魔法戦記リリカルなのはIS 高町なのはのIS学園見聞録   作:ピロッチ

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や、やっと話が出来た…
オリジナル展開は作るのに時間がかかるのが、一番の難点ですよね。


第17話  Mリポート

 話は遡り、学園祭襲撃騒動から少し経ったある日の事…。

IS学園の地下倉庫を改装した急造の拘禁室には、

亡国機業の刺客、Mこと織斑マドカが収容されていた。

 

「…………………。」

 

 ヤマトの10万ボルトでKOされた状態から目を覚ましたマドカだが、

特に何をするでもなく、ベッドに座ってボーっとしている。

と、そこにやってきたのは…。

 

「マドカ、目が覚めたか?」

 

 千冬だった。

 

「姉さん…何をしに来た?」

 

「単に様子を見に来ただけだ。随分大人しくしているらしいな。」

 

「何故、私は生きているのかが解らなくて…。」

 

「何の事だ?」

 

「私の脳幹には、監視用のナノマシンが入っていた筈。

反逆しても、脳を壊して殺せるようにされている私がこうして囚われた以上、

用済みとして消されるのが道理なのに…

何故、私はこうして生きているのだろうかと、それだけが疑問なんだ。」

 

「そうだった、確かもう一人の奴がそう言っていたな。

だが、そのナノマシンはもう完全に破壊された。」

 

「破壊…!あれは埋め込んだドクター・ハルシュタイン本人が

『自分でも無力化は不可能』と言っていた…」

 

「簡単な事だ。お前を倒した高町なのはの機体は、

標的への破壊と非破壊を自在に切り替えるワンオフ・アビリティを持っている。

その力で、脳内のナノマシンのみを高圧電流で破壊しつくした。

だから、お前が組織に消される事は無い。それだけだ。」

 

 その割にマドカは感電していたが、それはナノマシンを破壊する電流とは別に

マドカ自身を無力化させる為にもっと弱い電撃を浴びせていたからだ。

 

「…………………………!」

 

「これで納得したか?もう奴等に怯える必要は無い。

私は知っているぞ、亡国機業の首領が我等を捨てた愚かな親共である事もな。

組織の事、忘れろとは言わんがもう遠慮する事も無い。安心しろ。」

 

「…………………………姉さん…!!(つД`)」

 

 千冬の言葉で目が覚め、涙するマドカ。

組織の鎖が外れ、漸く年相応の顔を見せた瞬間であった。

しかし、そんな彼女に悲劇が襲う!

 

「やっと目が覚めたみたいなの!!」

 

 ここでうるさい奴が登場。我等が暴走核弾頭、高町なのはだ。

 

「束…いや、高町か。相変わらず紛らわしい位にそっくりな声色だな。」

 

「それは、禁則事項なの!!さて、早速だけど織斑マドカ…

O☆HA☆NA☆SHIの時間なの!!」

 

「げっ…」「お、オハナシ…?」

 

「あのトイレットペーパー=サンは碌に情報を持っていなかったの!!

まるで使えないから、今度はこっちから情報を聞き出すの!!

ボスの実の子なら、意外と多くの情報を知っていそうなの!!

よって知っている事を全部話すの!!!」

 

「ま、待て高町!!せめて姉妹の感動の和解の余韻にだな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⌒*(◎谷◎)*⌒

⌒*( ◎谷◎)⌒  ⌒(◎谷◎ )*⌒

あぁ~~ ⌒*(◎谷)(゚Д゚;) (;゚Д゚)(谷◎)*⌒ ~~ん?

⌒*(   ⌒*)ヒイイイイイ!!(*⌒  )*⌒

⌒*(   )*⌒

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千冬が文句を付けた次の瞬間、

織斑姉妹はいきなり増殖したなのはに取り囲まれていた。

 

「ゲエェーッ!囲まれた!!」

 

「これぞヤマトワープを応用した究極のロマン技

名付けて一人包囲殲滅陣(フォーメーション・ワンマン・シージュ)なの!!

O☆HA☆NA☆SHIしてくれるまで只管囲んでやるの!!」

 

 この2週間後の合同合宿初日、名もなき代表候補生相手に使って

強引にO☆HA☆NA☆SHIに持ち込んだあの技である。

 

「うわあああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

「な、何で私まで囲まれるんだ?!」

 

「アイエエエエエ!!分身?!!分身ナンデ?!!コワイイイィィ!!」

 

 織斑姉妹は抱き合って恐怖に震え上がっていた。

 

「さあO☆HA☆NA☆SHIなの!!

とりあえず亡国機業の本拠地を教えるの!!」

 

「あ、アバババババババババババ…」

 

「た、高町…せめて私だけはこの分身包囲網から出してくれ!!」

 

「却下!!きっちり知ってる事を

O☆HA☆NA☆SHIしてくれなきゃ出してあげないの!!」

 

「ナンデ?!と言うか、貴様その分身…

一人包囲殲滅陣とやらで何を殲滅する気なんだ?」

 

「SAN値!!」

 

「「…………………………。」」

 

「それで、亡国機業の本拠地はどこなの?!!」

 

「は、ハーグ…ハーグだ!!

ハーグの国際IS委員会(IIC)欧州本部地下区域が、

そっくりそのまま奴等の本拠なんだ!!」

 

「何、ハーグだと?!中立国の最重要都市の一つではないか!

道理で各国が討伐に動かない訳だ…。」

 

「それだけじゃない!!

アラスカ条約加盟国のIIC支部は、全部奴等の拠点でもある!!

そして、ナンバー2のサンドラ・リーバーマンが新理事長に内定して

事実上IICを完全掌握した事で、今度はアラスカのアンカレッジにある、

IIC総本部を新本拠にする計画らしい!!」

 

「アンカレッジ…アラスカ条約制定の地か…。IICを乗っ取ったのなら、

それを隠れ蓑に出来るだろうから、確かに妥当な選択だな。」

 

「なら、次はドニエール一族の事なの!!奴等は仲間なの?!!」

 

「そうだ、奴等の稼ぎの一部が組織の活動資金に使われている。

当然、あの一族が責任者を務める機関は皆組織の傀儡だ。」

 

「それじゃ、他にも各国の要人で組織に関わっている奴がいるの?!」

 

「私の知っている限りでは………(略)………が、幹部会のメンバーだ。」

 

「OK、全部メモったの!!じゃあ、この前私が〆たバ監督共は?!」

 

「倉林一派か?奴等は違う。奴等の本国と親玉は仲間にして欲しかった様だが、

日本人がボスと知ってから連絡を寄越さなくなった様だ。」

 

「そうか…今じゃ奴等は国全体で大発狂している。見るに耐えんよ。」

 

「今朝のニュースでもやってたの!!

大統領が変わった途端に韓流民主主義とか何とかで、

国民何たら法を新憲法とするとか、コーランが憲法のサウジもびっくりなの!!

それはそれとして…次は、奴等はこれから何をする予定なのか話すの!!」

 

「私の知る限り、3つの計画を進めている。

一つはドニエール一族を通じてデュノア社が生産中の

第3世代機(タイフーン)を組織の息のかかった奴等に配備させている様だ。

 

私が聞いた限りでは、元々は第3世代機の開発を遅らせて

その不手際の責任を現社長に負わせて追い出し、

社長夫人を後釜に据えて会社を乗っ取る予定だったらしい。

 

だが、篠ノ之束の邪魔が入った事で、第3世代機が完成してしまった。

その結果、『とりあえず制式化させて世界中に配備させ、

収益の上前をはねつつ戦力を更新する』という方針に切り替えたと言う話だ…。

二つ目は、組織の技術部門がISコアの解析をしているらしい。」

 

「ISコアの解析…?」

 

「ドクター・ハルシュタインが中心になってコアの分析を行い、

篠ノ之束が極秘にしているISコア製造法を模倣しようとしているとか…」

 

「ドクター・ハルシュタイン…お前にナノマシンを埋め込んだ奴だな。

待て、どこかで聞いた事が有るぞ…。」

 

「フルネームはハルカ・ハルシュタイン。

日系ドイツ人で、生まれた時は天海春香と言う名だった。」

 

「天海…春香…!やはりアイツか!!」

 

「千冬先生、知ってる人なの?!」

 

「うむ、連邦軍に雇われていた頃に会った事が有る。

奴はIS学園史上唯一の飛び級卒業生だ!

基礎知識、操縦は元より、整備、技術関連でプロと同等以上の技量を持ち、

『束の再来』とも称された天才エンジニアだ。

卒業後ドイツに移住・帰化して国防省のIS技官になっていたが、

奴程の技術者が亡国機業のメンバーだったとは…」

 

「そして最後の一つは、EOS(イオス)発展型の開発。」

 

「EOS…国連主導で開発した武装パワードスーツだな。」

 

 EOS、略さず言うとエクステンデッド・オペレーション・シーカー。

千冬の言う通り、国連が主導して開発した次世代兵器と言う触れ込みだが、

ISと比べると、その性能はまるで話にならない。

 

 まず、パワーアシストは有って無い様な物で、

しかも、エネルギー節約の為オフがデフォルトである。

 

 機体重量もISより遥かに過多で、

ISの様に絶対防御の様な防御装備が無いのに

操縦者の生身の身体が露出している。

 

 武装はと言うと、反動が強過ぎて使い辛い事この上なく、

何よりも最大作戦行動時間は僅か十数分しかない。

バッテリー重量は30kgもあるにも関わらずである。

 

 ISに勝っているのは、ISコア不要なので数の制限が無い事と、

性別に関係なく動かせる点だろう。

 

「次世代兵器という触れ込みだったが、あの様では

PKOでシェアを獲得するのが精一杯だろうな。

で、それの発展型と言うのが…」

 

「アドバンスドEOS…略してAEOS(エイオス)だ。

バッテリー周りを大幅に強化して、パワーアシスト全開の状態で

作戦行動時間を現行機種の2倍程度に延長するのが当面の目標らしい。

コアが不要だから、IS相手には数を揃えて立ち向かうだろうな。

防御力が無い点は、無人化でカバーする気だ。」

 

「それならやられても死人は出ないから、人的資源の節約が可能と…」

 

「如何にも。ただ、これはISの補完がメインだから、優先度は低い様だ。」

 

「成程…それだけ解れば十分なの!!」

 

「それで、私はどうなるんだ?」

 

「とりあえず警視庁に引き渡すの!!

いきなり海を挟んですぐ隣が敵の本拠地何て所に送り返したら、

何が起きるか解らないの!!理事長には向こうの責任者に今回の件を報告して、

上手い事取り計らってくれるように提案しておくの。

それと、機体だけは製造元の英国に返すの!!」

 

「………やはり、そうなるか。」

 

 

 

 

 そしてマドカから全ての情報を聞き終えたと報告を受けた高木理事長が

英国政府のIS管理部門、その名もIS省に連絡を取る事に。

 

『Mrタカギ、アイランズIS相とヘルシング管理官です。』

 

 応対した職員の声に合わせ、ホログラムモニターに

老紳士と色黒の金髪女性が映った。2人共丸眼鏡を掛けている。

老紳士は英国の大貴族の一人で、英国IS大臣のヒュー・アイランズ。

金髪の女は代表候補生管理官、インテグラ・F・W・ヘルシング。

両名ともマドカがあげた亡国機業関係者の中に名が入っていないシロだった。

 

『Mrタカギ、この度我が国の最新鋭機を強奪した犯人を

学園が捕縛したと聞いたが、本当なのかね?』

 

「如何にも。例の彼女が一人で片づけてくれましてな。

この通り、機体も無事に取り返しました。

残念な事に米国製の…『アラクネ』とか言う方は機体が自爆したので、

コアだけの確保となりましたが。」

 

『例の彼女…?ああ…成程…。』

 

『では、念の為に機体を見せて頂きたい。』

 

「それでは、こちらをご覧下さい。」

 

 カメラをS・ゼフィルスに向け、英国側に機体を確認させる。

 

『うむ、確かに我が国のS・ゼフィルスに間違いない。感謝致します。』

 

『危うく最新鋭機を喪う所でしたが、貴校の御蔭で助かりました。』 

 

「それと、犯人のオータム、マドカ・オリムラの両名の身柄ですが、

オータムについては貴国に引き渡します。

ですが、マドカ・オリムラに関してですが…」

 

『何か問題でも?』

 

「彼女は亡国機業の首領の実子です。扱いとしては捨て駒に近いですが、

それでも情報を持っておりました。彼女の話を信じるなら、

奴等の本拠は貴国とは海を挟んだ対岸のハーグにあるという話でしてな…。」

 

『何と?!…いやその前に、オリムラと言う事は、まさか…』

 

「はい、マドカ・オリムラは我が校の教員、チフユ・オリムラの実の妹です。

つまり、亡国機業の首領は…」

 

『そうであったか…まさか初代ブリュンヒルデの両親が

国際武器密売組織の首領とは…』

 

「マドカ・オリムラには組織への忠誠心は無く、

脳幹には監視用のナノマシンを埋め込んであったそうです。

反逆した際には脳幹を壊して殺害できる様にされていたとか。

ナノマシンは既に破壊されたそうですが…当人も、

『自分に人質としての価値は無い』と公言しております。

ですが亡国機業を掃討するためにも、彼女の情報とIS操縦者としての力量は

大きな助けになるのではないでしょうか?」

 

『何を言いたいのかね?』

 

「亡国機業の討伐協力と引き換えに、彼女が犯した犯罪行為、

出来る限り減刑できませんか?そもそもまだ未成年です。

成人と同じように処罰する訳には行きますまい。」

 

『司法取引をして欲しいと?仰りたい事は分かるが、

そればかりは私の一存では決められない。

しかし、世界規模の犯罪組織の本拠地が海峡を挟んですぐ向こうと言うのは

良い気分では有りませんな。出来る限りの事は致します。』

 

「感謝致します。その間、マドカ・オリムラは

日本警視庁で身柄を確保すると言う事で構いませんな?」

 

『まあ、それ位なら問題ないでしょう。今回の一件、元を正せば、

我が国の失態で貴校に迷惑をかけてしまったのがそもそもの原因。

国のISを管理する部署に属する身として、再発防止に努めるのが道理です。

それ位の便宜なら何とかして見せましょう。』

 

「それは有りがたい。是非よろしくお願い致します。」

 

『今回は本当に申し訳ない。所で、一つ質問が。』

 

「何でしょう?」

 

『セシリア・オルコットの件で一つ。彼女にはBT1号機を任せてありますが、

現在の習熟度がどれ程の物かを教えて貰いたい。』

 

「そうですな、担任の織斑先生曰く、

『BT兵器を展開したままでの機動・戦闘訓練に専念させた結果、

今年中には未展開状態と同等の動きが出来るだろう』

と報告を受けております。」

 

『成程…順調に成長していると言う事か。

流石は代表候補生中最高のBT兵器適性を持っていただけの事はある。

それを聞いて、安心しました。』

 

「(まあ、織斑先生ではなく、彼女が鍛えたおかげなんだけどね。)」

 

『彼女にはもっと修練を積み、

最終目標である偏向射撃の会得を達成して貰いたいと伝えて頂きたい。』

 

「解りました。」

 

 かくして、英国への報告は終わり、襲撃者2名は警視庁に引き渡され、

オータムは英国送りとなり、マドカは一時的処置として留置場に収容された。

また、マドカが話した内情はMリポートの名で日英両政府に渡されたが、

現時点での公表は世界規模の混乱が予想されるため、

対亡国機業の秘密兵器として保管される事に。

 

 

 

 

 

 所が…

 

「何?!逃げられた?!」

 

「はい…ドイツ東部上空に差し掛かった所、

所属不明のISから襲撃を受け、輸送機は墜落!

現在代表操縦者のナナミ・タカツキ、キャミィ・ホワイトの両名が

連邦軍IS隊の協力の下で追跡中との事!」




先月末に遂にIS11巻が発売され、
シャルの両親の名も正式に明かされましたが、
本作はなのはが漂着したパラレルワールドである事を示す為、
敢えて名前はこのままで通します。

次回、第18話「タッグマッチ再び」。
秋の全学年対抗タッグトーナメント、
皆が一夏とのペアを望む中、果たして一夏が組んだのは…?
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