自由なチート暇人   作:sakuya-syu

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第19話

 外に出た鷲は動物病院より、少し離れた家の屋根の上にいた。

「そろそろだと思うんだが・・・」

 そこから辺りの様子を伺う。

「お、来たな」

 視線の先には一般人Aが走っていた。

 

 

Side-高町なのは

 今、なのはは夜の住宅街を走っている。なぜ走っているのかというと助けを呼ぶ声が聞こえたからだ。そして、私は声が聞こえた方向、動物病院に向かっている。

 動物病院に着くと、壁が崩れる音がした。

「な、なに!」

 そこで見たのは、助けたフェレットが黒い何かから逃げているところだった。

「あ、危ない!」

 フェレットは逃げ回っているうちに衝撃で吹き飛ばされた。なのはは吹き飛ばされたフェレットを受け止める。しかし、その拍子に尻餅をついてしまった。

「な、なんなの!?」

「来てくれたの?」

「しゃ、しゃべった!?」

 ただでさえわけがわからないのに、フェレットが言葉を喋って、もう、何が何だかわからなくなる。とりあえず、深呼吸をして落ち着く。

「と、とりあえずここから逃げよう!」

「は、はい!」

 私はフェレットを抱えてそこから離れた。

「い、一体、何が起こってるの!?」

「君には資質がある。お願い、僕に少しだけ力を貸して!」

「し、資質って!?」

「お礼はします、お礼は必ずします。僕の持っている力をあなたに使って欲しいんです。僕の力を、魔法の力を」

「ま、魔法?」

 突然、魔法などと言われて驚くなのは。そこに黒い獣が襲ってくる。なのはは咄嗟に電柱の陰に隠れた。

「お礼は必ずしますから!」

「お礼とか、そんな場合じゃないでしょ!」

 黒い獣はその場で留まっている。

「どうすればいいのっ?」

「これを」

 そう言って首についていた赤い玉を渡すフェレット。

「あったかい・・・」

「それを手に、目を閉じて、心を澄ませて、僕の言った言葉を繰り返して」

「う、うん」

 

「我、使命を受けし者なり」

「我、使命を受けし者なり」

 

「契約のもと、その力を解き放て」

「契約のもと、その力を解き放て」

 

 暖かい光がなのはを包み込む。

 

「風は空に、星は天に」

「風は空に、星は天に」

 

「そして、不屈の心は」

「そして、不屈の心は」

 

「「この胸に!」」

「「この手に魔法を!レイジングハート、セットアップ!!」」

<スタンバイレディ、セットアップ>

 なのはの持っている赤い玉から桜色の魔力が放出される。

「な、なあっ」

「な、なんて魔力だ・・・」

 その魔力量に呆気にとられるフェレット。

「落ち着いてイメージして。君の魔法を制御する魔法の杖の姿を。そして、君の身を守る強い衣服の姿を!」

「そんな、急に言われても・・・。えと、ええと・・・」

 なのははイメージする。杖の姿を、衣服の姿を。

「と、とりあえず、これで!」

 なのはは強い光に包まれる。その光が止むとそこには、手には赤い玉がついた杖を持ち、服は白がメインで青と黄色の模様が入り、胸には赤いリボンをつけていた。

「成功だ」

「ふぇ、ええっ、なんなのこれ?」

 いきなり服装が変わったことに戸惑うなのは。

「グルルルル・・・」

 黒い獣はなのはを見て、警戒の唸りを上げる。しかし、黒い獣は何かを見つけたようでなのはとは別の方向へ飛んでいった。

「えっ、なに!?」

「まずい、追いかけなきゃ!」

 追いかけようとするなのはとフェレットだが、何かが目の前に落ちてきた。

「こ、今度はなんなのっ?」

「グウウウウ」

「な、なんでっ?」

「とりあえず、封印を!」

「え、どうやるのっ?」

「心を澄ませて、そうすればあなたの心に呪文が浮かぶはずです!」

「心を・・・」

 心を澄ませるなのは。

「っ、リリカルマジカル―」

「封印すべきは忌まわしき器、ジュエルシード!」

「ジュエルシード、封印!」

<シーリングモード、セットアップ>

 桜色のリボンが黒い獣を縛る。すると、額に数字がⅩⅩⅠと浮かび上がる。

「グオオオオ」

<スタンバイレディ>

「リリカルマジカル、ジュエルシード、シリアル21、封印!」

<シーリング>

 そして、獣は桜色の光に包まれ消滅した。あとに残ったのは青い宝石だった。

「これがジュエルシードです。レイジングハートで触れて」

 なのはは言われたとおり、レイジングハートをジュエルシードに近づけると、ジュエルシードはレイジングハートの中に取り込まれた。

<ジュエルシードナンバー21>

 取り込まれると、なのはの服装が元に戻った。

「あ、あれ、終わったの?」

「はい、あなたのおかげで。ありがとう―」

 そう言うと、フェレットは気を失ってしまった。

「ちょっと、大丈夫!?ねえ!」

 

―ファンファンファン

 

 遠くからパトカーのサイレンの音が聞こえる。あたりは電柱が倒れて塀が崩れ、地面には穴があいている。

「も、もしかしたら、私、ここにいると大変アレなのでは?と、とりあえず」

 なのははフェレットを抱え込む。

「ご、ごめんなさーい!」

 なのははその場を去った。

 

 

 先ほどの様子を終始見ていた鷲。

「面白いものが見れたな」

『魔法少女になる瞬間が見れたな』

「ああ、それと封印するときの呪文だったか、あれをあいつが大きくなった時に見せたら面白そうだな。ラピス」

<言われたとおり、撮っておきましたよ>

「これで、将来の楽しみが増えたな。しかし、あれがいきなりこっちに気づくとは思わなかったぞ」

 そう、さきほどAを無視したのは鷲に襲いかかって来たためだった。

<ですね、獣の勘でしょうか?>

「多分な、まあ、蹴り返してやったが」

『あはははは、私もまさか蹴り返すとは思わなかったよ』

<主様も普通に助けてあげればよかったのに>

「それは面白くないから嫌だ」

<高町さんが怪我をしたらどうするんですか>

「そんときはそんときだ」

<もう>

『ラピス、シュウだってあの子が怪我しそうになったら助けに行ってたよ』

<そうなんですか?>

『ああ、シュウはこう見えても優しいんだぞ?』

「勝手なことを言うな、俺は面白そうだから見に来たんだ」

『ははは、そういうことにしておくよ』

「・・・・・・」

<ところで、主様はこの物語に介入しないんですか?>

「あ?介入したら物語が滅茶苦茶になるだろ」

<いいえ、この物語は平行世界です。原作の物語が変わることはありません>

「・・・・・・」

 無言でラピスラズリを握る鷲。

<あ、主様?ど、どうして私を握るんですか?ちょっ、力入れすぎじゃないですか!?>

 

―ピキッ

 

<あ、主様!?>

「ラピスラズリ、俺はこの物語が、いや平行世界の存在の話なんか聞いていないんだが?」

 鷲が愛称ではなく、正式名称でラピスを呼ぶ。

『ラピス、鷲が相手をフルネームで呼ぶときは結構怒っている時だ。下手なことは言わないほうがいいぞ』

 幼馴染が言うのだからそれは本当だろう。現に、ヒビが入るほど握りしめている。

<主様!お話しますから、力を入れないでください!お願いします!>

 仕方なく力を緩める鷲。

「で、平行世界ってどういうことだ」

<えっと、あの図書館には様々な世界の本があることは話しましたよね>

「ああ」

<あの図書館では、主様たちのような現実を生きる世界や物語の世界だけではなく、平行世界、正確にはIfの世界や違う時間軸の世界の本もあるのです>

「違う時間軸だと?」

<はい、それを立体平行世界と呼んでいます。なので、あの図書館の広さは無限にあります>

「そりゃそうだろうよ。で、それをなんで黙っていた?」

<す、すみません>

「・・・・・・」

『シュウ、ラピスのいつものうっかりだ。許してやろう』

<真紅様~>

「まあ、いい。その話は今度じっくり聞かせてもらう」

<わかりました、ありがとうございます>

「で、今の話に戻るが、あのジュエルシードってのはなんだ?」

<それは私にもわかりません。あのイタチの少年に聞いてみてはいかがですか?>

「・・・それしかないか。とりあえず帰るぞ」

『ああ』

<はい>

 彼らは家に帰った。

 

 




原作を知らないので見ながらやってみました。多少違うところもありますが、そこはオリジナリティということで。
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