自由なチート暇人   作:sakuya-syu

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オリジナルな展開を書いてみる。


第24話

 翌日、休日で鷲は暇だったので、真紅と二人で街中を歩いていた。

[暇だな]

『そうだな、本屋にでも行くか?』

[いや、今欲しい本はないからいい]

『そうか、なら、適当にぶらつくか』

[ああ]

 二人は街中をぶらついた。

 

 

―三十分後―

 鷲は公園のベンチで座りながら、ダラっとしていた。周りには誰もいないので普通に真紅と話していた。

「暇すぎるだろ、暇が売れたら大儲けできそうだ」

『ははははは』

「何か面白いものは―、お?」

 辺りを見渡すと、鷲は青い宝石を見つけた。

「これは」

『フェレットが集めてる宝石だな』

「ジュエルシードか」

 鷲はそれを拾い上げる。

「それをこちらに渡して」

「あ?」

 振り向くとそこには昨日の金髪の魔導師がいた。

「・・・なんだ、パツキンか」

「あなたは・・・」

 金髪の魔導師は昨日のあの場にいた鷲のことを見て驚いていた。だがそれも一瞬だった。

「それを渡してください」

「断る」

 デバイスを向ける金髪の魔導師(以降パツキン)。

「渡さないというなら」

「武力行使か?お前じゃ俺に勝てないと言ったはずだが?」

「・・・それでも」

「オーケー、敵わない相手に立ち向かう勇気に答えて受けてやろう」

「・・・・・・」

 無言でデバイスを構えるパツキン。

「焦るな、戦うわけじゃない」

「・・・じゃあ、どうするの」

 デバイスを構えたまま警戒する。

「ゲームをしようぜ」

「・・・ゲーム?」

「おう、ルールは簡単、俺は今からこれを持って逃げる。俺を捕まえたらお前の勝ち、これをやる。要は鬼ごっこだ、簡単だろ?」

「・・・私が負けたら?」

「そうだな、これからはゴスロリの服で過ごしてもらおうか」

「ゴスロリ?」

 意味が分からず首を傾げるパツキン。

「通じないのか。なら、ケーキでも奢ってもらうかな」

「・・・そんなことでいいの?」

「まあな、ただの暇つぶしだし。後、そこに隠れてる奴も参加していいぞ」

「っ」

「・・・アンタ、気づいてたのかい?」

 木の陰から出てきたのはオレンジ色の髪に犬耳が生えている女性だった。

「最初からな。場所はこの街中、制限時間は日が暮れるまでだ。何か質問は?」

「・・・あなたを捕まえたら、ジュエルシードを渡してくれるの?」

「ああ、二言はないぜ」

「・・・わかった」

「フェイト!」

「大丈夫、必ず捕まえてみせる」

「・・・わかったよ、フェイトが言うなら」

「話は終わりか?じゃ、スタートだ!」

 始めの合図とともに鷲は駆け出した。

 

 

Side-フェイト

 彼女は今、ジュエルシードを持った少年と向き合っている。彼を捕まえたらジュエルシードをくれるらしい。

 少年は始めの合図で物凄いスピードで走り出した。

「速いっ」

「なっ」

 魔法を使った形跡もなく、あっという間にいなくなってしまった少年。隣にいる使い魔―アルフもその速さに驚いていた。

「アイツ、なにもんだい!」

「っ、アルフ、追いかけるよ!」

 アルフの声に正気に戻ったフェイトは少年を追いかけた。

 

「フェイト、あっちだ」

 アルフは狼の素体から作られた使い魔だ。なので、その鼻を使って匂いを追っている。

 フェイトたちはその方向へ飛んでいく。

「魔法を使った私より速いなんて」

 自慢ではないが、フェイトの速さは魔導師の中でも速い方である。そのフェイトが追いつけないとなるとあの少年は只者ではないということだ。

「見つけた!」

「お?やっと追いついたか、遅かったな」

「・・・・・・」

 彼の挑発に無言で答えるフェイト。彼はビルの屋上に立っていた。

「ふんっ、アンタなんかすぐに捕まえてやるさ!」

 そう言って、アルフは少年に飛びかかる。

「お前は猪か」

 少年はそれをヒラリと躱してアルフの背中を押す。その勢いでアルフは地面に倒れてしまう。

「がっ」

「おお、痛そうだな」

 カラカラと笑う彼にフェイトは話しかけた。

「あなたは何者?」

「見ての通りただの子供だ」

「ただの子供は魔力刃を素手で受け止めたり、身体能力だけであんなに速く走れないし、こんなに高く飛べない」

「お前の認識が間違ってるだけだ」

「むう」

 少年の言葉に少しむくれるフェイト。

「なんだ、普通の感情も出せるじゃねえか」

「え?」

「クール系も悪くないが、感情は出したほうが可愛らしいぞ」

「・・・・・・ボンッ」

 少年の何気ない言葉に顔を真っ赤にするフェイト。

「フェイト!しっかりして!」

 叫んだアルフは少年の後ろから再び飛びかかる。

「ほい」

 少年はアルフにそのまま背負投げをしてフェイトの方へと投げた。

「うわっ」

「あ、アルフ!」

「甘いな」

「くそっ」

「ほら、日没まで時間がないぞ」

 あたりは夕方。オレンジ色の日の光りがあたりを覆っている。

「行くよ、アルフ」

「おうさ!」

 今度は二人同時に飛びかかる。

「ほっ」

 少年は逆にこちらに走ってきてそのまま飛んだ。

「なっ」

「くそっ」

「じゃーな」

 彼はそのままビルとビルの間を飛んでいく。

「次こそ負けない!」

<ソニックムーブ>

 フェイトは魔法を使って追いかける。

 

 フェイトは彼の数メートル後ろまで追いついた。

「おお、この速さに追いつくのか。それも魔法か?」

「もう、速さでは負けない!」

「ハッ、ならもう少しスピードを上げるぞ!」

 さらに少年は加速した。

「なっ」

 今まで、少年の本気だと思っていたスピードに、自分も本気のスピードを出して追いついた。しかし、それはフェイトの勘違いで彼はまだ本気を出してはいなかった。それに彼は少しといった。ならば、まだまだ速さは上がるだろう。

「くっ」

 そのスピードの差にどんどん突き放されていくフェイト。

 やがて、日が暮れて辺りは暗くなった。

「タイムオーバーだ」

「・・・・・・」

 鬼ごっこは少年の勝ちで終わった。

 

 

「タイムオーバーだ」

「・・・・・・」

 現在、鷲とパツキンは川原にいた。辺りは日が暮れ、通る人影もいない。

「じゃ、ケーキよろしく。ま、なかなか楽しめたぞ」

「・・・・・・」

 無言で鷲を睨むパツキン。

「じゃあな」

 鷲はパツキンの方へ歩いてくるとすれ違い様にジュエルシードを渡す。

「え?」

 ジュエルシードを渡されて驚くパツキン。

「な、なんで・・・」

「別に負けたらやらないとは言ってないからな」

「・・・・・・」

「じゃ、今度会うときはケーキな」

 そう言うと、鷲は帰っていった。その場に残されたパツキンは彼が歩いて行った方向をしばらく見つめていた。

 

 

 




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