自由なチート暇人   作:sakuya-syu

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頑張るかー


第21話

 翌日の早朝、鷲と真紅はあの図書館にいた。実は過去に何度かここに訪れていたことがある。呪文を手に入れた彼は転移魔法を覚えた。そして、適当に転移するとそこはあの図書館だったのだ。そして彼らは今、調べ物をしている。

「・・・・・・」

 鷲は黙々と本を読み進めている。その速さはページを見たらすぐ次のページに映るくらいの速さで、本当に読んでいるのか疑問に思うくらいだった。

 この図書館には生物の本だけではなく様々な知識がある。ただし、鷲が見れるの知識は物語の世界だけのもので、現実世界の知識は厳重に封印されている。

『どうだ、なにか見つかったか?』

「いや、ジュエルシードについては色々書いてるが、正しい使い方までは書いてないな」

 そう、鷲と真紅はジュエルシードについて調べている。理由はイタチの言っていたことだ。

 

―願いを叶える石―

 

 しかしそれは、歪んだ形でしか叶えられない、なぜか?

 

―魔力が不安定だから?

―誤った使い方をしているから?

―ならその使い方は?

 

 ならば、世界の叡知が集まるこの場所で調べてやろうと鷲はここに来た。ここならば平行世界の知識も知ることができる。

「真紅、次を頼む」

『ああ』

 真紅は持っている本を鷲に渡す。これを鷲たちは二時間程繰り返して、読んだ本は軽く百は超えている。

『っと、シュウ、そろそろ時間だ』

「ああ、今―ッ」

 行くと言おうとした言葉はそのページを見て途切れた。鷲は見つけたのだ、ジュエルシードの正しい使い方を。

『見つかったのか?』

「ああ」

 鷲はこの時決意した。これからの行動を。

 

 

 図書館から戻った鷲は学校に行く支度をして、リアと家を出た。

 いつも通り、玄関でリアと別れて教室に向かう。

「あ、鷲くん、おはよう!」

「おはよう、鷲君」

「おはよう」

 教室に入ると三人娘が挨拶をしてくる。

「ああ、おはよう」

「「「・・・・・・」」」

 返事をした鷲を見て彼女たちは固まっていた。

「なに固まってんだ?」

 疑問に思った鷲は聞いてみる。

「だ、だって」

「鷲君が」

「挨拶をするなんて」

 どうやら、挨拶をしたから驚いていたらしい。

「そんなことか、今日は気分がいいんだ」

「何かいいことあったの?」

 お嬢様が聞いてくる。

「まあな」

 それは先ほどのことだった。

「へえ」

「じゃあ、気分のいいアンタにさらに良い事を教えてあげる」

「いや、いい」

「き・き・な・さ・い!」

「はいはい」

 両手を腰に当て顔を近づけて来たので、避けながら返事をした。

「今日、すずかの家でお茶会をやるからアンタも来なさい」

「・・・なぜ?」

「ほら、せっかく仲良くなったんだし、もっとお話したいなあって」

 猫町が笑顔で言ってくる。なんかムカついたので、すこしからかう事にする。

「お嬢様、お転婆、知ってるか?」

「うん?」

「何をよ」

「昨日、神社にばけ―」

「にゃあああ!」

 猫町は慌てて鷲の言葉を遮る。

「ばけ?」

「ちょっとなのは、うるさいわよ」

「な、なななんでもないよ!?」

「で、ばけ、なんだって?」

「ばけ―」

「にゃあああ!」

 まとも鷲の言葉を遮り、手で口を塞ぐ。

「ばけ、ばけ、バケツが落ちてたんだよ!」

「はああ?バケツ?」

「なんでバケツ?」

 お転婆とお嬢様は猫町の言葉に首を傾げる。

「ほ、ほんと、なんでだろうね!?あはははは!」

 笑って誤魔化す猫町。うん、まあまあ面白いものが見れた、満足。

「おい猫町、そろそろ手をどけろ」

 なので手をどけるように言う。

「にゃっ、ご、ごめんなさい!」

「「・・・・・・」」

「ど、どうしたの二人とも?」

「どうしたって」

「鷲君のなのはちゃんに対する呼び方が変わってるよね?」

「そ、それは」

 二人の疑問に慌てた猫町はこちらに視線で助けを求めてきた。

「まあ、多少は(面白い存在として)認めたってことだな」

 そう言って席に着く鷲。

「え!?しゅ、鷲くん!?」

「なのは」

「なのはちゃん」

「え、ええと、つまり、これは・・・」

「「詳しく聞かせてね(もらうわよ)」」

「にゃあああああ!」

 教室に大きい猫の鳴き声がこだました。

 

 

―昼休み―

 午前の授業も終わりいつものようにリアを含めた五人で弁当を食べている。今日わかったことは猫町のリアクションが暇つぶしにはちょうどいいということだ。

 

~授業中~

 教師が授業をしている中、ボーッとする猫町。後ろにいる鷲はそれを見て、ジュエルシードのことを考えているのかマルチタスクを使っているんだろうと思った。そこでふと思う。猫町は鷲が魔力を抑えているとはいえ、念話を聞けるということを知らないはずだ。

 チラリと猫町を見る。まだボーッとしている。

《真面目に授業を受けんか!猫町!》

 鷲は念話を大声でしてやった。

「にゃっ、ご、ごめんなさい!」

 勢いよく立ち上がり謝る猫町。

「高町さん、どうかしましたか?」

「え、ええっ?な、なんでもないです!」

 そう言って、席に座る猫町。周りからはクスクスと笑い声が聞こえる。

「うう」

 顔を真っ赤にしてうつむく猫町。すると、猫町から念話が飛んできた。

《ひ、ひどいよ!鷲くん!》

《はて、なんのことやら》

《とぼけないでよ!猫町って呼ぶの鷲くんくらい、しか・・・》

《呆けてるお前が悪い》

《鷲くん?》

《なんだ?》

《念話、使えるの?》

《ああ、ちなみに昨日お前が念話してるのも聞いてたぞ》

《・・・・・・》

 猫町は沈黙している。頭が真っ白になっているようにも見える。

《えええええ!?》

 ガタっと勢いよく後ろを、鷲に振り向く猫町。鷲は今の念話のボリュームで頭痛がした。

「高町さん、何かありましたか?」

「な、なんでもないです」

 再び教師に指摘された猫町は前を向く。

《うるさいぞ、猫町、頭がいてえ》

《ご、ごめん》

《頭が痛いから寝るわ》

《え、ちょ、ちょっと鷲くん!?―ブツ》

 鷲はそのまま机に伏して昼休みまで寝た。

 

 とまあ、多少の頭痛はあったが、暇は少し潰せた。

「むー」

 授業中のこともあって猫町は頬を膨らませていた。

「なんでなのはは膨れてるの?」

「さあ?」

 原因は鷲だがとぼけた。

「まあいいわ。それより鷲、今日の放課後ちゃんと来なさいよ」

「どこに?」

「今朝言ったでしょ、すずかの家よ」

「え、シュウ君、今日すずかちゃんの家に行くの?」

「いや―」

「はい、先輩もどうですか?」

 お転婆が鷲の否定の言葉を遮り、リアも誘う。

「うーん、ごめんねー、今日は生徒会があるんだー」

「そうなんですか、残念です」

「じゃあ、鷲は借りますね」

「うん、楽しんできてね」

「おい」

「鷲君、ケーキもあるよ?」

「・・・仕方ない、行ってやろう」

 お嬢様の一言で陥落する鷲であった。

「じゃ、放課後、一度帰ったらすずかの家に集合ね」

「うん」

「俺はお嬢様の家は知らんぞ」

「ああ、そうだったわね」

「まあ、なんとかなるだろ」

「迷ったらどうすんのよ。なのは、一緒に行ってあげなさいよ」

「つーん」

 お転婆に話を振られるが、不機嫌そうにそっぽを向く猫町。

「アンタ、なのはに何したの?」

「まあ、少しからかっただけだ」

「アンタは何してんのよ」

「暇つぶし?」

「なんで疑問系なのよ!いいから仲直りしなさい!」

「ふむ」

 

 猫町が機嫌を直さない→お嬢様の家に行けない→ケーキが食べれない

 

「猫町、ほら、この卵焼きをやろう」

 鷲は猫町の弁当箱の上に自分の卵焼きを乗せた。

「むー、こんなのでごまかされないの」

 そう言いながらもそれを口に運ぶ。

「ん!?」

 その瞬間猫町は固まった。

「どうしたの、なのは!」

「大丈夫、なのはちゃん!」

「あははは、やっぱりこうなるよねえ」

 固まった理由を知っているリアは笑いながら傍観している。

「アンタ、なのはになに食べさせたのよ!」

「卵焼き」

「なのはちゃん、大丈夫?」

「お」

 固まった猫町が声を出した。

「「お?」」

「おいしいー!!」

「うわっ」

「びっくりしたー」

 突然声を上げた猫町に驚くお転婆とお嬢様。

「この卵焼き、すごっくおいしいよ!」

「それはそれは」

「これ作ったの、リア先輩ですか!?」

「あはははは、今日のお弁当を作ったのは私じゃなくてシュウ君だよ」

「え!?鷲くんが!?」

「なによ、気になるじゃない。アタシにも寄こしなさいよ」

「私も」

 好奇心に負けてお転婆とお嬢様が鷲の弁当箱から唐揚げとミニハンバーグを持っていく。

「おい、お前らメインを持ってくんじゃねえよ」

「な、なに、これ」

「す、すごく、おいしい」

「だよね、シュウ君の作るご飯はすごくおいしいんだよねー」

「た、確かに」

「すごく」

「美味しいの・・・、なんか」

「「「「女の子として負けた気がする(の)(わ)」」」」

「いいから早く食え、チャイムが鳴るぞ」

 なにやら落ち込んでいる四人を急かす鷲。

 結局、卵焼きで許した猫町が鷲をすずかの家に連れて行くことになった。

 

 




最近、自分の文章力の無さに嫌気がさしてきました。
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