魔法戦記リリカルなのはIS 高町なのはのIS学園見聞録   作:ピロッチ

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お久しぶりです。7週間ぶりの更新になってしまいました。
と言うのも、この次の話の展開についてどうするか2択となり、
漸く決断を済ませて、ここまで来たという次第なのです。

また、今回の話はほとんどが地の分で構成されています。

それでは、合同合宿編、始まりです。


第14話  ISの本分 序

 学園主催のキャノンボール・ファストが史上最低の結末を迎えて数日後、

10月初日…日本代表と代表候補生の合同合宿の始まりである。

 

「はぁ…遂にこの時が来てしまったのね…。」

 

 ここは合宿参加者の集合場所、桜田門こと警視庁の会議室である。

合同合宿の参加者はここでまず訓練内容及び今後の日程の説明を受けてから、

富士山麓の防衛軍演習場に移動して1か月のISの合同合宿を行うのだ。

 

 そして、会議室内で嫌そうな顔で溜息をついているのは

現在裁判中の前監督倉林美也子に替わり代表監督を代行する防衛空軍少佐にして、

もう一人の国家代表の秋月律子であった。

 

「何で合宿に参加しようとするのよ、あの暴走核弾頭は…。」

 

 溜息の原因は言うまでもない。今年は前国家代表の飯田奈緒を始め、

防衛軍のIS操縦者が学園での一件のせいで多数停職中の為、

参加者が少なくなっているのだが、その元凶であるなのはが

国家代表の名の下に何食わぬ顔で堂々と参加を表明してきたからだ。

 

「IS学園生徒の参加は任意だし、篠ノ之博士の妹とかいう代表候補生の娘は

『まだ専用機を貰って間もない未熟者なので、

学園で腕を磨き、卒業してから参加します』

って手紙で参加拒否を表明したから、参加しないと思ったのに…ハァ…。」

 

 説明会前から、早くもやる気をなくす律子。

だがこの日、更に彼女の胃を傷めつける出来事が起こる事となる。

そして、その元凶はと言うと…

 

「これが東京! 思えば初めてなの!!」

 

 合宿参加の為、警視庁本庁にやって来た我等が暴走核弾頭、高町なのは。

尚、なのはは国家代表として合宿への参加に際し、

理事会から期間中の休学を許されている。

 

「さて、ここが桜田門か…。んん?」

 

 ふと見ると、憂鬱そうな顔の代表候補生らしき人物を発見。

 

「やあ、合宿の参加者かな?」

 

「………………(無言で頷く)」

 

「私が高町なのはなの!周りから暴走核弾頭と呼ばれてるんだけど…

何か元気がなさそうだから、気に成ったの!!何かあったの?!」

 

「………………アンタに言った所で、意味なんかないよ。」

 

素っ気ない態度の名もなき代表候補生。だが、なのはにそんな態度をとると…

 

「………………………。」

 

「あぁ~~~~~~~⌒*(◎谷◎)*⌒~~~~~~~ん?」

 

「ヒッ!ちょ、来ないで…」

 

「あぁ~~~⌒*(◎谷◎)*⌒=⌒*(◎谷◎)*⌒~~~ん?」

 

「や、止め…」

 

⌒*(◎谷◎)*⌒

⌒*( ◎谷◎)⌒  ⌒(◎谷◎ )*⌒

あぁ~~ ⌒*(◎谷)(゚Д゚;)=(;゚Д゚)(谷◎)*⌒ ~~ん?

⌒*(  ⌒*)ヒイイイイイ!!(*⌒   )*⌒

⌒*(   )*⌒

 

「O☆HA☆NA☆SHIなの!!O☆HA☆NA☆SHIをするの!!

O☆HA☆NA☆SHIしてくれない人は一人包囲殲滅陣で囲んでやるの!!」

 

「止めてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

 やっぱり、こうなるのである。と言う訳で、例によって強引に

O☆HA☆NA☆SHIに持ち込んだなのはであった。

 

 

 

 

 

「さあO☆HA☆NA☆SHIをするの!!」

 

「それじゃあ…」

 

 こうして、この名も無き代表候補生が語る所によると…

彼女の親は所謂毒親という部類の輩で、幼いころからいびられてきたと言う。

 

 父は御近所全員から気持ち悪がられる所謂ブサメンで、

いつもニタニタしてヒゲもそらず、ちょっとでも話に相槌を打ったりすると、

好きになったと勘違いして言い寄る根っからの「キモい」人間性らしい。

 

 しかし声量だけはあって、泣き落としと媚を売るのがやたら得意で、

なぜかお偉いさん程そいつの言う事を信用するという不思議な人間だった。

例えば、彼女が自分の現状を他人に訴え、その者が父を呼び出して難詰すると、

その者の上司が丸め込まれてなだめすかされるという事の繰り返しだった。

 

 つまり担任に訴えれば校長が丸め込まれ、

児童相談所に訴えればそこの所長が丸め込まれ、

警察に訴えれば担当警官の上司、

時には警察署長が丸め込まれるという有様だった。

だから、とりなしを突っぱねても

「お偉いさんのとりなしを突っぱねる礼儀知らず」

と取られて、相手にして貰えなかった。

 

 当然、こんな碌でもない輩と夫婦に成る母もお察しくださいな人格で、

はっきり言って、ペットの様な扱いだったと言う。

そんな中、何とかしてこの境遇から抜け出そうと勉強に励んでいた中3の時、

IS操縦適正検査で学校トップのAランクを叩き出した。

これを転機とばかりにISで身を立てる事を決意。

倍率1万倍を見事潜り抜け、無事IS学園に合格した。

 

 所が両親は大反対。「IS学園なんて『男は屑』なんて思想を吹き込む

気狂い学校に行く位なら身体売ってでも働け、

言う事を聞かないならお前に一切金は使わない」

と言われ、勝手に入学辞退の連絡を入れられたと言う。

 

 所が、電話を聞いたのは学園長に代わり

IS学園の経営を取り仕切る学園長代理、轡木十蔵だった。

その電話が「本人の意志かどうか解らない」という理由でこれを突っぱねると、

代理自ら彼女の自宅に乗り込んで直談判。

 

 「うちにエリート校サマに入れられるような金はありませんから、

それにうちの子は馬鹿すぎて授業には付いていけない」と言う言葉尻に噛みつき

「我が校に学費・授業料の類は無い!倍率1万倍を潜り抜けた自分の子供を

褒めようともせず、本人の意志を無視して入学辞退させるとは何事だ!」

と両親を叱り飛ばした。

 

 得意の上司丸め込みも、上司より実権を持っている轡木代理には効かず、

轡木代理から国際的な取り決めにより卒業まで干渉は一切許さない、

もしもちょっかいを出したら問答無用で裁判を起こすと言い含められて沈黙。

こうして無事に入学し、今年の春に晴れて学園を卒業し、

これを機に独り暮らしの為家を出て戸籍を分けた。

夏には代表候補生試験を見事パスし、完全に親に頼らなくても良くなった。

 

 ここまでは良かった。だが、先月になって両親が押しかけてきた。

戸籍を分離した際にどのように住所が変わったかの履歴である「附票」から

今の住所がばれたらしい。

卒業して学籍を離れてしまったから、もう学園の助けも期待できない。

 

 早速警察にストーカーとして訴え、被害届を出そうとしたが、

 

「子供を愛さない親なんていない。

間を取り持ってあげるから、仲直りしなさい。」

 

 と聞き入れなかった。両親は自分が学園にいる間、彼女を

「親のありがたみを忘れて女尊男卑に染まった人でなし」

と周囲に言い降らして回っていた様で、

地元の警察もそれを信じてしまっていたらしい。

 

 おまけに、両親は反省している様な態度で頭を下げているので

許そうとしないこっちが余計悪玉に見えていたらしく、

 

「親なんだから一緒にいてあげて」

 

「育ててもらった恩を忘れたのか?」

 

「こうして謝ってくれてるんだから、ちゃんと許してあげて」

 

 と在り難いお説教(笑)を貰う羽目になった。

彼女は自分の父親がいかに危険な人物で、

今までどんな目に遭わされてきたかを説明したが、

女尊男卑に染まって親を親とも思わない程歪んでしまったと決め付けられ

 

「何故そんなに性根が腐ってしまったのか」

 

「親を捨てると言う事は人間を辞めると言う事だ」

 

 とよりきつい説教をされる羽目に。

以前なら親身になって間を取り持とうとする善意の人(笑)に屈して

媚びを売り、気を使い、親と私の仲介に入ってもらい、

18歳にもなって、頭を踏んづけられながら泣いて土下座して謝っていた。

だが、彼女はもう変わってしまった。

 

「それなら日を改めて話し合うから、その時は親を連れて来い」

 

 という主旨の返答だけして、その足で弁護士に相談し、

いざ当日は弁護士同伴で突入。

 

「悪いのは親の義務を果たさなかった向こうなので、仲直りはしない。

貴方方が親身になって助けようとしてるのは私じゃなくて自称親の方だ!

これ以上私を苦しめるのなら全員訴えてやる!」

 

 警官と両親の前で啖呵を切り、被害届を叩き付けて帰ろうとしたが、

それが最悪の事態を呼んでしまった。

 

「よくもだましたあああああ!!だましてくれたなアアアアア!!」

 

 声量だけは人一倍ある父親が署内に響き渡る声で叫んでしまった。

そして、合同合宿の打ち合わせの為に居合わせた

全日本剣道連盟の会長の耳に入ってしまった。

 

 この人物は京都にある武道の名家の主で、

何を隠そう応対した警官の一人は会長の実子だった。

そして、この会長は何よりも嘘を憎む為人で有名で、

門下の嘘には鉄拳制裁も辞さない厳格さで知られていた。

 

 当然「他人の善意を踏み躙り、親と警察を謀るとは卑怯千万!」

と会長は激怒。この様な性悪娘は折檻已む無しとして鉄拳制裁を受け、

止めようとした弁護士も嘘つきを庇うなら同罪として張り倒されたと言う。

 

 普通に考えれば暴行の現行犯だが、警察は

「悪いのは親と警察に仲直りに応じると言っておきながら

手の平を返して親を訴えようとした娘の方だろう。

何より、『嘘吐き絶対懲らしめるマン』で有名なこの人程

倫理道徳に厳しい人が咎めなかったのなら、やっぱり両親は悪くない」

と解釈し、誰も咎めなかったらしい。

 

 彼女は両親に土下座させられてその場は収まったが、

代表候補生と操縦資格を放棄する事を念書で書くと約束させられ、

親元に連れ戻され、またいびられ続ける日々に逆戻り。

耐えられなくなって逃げ出し、

ビジネスホテルを転々とする日々を送っていると言う。

 

「これで解ったでしょ?もうどうしようもないって。

私が何をしても、何を言っても無駄なんだよ?

逆らったら殴られる、蹴られる、それも私が全部悪いって事にされる。

誰に相談しても、全剣連の会長に嘘つきの親不孝を庇う屑認定されて、

誰が何言おうが、怒鳴られて殴られるんだよ!!

だから、放っといてよ!どうせ私は、大人には勝てない…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⌒*(◎谷◎)*⌒

 

そんな事をする程、馬鹿じゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…えっ?」

 

「そんな事をする程、馬鹿じゃない。

その様な脅しを決して怖がってはいけないの!!つまり野犬と同じ事なの!!

野犬と言うのは、相手が己を恐れている事を察して噛むの!!

だから有効な方法は一つなの!!こっちから攻撃する事なの!!

相手が立てなくなるまで徹底的に叩きのめす事なの!!

私は暴走核弾頭だから、それ位の相手なら楽勝なの!!

早速解決してやるの!!」

 

 これは子に対する親の搾取を正当化する

歪曲された儒教思想の名残だ。始末しなければならない。

なのははそう決意すると、早速準備を始めた。




さて、いよいよ合同合宿の顔合わせに乗り込むなのは。
そこにいたのは、日本の誰よりも礼節、道徳に厳しい
武道の第一人者達だった。
果たして、なのはは名もなき代表候補生を救えるのか?
「第15話  ISの本分 破」
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