魔法戦記リリカルなのはIS 高町なのはのIS学園見聞録   作:ピロッチ

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 お久しぶりです。先月新たに投稿した作品の情報収集で
すっかり遅れてしまいまして、どうもすいませんでした。
それでは通算第84話、始まります。


第32話  鬼神の居ぬ間に…その4

 合同合宿でなのは不在の中、突如外部との連絡手段を喪ったIS学園。

残された専用機持ちが電脳ダイブでシステムの修復を図る中、

遂に下手人が正体を現す。何と正体は米国代表操縦者イーリス・コーリングと、

その相方のナターシャ・ファイルスだった。

 

「げぇっ、これが本物のISって奴か?!お前等、何しに来やがった?!」

 

「何って…言う義理なんか無ぇよ!」

 

「悪いけど、しばらく黙ってて貰うわよ!」

 

「くっそ、捕まって堪るか!」

 

 両津は身の危険を察し、早速逃亡。

 

「ああ!逃がすか!!」

 

 慌てて兵士が追おうとすると…。

 

「おっと、そうはいかないわよ。」

 

 その前に楯無が立ちはだかった。

 

「ちっ、もう邪魔者が来たのかよ。」

 

「イーリス・コーリング…パリで会った以来ね。

そしてもう一方はナターシャ・ファイルスね。まさか米国が下手人とは…

あら?貴方、新入りの用務員さんじゃないの、どうしたのよこんな所で?」

 

「済まん、道に迷ってた!そしたらこいつらが

いきなり壁をぶっ壊して乗り込んで来たんだよ!」

 

「成程ね。後は私に任せて、早く逃げなさいな。」

 

「良いのか?!」

 

「大丈夫よ、これでも一国の代表操縦者なんだから!」

 

 楯無はM・レイディを展開。米露代表対決に持ち込む構えだ。

 

「それじゃ、ここはイーリに任せて私は………けど良いわね?」

 

「良いぜ!さあ相手してやるよ!来な、ジャパニーズ・ロシアンガール!」

 

「ざーんねーん。悪いけど、相手して貰うわよ!」

 

 

 一方、千冬の方はと言うと…

 

「さて…これで終わりではなさそうだな…。」

 

『織斑先生、新手です!現在格納庫へ向かう通路をこちらへ向かってます。』

 

「うむ、分かった。そっちは私が行こう。(やはり来たか…仕方ない。)」

 

 暫くして千冬が連絡のあった通路に到着すると、確かにISが向かっていた。

機体はイーリスと同じF・クェイクだ。

 

「F・クェイク…やはり今回の騒動の黒幕は米国か…。いざ参る!」

 

 一方、IS操縦者も千冬に気が付いたらしい。

だが、気づいた時には両手の剣で斬りかかっていた。

 

「! ブリュンヒルデ…?なぜ生身で…?」

 

「どうした?お前の前にいるのは初代ブリュンヒルデ…

全身全霊で掛かって来い!」

 

「良いのかしら?私もいるのよ。」

 

「何?」

 

 背後から聞こえてきた声、振り返ると福音を駆るナターシャが。

最初に楯無が迎撃に来た事で、千冬がこっちにいると判断して

こちら側に合流しに来たのだ。

 

「この間の恩を仇で返す様で悪いけど、これも任務、悪く思わないでね!」

 

 言うなり、ナターシャの福音からは羽形の光弾が放たれる。

同時にもう1機がブーストを掛けて急接近。

 

「むっ!」

 

 持ち前の身体能力で難なく回避した千冬。

しかし、今の彼女の状況は危険だ。

何しろ生身で2機のISに挟撃されているのだ。

 

「この状況で戦える筈が無かろう、いい加減降伏して貰おうか。」

 

「F・クェイクか…さては米国特殊部隊、アンネイムドだな。

随分暇なのだな。態々日本の学園にまで潜入してくるとは…

目的は無人機の未登録コアだけではいな。まさか…白式か?」

 

「!」

 

 米国特殊部隊アンネイムド。隊員全員が国籍も民族も宗教も名前も無く、

米軍所属であるが記録上、書類上どこにも存在しない部隊。

恐らく、この操縦者が隊長なのだろう。

 

「だが残念だな、白式は今別の場所にある。」

 

「…そこまで知っていて、何故立ちはだかる?」

 

「生身ではIS相手に勝ち目がないとでも思っていたのか?

並みの人間ならばな…っ!」

 

 千冬は刀を手にF・クェイクに飛び掛かった。

 

「くっ!」

 

 名も無き隊長はブレードで迎撃。刃が激突する度に金属音と火花が飛び散る。

 

「…強い!」

 

 ISの力で振るっているにも関わらず、腕を押し戻されかねない。

一方、ナターシャは誤射を恐れて攻めあぐねていた。

 

「くっ、これが生身の人間の動き?!ブリュンヒルデは未だ健在と言う事ね…」

 

 2対1にも関わらず生身で渡り合う千冬。

ふと、切り結んだ反動でF・クェイクとの距離が離れた。

 

「ソルジャー、下がって!今度は私が…!」

 

 ナターシャがその僅かな隙を突き、シルバー・ベルで弾幕を張る。

だが、千冬はあっさり回避した。

 

「なっ?!」「避けられた?!」

 

「即興の割には連携できている様だな…だが、誰が相手だと思っている?」

 

「成程ね…これは…」「想像以上に困難な任務になりそうだ…」

 

 予想外の抵抗に苦戦するナターシャと名も無き隊長であった。

一方、米露代表対決は…

 

「おら!」「くっ!」

 

 早速イーリスが仕掛けた。瞬時加速からの右ストレートで先制攻撃。

楯無はその一撃を間一髪で回避するが、イーリスは回し蹴りに繋げて追撃。

何とか蒼流旋で食い止めた。

 

「ちっ!武器を出して来るなら…」

 

 単分子ブレードで斬りかかる。真面に止めれば蒼流旋でも切断されかねない。

 

「これは、本気で行くしかない!アクア・クリスタル!」

 

 楯無はアクア・クリスタルを展開。

 

「あれが出てきたと言う事は…クリア・パッションか?!」

 

 直後、空間が爆発。イーリスはギリギリで回避した。

 

「あら残念。」

 

「成程な!これが水を操作する能力か。自前で造ったISって聞いてたが、

ロシア人なのに氷操作じゃねーのはどう言うこった?」

 

「知らないの?ロシアのロは日本語で露と書く。

水分操作の方が寧ろ合ってるのよ!」

 

「そう言う事かよ…だったらよっ!」

 

 無理問答の直後、イーリス、今度は瞬時加速からのドロップキック。

楯無が躱すと壁蹴りからの三角飛びで上からブレードを突き出して飛び掛かる。

 

「思いっきり近づけば良いって事だろ?!自分を巻き込んじまうからなぁ!」

 

「!!」

 

 いくら絶対防御が有っても、巻き込まれればSEに大ダメージを受ける。

自分ごとクリア・パッションを使う訳にはいかない。

 

「ならば!」

 

 蒼流旋の機銃で牽制。

 

「戦法を変えたって事は、やっぱり図星だったみてぇだな!」

 

「まぁね。」

 

「(とはいえ、相手だって同格の国家代表、只の瞬時加速じゃ見切られちまう。

成功率が少し心許ねえが、あれもやらなきゃいけねぇって事か…)」

 

 あれとはイーリスの固有技、スラスターを次々に点火させて加速する加速法、

個別連続瞬時加速(リボルバー・イグニッション・ブースト)である。

 

「どりゃあ!!」「このっ!!」

 

 楯無の蒼流旋とイーリスの拳が再度激突し火花を散らす。

 

「くっ、とんだ腕力馬鹿ね…!」

 

「悪いか?!これで代表まで昇ったんだよ!」

 

 イーリスは満を持して個別連続瞬時加速を発動。

成功率4割と不安定な技だが、運よく決まった事で勢いに乗る。

だが、向かう先はなぜか楯無と逆方向。まさか逃げる気なのか…?

 

「?! 何を… 逃がさない!!」

 

 楯無は瞬時加速で後を追う。

イーリスが壁を蹴って廊下の曲がり角を曲がる所までは目で追えた。

そして、壁を蹴って後に続こうとした瞬間。

 

「今だ!」

 

 イーリスの声で曲がった先で待ち構えていた特殊部隊の兵士が

スタングレネードを投げ込んだ。グレネードが発光、一瞬だけ目が眩む。

 

「しまっ…」「貰った!」

 

 背を向けていたイーリスは光の影響を受けず、

隙を見せた楯無に瞬時加速でショルダータックルを仕掛けた。

 

「ンアーッ!!!」

 

 楯無は壁に激突し、めり込んだ。

 

「くっ、IS戦に一般兵を割り込ませるなんて…」

 

 既存のどんな兵器も超越するIS同士の戦い、

普通はIS抜きでは足手纏いにしかならない。

だが、火力では敵わなくてもこう言う援護方法もあるのだ。

 

「悪ぃな、任務をしくじるよりはマシなんで、ズルさせて貰ったぜ。」

 

 

 

 

 一方、千冬はと言うと…

 

「…速い!」

 

 ナターシャの弾幕を巧妙に掻い潜り立ち回る千冬。

 

「無駄な事を…!」

 

 名も無き隊長も機体のベアクローで応戦するが、ジャンプで避けられる。

 

「それはこっちが、決める事だ!」

 

 千冬がジャンプで背後に回り込むと、ワイヤーがソルジャーの首に絡まる。

 

「しまった!」

 

「絶対防御に頼りすぎて、判断が遅れたな。」

 

「くっ…」

 

 絶対防御をピンポイントで発動し、ワイヤーを熱で切断して脱出。

 

「消えた…?」

 

 しかし、千冬が見当たらない。

 

「ソルジャー、右!」

 

 ナターシャの声で右を向くと、千冬が飛び掛かって来た。

何とか腕でブロックしたが、ドロップキックでバランスを崩す。

 

「ぐっ、恐ろしい身体能力だ…」「流石はブリュンヒルデね…」

 

「大方、未登録のコアによる無人機の開発を企てて…」

 

 そこまで言った所で、ナターシャの弾幕が再度襲い掛かる。

千冬は咄嗟に回避するが、一発が足を掠めた。

 

「ちぃっ!」

 

 そこに瞬時加速で追いついたソルジャーの一撃を食らい、吹き飛ばされる。

手にした日本刀も床に落ちた衝撃で手から落ちていた。

 

「ぐっ…やはり2対1はきついか…。」

 

「これで終わりの様だな、ブリュンヒルデ!」

 

「ちっ…」

 

チョンチョン…

 

「んん?」

 

ふと、何物かが千冬の肩を突く。振り返ると…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

\キャッ キャッ/

⌒*(○∀○)*⌒

 

「お前は…ヤマト?」「縫い…ぐるみ?」

 

 さあ大変だ。一番来て欲しくもあり、欲しくもない奴が来てしまった。




さあ大変だ。遂に奴が来てしまった。
果たして、無事に帰れるのは誰だ?

次回「第33話  鬼神の居ぬ間に…その5」
学園襲撃事件も、遂にクライマックス。

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