魔法戦記リリカルなのはIS 高町なのはのIS学園見聞録 作:ピロッチ
果たして、韓国IS隊との決戦の行方は?
そして、この茶番同然の戦争はどのような形で幕切れを迎えるのか?
それでは、通算第78話、参ります。
注
今話は今までの1話平均が5,200字程度の所、
計23,000字超の長文となっております。
また、なのはがいつにも増して狂ってしまい、
人道もへったくれもない所業を繰り返しております。
心してどうぞ。
なのはが釜山に上陸する少し前の事…
『どうなーちゃん?ミサイルは見えてる?』
「見えてるの!!全25発、ハイパーセンサーにばっちり映ってるの!!」
今なのはがいるのは東京上空2万m。
この高度なら、ヤマトのハイパーセンサーは日本全土を難なくカバーできる。
当然、弾道ミサイルもばっちり捕捉済みだ。
『ミサイルを全弾捕捉したのか?よし、それじゃデータを送ってくれ!
迎撃ミサイルで射ち落としてやる!!』
米田防衛相が迎撃を命じようとするが、そこに束が割り込む。
『待った!!弾頭を壊したくないから、迎撃はなーちゃんがやって!!』
『ああ?お前ぇまたよからぬ事を考えてるのか?!』
『まあね、奴等には二度とこんな事起こさせない様に
それ相応の最期をくれてやらないと!』
『それ相応の…はっ、おい!止せ!それは流石にヤバい!!
それをやったら、国際社会が本当に敵に回っちまうぞ!!』
『どうせ今も敵みたいなものだよ!!なーちゃん、やれるよね?』
「造作もないの!!でも念の為に、データだけは送っておくの!!」
『よーし、なーちゃんやっちゃえ!!』
なのはは改めてハイパーセンサーの画面に集中する。
画面には極超音速で向かってくる25発の弾道ミサイルが映っている。
なのはは慌てず騒がず、全ミサイルをロックオンすると…
「対空ミサイル、量子変換解除…遠隔部分展開!」
直後、日本海上空に25の火花が咲いた。
弾道ミサイルの側面に対空ミサイルを遠隔部分展開して串刺しにすると、
そのまま遠隔操作で弾道ミサイル諸共爆破した。
「全弾撃墜…ざっとこんな物なの!!」
『よーし、ゴーレム隊に弾頭を回収させるよ!!』
『おい、レーダーの反応はなくなってるのか?
…全レーダーに反応なし、間違いなく全弾撃墜を確認したんだな?
よし…こっちでも全弾の撃墜を確認した!協力感謝する!おかげで助かった!
で、これからどうするんだ?』
「早速韓国に殴り込むの!!その前に、韓国艦隊を吹っ飛ばしてやるの!!」
なのはは対馬沖へワープ。早速韓国艦隊を発見した。
「さあ見付けたの!!
早速オブクラッシャァァァアアアアアア!!!」
なのはは5基の三連装主砲を最大出力で韓国艦隊にぶっ放す。
─┼─┃┃
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対馬沖に5基15門の着弾の轟音が轟いた。
一方韓国艦隊は…
「何だ!何が一体!!」
突然の事態に韓国艦隊旗艦「太祖李成桂」の艦橋で韓国提督が慌てる。
「レーダーに新たな反応ありません!!この攻撃、まさか暴走核弾頭では?!」
「くっ、やはり来たか!!おい!IS隊に出撃命令を…」
直後、司令部にジュリとヘヒョンが駆け込んだ。
「おいっ!提督さんよ、今のは何だったんだ?!」
「韓君か?今のは暴走核弾頭だ!!確認は取れてないが、
奴で間違いないだろう!!すぐに出撃してくれ!!」
「よし分かった、行くぞヘヒョン!」
「……! 分かった!」
二人が司令部を立ち去ると、提督は部下に状況報告を命じた。
「被害状況はどうだ!!無事な艦はあと何隻いるか?!!」
「間もなく確認が終了します…確認取れました!!
安龍福級は2隻だけ無事です!!白貞基級も残っているのは1隻のみ!!
元均級と揚陸艦隊は、未だ被害なし!!」
「空母はどうした!!」
「『白凡金九』が艦橋を撃ち抜かれ、戦闘不能!!
ただ浮いてるだけの状態です!!」
「くっ、たった1撃でこの被害だと?!
これがISの力…やはり、通常兵器ではISには勝てん!!」
「どうします提督?この状況では我々はもう戦えません。
暴走核弾頭はIS隊に任せて退却しますか?!」
「くっ…逃げられるものなら逃げ出したいが…、
暴走核弾頭の背後からは敵の艦隊が向かってきている。
嵩にかかって攻撃して来れば、今度こそ終わりだぞ!」
「では、空軍に敵艦隊への攻撃を続行させましょう!
敵が空軍の対艦ミサイル攻撃に対処している隙に、
我等もミサイルを射つだけ射ったら反転して戦場から離脱するのです!
空軍にもミサイルを射ち尽くし次第、撤退する様に言っておきましょう!」
「それなら…まあ、良かろう。全艦に命令!
空母と揚陸艦隊は即時戦線から離脱せよ!対艦ミサイルを積んでいる艦は、
全弾発射の後、反転離脱しろ!」
「て、提督?!生存者の救助は行わないのですか?!」
「この状況で生存者などいるものか!今は我々が死なない事が優先する!!」
「……了解!全艦に伝えます!!」
かくして撤退の準備を始める韓国艦隊、そして、上空では…
「とうとうこの時が来たな、暴走核弾頭!
パリで泣かされた落とし前、ここで付けて…」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「って、話聞く気ねえのかよ!!」
なのはと対峙するのはジュリとヘヒョンに加え、韓国空軍IS小隊4機と
これに加えて束にすり寄ってなのはを国家代表に任じた山口内閣に叛旗を翻した
近接戦至上主義者15機の計21機。
かつてICPO-ICDと対峙した時の3倍である。
尚、ジュリとヘヒョンは専用機で韓国製第3世代機の「
空軍IS小隊の操縦者は韓国製第2世代機「
「いくら暴走核弾頭でも、21対1で勝てると思うな!!やっちまえ!!」
全方位から一斉に襲い掛かる韓国軍。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
最早発狂状態のなのはは全砲門とミサイル発射管を開き、最大出力で斉射。
放たれた砲撃はもはやビームでは無く、
まほろば本体を上回る巨大な青いエネルギー弾となり、
対空機銃ですら、通常時の主砲と同等の威力のビームと化して
偏向射撃で韓国側ISに襲い掛かる。
「くっそ、完全に頭がイカレちまったらしいな!!」
「これが、暴走核弾頭全力の弾幕…
これを掻い潜らなければ、私達は勝てない…ジュリ!!」
「ああ、やってやるさ!!」
しかし、第1形態の時点で既に40機もの無人機を殲滅する悪魔の弾幕。
いかな国家代表と言えどもGの制限が無人機を下回る
有人機の回避は困難を極める。ましてや、一般操縦者は猶更だ。
「ほっぎゃあああああああ!!」「ぎぃええええええーッ!!」
次々と被弾して、爆発四散する操縦者。
近接戦至上主義者にしてみれば、たった1機でこんな弾幕を張るISなど
想像の範囲外。とてもじゃないが、回避などできっこない。
「ちっ、弾除けにもなりゃしねぇ!
こりゃこいつを使わなきゃ突破できねぇな!!風水エンジン起動!!」
ジュリの声に合わせて、左眼が発光した。
彼女はIS誕生前、ある理由で左眼を失明していたが、その左眼には今、
脳と直結する眼球型疑似ハイパーセンサー「風水エンジン」が嵌められていた。
「ハッハー!これで弾幕の軌道が丸見えだぜ!!付いて来いよヘヒョン!!」
「!! 分かった、全力で後に続く!!」
風水エンジンの力でジュリの反応速度が増大。
怒涛の弾幕が見えているかのように躱される事に、流石のなのはも焦り始める。
「三式弾ぁぁぁあああ゛あ゛あ゛ん!!!」
主砲を対空榴散弾に切り替え、機関銃の如く連射。
悪魔の殺人花火がジュリ達を襲う。
「こんなのまで有るのか?!丁度いい、こっちも射程に捕えたぜ…そーら!!」
ジュリはなのはに接近しながら、突然何も無い空間に連続蹴りを放つ。
すると、専用機「太極」1号機の脚先から衝撃波が飛び出した。
これこそ太極の主兵装「風破刃」。
中国製の見えない衝撃砲「龍咆」を参考にした飛び道具で、
テコンドー金メダリストのジュリに相応しく、
蹴りを繰り出す事で衝撃波を発生させる。
無数の衝撃波は迫りくる散弾を弾き飛ばし、散弾同士の衝突で空間が大爆発。
「そらそらそらぁ!!どうした暴走核弾頭!!こんな弾幕屁でもねぇぞ!!」
「!!!」
弾幕を弾きながら向かってくるジュリに一瞬驚くなのは。
そして、こういう時に限って良くない事は重なる物である。
『なーちゃん、大変だよ!!さっきなーちゃんが落とした弾道ミサイル、
全部通常弾頭だったんだよ!!』
「なのっ?!」
間の悪い事に束から通信が。さっきなのはが迎撃した弾道ミサイルは
全て核弾頭では無かったのだ。そしてなのはが束の連絡に気を取られた事で、
一瞬だけ機体の入り込める隙が出来た。
「…今だ!!」
すかさず瞬時加速で迫る2機。遂に有効射程に入った。
国家代表が無人機との差を見せつけた瞬間だった。
「今だー!ヘヒョォン!!やれーっ!!」
「分かった、全力で行くよ…『全弦…撤廃』!!」
ここでヘヒョンが専用機「太極」2号機のワンオフ・アビリティ
「全弦撤廃」を発動した。
「?!」
一見、何も起らない。しかし全弦撤廃の効果は確実になのはを捉えていた。
「なのは、たいへんなの!ばりあがきえちゃったの!!」
ヤマトからバリア消失の警告が。更に…
「弾幕が…消える?!」
これこそが全弦撤廃の効果である。その詳細は
「対象のエネルギー攻撃及び防御とワンオフ・アビリティの効果を消し去る。」
常に全力の格闘戦を求めるヘヒョンならではのワンオフ・アビリティであった。
「!!! 主砲の攻撃が消される…チッ、ならばロケットアン…」
「隙を見せたな!!」
自慢の火力の大半を消された事で戸惑うなのは。
その隙に、ジュリが間合いに入った。
「捉えたぜ!!これで手前の出番は終わりだ!!そら行くぞぉ!!」
ジュリはなのはに連続回転蹴りを掛けつつ上昇、昇り切った所で踵落とし。
「ぐっ!!むっ、むっ!!」
更に落下するなのはを追い抜いて急降下すると、背後から追撃のハイキック。
「効いただろ?これがアタシの奥義…回旋断界落だよっ!!」
なのはを支えていた脚を振りおろし、海面へと叩き落す。
そして、その落下地点にはヘヒョンが待ち構えていた。
「これでトドメを刺す!!ジュリ、全力で合わせて!!」「任せろ!!」
太極2号機の両手から手の形をしたオーラが展開される。
「くっ、ワープで回避を…」
「させない!!全力で決める!!阿羅漢…三千掌!!」
落下しながらワープで逃げようとしたなのはの機先を制し、
ヘヒョンが瞬時加速しながら両手で掌底突きをぶちかます。
「ぐは!」
跳ね上げられて体勢を崩すなのは。
「これで…」「終わりだ!!」
そして、ジュリとヘヒョンはトドメを刺すべく全力の一撃を放った。
「殺界…風破斬!!」「神弓…調伝丸!!」
ズッドオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!
上からジュリの最大奥義、「殺界風破斬」の衝撃波、
下からヘヒョンの「神弓・調伝丸」のエネルギー弾がなのはを直撃。
なのはは火に包まれて海に墜落した。
「やった…やったぞ!!」「暴走核弾頭に…勝った!!」
歓喜するジュリとヘヒョンのコンビ。
こちらも空軍IS小隊と近接戦至上主義者が全滅と甚大な被害を出した。
もう残ったのは2機しかいない。だが、敵の最高戦力を倒したのは事実だ。
「さて、長居は無用だ!!『太祖李成桂』に連絡して、撤収するぜ!!」
そして、撤退中の太祖李成桂の艦橋では…
「提督、ハン・ジュリから報告です!!」
「何?…よし、繋げ!」
『提督、聞こえるか?!こちらジュリ!!暴走核弾頭は撃墜した!!
映像を送るぜ!!』
ジュリが送って来た映像には、火達磨になって墜落するなのはの記録映像が。
そして、海上からは今も黒煙が立ち上っている。
「こ、これは…本当に、撃墜できたのか?!」
『ヘヒョンの全弦撤廃でバリアを消し去った上で、
アタシ等の最大の技をぶちかましたんだぜ!!
これで生きてたら、もうISじゃなくて化け物さ!!』
「…そうか…やったのか…!
皆見ろ!この映像を!!ネトウヨ・キモオタ帝国の切り札、
暴走核弾頭は海に沈んだ!!我々は、暴走核弾頭に勝ったのだ!!」
「
周囲から口々に万歳の声が巻き起こる。我々は敵の最高戦力に勝ったのだ。
民族の悲願、日本への復讐実現の大きな一歩を遂に踏み出したのだ。
「すぐにソウルに報告!!内容は、『我、暴走核弾頭を撃墜せり』だ!!
それと、生き残ったIS操縦者は直ちに帰還する様に伝えろ!!」
「了解!!直ちに通信…を…!!!!」
突如言葉を詰まらせる通信士官。彼はとんでもない物を見てしまったのだ。
「おい、どうした…!!!!」
提督が通信士官の視線の先に目をやると…
やあ。
そこにいたのは、紛れもなく撃墜した筈のなのはだった。
しかし、機体はジュリとヘヒョンの攻撃でボロボロになり、
砲塔も3つ程欠落し、追加アームに抱えている状態だ。
「「「「「うわあああああああああ!!!」」」」」
まさかの生還に一同騒然、艦橋は上を下への大騒ぎ。
「ば、馬鹿なーっ!!奴は確かに撃墜された筈だ!!なのに、何故…」
確かにそうだ。絶対防御以外の防御が出来なくなった状態で
国家代表とそれに準ずる実力者の最大の一撃を食らって、何故生き延びたのか?
「このまほろばのSEに60万超のダメージを与えたのは見事。大した物なの。
でもね…まほろばのSEは100万まであるんだよ。」
何と言う事。なのはは単純なSE量のみを以て2人の攻撃を耐えきったのだ。
RPGに例えれば、「防御力を0にされたが、HPが豊富だったので助かった」
と言う事だ。
「もう分かったよね?あれで仕留められなかった以上、
もう勝つのは諦めてね。さて、それじゃお礼をしてあげるの…」
そして、なのはが死の宣告を下した。
ヤマト…
直後、ボロボロのまほろばが発光。
光が収まった中から現れたのは、更なる異形と化したヤマト第3形態であった。
「あ、悪魔だ…」
その背中からは悪魔の如き新たなスラスターウイングを生やし、
片翼の上下に1基ずつ4連装機関砲が取り付けられている。
元の船型スラスターウイングもより大型化し、ショルダーアーマーの如く
肩の後ろに水平に取り付けられ、4連装と化した副砲は4基に増えていた。
下半身は8基の四連装機関砲が備えられた
長さ3mものアーマースカートにより、脚部パーツが完全に覆われていた。
頭部も兜型バイザーの頭上、三方を向いた憤怒の面が2段重ねに増え、
アーマーで覆われたなのは自身の手にはなのはの相方、
レイジングハートエクセリオンモードが内蔵された長槍が握られていた。
そして、最大の特徴は…
「手…?」
本体の両脇に浮遊するのは、2つの巨大な手。
目一杯指を広げれば、その差し渡しは優に5m。
指先からは口径12in、メートル法で言う304.8mmもの
ビーム砲の砲口が覗いていた。これぞヤマト第3形態の主砲、
マニピュレーター型五連装12in光学砲。その名は「
そこにいた者を言葉にするのに、最早悪魔では足りない。
魔王、いや、大魔王というべき真の怪物がそこにいた。
「これがヤマト第三形態、その名は…『大魔王ナノリオン』!
さあ覚悟するの。こうなった私は…前程優しくないの。」
ここでジュリとヘヒョンも艦隊と合流。生きていたどころか、
異形と化したヤマトにたじろぐ2人。
「おいおいおいおいおい!!何で生きてるんだよ!!
しかも、形が全然違うじゃねぇか!!!」
「私達の全力の攻撃が…形態移行を招いた?!あ、在り得ない!!」
「そこの2人…」
「「(ビビクッ!!)」」
「まずお前等から血祭りに上げてやる…。とっておきなの!!」
L・彼岸手の計10門の12in砲が一斉に狙いを付ける。
しかし韓国側にはビーム無効化能力、全弦撤廃が有る。
「させない!!全力で防ぐ…全弦撤廃!!」
再びヘヒョンが全弦撤廃を発動。これでビームは…
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「……………は?」
最初の一撃と違わぬ轟音と共に、青い10条のビームが対馬沖上空を貫く。
光が消えると、そこにいた筈のヘヒョンと太極2号機はいなかった。
「あ、あれ?ヘヒョン…?おい、ヘヒョン!どこに行っちまったんだよ!!」
「ヘヒョン?それがさっきの鬱陶しいワンオフ・アビリティの使い手の名前?
なら、もう諦めるの。たった今死んだの。消えて無くなったの、蒸発したの。」
「んだとぉ…?!」
「全弦撤廃だっけ?エネルギー系の効果を消し去るんだ。確かに強いと思うの。
でもね、そんな物出力の差で押し切ってやったの。」
ワンオフ・アビリティを通常攻撃で押し切り、
一国のナンバー2の実力者を瞬殺した。淡々と語るなのはを前に、
漸く事の重大さを把握したジュリ。彼女が取る行動は一つしかなかった。
「手前ぇ…手ん前ぇええええええええええ!!!」
これ以上ない程の怒りと共になのはに飛び掛かるジュリ。
「手前の面に殺界風破斬を嫌と言う程ブチ込んでやるよぉ!!!」
もう一度殺界風破斬の衝撃波を放つジュリ。
しかし、怒りの一撃はL・彼岸手に難なく阻まれた。
「そんな攻撃は受け付けないの。それと、大事な事を言っておくけど…」
ジュリのハイパーセンサーには、3~7基目の
L・彼岸手に艦橋を射抜かれて沈黙した韓国残存艦隊と
8基目のL・彼岸手が背後から掴みかかるのが見えた。
「では…
こうして、対馬沖上空で生きているのはなのはだけとなった。
「さて…。」
「韓国ゥゥゥウウウゥァア゛ア゛ア゛ーッ!!!」
怒りが爆発したなのは。もう誰も止められない。
韓国に怒りの審判が下る時が来た、来てしまった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
ヤマトが雄叫びを上げると、信じられない行動に出た。
何と艦橋を破壊されてスクラップと化した安龍福級を
L・彼岸手で持ち上げた。そして…
「挨拶代わりなの!!この…ブタヤロウ!!!!」
投げた。
全長150m超、満載排水量7000tを超える駆逐艦が、
たった1機のISの腕力で、対馬沖上空へ投げ飛ばされた。
直後、投げ飛ばされた船体は瞬間物質移送光線により、
なのはの眼前から消失。ソウルに転送され、
元慰安婦の集合墓地の真上に墜落した。
「覚悟するの韓国…全国民の愛する物を消し去り、
無に帰してくれるのぉぉぉぉぉぉおおおお!!!」
なのはは怒りに任せて、戦闘不能になった3隻の李成桂級を
L・彼岸手2基ずつで持ち上げると、ヤマトワープ。
行先は釜山。南から順番に、韓国中を破壊しつくす。
行く手を阻むなら米中露だろうが、IS学園だろうが、
日本だろうが同じ目に遭わす。そして、なのはは釜山上空にワープアウトした。
「なのおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
ズドォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
暴走核弾頭、高町なのはが全世界に名乗りを上げた瞬間だった。
なのは釜山上陸の知らせがソウルに届いたのは、その2分後の事だった。
「何なのだ、これは!どうすればいいのだ!」
安龍福級が降って来た事で、ソウルは今や驚天動地の大混乱と化していた。
「に、日本軍だぁ!日本軍がやってくるぞー!!」
「この世の終わりだぁあああ!!」「もうダメだぁ…お終いだぁ!!」
「韓国\(^o^)/オワタ」「嫌だー!死゛に゛だぐな゛い゛ー!!」
「ひゃははははは!きゃはははははっ!死ぬ、死ぬんだ!!」
「皆殺されるんだよっ!あっははははははは……!!」
「日本軍に、日本軍に殺されるー!!」
「お母ぢゃぁぁああん!!怖いよぉぉおおお!!」
徹底的に見下した呼び名で呼ぶのも忘れて、
日本防衛軍の襲来と勘違いした市民が右往左往。
更に追い打ちをかける様に、韓国全土にある曲が流れ始めた。
「な、何だ、この音楽は!」
それは伝説の特撮シリーズ、ゴジラの初代テーマ曲。
ゴジラに立ち向かう旧自衛隊のテーマ曲でもあったそれが、
今まさに本来の意味通り、日本に仇成す者と戦う為に流されている。
そして、韓国中の通信システムがジャックされ、映像が切り替わると…
『韓国ゥゥゥウウウゥァア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!
カーンーコークゥウゥァア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!
殺しに来たのォォォォオオオオオオオオオ!!!』
怒りが頂点に達したなのはのどアップでの血の叫びが韓国中に響き渡る。
「「「「「うわあああああああああああああああああああああ!!!」」」」」
最早韓国全土がパニックになっていた。
彼等に出来る事と言えば、ただ逃げ惑い、許しを請うだけだった。
そして、許しなどそこには全く無かった。
「オオオオオズギュルルルルルラアアアアイ!!」
意味不明な雄叫びを上げ、満載排水量6万t超の李成桂級で眼前を薙ぎ払う。
逃げ惑う市民、捨てられた車、立ち並ぶビル群が一振りで木端微塵と化す。
「ギャア゛ア゛ア゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!!!」
なのははそのまま空母を振り回し、まるで小枝を振っているかのように
釜山中の諸々を薙ぎ払う。直撃を受けたビルが粉砕されて破片と化し、
周囲をさらに破壊していく。
市民は今、どうしてこんな事になったのか全く理解できないだろう。
国際社会をどうやってか味方に付けた今なら、
日本など虫ケラのように倒せると思い込んでいた筈だ。
だが、自分達はその虫ケラに踏み潰され、敗れ去り、死のうとしている。
だが、なのははそのまま死ねばいいと思っていた。
なのはは知っている。今吹き飛ばした市民に戦闘力は無い。
唯の人間であり、武器を持っていない非戦闘員であると。
しかしそれは攻撃しない理由にはならない。
何故なら韓国は国民情緒こそ憲法と明言したからだ。
即ちこの戦争を起こす事は、全て国民1人1人の意志で決定したと言う事だ。
ならば何処の国民であろうと、国民の総意で他民族の絶滅を企てた以上、
その結末は死以外にはない。彼等に下す罰は一つ。
己が為そうとした事を、己の身に味わわせるのみ。
まず釜山という都市そのものを殲滅する。
韓国第2の都市を破壊し尽くし、二度と再建できなくする。
それが終わったら、半島中の主要都市を同じ目に遭わせる。
誰かが止めようとするのなら、止めに入った奴も同じ目に遭わせる。
それが他国なら、他国も同じ目に遭わせる。
その結果世界が滅ぶなら、それでよし。
世界全体がその程度の価値しかなかったと言い張れば全て終わる事だ。
「韓国ゥゥゥウウウゥァア゛ア゛ア゛ーッ!!!」
今度は残った2基のL・彼岸手の12in五連砲を照射。
最大出力のビーム直径はもはや砲の口径を遥かに上回り、
射線上に本来の決戦兵器、波動砲さながらの破壊と死を齎す。
照射しながら薙ぎ払う事で、あっという間に釜山市街地は半分が蒸発。
アスファルトの下の土がむき出しとなり、マグマの如く融解していた。
しかし、韓国側も黙ってはいない。
「暴走核弾頭、射程に入りました!」
「よし!全部隊、在るだけの弾を撃ち込めー!!」
既に臨戦態勢を整えていた為か、
釜山に待機していた陸軍1個師団がなのはに攻めかかった。
主力は主要国MBTの主流である140mm電磁砲を搭載した
最新型無人砲塔戦車、K3「天豹」とK3と同型砲に換装した
旧式戦車K2「黒豹」の改良版、K2A2。
その後方からは自走砲K9とその後継の次世代自走砲K13が
155mm榴弾砲から誘導砲弾をあるだけ射ちまくる。
上空からも戦闘ヘリの対戦車ミサイルを初め、
戦闘機からロケット弾、対地ミサイル、クラスター爆弾と、
ありとあらゆる兵器がなのはに襲い掛かる。
「おら!!」
しかしなのはは李成桂級を振り抜き、難なく攻撃を撃ち返す。
弾き飛ばされた砲・爆弾は半壊した市街地や路上に直撃し、
市民を木端微塵に粉砕していく。
なのははヤマトワープで間合いを詰めると、もう1隻の一撃で薙ぎ払う。
張り飛ばされた50t超の戦車がホームランボールのごとく飛び去り、
ビル群に激突して大爆発。後にも先にも、MBTがホームランされて
ビルに激突するというのは戦史上唯一の事だろう。
ダメ押しとばかりに残った戦車もL・彼岸手で掴み、後方に放り投げた。
戦車は自走砲に激突し、大爆発。周囲の自走砲も誘爆し、あっさり全損した。
しかし、これで終わりではない。
「ISも無しに…!」
なのははL・彼岸手2基の主砲でトドメを刺しにかかる。
しかし、今度は砲口がプリズムで塞がれている。
1門あたり256方向にビームを拡散させる特殊量子プリズムだ。
「挑んでんじゃ…!」
マルチロックオンシステムは形態移行により装置自体の数が増え、
今ではL・彼岸手1門につき1つが備えられる。
つまり、40門全て使えば最大で256×40=10240目標を攻撃可能だ。
そして、悪魔の一撃は放たれた。
「ねえええええええええええええええええ!!!」
2基のL・彼岸手から発射された計2560の光線が残存部隊を直撃。
釜山の守備師団は一兵残さず即死し、殲滅された。
更に光線は防衛線を貫通し、釜山の残った半分の市街地も直撃。
こうして、なのは上陸から僅か10分、たった600秒の攻防で、
韓国にとっての横浜と言うべき朝鮮半島第2の都市釜山は
3百数十万の全市民と陸軍1個師団を道連れに死んだ。
その頃、ソウルに隣接する韓国第3の都市仁川では…
「こ、これが…我が国が日本にしてきた事の代償とでもいうのか…!」
南北統一の英雄にして、韓国軍の最高幹部である3大将は
ここで作戦を立案していた。
「やはり、暴走核弾頭の力は圧倒的過ぎたか…!」
陸軍参謀総長、
モニターの中では先程までなのはが釜山を破壊して回っていたが、
カメラが破壊された為、今は砂嵐しか映っていない。
「こんな事なら、先人に倣いクーデターを起こしてでも
大統領を引きずり下ろすべきだった!もう、韓国は終わりだ…
一時の国民感情で戦争を引き起こす国に成り下がった以上、再建は出来まい。」
主力艦隊を破壊し尽くされ、まともな戦力を喪失した海軍参謀総長、
本来3大将は戦争には絶対反対の立場だった。
どう考えても韓国は日本には敵わない。
旧自衛隊時代ですら勝ち目など全く無い事は歴代の指導部も知っていた筈だ。
勿論それ以上の戦力を備えた今では、戦いを挑む事すら夢のまた夢。
だが、戦いを望む圧倒的多数の国民の声を背景に大統領が命令を下した以上、
命令に従う他無い。故に、これまで培った情報、実戦経験、スパイ網を駆使し、
最善と言える作戦を立てた積もりだった。
しかし韓国には2つの誤算が有った。
一つはまさか日本があそこまで迅速に戦争を決定した事。
もう一つは、武器を持っていない市民まで容赦なく蹂躙するなのはの凶暴さを
予測できなかった事だ。
「起きてしまった物は仕方あるまい。これから先、某等が為すべきは、
いかにして始末をつけるかだ…。」
ヘヒョンの祖父で空軍参謀総長、
その実、どうやったらあの悪魔を止められるか全く見当もつかない。
「せめて一矢は報わねばならん。このまま完敗となれば、
二度と我が国は立ち直れん。
我等は人類史上のあらゆる貧困国以下に落ちぶれよう。どうした物か…」
「失礼します!全提督、報告が入りました…。」
ここで全提督の部下が報告書を持って来た。受け取った報告の中身は…
「全力翁…部下から報告が入った。残念ながら、お孫さんは…」
全提督の部下が報告して来たのは、ヘヒョンとジュリ以下、
全IS操縦者の戦死を確認したとの報告だった。
「ヘヒョン…!おお、何たる事だ…!」
孫娘の戦死の報に膝を付く琴将軍。
「全力翁…心中、最早察するに余りあります。」
「ジョン、ヘヒョンがやられたと言う事は…」
「……………そうだ。」
「くっ…ジュリッ!まさかお前までが…!」
金将軍もがっくりと項垂れた。彼はジュリのテコンドーの師匠でもあった。
「このままでは終われん!見ておれ暴走核弾頭!
必ずや、孫の後を追わせてくれようぞ!
(ヘヒョン、仇は必ず爺が取る故…どうか、見届けてくれい!)」
「「応!」」
なのははゴジラのテーマを流しながら、ソウルへの進撃を続けていた。
道中にある都市は、片っ端からL・彼岸手の砲撃と鈍器と化した空母で
融けかけた更地に替え、市民も生きたまま一瞬で荼毘に付していく。
「ッダロガケカスァアアアアアアアアアッ!!!」
空母を振り回し、8つの手の悪魔が吼える。
6万t超の鉄塊が振り回される度に、幾万もの兵士、火砲、装甲車、戦車、
諸々の兵装が炎と血肉の花と散る。
そうかと思えば、今度は本体に備わった4基の57mm四連装砲と、
12基の20mm四連装機銃から一斉にビームを発射。
無数の戦闘機と戦闘ヘリが発射されたミサイル諸共粉砕され、
無惨に散っていくが、その後方から、矢の雨の如くロケット弾が降り注ぐ。
これらは旧北朝鮮製で、自国製のロケット砲より優れている為、
韓国が自国仕様に改修した自走ロケット砲から発射されていた。
これも空母で振り払うが、数が多すぎた為、船体が穴だらけになり、
鈍器の要を成さなくなってしまった。
「ナマルベッケロアァアアアアアアアアッ!!!」
しかし、なのはは空母を放り投げると、
瞬間物質転送器でロケット砲の戦列の真上に転送。
遠隔部分展開した近接グレネードで弾薬庫を爆破し、
1000tでは済まされない弾薬を誘爆させ、一撃で壊滅させてしまう。
そして空母が1隻破壊されたと言う事は、
その分自由になったL・彼岸手が増えると言う事に成る。
「ッスケガダラァアアアアアアアアアアッ!!!」
4基のL・彼岸手で更に反撃するなのは。
20門の12in砲から放たれた青い閃光が防衛線を抉り、
有象無象の区別なくその光に触れたが最後、いかなる物体も蒸発し消え去った。
こうして、あっという間にまた1個師団が消えてしまった。
韓国は陸軍だけで日本防衛軍全軍を超える兵数を持っていたが、
陸軍の移動速度ではISに追いつけるはずもなく、
進路上の師団を逐次ぶつけるという下策しかとる事が出来なくなっていた。
そして、破壊の限りを尽くした進撃の末、遂になのははソウルに到着した。
その視線の先には韓国一の高層ビル、高さ555mを誇る
第2ロッテワールドタワーが聳えていた。
目障りだったので早速空母で叩き壊そうとしたが、
持ち上げた所、船体が折れてしまった。
鈍器代わりにして都市と言う都市を破壊しつくした結果、
李成桂級空母はすっかりボロボロになっていた。
こうなってはもう使い物にならない。なのはは2隻共「返品」する事にした。
「返品の時間だオラァアアアアアアアアン!!!」
なのはは空母の残骸をソウルに投げつけ、転送するやグレネードで爆破した。
それと同時に、ソウル中から続々と反撃の砲火が浴びせられる。
陸軍最精鋭、猛虎師団こと首都機械化歩兵師団がソウルで待ち構えていたのだ。
戦車は只管電磁砲を射ち捲り、ヘリからはミサイルとロケット弾が降り注ぐ。
対北朝鮮戦に備えて設置され、統一達成後も残されていた
アメリカ製の長距離レーザー砲台もそれに続いて砲撃を仕掛ける。
歩兵も一矢報いんと果敢に対戦車ミサイルを四方八方から射掛けてくる。
更に、空軍も戦闘機からミサイルやロケット弾、各種爆弾が降り注ぐ。
─┼─┃┃
/│\
勿論、全く効かなかったばかりか、
L・彼岸手の砲撃一発で殲滅されたことは言うまでもない。
しかし、直後になのはの周囲も大爆発。
磁石に吸い寄せられる砂鉄の如く全方位から陸軍の猛攻がなのはに殺到する。
「撃て!撃て!暴走核弾頭を少しでも足止めして、時間を稼げ!!」
ソウルには金将軍の意向で、首都機械化歩兵師団を指揮下に置く
陸軍第7機動軍団総勢10万人が事前に集結していたのだ。
かつて旧北朝鮮との統一戦争で最も活躍した軍団であり、
当時、金将軍はこの軍団を率いていた。
全方位から電磁砲、ミサイル、ロケット弾、レーザーが襲い来るが、
三次移行した結果SEが200万に増大し、
バリア出力も跳ね上がったなのははびくともしない。
再び8基のL・彼岸手が全方位に展開され、エネルギーをチャージする。
8基とも砲口を量子プリズムで塞いだ拡散ビーム形態だ。
更に副砲と対空機銃も量子プリズムで砲口を塞ぎ、
拡散形態で全方位に向けられる。
「ンドゥオッッゴルルァラアァァァァァァ!!!」
雄叫びと共に全方位に光線を発射。全方位に放たれた光線の合計は、
主砲40門から10240、副砲16門から4096、
及び対空機銃48門から12288の計26624条。
その全てが偏向射撃で標的をロックオンしている為、
恐ろしく効率的に韓国軍を焼き払う。その怒りの閃光の前では、
厚さ120cmの鋼鉄板を2km先から貫通する電磁砲を跳ね返すと豪語した
最新複合装甲で前方を固めたK3すら居ないも同然に破壊されて行く。
更に、着弾の余波で膨大な爆炎が周囲を焼き払う。
砲撃で絶命した韓国兵の遺体と装備の残骸は更に細かく千切れ飛び、
塵芥となって吹き飛ぶ。地表のアスファルトは根こそぎ引き剥がされ、
むき出しになった地面も融解し赤く輝く。
ヤマト第3形態最大の攻撃の一つである「全方位フルバースト」である。
もしも地獄の存在を信じている人間がこの惨状を見れば、
今現在のソウルの様な状況こそ真の地獄と言うだろう。
しかし、これだけの破壊の限りを尽くしても尚韓国の反撃は止まない。
全てのIS戦力を撃滅された以上、最早韓国に抵抗する手段は無い筈だ。
それでも、韓国軍は反撃を止めなかった。
当然なのはもL・彼岸手からのビームで反撃し、次々と韓国軍を消滅させる。
最優先は最も威力の高いレーザー砲台。次が電磁砲を備える戦車隊である。
破壊を繰り返し、次第に防衛線の最後方に布陣していた砲兵隊まで肉薄する。
しかし砲兵隊からの反撃は無かった。弾が無くなってしまったのだ。
韓国はかつてPKO活動で日本から弾薬を提供された屈辱から
弾薬の生産力向上に力を入れていた。
旧北朝鮮との統一戦争では遺憾なく発揮し、
米軍の支援もあって終始圧倒的優位のまま統一を達成したが、
その生産力と保有量を以てしても、ソウルに運び込んでいた弾薬は底を尽き、
おそらく統一戦争以来初めての弾切れを起こしていた。
そして、それが確実なる死を意味した事は言うまでもない。
「消えて無くなれェェェェエエエエエエエ!!!」
なのはが叫びながらL・彼岸手の12in砲を発射。砲列は一瞬で蒸発した。
圧倒的劣勢である。1950年の朝鮮戦争で韓国軍は
旧北朝鮮軍相手に常に劣勢を強いられていた。
しかし、その時は米軍主体の国連軍上陸で辛うじて助かった。
少なくとも今、韓国に他国の援軍が来るという情報は無い。
そもそも、援軍となり得る戦力を持った国は存在するかもわからない。
だがそれでも、ソウル防衛の為に集結した陸軍第7機動軍団総勢10万は
なのはに一矢報いる事も出来ず完全消滅の危機に瀕しても諦めない。
最早反日では無く憎日の域に達した日本への敵意と、
朝鮮民族こそ最も優れた民族と言う根拠のない選民意識が、
日本の攻撃相手に背を向けると言う考えを齎す余裕を与えなかった。
だが、そんな物は何事もなかった様になのはの一撃で蒸発した。
そしてなのはは韓国一の高層建造物、第2ロッテワールドビルの麓に到着。
L・彼岸手の指先から青いエネルギー光を発生させる。
砲口から爪状の光線剣を発生させる近接武装の一つ、ビームネイルである。
勿論、そんな物を展開させた理由は一つだ。
「そぉい!!!」
L・彼岸手を振り払い、ビームネイルでビルの根元を切断。
根元から切断されたビルはたちまちなのはの方に向けて倒れてくる。
しかし、なのはは逃げようとしない。何故なら…
ガッ!!!
何となのはは8基のL・彼岸手で総重量75万tもの巨塔を受け止めたのだ。
更に、ビルを持ち上げると…
「ウオラアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
ビルを韓国軍の残存部隊目がけて放り投げた。
墜落したビルは轟音と共に周辺の街並みを巻き込みながら砕け散り、
瓦礫と土埃を巻き上げる。
韓国軍が布陣していた全ての道と言う道が
瓦礫によって引き裂かれ、砕かれ、押し潰された。
これが、総勢10万に達する陸軍第7機動軍団全員戦死の瞬間であった。
かくして、日本の仇敵だった韓国の首都、
朝鮮半島最大の1000万都市ソウルは釜山上陸からわずか6時間で陥落した。
日本防衛軍には一人の死傷者も出ていない。
おそらく、戦争史上に残る偉業と語り継がれるだろう。
しかし、戦いはまだ終わらなかった。
『ウェハハハハハハハハッ!!!』
突如聞こえてきた笑い声、その正体は韓国大統領、金道均だ。
『聞こえるか暴走核弾頭!!俺が韓国大統領の金道均だぁ!!』
しかし、声はすれども姿は見えない。一体どこにいるのやら。
『よくも韓国中を荒らし回ってくれたな!だが、それもここまでだ!!』
「今更何の用なの?!!降伏なんか許さないの!!」
『降伏?降伏するのは貴様等の方だ!!これを見ろ!!』
道均が見せたのは…
「ホワイト…ハウス?」
それはアメリカ大統領官邸。
既に我関せずを決めた筈のアメリカが一体何の用だろうか?
だが、米国首脳陣の様子がおかしい。そして映像をよく見ると、
会議室には米国大統領以下閣僚達の他に道着姿の男と駐米韓国大使がいる。
もしや…
『気付いたか?この道着の男の名は
この男は超能力の使い手でな、自分の発言に他人を同調させる事が出来る!!
例えばこの男が誰かを指定してケチだと言い降らせば、
どんな太っ腹でも周りの人間にケチと思わせる事が出来るのさ!!
もう分かっただろう!!
この力で、貴様等ネトウヨ・キモオタ帝国は滅ぼすべきと
国連大使とアメリカ首脳陣に思想同調術を掛けさせたのさ!!』
これこそ国際社会が韓国に味方した原因だった。この物部天獄こと金成羅が
国連大使に今米国首脳陣へやった事と同じ事をしたのだ。
『これ以上暴れれば、アメリカを動かして直ちに攻撃を始めさせるぞ!!
いや、アメリカだけじゃない!!他の国にも同じ事をしてやるぞ!
そうなれば、全人類が総出で貴様等を滅ぼしに来るんだぞ!!』
ある意味核以上の恐ろしい切り札である。
『これで分かったか
いくら貴様でも全人類を敵に回して、
あまつさえふっ飛ばすだけの戦闘力が有る訳無いだろう!!
貴様等ネトウヨ・キモオタ民族と誇り高き我が韓民族では、
最初から持ってる器が違うんだよ!!
貴様等屑共は、俺の前では平伏すしか無い!!
俺の前に跪け!!今の貴様にできる事はそれだけ…
「全人類が怖くて暴走核弾頭は名乗らないの!!」
なのは、全く意に介さずソウルの破壊を続行。
『な…やめろ!それ以上やれば取り返しのつかん事になるぞ!!』
「私は取り返しのつかない事が大好きなの!!」
破壊の限りを尽くしたなのはは、ついに青瓦台の前に到着する。
業を煮やした道均は脅しの為に核ミサイルを見せ付けた。
『良いのか?!この核ミサイルで
ネトウヨ・キモオタ列島が吹っ飛ぶんだぞ!!』
「良い景気付けなの!!早速やるの!!」
動揺しないどころか、逆に煽ってくるなのはに対し、
遂に道均はミサイル発射命令を下した。
『こ、こうなったら…
列島壊滅をその目で見ろぉおおお!!ミサイル全弾発射ぁ!!』
日本に向けて数百発のミサイルが発射された。
しかし、発射したのは超音速巡航ミサイルだった。
確かに核弾頭こそ搭載できるが、
弾道ミサイルではない為、撃墜はより容易である。
『ふふ…ふは…は……ははは!
どうした?核ミサイルでなくてガッカリしたか?
残念だったなぁ!!今撃ったのは全部通常弾頭さ!!
最初から核ミサイルを撃っても、迎撃される事は解ってたからな!!
囮の通常弾頭ミサイルを最初に発射して、迎撃ミサイルを使い切らせてから
本命の核を搭載したSLBMを別行動の潜水艦隊から
発射する手筈になってるんだよ!!
例えそれを凌げても、今度はアメリカ中の核ミサイルが降り注ぐ!!
アメリカ首脳陣を洗脳した今、その核も俺の気分次第で発射されるのさ!!
こうすれば例え韓国中のミサイルを全て落しても、
その頃にはもう迎撃ミサイルは残っていないだろう!!
これでネトウヨ・キモオタ帝国はお終いだぁああああ!!!』
まともに撃っても世界最高峰の弾道ミサイル迎撃網を備える日本には
そう当たる物ではない。それなら、核搭載可能な超音速巡航ミサイルを囮にして
迎撃ミサイルを使い切らせ、それから本命の核を潜水艦から発射するという
2段構えの作戦にしようと考えたのだ。
勿論ISが防衛に回ればこれでも全く足りない。
簡単に迎撃されてしまうだろう。
そうさせない為、倉林と奈緒が極左市民団体連合と日本在住の同胞を
反戦デモ隊と言う名の楯にして足止めし、その間に核を発射する。
勿論、これを考えたのも3大将の仕業である。
そして、それでも駄目な場合に備え、金成羅にアメリカ首脳陣を洗脳させ、
道均の指示で韓国の味方として対日参戦させ、
米軍のISで日本側のISを破り、然る後核攻撃するという
3段目を3大将とは別に道均が用意していた。
超学歴社会の韓国に相応しい、インテリが考え抜いた用意周到な作戦だった。
『これで分かっただろう?貴様等低能民族共がいくら刃向っても、
我が国を倒せはしない!!我が民族こそが、この世で最も優れた民族なのだ!!
貴様等ネトウヨ・キモオタ民族は私の手の平で蠢く蛆にすぎん!!
さあ、跪け!土下座して、私に許しを乞え~!!』
完全に勝ち誇る金道均だが、その様がかえってなのはの逆鱗に触れた。
「……ラ…」
左腕のレイジングハート内蔵槍を構え、なのはが叫んだ。
このクルピラ野郎!!
怒りに任せて、青瓦台をL・彼岸手の12in砲で爆破。
しかし、まだ怒りは収まらず周囲に乱射しまくる。
『止めろ!!それ以上暴れれば、本当に米軍が、
いや、全人類が貴様等の敵に回って、
ネトウヨ・キモオタ列島は吹っ飛ぶんだぞ!!!』
「まだ言うの?!!
吹っ飛ばせるなら、吹っ飛ばしてみやがるの!!」
なのはは40門の12in砲で周囲を薙ぎ払う。
一瞬にして射線上の建造物が蒸発していく。
「私は核爆発が見たかったの!!なのに、
あんな偽物ばかり送りつけてきやがって!!!!」
しかし、なのはの恐ろしい所はここからだった。
なのはは巨大な物体を展開。それは全長8m、直径2mの爆弾だった。
「さっきからハッタリばっかり!!
やるなら黙ってやれば良いの!!!
どうせ碌に起爆しない不良品しか作れない癖に!!
もう許さないの!!こうなったら、
自前の水爆でここを爆破してやるのぉぉぉ!!!」
何と、なのはは核爆発見たさにソウルを水素爆弾で爆破するつもりだ。
このあまりに狂気じみた言葉に流石の道均も震え上がった。
『狂ってる……こ い つ は く る っ て る ! !』
しかし、なのはは直後思わぬ一言を口にした。
「…と、思ったけどやめたの。」
『……へ?』
何とまさかの中止宣言。何がそうさせたのか?
「そこにいたんだ…このドキュン野郎。
今からそっちに水爆をワープさせて送りつけてやるの!
有り難く死にやがるの!」
『…………!!!!』
その理由は簡単だった。なのはに通信で降伏勧告をしたばっかりに、
道均の居場所がばれてしまったのだ。しかし、その場所は…
『止めろー!!俺が何処にいるのか分かってるのか?!!
中韓国境の手前なんだぞ!!中国領土まで100kmも無いんだぞ!!』
何の事は無い。道均と閣僚達はなのは上陸の報を聞くや
政府専用機に乗り込んでソウルから脱出し、
そのまま中国に逃げようとしていたのだ。
そして、既に機体は旧北朝鮮の核関連施設が集中していた
寧辺上空まで差し掛かっていたのだ。
「知ってる!じゃあ、早速爆破するの!!」
『ナンデ?!』
「大統領だから!!」
『ヤメロー!ヤメロー!中国に放射能が行けば、中国と戦争になるんだぞ!!
中国とも戦争をする気なのか貴様はぁああああ?!』
「戦争…?」
道均の一言で、一瞬で⌒*(◎谷◎)*⌒と化したなのは。
「中国如きがなぁ!!私と戦争なんか!!
出来るわきゃねぇだろぉぉぉぉぉおおおお!!!」
『ナーアアアアアアアアアアアアアアアア?!!』
「死ねーッ!!死ねーッ!!死、死、死、ね!!」
『シニタクナーイ!シニタクナーイ!
シニタクナーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーイ!』
「食らえ必殺…内閣総辞職ボンバァァァァ!!!」
なのはは瞬間物質転送器の照準を政府専用機に合わせ、
巨大水爆を転送。ワープアウトした水爆が専用機に接触した瞬間…。
ピカッ!!
ツァーリ・ボンバという爆弾がある。
かつてソ連が製造した水素爆弾で、正しい名称はAN602と言う。
その出力はTNT換算で実に100メガトン。しかし、その余りの威力に
そのまま起爆させれば人口密集地に死の灰が降り注ぐと予想された結果、
実際に起爆させる際はリミッターを掛けられ、出力を半分に落とされていた。
それがどうしたのかと言うと、なのはが今寧辺上空で起爆させたのは、
出力にリミッターを掛けていない、紛う事無き本来の威力を再現した
ツァーリ・ボンバだったのだ。
爆発による火球は半径3kmを超え、時間経過と共に膨れ上がった結果、
その上端は最終的に高度13kmを突破。
その様子は東京は勿論、日本列島各地からも観測されたという。
生じたキノコ雲は高さ50km、幅200kmに達し、
爆発の衝撃波は治まるまで地球を4周近く駆け巡り、
遥かロンドンでも衝撃波到達が観測された。
更に言うと、爆心地から半径6kmを超える範囲に
人間が死に至る放射線がまき散らされ、
半径10kmを超える範囲で建造物が全壊。
そして、半径70km以上の生物が致命傷レベルの大火傷を負った。
その被害は、かつて日本で2度引き起こされた惨劇の比では無い。
何しろ余りにも被害範囲が広い為、複数の都市を一発で焼き払ってしまった。
この一撃で100万人超の死者が出た事は間違いないだろう。
「ハァ…すっきりした。」
同時刻、ソウルのすぐ隣の仁川では…
「金将軍、政府専用機との通信が途絶しました。」
「………やはり、逃げ切れなかった様だな。」
「国の代表として、真っ先に責任を負うべき立場にありながら、
率先して逃げ出した報いであろう…致し方ない、因果応報だ。」
「それともう一つ。先程、平壌から
『北方で閃光とキノコ雲を見た』との報告が相次いで入ってきています。
恐らく…核爆発では無いでしょうか?」
「何?!我が国が核攻撃を受けたと言うのか…!」
「報告が事実であるなら、そう言う事に成るでしょう。」
「将軍!平壌の件について詳細が入りました!!」
「何だと?!…読み上げろ!」
「はっ。閃光とキノコ雲ですが…核爆発で間違いありません。
推定される爆心地は寧辺付近。そして、爆弾の威力ですが…」
「どうした?早く続きを読め!」
「…………信じ難い事ですが、と前置きをさせて頂きます。
衝撃波や地震の規模から計算した結果…推定される威力は…
100メガトン程度との事です!」
「ひゃ、ひゃくめが…!」「ぬうぅっ!!」「何とぉーっ?!」
さしもの3大将も言葉が出なかった。
人類史上、そんな威力の爆弾は聞いた事が無い。
「コンピュータの計算が正しければ、この威力の核爆弾が起爆した場合、
爆心地から半径70km超の人間に致命傷を与える程度の威力との事です。
恐らく、死者は100万人は下らないかと…」
「な、何たる事だ…日本め、ここまでやるのか?!」
「どうやら日本は、この戦いで大韓民国と韓民族そのものを
この世から消し去りたいらしいな…。」
「あのような前口上から考えても、そうとしか考えられん。
だが、奴等も我等をそれだけ恨み、憎んでいたと言う事なのだろう。」
「どうする?大統領も、首相も、国防部長も、統合参謀本部議長も皆死んだ。
ここから先は、我等の独断で動くしかない。」
彼等の直接の上官で、韓国全武官のトップである統合参謀本部議長は
大統領と行動を共にしていた事から、
他の閣僚諸共大統領に殉じた事は間違いない。
最早、彼等に命令を下す立場の人間は一人もいなくなってしまった。
「ソウルが陥ちた今、次に暴走核弾頭が向かってくるのはここだろう。
…奴を迎撃する作戦、一応は練り上げたが…。
例の物は運び込んできたであろうな?」
「はっ。」
「矢張り、やるしかないのか…。」
「うむ…最早代案は無い。これが、我等に出来る最後の抵抗となろう。
奴をこの仁川に引き付け、この司令部の地下に埋めた核爆弾で
奴を仁川ごと吹き飛ばす。これしか無い。」
「しかし、遠隔爆破は専用装置が故障して、修理は間に合わん。
時限爆破装置も奴がセット時間に仁川にいるかどうかは分からん。
となると…誰かが手動で起爆させるしかないぞ。」
つまり、この仁川諸共なのはと刺し違えて死ぬ事が前提の任務である。
当然、その様な任務に志願する者は一人もいなかった。唯一人を除いて。
「ならば…核のボタンは某が押そう。」
何と、空軍参謀総長の琴将軍が名乗りを上げた。
「全力翁!!」
「何と仰せられますか!それでは全力翁が…」
「孫を対馬の海に散らせて、某一人どうして生き延びられようか。
奴と刺し違える役目、某が果たそう。」
「全力翁、それはなりませんぞ!ボタンなら私が…」
「いや、私がボタンを押そう!」
「ならん!ならんのだ!!」
金将軍と全提督が思いとどまらせようとしたが、琴将軍は突っぱねた。
「金将軍、全提督…主等は生きよ。ソウルが滅びた以上、
国を束ねられるのは主等しかおらん。」
「「全力翁…!」」
「我等が、国を束ねよと…?」
「左様。閣僚も国会議員も主だったものは皆死んだ。
最早、国を束ねる大役を果たせる器は主等を置いて他に無し。
主等はこの場を逃げ延び、政府要人が死した今、
自ら国の代表として名乗りを上げ、日本に全面降伏を宣言するのだ。」
「全面降伏…ですか?」
「左様。それならもう攻撃はされまい。
恐らく、途方もなく過酷な講和条件を呑まされるだろうがな。
下手をすれば、彼のベルサイユ条約の方がまだマシな条件かもしれん。
今までの我が国を支えてきた恨の精神も打ち砕かれ、
反日という心の拠り所も根底から間違っていた事を認めさせられるだろう。
だが、それでも『それだけで済んで良かった』と言わねばならんのだ。
ここでしくじれば、いよいよ大韓民国はこの世から消えて無くなる。
それよりはマシだと言い聞かせ、全く別の国として再出発せねばならん。
某は、主等ならそれを形に出来るだろうと信じておる。
故に、主等に対してここは逃げろと言うのだ。」
「何と…!」「そこまで考えておられたのか…!」
「おい、地上の仁川市民の避難はどうだ?」
「核爆弾の危害範囲内の住人は、既に避難完了しております。
今危害範囲内にいるのは、我々だけです。」
「うむ。これで障害は無くなった。では、主等が避難する番だな。」
淡々と準備に入る琴将軍。
いつの間にか、司令部中の誰もが泣いていた。
本当なら、自分達が護る筈だった。
そもそもそんな事をする必要すらなかった筈だった。
だが、現実は非情だった。あの悪魔が市民を都市諸共ゴミの様に焼き尽くすのを
ただ見ている事しかできなかった。
確かに、内心では同胞ながら馬鹿な国民だなと
心のどこかで軽蔑していたかも知れない。
自分達の情緒を国のあらゆる法の上位に位置づけられる国にすると聞いて、
ホイホイと金道均とかいうデマゴーグに投票して大統領にしてしまった上、
一時の感情で、国力で遥かに格上の隣国に戦いを挑んでしまった。
本当に馬鹿以外の何でもない国民である。
100年前の日本の方がまだマシなレベルの愚行と言う他無い。
しかし、そんな人間をも守るのが軍の務めであり、矜持。
その一点だけは、絶対に譲れはしなかった。
だが、その矜持はたった一人の怪物の手で最初から無いも同然に踏み躙られた。
それが、この上なく屈辱だった。だからこそ、せめて一矢は報わねばならない。
「さあ、主等は行け。主等が生き延びるのも奴への反撃の内。
皆、早く逃げよ。」
「それでは全力翁…さらばです!」
「お孫さんに良き報告が出来る事を祈ります…御武運を!」
「うむ!…前途多難かもしれんが、後の事、くれぐれも頼むぞ!」
こうして、金将軍以下司令部の要員は空軍機で中国方面へ逃げる為、
司令部を立ち去っていった。後に残されたのは、琴将軍唯一人。
「さて…琴全力、一世一代の大勝負ぞ!!」
『暴走核弾頭に告ぐ!!暴走核弾頭に告ぐ!!』
突如、琴将軍の怒号にも似た呼びかけがなのはの耳に入る。
「何なの?」
『某は韓国空軍大将、琴全力!韓国空軍参謀総長にして、
ウヌが対馬沖にて討ち取った琴慧弦の祖父である!!』
「…………続けて。」
『某は孫とウヌが欲情のままに殺戮した国民の敵を取りに来た!!
某を討たぬ限り、我が国は決して降伏はせん!
某はここに最後の決戦を所望する!
某に挑まんとするならば、仁川までくるが良い!!』
「……………………。」
なのはは一目で悟った。この老将は並々ならぬ覚悟を背負っている。
今まで自分が虐殺して回った市民の恨み、嘆き、悲しみ。
そのすべてを背負い、最後の戦いを挑もうとしている。ならば…
全力全開で、上から叩き潰すことにした。
「それなら、受けて立つの。その前に一つ質問が有るの。」
『何ぞ?』
「今私が何処にいるか…答えられる?」
そう問いかけるなのはの周囲は満点の星空しかない。
少なくとも、琴将軍の見ているモニターの中ではそうとしか見えない。
『何処…だと?ウヌは先程までソウルに…』
なのはは首を振った。
「残念。ソウルはソウルでも…」
ソ ウ ル 上 空 4 0 0 k m な の
『何?上空400km?!一体何の真似を…!』
なのはは無言でスラスターウイングを一直線に広げ、右手側に回転させた。
「琴全力将軍だっけ?名前からして、事に全力で当たって来た人みたいなの。
実は、私のモットーも全力全開なの。それでね…
実は今までの攻撃は本当の全力とは言えないんだよね。
(船型スラスターウイングを差して)これ、何だと思う?」
『そんな物は知らん。ISの一パーツである事以外はな。』
「これはホーキング輻射装置『波動砲』。
量子変換で小型化してるけど…使うときはねっ!」
なのはは量子変換を解除すると、
スラスターウイング諸共波動砲パーツが巨大化した。
その口径は、原型となった大和型戦艦の主砲と同じ46cmであった。
「私はねえ、最初からこの戦争の〆はこれって決めてたんだ。
何たってこの波動砲の最大出力はさっきの100メガトン級水素爆弾を
爆竹扱い出来るからね。」
『な、何…だと…?』
「漸く、本当の全力が使える時が来たみたいなの。
そういう訳だから、悪く思わないでね。」
『な、何を言っておる!ウヌは、何をする気…』
「何って、韓国が私達にやろうとした事だよ。
今からこの46cmホーキング輻射砲をぶっ放す。
多分半径400km位が吹っ飛ぶけど…覚悟してね。」
なのははレイジングハートの先端をスラスターウイングの先端口に接続。
直後、スラスターウイング先端のシャッターが開く。
なのはの気合と共にシャッターの先端に光が集まる。
『おのれ…おのれェェェェェェェェエエエエエエエエエエーーーーーッ!!!』
「あ、そうそう、最後に韓国に一言、これだけは言っておきたかったの。」
1910年から出直して来い
「Wave force cannon…fire.」
レイジングハートのアナウンスと共に、波動砲は再び放たれた。
「破ァアーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
46cmの砲口から照射されたホーキング輻射は
ソウル北方80km先、旧国境付近の都市、鉄原市を直撃。
TNT火薬16ギガトン超と推定されるエネルギーの輝きは、
鉄原市から半径400kmの全生物を死に至らしめた。
こうして、この戦争における最後にして最大の一撃により
韓国全軍は消滅した。
こうして、2043年10月17日午前4時44分、
後世に第三次世界大戦の前哨戦と位置づけられた日韓戦争は、
一晩で日本の勝利に終わった。
終わってみれば、日本人の死者は韓国に与した者以外には一人もおらず、
防衛軍は死傷者無しと言う軍事史上最高のキルレシオを記録した戦いとなった。
その一方、韓国は人が入る事が困難な程の大ダメージを受けており、
どれ程の被害を受けたのか、そして、今後の処遇をどうするかを決定するには、
これから更に2年近い月日を要する事となった。
日韓戦争、これにて終結です。
終わってみれば、極めて予想通りの結果に終わりましたね。
唯一の心配と言えば、なのはの暴れ振りが期待通りかと言う事です。
前話投稿後、ある方から「思ったよりはおとなしい」という
感想を頂いてしまったので、そこだけが心配です。
尚、今月の投稿はもうありません。
もし今月に更新が有るとすれば、それはR-18版の次話投稿になるでしょう。
しかし、平均5千字ちょっとの所をまさか一話で2万3千字を超えるとは…
もし長くて読み辛いと言う方は、感想を上げて頂く際に明記をお願いします。
今後の展開によっては活動報告で事前に連絡の上、分割して投稿し直します。
次回「第27話 もう笑ってはいられない」
いよいよもって地球が戦乱一色に染まっていく。
果たして、世界の反応は如何に?日本政府は?亡国機業は?
そして、ISの宇宙開発ツールへの回帰という束の野望の行方はどっちだ?