「う、ん」
少年が目を覚ますと最初に目に入ったのは数多くの本だった。巨大な本棚にぎっしりと本が埋め尽くされ、果てが見えないほど列が続いていた。
「ここは・・・」
『シュウ!』
突然、目の前に現れた少女に名前(愛称だが)呼ばれた。
「真紅!なんでここに―」
―いるんだ?と問いかけが途切れた。少年は目の前の光景に呆然とした。なぜなら目の前にいる真紅と呼ばれた少女が―
―半透明だったから―
「・・・・・・」
見開かれた少年の目を見て真紅は苦笑した。
『ははは、どうやら私は死んでしまったらしい』
「・・・死んだ?」
『ああ、だから私だけ半透明なんだと思う』
あっけなく言う彼女に言われて少年は自分の身体を見る。
透けていない。手足もちゃんと動く。
「そうか、俺が・・・・・・」
『違うよ』
俺が殺したと思ったとき真紅が遮る。
『私はシュウに殺されたわけじゃない。私がこうしているのはお前を助けたからだ』
「俺を、助けた?」
『ああ。お前はあのままでは世界ごと死んでしまっていたかもしれない。私はお前に死んで欲しくなかったから、封印の術を使ったんだ』
「あのまま・・・、ぐっ」
少年はここで目を覚ます前のことを思い出そうとした。そして、その時の出来事がフラッシュバックする。
『大丈夫か?』
「ああ」
真紅は心配そうに顔を覗き込んで手を握る。
「思い出したと思う。ところどころ曖昧だが・・・」
『そうか』
「結局、俺がお前を殺したんだな・・・、他の奴らも」
『私はシュウに殺されたなんて思ってない。私がバカだったんだ。術式を組んでお前にかければ、助かると思ったんだ』
彼女はしょんぼりしながら、後悔した。なぜ、もっと早くに封印をしなかったのか。なぜ、うまくいかなかったのか。なぜ、このような本ばかりある場所にいるのは自分が失敗したせいではないのかと。
「・・・・・・」
少年は悔しかった。目の前の少女を守れなかったことに、泣かせてしまったことに、なにより自分に才能がなく弱いことに。
「いえ、あなたたちは悪くありません」
不意に聞こえた声に二人はバッと振り向いた。そこには銀色に輝く髪を持つ美女がいた。
「誰だ」
少年は半透明な彼女を庇うように立ち、いつでも攻撃できるように構えた。
「私は敵ではありません。ここの管理者です」
『管理者?』
「管理者ってやつなだけで、敵じゃないと決まったわけじゃない」
なおも構えを解かない少年に美女は微笑む。
「確かにそうですね。ですが、敵と決まったわけでもありませんよ?」
美女は微笑む。
「・・・・・・」
「では、こうしましょう。あなたたちは私に質問してください。ワタシはそれに答えます」
「あんたが本当のこと言うとは限らない」
「そこは信じてほしいとしか言えませんね」
「・・・・・・」
『シュウ・・・』
不安そうに服を握る真紅に少年は、ため息をつく。ここは少しでも情報が欲しいので仕方がなかった。
「わかった。あんたを信用するわけじゃないが聞いてやる」
「ははは、ありがとうございます」
この発言には美女も苦笑いだった。これから彼らの質疑応答の時間が始まった。
思ったより長くなったので一度区切ります。主人公はオリジナルですが、真紅という少女は知っている人は知っていると思います。次でなのはの世界に行けたらいいなと思ってます。誤字脱字などありましたらよろしくお願いします。