魔法戦記リリカルなのはIS 高町なのはのIS学園見聞録   作:ピロッチ

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 やっぱりオリジナル展開は、投稿に予想以上の時間がかかるんだなあ…。
とか何とか言いながらも、ギリギリで正月休み中にもう一話完成しました。
それでは通算第88話、参ります。


第36話  烈日

 富士の麓の合宿も後半に差し掛かり、

いよいよISを用いた訓練が始まると思いきや、何故か連れて来られた

米国IS操縦者との日米合同合宿になのはが勝手に予定変更。模範演武と称し、

秋月律子とイーリス・コーリングの日米代表対決が行われていた。

 

「オラーーーーーーーーーーッ!!!」「イヤーーーーーーーーーーッ!!!」

 

 律子の蹴りとイーリスの拳がぶつかり火花を散らす。

一見すると図体で勝るF・クェイクが重量差で優位そうだが、

律子はブースターの加速で威力を補い、拮抗していた。

 

「…と、ここで、これも追加よ!!」

 

「ちっ…!」

 

 更に踵のレーザー銃で追撃、何発かF・クェイクに掠った様だ。

 

「所詮、セミオートではこれが限界なのね…。」

 

「当たり前だ!それぐらいどうって事ねえよ!」

 

「dsynー…。」

 

 

 

 一方、代表対決の事実上の審判役のなのはは進展の無さに

半分飽きてきた様子だった。

 

「さっきからまるで進展が無いの!一進一退なの!」「つまんねーの。」

 

 なのはの後ろでは待機状態のL・彼岸手が

電子化されたウノで遊んでいる始末。傍から見ればとても和むのは気のせいだ。

 

「……えーと、暴走核弾頭さん?」

 

「何なの?」

 

「ひょっとして貴方…モンド・グロッソの映像とか、見た事が無いのかしら?」

 

「ないよ。」

 

「…国家代表相手にワンサイドゲームが出来る貴方は知らないでしょうけど、

代表同士の戦いって、それこそブリュンヒルデとか最上級の操縦者相手とか

余程の事が無い限り結構時間がかかる物なのよ。」

 

「そうなの?」

 

「そういう物なのよ。貴方だって、一撃で倒せる相手より

互角に渡り合える方が戦い甲斐があって良いでしょう?」

 

「そういうのは趣味の範疇に留めておくの!

仕事なら、ワンサイドゲームが良いに決まってるの!」

 

「………そう。(戦闘狂じゃなくて戦闘マシンなのね…。

何をどうしたらこうなるのかしら?)」

 

 

 

「ええい、埒が開かないわね!距離さえ取れればこれを使えるのに…」

 

 律子は戦闘中も秋霜の主砲である右手の大型光線砲への

エネルギーの充填を欠かさなかった。

 

「夏の間に移動しながら充填可能に出来たのが救いね…。」

 

 当然、相手もそれが分かっているから

こうして間合いを詰めながら戦っている。

 

「早いとこ離脱して、何とかして発射の隙を作らないと!……!」

 

「させねえよ!」

 

 律子が距離を取ろうにも、イーリスはぴったり食らいつき、

猛攻を仕掛け続ける。そうこうしている内に、戦局に少しながら動きが有った。

 

「くっ?!しまった!!」「よし、やっと決まったぜ!!」

 

 一瞬の差で、イーリスの拳が律子の腹部に命中した。

衝撃で吹き飛ばされ、引き離される。

 

「避け続けてへばったらビームで反撃しようかと思ったけど、

それよりも先に一発食らっちゃったか…。

でも今ので少し間合いを離せたわ、ここは必要経費と割り切って…仕掛ける!」

 

 律子はもっと間合いを取らないとビーム砲を打つ前に近づかれると判断し、

ここで更なる引き離しにかかる事を決断。万一追いつかれたときに備え

打撃の威力を上げるべく各所の仕込み衝角を展開しながら、

銃撃で牽制しつつ瞬時加速で逃げ出した。

 

「拙い…ここで逃げられたらビームが来ちまう!」

 

 当然イーリスも瞬時加速で追いかける。

 

「只の瞬時加速じゃ間に合わないな…こういう時はこれだ!」

 

 イーリスはやむなく個別連続瞬時加速を使用。

今回は運よく成功し、距離を縮める。

 

「この速さ…追いつかれる…なら!」

 

 律子は近づいてきたイーリスにビーム砲からエネルギーワイヤーを展開し、

瞬時加速の勢いを利用して投げ飛ばそうとする。

 

「またか!二度も嵌って堪るか!破ぁ!!」

 

 イーリスは単分子ブレードでエネルギーワイヤーを斬り難を逃れる。

 

「嘘!ええい、ならこうよ!」

 

 投げ飛ばしが出来ないなら直接攻撃で弾き飛ばすしかないと判断した律子は

反転急加速で一気に近づき、ドロップキックで反撃する。

瞬時加速故の直線機動の隙を突いた為簡単に直撃し、大きく間合いを離した。

 

「くっ!やられた!」

 

「良し!これで一転攻勢に出られる!」

 

 ここで律子が一気に攻勢に出る。ビーム砲とレーザー銃からの連射が、

F・クェイクを襲う。

 

「そんな簡単に!!」

 

 イーリスは近づきながら回避運動を行うが、相手も同格の国家代表。

何発か被弾してしまった。

 

「ちっくしょ!やっぱり無傷は無理か!でもアタシをあまり舐めんなよ!!」

 

 それでもやっぱり米国代表。個別連続瞬時加速も駆使して

逃げに集中している場合ではない律子との距離を少しずつ縮める。

ある程度はダメージを受けた物の、インファイト可能な間合いまで追いついた。

 

「くっ、倒しきれなかったか…思ったより小回りが利く様になったのね…!」

 

「結構食らっちまったが、何とか追いついたぜ!今度こそ!!」

 

「私だって!!」

 

 互いに手段を選んでいられなくなったのか、

単分子ブレードで斬りかかるイーリスに対し、

拳や蹴りでは受ける訳にいかない律子はやむなく衝角で受けようとするが、

武器の強度の差は埋めがたく、あっさり斬り落とされ、追撃を喰らってしまう。

 

「おぶはっ!」

 

「まだまだいくぜ!」

 

「させない!」 

 

 律子も反撃と言わんばかりにレーザー銃で応戦するが、

切り払いで姿勢を崩されてしまう。

 

「ンアーーーーーーッ!!」

 

 次々と機体各部に直撃し、見る見るうちにSEが減少していく。

 

「おや?ここに来て試合が動いてるの!決着も近いかな?」

 

 主審のなのはもそろそろ決着がつく頃合いと期待している様だ。

 

「ヤバい!ちょっと喰らい過ぎたわね…」

 

「いける!このままなら…!」

 

 このまま押し切れると確信したイーリスは捨て身の攻勢に出る。

レーザーの反撃に構わず至近距離からの瞬時加速で突撃して、

遂に律子を地面に墜落させた。

 

「やったか?!」

 

 しかし、直後に墜落地点から白い閃光が発生。正体は…。

 

「?! な、何の光?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、危なかった…ギリギリの所でSEが保ったわ…。」

 

 光が収まると、律子が中から現れた。だが様子がおかしい。

 

「ああ!機体の形が微妙に違う…まさか?!」

 

「今日はツイてたみたいね、まさかここで私も二次移行出来るなんて…ね!」

 

「せ、二次移行!よりによって…ここでかよ?!」

 

 何とここに来て律子の秋霜がまさかの二次移行に到達。

 

「二次移行したとなると、新しい銘が必要になるわね…それなら…よし!

秋霜改め、秋霜烈日!この機体の銘は、今から秋霜烈日よ!」

 

「くっそ、生身の暴走核弾頭にやられるわ、

相手が戦闘中に二次移行するわ、今月はとことんついてねえぜ!」

 

「ご愁傷様、こういう事もあると思って諦めなさい!」

 

「あらら、まさかの二次移行なの!」「こ、ここで二次移行なんて…」

 

 流石のなのはもこれには苦笑い。

 

「ねえ、今の見た?!」「見た見た!二次移行ってああなるんだ!」

 

「嘘…生で見ちゃった!」「えー!いいなあ!」「羨ましい!」

 

 他の参加者達も二次移行達成の瞬間を目撃して驚きを隠せない様子だ。

 

 

 

「さあまだ決着は付いてないの!仕切り直していざ最終ラウンドなの!」

 

「やっとここまで追い詰めたのに…!」

 

 とは言え律子が追い詰められたのは事実。何しろ残りSEは5しかない。

つまり、後一撃当てれば勝てるのだ。

 

「何かされる前に、後一撃決めるしかねえ!」

 

 イーリスが急接近すると、律子はリボルバー型に変化したレーザー銃で応戦。

引き金を引いた瞬間、シリンダーが高速回転し、機銃の如き連射が放たれる。

 

「な?!この連射、まさか…

レーザー銃が半自動式から機銃にパワーアップしたのか?!」

 

 これはつまり、牽制用だった飛び道具が

実戦でも真面に通用する兵装にパワーアップした事を意味していた。

 

「私の欲しかった機能がジャストミートで手に入ったわね!

これなら、逆転勝ちも狙えるわ!」

 

 律子は再び上空に上がり、両脚の銃も含めた3挺の機銃で

かわるがわる弾幕を張る。

 

「こ、こいつはキツイ…!」

 

 予想外の火力アップで、たちまち被弾が増えるイーリス。 

しかし、ここで近づかないと更に危険な大型ビーム砲で攻撃されてしまう。

 

「よし…再充填も完了した…。」

 

「ヤバいな…!もうSEが2割もねえ!こうなったら…賭けるしかねえ!!」

 

 個別連続瞬時加速の成功に賭け、最後の正面突撃で決着を付ける積りだ。

 

「これが最後の勝負だ…決まってくれよ!個別連続瞬時加速!!」

 

 一方、律子も最大出力のビームでトドメを刺す考えの様だ。

 

「もう一発も喰らえないわ!

確実に倒せる一撃…最大出力の一撃を当てるしかない!」

 

「「これが…最後!!!!!」」

 

 ズドォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!

 

 真正面からの最後の一撃が炸裂。果たして、その結果は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝負あり…!判定は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドローなの!!この勝負、DKOにつき勝負なしなの!!」

 

 なのはの判定はドロー。一体何が起こったのか?その真相は…

 

「ま、間に合わなかった…」

 

 イーリスは最大出力のビーム砲の直撃で吹き飛ばされ、地面に転がっていた。

では、律子はと言うと…

 

「あ、危なかった…」

 

 何と、秋霜烈日の胸部装甲に単分子ブレードが刺さっていた。

イーリスがビーム直撃の直前に破れかぶれで思い切り放り投げた所、

まだ運が残っていたのかそのまま突き刺さったのだ。

律子自身は何ともないが、残りSE5ではこの一撃は充分トドメとなる。

と言う訳で、両者同時にSE0となった結果ドロー判定が下ったのであった。

 

「決着は付かなかったけど、いい勝負だったの!!

と言う訳で、全員で拍手してあげるの!!さあ拍手なの!!」

 

 なのはの一声で、残りの参加者は全員拍手で両者の健闘を讃えた。

 

「あ、はぁ…ありがとう…ございます。」

 

「ところで~…。」「ビビクッ!」

 

 と、ここでナノリオンが一言。その声に過剰に反応する律子。

 

「せっかくせかんどしふとしたんだから、

こんどはなのはとたたかって…くれるよね?」

 

「え゛?!」

 

「くれるよね?」

 

「あ、いや…えーと…その…。」

 

 律子が周囲を見渡すと、

いつの間にかL・彼岸手が取り囲んで凝視していた。

 

「「「「「「「「じ~…」」」」」」」」

 

「はわわ…」

 

「 く れ る よ ね ? 」

 

他の参加者を見渡すと…

 

「まずは基礎機動からだねー。」「私達も早く二次移行したいなー。(棒読み」

 

「さ、組手組手~。」「取り敢えず、イーリの機体の修復に行かないと…」

 

「ちょっとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお?!!!」

 

翌日、滅茶苦茶どーん!された。

 

 

 

 

 ???

 

 一方その頃この世のどこかでは…

 

「遂に、この時が来たな…。」

 

「はっ。」

 

「■■■様がこの地を首府と定めて440年、今や往時の面影は見る影もなし。

だが、いよいよこの地が在るべき姿に還る時が来た。…例の物はどうじゃ?」

 

「この通りでございます。」

 

「うむ。速やかに複製し、然るべき地に据えるのじゃ。」

 

「仰せのままに。」

 

「良いか、決行はかねての予定通り、神無月の2日とする。

くれぐれも遅れるでないぞ、他の物にも左様伝えい。」

 

「神無月の2日…地上で言う所の来月13日ですな。

しかと承りました。では私は複製の支度にかかりますので、これにて御免。」

 

「うむ。期待しておるぞ。」

 

 またも何者かが良からぬ企みを企てていた。果たして、その目的は?

その答えを知るのは、今はまだ当人ばかりのみ…。




 何か忘れてると思ったら、ヤマトの第三形態「大魔王ナノリオン」の
名前の由来を説明するのをすっかり忘れてました。
といっても、由来は至ってシンプルで、
ナノリオンとは、「ナノ」ハとエヴァンゲ「リオン」をくっつけた造語です。
別に他意はありません。

次回「第37話  ショー・ザ・フラッグ」
なのはがNH○のインタビューで答えた通り、
世界中に真相を公表し信を問う時が来た。
果たして、人類の反応は如何に?
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