魔法戦記リリカルなのはIS 高町なのはのIS学園見聞録   作:ピロッチ

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さて、いよいよクラス対抗戦。
一夏の特訓(?)の成果はいかに…?


第6話  クラス対抗戦…良い奴だったのに…

 そして月日は流れ、遂に試合当日。

1回戦第1試合はよりによって一夏対鈴音であった。

 

「ハァ…。まさか最初にこのカードとはなぁ。」

 

 会場である第1アリーナは既に満員御礼だ。

ピットでは試合に出る一夏がISスーツに着替え、準備に入っていた。

 

「では対戦相手のISの詳細を説明するの!!

あの子の専用機は中国製第3世代機甲龍(シェンロン)!!

燃費と安定性重点のISなの!!

 

武装は柄を連結してブーメランとしても使える

2本セットの青龍刀『双天牙月』と、

空間に圧力を掛けて銃身を作り衝撃を砲弾として打ち出す『龍咆』なの!!

 

低燃費が売りの機体だから長期戦は厳禁!!

ここぞの時に瞬時加速で肉薄して零落白夜の一撃有るのみなの!!」

 

 何故なのはが鈴音の専用機のスペックデータを知っているのか?

答えは簡単である。雇い主の束から教えて貰ったのだ。

人類最高の天才にしてISの母の前では、

一国のISのデータを盗み出すなど造作もない。

 

「でも安心するの!!こんな事もあろうかと

白式のハイパーセンサーをバージョンアップして気流探知能力を強化したから、

衝撃弾が来たら自動警告して回避を補助してくれるの!!

これで龍咆はほぼ無力化されたの!!ちなみにやったのは私の専用機なの!!」

 

「これぞ、じんこうちのうぱぅわぁーなの!!」

 

「マジかよ…?!」

 

「それじゃ時間なの!!早速行くの!!」

 

「あ、ああ…ぜってぇ勝ってくる!」

 

 カタパルトに白式を接続させた一夏は深呼吸を一度、

更にもう一度して、真っ直ぐ前を見た。

 

『カタパルトオンライン、進路クリアー、白式、発進どうぞ!』

 

 管制をしている真耶の声がピットに響き、一夏は発進の構えに入った。

 

「織斑一夏、白式、行くぜ!!」

 

 気合と共に発進した一夏、アリーナ中央には甲龍を纏う鈴音が待ち構えていた。

 

「逃げないで来たのね、今謝れば手加減位ならしてあげるわ!!」

 

 何故かカンカンの鈴音。

どういう事かと言うと、一夏に好意を抱いていた鈴音は小学校の頃、

『料理が上達したら、毎日アタシの酢豚を食べてくれる?』

と言うプロポーズをしていたが、

一夏は文面通り「タダ飯を頂ける」と解釈してしまっていた。

鈴音はそれに怒り心頭だったのだ。

 

「ああ?手加減なんていらねぇよ!

俺は来る日も来る日もお前が全力で痛めつけるのよりも

もっとキツイ目に遭わされてたんだぜ!!

それにお前のISのネタは解ってるんだ!!

(龍咆を指差して)その浮いてる奴、見えない飛び道具なんだろ?」

 

「ギクッ!!(何で龍咆を知ってるのよ?!)

そ、そう…どうあっても気は変わらないって事ね。

でもアタシだって一国の代表候補生、

付け焼刃の自信なんかで勝てると思わないでよね!」

 

『それでは…始め!!』

 

「イヤーーーーーーーーーーッ!!!」「ハイーーーーーーーーーーッ!!!」

 

 ガギィィィィィィィィィィン!!!

 

 開始の合図と共に雪片弐型と双天牙月で斬り結ぶ。

しかし、力で勝る甲龍に押される。

やはりパワー型の甲龍とのチャンバラは白式には分が悪い。

一夏は即座に下がり間合いを取った。

 

「へえ、初撃を防ぐなんてやるじゃない。」

 

「へっ、こんなのアリーナ全体が穴ぼこになる

なのはさんの攻撃に比べたら余裕だぜ!」

 

「言ったわね!!ISの絶対防御だって、

それ相応の攻撃力を持つISなら突破出来るのよ!!

例えば…この甲龍みたいにね!!」  

 

 鈴音が双天牙月で斬りかかるが、

そんな物はなのはの弾幕と比べれば何の事はない。

白式のトップスピードでその場から逃げだすと、

甲龍から距離を置いて周囲を旋回する。

 

「それで様子見のつもりかしら?でも、ちょこまかとしつこいわね。

龍咆の存在を知っているみたいだけど…

聞くと見るとじゃ大違いって事もあるわよ!!」

 

 ここで鈴音は非固定浮遊部位(アンロックユニット)に備えられた龍咆から衝撃弾を発射。

確かに衝撃波の弾丸は肉眼には捉えられない。しかし一夏は事前に対策済みだ。

無対策ならまず命中していたであろう衝撃弾も、今の一夏には掠りもしない。

 

「くっ、本当に避けられた!?こいつッ!!この…この!!」

 

 面白い様に避けられる衝撃弾。まるで未来予知でもしているかの様だ。

自慢の切り札を無力化された鈴音が焦り始める。

 

「訓練通りなの!!

上体を過度に傾けず、相手にどの方向へ動くか読ませていないの!!」

 

 これがなのは相手だったら回避位置を即座に見破られて

見越し射撃を食らって終わりだろう。

しかし鈴音になのは程の技量はない。巧みに回避位置の予測を外され、

見当違いの方向へ龍咆の射線を誘導させられている。

 

「よし、今なら行ける!瞬時(イグニッション)………」

 

 一夏は鈴音の隙をついて瞬時加速(イグニッションブースト)で急接近を図ろうとしたが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドッゴオオオオオオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーーン!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 轟音と共に一夏と鈴音の間に何かが着地して砂埃を巻き上げた。

 

「な、何だぁ!?」「え、ちょ…何!?」

 

BEEP! BEEP! BEEP! BEEP!

 

「非常事態発生!非常事態発生!!

観客席の皆さんは直ちに避難して下さい!!繰り返します…」

 

「非常事態?!」「一体何が…!一夏、あれ!!」

 

 直後、アリーナに非常警報と避難命令が響き渡る。

更に観客席が装甲シャッターでグラウンドと遮断された。

どう見ても原因は着地した何か。

それもその筈、砂埃が晴れた後そこにいたのは…

 

「あい………………えす…………………?」

 

 そこにいたのは、異様に巨大な腕が特徴の謎のISだった。

 

「くっ…こんな時に乱入者だと?!山田先生!!」

 

「ハイ!!」

 

「直ちにIS教員(=ISを操縦できる教員)勢にスクランブルを発令!!

一般教員(=ISを操縦出来ない教員)には生徒達の避難誘導指示を!!

それから織斑と鳳に脱出を命じ、この事を学園長及び理事会に報告!!

それが済み次第、本土の防衛省にも救援要請を!!」

 

「了解しました!!」

 

 管制室で観戦していた千冬は直ちに真耶を通じて全校に命令。

千冬は初代ブリュンヒルデとしての実績を買われ、

理事会から有事の際の指揮を一任されている。

その真価がまさに問われようとしていた。

 

 

 一方アリーナでは…

 

「うっ…何なんだコイツは?!」「いきなり入ってきて…何のつもりよ?!」

 

 謎のISに試合を邪魔された一夏と鈴音。とそこに真耶から通信が。

 

『織斑君、鳳さん、聞こえますか!』

 

「「山田先生!?」」

 

『試合は中止です!!二人共脱出してください!!

直ぐに他の先生方が助けに来ます!!』

 

「脱出ったってどこへ?!

上はシールドがあるし、観客席はシャッターで塞がれてる!!

これじゃ逃げられないですよ!!」

 

『え?え?!』

 

「しかも、最大出力のシールドよ!!

こんな嫌がらせ…って、こいつ攻撃してきた!!」

 

 このままでは一夏と鈴音は出られないし、IS教員もアリーナに入れない。

更に悪い事に、謎のISが一夏と鈴音を攻撃し始めた為、

二人との通信も途絶してしまった。

 

「織斑君!鳳さん!大丈夫ですか!?もしもし!もしもし!!」

 

「落ち着け!今はそれ所ではない!!」「ファッ!?」

 

「拙い事になってしまった。

奴め、アリーナの管理コンピュータをハッキングした様だ…。

(アリーナの現況を表す画面を出す)これを見ろ。」

 

「…………これは!!最高出力の遮断シールド展開済み、

ステージとの連絡路も全て装甲シャッターで閉鎖済み…そんな、どうしたら!」

 

 千冬からアリーナの状況を知らされ、ようやく真耶も現状を把握した。

 

「現在、IS教員勢がシールドの物理的突破を試みている。

同時に3年のオペレーター達がコンピュータの再アクセス中だが、

あと何分掛かるか判らない。

防衛省からも『IS中隊の到着まで最低20分はかかる』と連絡があった。」

 

「そんな…。」

 

「落ち着け山田先生。

こういう時だからこそ、大人が落ち着いていなければならん。

ここはコーヒーでも飲め。糖分が足りないからイライラするんだ。」

 

 そう言って千冬がコーヒーを一杯淹れて口に含んだ次の瞬間…

 

「ブホッ!!しょっぱっ!!」

 

 千冬は盛大にコーヒーを吹いてしまった。と言うのも…

 

「ゲホッゲホッ…って、なんで塩がこんな所にあるんだ?!」

 

 千冬が開けた容器には塩の字が。千冬は砂糖と塩を間違えて入れていたのだ。

 

「一番落ち着いてないのは…」

 

「言うな。それ以上言ったらこれを飲ますぞ。」「アヒィ~…。」

 

 しかし忘れてはいないだろうか?今の学園にはそれ以上の危険物がいる事を…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なのおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ズドォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオン!!!

 

 

 何者が雄叫びと共に遮断シールドをすり抜けて上から降ってきたのだ。

 

「「「「「な、何だァーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ?!」」」」」

 

 そう、我等が暴走核弾頭、高町なのはの乱入である。

 

「な、なのはさん…?」「な、何しに来たのよ…てか、何で入ってこれたの?」

 

「やっと戦える相手キタ━○ ⌒*(#゚∀゚)*⌒= ⌒(* #)≡○)Д`)・∴'.━!!!」

 

 一夏には目もくれず、謎のISをいきなりブン殴り壁に叩きつけたなのは。

勿論、アームを部分展開している。

 

「ちょ、考えなしに暴れたいだけかよ?!

ヤベぇ…逃げるぞ鈴!早く逃げねえと、俺達にまで殴り掛かって来る!!」

 

「え゛? あ、うん、解った!!」

 

 謎のISよりも寧ろなのはから避難する為、

アリーナの端まで逃げ出す一夏と鈴音。

それに気付いた謎のISは起き上がり腕の光線砲を一夏に放つが…

 

「おら!」

 

なのはにアッパーで弾き飛ばされた。

その隙に謎のISは上空へと逃げ更なる連射を仕掛けるが…

 

 ガパン!!!

 

謎のISの攻撃は奇妙な音と共に弾き飛ばされた。

なのはがバリアを斜めに張り、全ての攻撃を逸らして防ぎ切ったのだ。

受け止めるのではなく逸らす事で最小限のダメージで攻撃を防ぐ高等技だ。

そして間を置かず…

 

「叩き潰してやるの!!!」「どーん!」

 

 逃げようとする謎のISに無数のビームが飛び掛かり、全弾命中。

謎のISはあっという間に爆発四散してしまった。

 

「ウソ…瞬殺?!」

 

 鈴音は震え上がった。今の自分ではどんな手を使ってもなのはには敵わない。

なのはにその気があれば、自分もああなると。

なのはは謎のIS胴体部の残骸を掴むと…

 

「ふんぬっ!!」

 

 バギ!!メリメリ…

 

 アームで力任せに引きちぎり、中からコアを回収。

 

「さて、やる事はやったし脱出するの!!最大出力、用意!!」

 

 ギュルルルルルルルルルルルルルルル…

 

 なのはの周囲に放電を思わせる光が奔る。

数秒後、エネルギーの充填が完了した様だ。

 

「バリアを破るの!!全砲門、発射!!」「どーん!」

 

 ドギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルゥゥウウウン!!

 

 なのはの号令一下、一夏やセシリアを扱いていた時の比ではない

特大ビームが計9本放たれた。

 

「「「ウーワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」」」

 

 ビームは全て遮蔽シールドに命中し、貫通。

突破の為に取りついていたIS教員達が巻き込まれ、

遥か彼方へ吹っ飛ばされた。

これには管制室で指揮を執っていた千冬達も驚くばかり。

 

「な、何と言う事だ…我々のやろうとした事を…」

 

「見事に一人で片付けちゃいましたね…アハハハハハ…」

 

 圧倒的である。

 

「これで良し…さあ二人共試合を続けるの!!……おや?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピクピク⊂(。Д。⊂~⌒⊃))) ((( ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ピクピク

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一夏と鈴音は衝撃で絶賛気絶中だった。

 

「………………………………………………………………………………………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⌒*(◎谷◎)*⌒

 

起゛き゛る゛の゛!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルゥゥウウウン!!

 

「「ぎょわあああああああああああああああああああああああああああ!!」」

 

 気絶中の2人に容赦なくビームを打ち込み、強引に叩き起こすなのは。

そして目が覚めた2人が見た物は、

バラバラになって炎と煙を上げる謎のISだった残骸と、

憤怒の相でこちらを睥睨する魔神だった。

 

「さあ、二人とも試合を続けるの!!」

 

「「ギャーッ!!!」」

 

 一夏と鈴音がもう一度気絶したのは言うまでもない。

 

 

 その後の調査で、謎のISの正体は

束が作った無人IS「ゴーレムⅠ」であることが判明。

束を問い質した結果、「一夏を鍛える手助けがしたかった」と供述。

これにより、束は468個目以降のISコアの生産を再開した事が発覚したが、

この事実はなのはと千冬と真耶、

そして学園長と理事会の機密事項とする事になり、コアは学園が保管する事に。

 

 

 そしてその日の夜、N○Kのニュース番組からこのような報道が入った。

 

「次のニュースです。先程ソウルから入った情報に依りますと、

李氏朝鮮時代の王宮『景福宮』で突如宮殿が崩落したそうです。

幸い、死傷者は出なかったとの事ですが、原因は解っておりません。

この件に関して韓国政府は日本に対し謝罪と賠償を強く求める声明を…

あ、今速報が入りました。

 

日本政府は先程『強い遺憾の意を表明する』と声明を発表しました。

繰り返します。

日本政府は先程『強い遺憾の意を表明する』と声明を発表しました。」




今話における一番の貧乏くじは韓国。異論は零落白夜。
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