて見せに来たのだ。

 

「シャル、それにセシリア?うーん、俺、メイド服なんて初めて見るから、

はっきり言えねえけど…俺に見せられるくらい自信が有るなら、

きっと似合ってると思うぜ!」

 

「そ、そうなんだ…似合ってるんだ…。(やった、一夏に褒められた!!)」

 

「! そ、そうですの…似合ってるん…ですの?」

 

 手放しで褒めた訳ではないが、

2人共満更でもなさそうだ。それを裏から見ていたなのはは一言。

 

「全く、一夏君は女の扱いが上手いんだか下手なんだか…」

 

 そして、遂に開店の時間が来た。

予想通り1年1組の喫茶店は執事服姿の一夏見たさに

学園中の女子がよってたかって行列を作っていた。

 

「一番席、ミルクティーとアップルパイ入りました!」

 

「一番席、ミルクティーとアップルパイ了解なの!

一夏君、三番席のブラックコーヒーとフレンチトースト、完成したの!!」

 

「了解!!すぐ行きます!!」

 

 当然、厨房は大忙し。

料理経験豊富ななのはが厨房を取り仕切り、何とか保たせているレベルだ。

既に教室の前には総勢1クラス分の行列が並んでいた。

 

「おや、あそこにいるのは…。」

 

 ふと見ると、チャイナドレスを着た鈴音が来ており、

注文したで執事のご褒美セット」の特別サービスで、

一夏にお菓子を食べさせて貰っていた。

 

「(楽しそうで、何よりなの。)………んん?あれは…?」

 

 ふと見るとライトブルーの髪の見慣れない生徒。

正体はメイド服を着た楯無だ。

自分の組をほっぽり出して何をやっているのやら。

 

「そこの2年生…何をしてるのかな?」

 

「あらあら、バレちゃった?ちょっと後輩のお手伝いを…。」

 

「そういうのはまにあってるの。もちばにもどるの。はうすなの。」

 

「連れないわね、そんな無愛想だと嫌われちゃうわよ?」

 

「それ以上文句を言うと、山田先生と同じ目に遭わすの…。」

 

「(ゾクッ!)な、何か悪寒が…悪いけど急用が出来たから…さよなら~。」

 

 気が付いたら楯無は居なくなっていた。

なのははため息をつくと、再び厨房に戻る。

 

 そして正午過ぎ…漸く客が掃けて休める様になったなのは

厨房を他の生徒と交代して、他の組の出し物を見ながら学園を回っていると…

 

「もし、そこの方?」

 

「?」

 

 振り返ると、スーツ姿の女性が近づいてきた。

だが、その所作は所定の訓練を受けた人間が

無理して普通の人間の振りをしている様だった。

 

「日本代表の高町なのはさんで間違いありませんね?

私、こういう者なのですが…」

 

 差し出された名刺には、

IS装備開発企業『みつるぎ』渉外担当・巻紙礼子と書かれていた。

だが、目の前の女はどう見ても日本人の顔立ちではない。

 

「貴女方に相談が有るのです。

是非とも我が社の開発した装備を使っていただけたらと思いまして…。」

 

 なのはは聞いた事が有った。夏休み、千冬の修行で束のラボに詰めていた頃、

こういう企業の人間が何人も来て、

白式に自分達の会社の装備を使って欲しいと勧誘してきたと。

何故なら、世界初のISを動かせる男の専用機に

自分達の装備を使って貰えればその宣伝効果は絶大だからだ。

 

「却下なの!!

7月に装備を追加したばかりだから、そういうのは間に合ってるの!!

更に言うと、束さんのOKが無い限りそういうのは受け付けないの!!」

 

 だが、なのはにそのような余計なお世話に付き合う理由は無い。

その場で却下するなのはだった。

 

「そ、そうおっしゃらずに話だけでも…」

 

 と、ここでヤマトがなのはに耳打ちをした。

 

「ああ!今組の出し物が忙しい事になっているらしいからこれで失礼するの!」

 なのははそう言うと足早に去って行った。

 

「(危ない危ない…遂に来たね、亡国機業!)」

 

 なぜ彼女が亡国機業なのか。ヤマトが耳打ちした内容は以下の通りである。

 

「IS装備開発企業『みつるぎ』に、『巻紙礼子』という社員はいない。」

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