自由なチート暇人   作:sakuya-syu

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まえがきで
かくことがなく
どうしよう


第14話

 鷲が封印装置を作り始めてから、二週間が経った。魔力結晶は二日で作ることができたが、ユーに合う封印の術式が見つからなかった。

「ここをこうして、こっちを少し変えて」

『こことここも変えてみたらどうだ?』

 鷲と真紅はほとんど部屋に籠りっきりで、部屋の中は術式を書いた紙が散らばっていた。ご飯は部屋まで持ってきてもらい、部屋から出るのは風呂と術式を試す時だけだった。

「これでどうだ」

『うん、これで試してみよう』

 そう言って、二人はユーのもとへと向かった。

 

 さっそくユーにペンダント型にした封印装置を付けてもらい反応を見る。

「どうだ?」

『昨日より抑制されてる』

「そうか、ならあとは魔力結晶の密度を増やして、術式を強化すればいいか・・・」

「もう、シュウ君、ユーちゃんの為になるのはわかるけど無理したらダメだよ?」

 また考え始める鷲にお茶を持ってきたリア。

「暇だからいいんだ」

「暇って、学校が―ピンポーン―あ、お客さんだ」

 言葉の途中でインターホンが鳴ったので、リアは玄関に向かった。

「さて、一息ついたし戻るか」

 部屋に戻ろうとした鷲だったが、廊下に出たところで声を掛けられた。

「あ、鷲!」

「鷲くん!」

「こんにちは、鷲君」

 そこには金、茶、紫の髪の三人の少女がいた。

「シュウ君のお友達?」

「・・・誰だっけ?」

「「「「ええ!?」」」」

 三人娘だけではなくリアまでも驚く。なぜ?

「学校のクラスメイトじゃないの?」

「一回しか行ってないのに覚えてるわけ無いだろ」

「始業式のあと一緒に翠屋に行ったじゃない!」

「そうだよ」

「そこで変なあだ名付けたの!」

(始業式、翠屋、あだ名・・・)

 それを聞いて、少し考える鷲。

「ああ、お転婆とお嬢様と一般人Aか」

「「違うの(わよ)!」」

「違うのか?じゃあ、知らん」

「「違わないけど、違うの!」」

「何言ってるんだ?」

「えっと、二人はそのあだ名に納得してないから」

「なるほどね」

 お嬢様の言葉に納得。

「ダメだよシュウ君、変なあだ名付けちゃ」

「だって、名前覚えてないし」

「もう、ゴメンね、シュウ君も悪気があるわけじゃないから」

 鷲を諌めて、三人に謝るリア。

「あ、いえ」

「えと、えっと」

「気にしないでください」

「立ち話もなんだから上がって?」

「おい」

 三人を家に上げようとするリアを鷲は止めた。

「なーに?」

「なぜ上げる?」

「まあまあ」

 そう言って、鷲はリアに押し切られた。

 

「それで、今日はどうしたのかな?」

 リビングに招かれた三人はソファに座った。その反対側に鷲とリアも座る。そして、元から座っていたユーが奥に詰めたので必然的に鷲はユーとリアに挟まれて逃げれなくなった。

「えっと、今日は鷲に話があって」

「そうなの?じゃあ、私たちがいたらお邪魔かな」

「いえ!むしろ居てくれた方が助かります」

「で、なに?」

「なにじゃないわよ、どうして学校に来ないのよ」

「つまんないから」

「そんなことないよ、楽しいこともいっぱいあるよ?」

「それはお前が決めることじゃないな」

「うう」

 一言で撃沈する一般人A、・・・めんどいからAにしよう。

「でも、さすがに不登校は良くないよ?」

「たまに行ってるから問題ない」

「たまにじゃなくて毎日来なさいよ」

「土日も来いなんて鬼畜だな」

「もー、ああ言えばこう言う!」

「シュウ君、私も三人の意見に賛成だよ」

『私も』

 リアだけではなく、ユーまで三人に賛成する。

『私も学校は行って損はないと思うぞ、前だって碌に行けてなかったんだから』

(真紅までもか・・・)

 もはや味方はいなかった。今まで真紅は何も言わなかったが、やはり学校に行ったほうがいいと思っていたんだろう。

「(真紅に言われたら仕方ないな・・・)はあ、わかった。行くから、あと三日待て」

「なんで三日なのよ?」

「まあ、やることがあるんだ」

「わかったよ、約束だよ?」

「うん、約束なの」

「仕方ないわね」

 三人は深くは聞いてこず、三日後ということで妥協した。

「シュウ君がやっとまともに学校に行ってくれるよユーちゃん」

『長かった』

 そして、同居人二人は抱き合ってるし。何がそんなに嬉しいんだか。

「ところで、どうして九浄先輩がこの家にいるんですか?」

 話は変わり、お転婆がリアがここにいる理由を聞いてきた。

「リアのこと知ってたのか?」

「知ってるもなにも」

「九浄先輩って」

「すごく有名なの」

「は?」

 意外な事実に驚いた鷲はリアを見る。

「ええっ?私、そんな有名じゃないよ」

「だって、テストで常に一位だし」

「四年生で生徒会の仕事を手伝ってるし」

「誰にでも優しいの」

「みんなの憧れよね」

「うん」

「多分、知らない人はいないんじゃないかな?」

「へえ、リアがね」

 ニヤニヤと鷲はリアを見る。おそらく、生徒たちは普段の天然な姿を皆知らないのだろう。

「もう!なんなの、シュウ君!」

「別に、で、リアがここにいる理由は一緒に住んでるからだ」

「ああっ、話そらしたー!」

「ここで」

「一緒に」

「住んでる?」

 お転婆、お嬢様、Aは言ったことを繰り返す。

「「「ええ!?」」」

 三人は同時に声を上げる。

「ちょっと、どういうことよ!」

「そうだよ!」

「なんで一緒に住んでるの!?」

「落ち着け」

 大声を出す三人をなだめる鷲。

「一緒に住んでる理由は俺らが親戚同士だからだ」

「親戚?」

「ああ、リアとユーはここに住んでて俺がここに居候してるんだ」

「あれ?鷲くんたちのご両親は?」

「・・・俺とリアも両親は忙しくて家に帰ってこない」

 リアはともかく俺の両親は死んでいる。リアの両親は前の世界で生きてるか知らんが。

「え、えっと、そうなの。だから、普段は私たちだけで住んでるんだ」

 慌てながらも話を合わせるリア。

「ふーん」

「へえ」

「そうなんだ」

 納得する三人。

「でも、意外よね」

「何が?」

「学校一の優等生と学校一の問題児が同じところに住んでるなんて」

「うん」

「でも、小説みたい」

「あはははは」

「・・・・・・」

 苦笑いするリアとお茶を啜るユー。

「いろいろあんだよ。ところでいいのか?」

「なにがよ?」

「そろそろ暗くなるぜ?」

 鷲がそう言うと三人は外を見る。外は既に薄暗くなっていた。

「うわっ、やばっ」

「大変!」

「はやく帰らないと!」

 慌ただしく帰り支度をする三人。

「鷲!三日後、必ず学校来なさいよ!」

「絶対だよ?」

「約束だからねっ」

 そう言って、三人は帰っていった。

 

「はあ、めんどくさ」

 なぜ、あんな約束をしてしまったのか。

「もう、そんなこと言わないの。一緒に学校行こうね」

「はいはい」

 そう返事をするとリアは、うんと頷いて夕飯の支度を始めた。

―くいくい

 袖を引かれる。

「なんだ?」

『鷲が学校に行かなかったのは私のため?』

「・・・そんなんじゃねえよ。学校がつまんないしメンドイからだ」

『そう』

 いつものように無表情だが、何故か嬉しそうに見える。

 その日の夕飯は、鷲の隣に座ったユーとの距離が心なしか近く感じられた。

 

 




次回はやっと学校に行くのか!?そろそろ原作が始まる、・・・かも
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