魔法戦記リリカルなのはIS 高町なのはのIS学園見聞録   作:ピロッチ

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お待たせしました。
キャノンボール・ファスト編、いよいよ決着です。


第13話  史上最低の決着

『皆様、お待たせしました!それでは、これから在学中の国家代表操縦者及び、

IS教員の皆様の総勢7名によるエキシビジョンレースの開始です!!』

 

 かくしてスタートラインに並んだ計5名のIS教員、そしてなのはと楯無。

なのはと楯無は専用機、教員達はR・リヴァイヴでレースに臨んでいる。

だが、なのは以外の参加者は皆一様になのはの方を向いて絶句していた。

 

「ね、ねぇ真耶…」

 

「何でしょう、主任?」

 

「アレ…何なの?」

 

「……さぁ?」

 

 それと言うのも、ヤマトは機体に直径50cm、長さ6m程度の

4基の何かを括りつけていたからだ。

 

「千川先生、あれって…」

 

「…更識さん、わざわざ言わなくて良いと思いますよ…だって、どう見ても…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「(ミサイルだよね…アレ。)」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その通り、ヤマトの機体に追加された物体は、

例によって束がどっかからパクって来た超音速巡航ミサイルだった。

束はレース用にミサイルから弾頭を撤去し、空いたスペースに燃料を追加して

ヤマト用のブースターに仕立て上げたのだ。

 

『それでは、レーススタートです!!』

 

 参加者の不安など一切構わず、レースのカウントダウン開始が告げられる。

そして、スタートを示す青LEDが点灯した瞬間…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ズドォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」」

 

 ヤマトがブースターに点火。

だが、それは点火と言うより爆発と言うべき物だった。

何故なら、その強烈な爆風と衝撃によりなのはの後方からスタートする筈だった

真耶他1名のIS教員が吹き飛ばされて壁に激突。

そのままSE切れでリタイアしてしまったからだ。

これで、参加者は7名から5名に減ってしまった。

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

 当然、それだけ強烈な力で加速したヤマトは一気に先頭に立つ。

 

「ちょっ…何よあの反則装置は?!」

 

「ハハハ…やっぱ予想通りね。」

 

「でも、あれって攻撃になるんじゃ…」

 

 その答えはすぐにアナウンスされた。

 

『えー、只今の爆発ですが、映像を確認した結果、

単にブースターに点火しただけである事が確認された為、

攻撃にはあたらないとして、このままレースを続行します。』

 

「「「「酷過ぎる!!!」」」」

 

 だが、事実に文句を言っても利益は無い。残念だが、レースは続行である。

 

「あー、もう!!何でもいいから少しでも追いつくわよ!!」

 

「「はい!」」

 

「あー、日高先生?私『国家代表は攻撃禁止』のルール上手出しできないので、

先生方が頑張って何とかして下さいねー。」

 

「……………畜生!」

 

 と言う訳で、レースはなのはを残りの4人が連携して追う展開に。

 

「うおおおおおおお!!待ちなさーーーーーーーーーーーーーーい!!!」

 

「何が何でも止めてやるー!!」

 

「鬼!悪魔!なのは!」

 

 舞、小鳥、ちひろの教員3名が後方から

機銃やらミサイルやらで果敢にヤマトを攻撃する。

 

「無駄な事を…。」

 

 だが、荷電粒子砲やら専用機の攻撃やらを全て食い止めたヤマトの重防御は

そんな物では揺るぎもしない。

 

「うわ…ミサイルが当たっても無傷どころか、

全くバランスが崩れないとか何なの?ホント凹むわ~。」

 

「当たり前なの!たった3匹の蟻が恐竜に勝てると思ったの?!」

 

「んなっ…ちょっと!教師を蟻呼ばわりは無いでしょ?!!」

 

「今はレース中なの!!レースに教師と生徒の上下関係は無いの!!

在るのは、女同士の速さ比べなの!!分を弁えるの!!」

 

「……すいませんでした。」

 

「弱っ!!主任弱っ!!」

 

 学年主任の舞ですらこの有様である。

最早暴走核弾頭の威光は理事長すら上回っていたのであった。

 

「ええーい、ダメ元ピヨ!!やってやるピヨー!!!」

 

 小鳥が名前通りの妙な語尾と共に、

近接用ブレード、ブレットスライサー片手に急加速。

と、ここで教員トリオ+1は意外な事に気が付いた。

 

「あ、あれ?小鳥さん、簡単に追いついた…?」

 

 何と、R・リヴァイヴであっさり追いついた。

ド派手な追加ブースターの割に、最高速度はそこまで速くない様だ。

 

「バックブラストは派手だけど、そこまで速くは無いみたいね。」

 

「ああ、そう言えば!生徒達の間で、『ヤマトは重すぎるから、

カタパルトに乗せると重量オーバーで壊れる』って噂になってたんだった!」

 

「……うん、ありそうだから困るわね。」

 

 どうやら、重すぎて追加ブースター4基がかりでも速度が出ない様だ。

ひょっとしたら、つけ入る隙になるやもしれない…

だが、彼女達は国家代表を舐めていた。

 

「ピヨーッ!!覚悟ーッ!!」

 

「……早速堪え性の無い人がやって来たの!!」

 

 躊躇なく突撃する小鳥。ルール上反撃は絶対にやってこないので、

一直線に背後から突っかかる。だが、なのははそれを狙っていた。

 

「このブースターの真の使い方、身を以て思い知るの!!パージ!!」

 

 何と、なのはは折角のブースターを1基投棄してしまった。

これで出力が25%減ってしまう。だが、このブースターが曲者だった。

 

 ガッ!!

 

「ピヨッ?!」

 

 何と、投棄された筈のブースターからアームが展開され、

小鳥機をアームでがっちりとホールド。

 

「え?え??ちょ、何これ?何がどうなるのぉぉおお?!!」

 

「こうなるの!!」

 

 なのはの声でブースターが急上昇。

小鳥機はブースター諸共、場外へ飛んで行ってしまった。

 

「ピィィィィヨオオオオオオオオオオォォォォォーーーーーーッ?!!!!!」

 

 

 

 

 

\キラーン/

 

 

 

 

 

『あーっと!!音無先生がここでコースアウト!!

今レース3人目のリタイアです!!』

 

 そう、束はこのブースターをヤマトを加速させる為に作ったのではなく、

妨害OKというルールを逆手に取り、

相手にくっつけてコースアウトさせる為に作ったのだ。

 

「な、な、な…」

 

「何と言う裏ワザ…ルールの抜け穴を見事に衝かれたわね…」

 

「確かに、攻撃はしてませんからね…」

 

 厄介極まりない秘密兵器である。

だが、今ので出力が激減したヤマトは速度が更に低下。

3機との差が徐々に詰まっていく。

 

「こうなったら、高町さんは下手に手出ししない方が得ね!!

私達だけでレースを続けるわよ!!」

 

「……え?それって、私が一方的に不利「さあ行くわよ!!」

 

 楯無のツッコミを無視して、舞とちひろは加速。

つられて楯無も加速してなのはと並んだ。

 

『おおお?!ここで後方の3機が急加速して

先頭の日本代表、高町さんを抜きにかかる!!』

 

「させないの!!」

 

 なのはもブースターの出力を上げて対抗。

漸く4機が一塊となり、誰が優勝してもおかしくないまともなレースとなった。

 

「何とかしてあのデカいブースターを壊せば、

ヤマトは重すぎて自然に脱落するんだけど…」

 

「下手に近づくと、音無先生と同じ目に遭いますからね。

さわらぬ神に祟りなしと言う事でFAにしませんか?

じゃ…そう言う事で…さよなら~!!」

 

 と、ここで楯無が仕掛けた。

なのはと並んで専用機で参加しているアドバンテージを活用して、

瞬時加速を発動し、逃げの一手に出た。

 

「あああっ!!更識さん、逃げる気?!」

 

「ごめんなさーい、私、普通のレースがしたいんで、先に行ってまーす!!」

 

「「待ちなさーい!!」」

 

 つられて舞とちひろも瞬時加速。これで一気になのはを追い抜いた。だが…

 

「私を無視しようなんていい度胸なの…」

 

 なのはを相手にしないと言う行為は、それだけで逆鱗に触れる行為である。

なのははスピーカー状の何かを展開。

それは、臨海学校の時に装備された後付装備「物質転送器」だ。

 

「遂にこれを使う時が来たの!!ブースター、全パージ!!」

 

 残る3基のブースターを全て投棄。

重しが無くなったブースターがヤマトの前に飛び出す。

 

「そして…物質転送器、スイッチオンなの!!」

 

 転送器が作動し、ブースターに光が放たれる。

次の瞬間、ブースターは消えてしまった。

 

「あ、あれ?高町さん、ブースターを全部捨てて何を…」

 

「まずい、何かして来る!!急いで逃げ…」

 

 

 

 

 

ガシッ!×3

 

 

 

 

 

「あ、あら?」「アイエッ?!」「ヒィ!!」

 

「知らなかったの?私からは逃げられないの!!」

 

 何が起きたのかと言えば、

転送されたブースターが3機をがっちりとホールドしていたのだ。

これで、楯無、ちひろ、舞の詰みは確定した。

 

「「「私達\(^o^)/オワタ」」」

 

「それではお待ちかねの…どーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!」

 

 そして、3機は場外へ飛ばされていった。

 

「「「あーーーーーーーーーーーーーれーーーーーーーーーーーー!!!」」」

 

 

 

 

 

\キラーン/

 

 

 

 

 

『あーっと、これで日本代表の高町さん以外の全参加者がコースアウト!!

ここで高町さんの優勝でレース終了が決定しました!!』

 

「「「「「BOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!」」」」」

 

 アリーナからは大ブーイングだが、残念な事にルールには触れていない。

この結果は決定事項である。

 

 この後、キャノンボール・ファストの締めの一番、

各学年の一般生徒の優勝者、本音、サラ、虚と

専用機持ちの優勝者の一夏の4人で最速決定戦が行われたが、

流石に専用機のアドバンテージは大きく、一夏が3人を抑えて1着でゴール。

 

 かくして今年のキャノンボール・ファストは一夏の優勝で決着がついた。

そしてその日の夜、N○Kのニュース番組からこのような報道が入った。

 

 

「次のニュースです。先程ソウルから入った情報に依りますと、

李氏朝鮮時代の宮殿の1つ『徳寿宮』で、

突如本殿にあたる中和殿が崩落したそうです。

幸い、死傷者は出なかったとの事ですが、原因は解っておりません。

この件に関して韓国政府から日本に対し謝罪と賠償を強く求める声明を…

あ、今速報が入りました。

 

日本政府は先程『甚だ遺憾である』と声明を発表しました。

繰り返します。

日本政府は先程『甚だ遺憾である』と声明を発表しました。」




このイベントの展開は今まで一番苦労しました。
正直、バトルレースの描写なんて二度としたくないです…
そして、半年以上振りに韓国の死亡フラグが追加されました。
これで死亡フラグは限界まで積み上げられたので、
今度何かした場合…これ以上は言いませんよ?

さて次回、10月の合同合宿に参加する為本土に降り立ったなのは。
果たしてなのはを待ち受けているのは…?
「第14話  ISの本分 序」
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