・・・・・ラピスはもっと空気?
―翌朝、学校にて―
すずかはいつものように、猫町とお転婆と話していた。
―ガラガラ
そこへ鷲が教室に入ってきた。
「あ、鷲くん、おはよう」
「今日も来たわね」
「じゃ、帰るわ」
鷲はそのまま踵を帰ろうとする。
「なんでよ!」
しかし、お転婆に止められてしまった。仕方なく、席に着く。
「鷲君、おはよう」
「おはよう、すずか」
「「・・・・・・」」
「今日は早いんだね」
「まあ、最近はリアに起こされるしな」
沈黙する二人をおいて、会話を続ける鷲とすずか。
「どうしたの?二人とも」
「すずか、アンタ・・・」
「すずかちゃん・・・」
「え、な、なに?」
二人の剣幕に威圧されて後退るすずか。
「鷲くんに名前で呼ばれてるけど、どうしてかな?」
「なんで、名前で呼ばれてるのよ?」
「え、えっと、それは・・・」
さすがに、昨日誘拐されて、吸血鬼だとバレましたなんて言えない。
「まあ、昨日、色々あったんだ」
鷲がフォローを入れる。
「色々ってなによ?」
「簡単に言えば本仲間になったってことだ」
「本、仲間?」
そう言うと、お転婆は考え込んだ。
《鷲くん》
すると、念話で猫町が話しかけてきた。
《なんだ?》
《ほんとにそれだけ?》
《他に何かあって欲しいのか?》
《そういうわけじゃないけど・・・》
「でも、アンタ、前に本のことで話してても名前で呼ばなかったじゃない」
どうでもいいことは覚えているようだ。なかなか勘が鋭い。
「なんかバカにされた気がするわ」
「・・・はあ」
「それで、本当は何があったの?」
お転婆は追求してくる。
「まあ、俺がすずかに(興味を)惹かれただけだ」
「しゅ、鷲君!?」
「あ、アンタ・・・」
「ひ、惹かれたって、も、もしかしてっ・・・」
「ん?」
「あ、アンタ、す、すずかのこと、す、好きなの?」
どうやら、慌てていたのは勘違いをしていたかららしい。
「そうなのか?」
「なんで、本人がわかんないのよ!」
「他人に興味を惹かれるのは好きになるということなのか?」
「「「え?」」」
鷲の言葉に呆気にとられる三人娘。
「んー、俺はすずかを好きになってたのか・・・」
一人で考え込む鷲。それを見て猫町とお転婆は慌てた。
「そ、そんなことないよ!興味を持ったからって、その人のこと、す、好きになったわけじゃないよ!」
「そ、そうよ!興味を持つことと好きになることは別物よ!」
「・・・早とちりかあ」
慌てる二人に対して、落ち込むすずか。
「ま、そういうことで」
そこでタイミングよくチャイムが鳴る。三人娘はそれぞれの席に戻っていった。
―昼休み―
今日はリアも含めた五人で弁当を食べている。
「リアさん、知ってました?」
「え、何を?」
弁当を食べている途中、猫町が話を切り出す。
「鷲くんがすずかちゃんのことを名前で呼んでることです」
「ええっ、そうなの、シュウ君!」
リアやユーにも言ってないので知るはずもない。当然、そのことに驚くリア。
「リア、静かにしろ」
「あ、ごめん、・・・じゃなくて、どういうこと!?」
話題に挙げられたすずかは顔を赤くする。
「・・・俺が誰かを名前で呼んだらおかしいのか?」
「そ、そうじゃないけど、で、でも、お菓子のあたりが三回連続で当たるくらいすごいことだよ!」
「例えが微妙だな」
「うう、ど、どうしよう」
「何が?」
「・・・な、なんでもない!(きっと、すずかちゃんの反応から見て、あれは確定だよね・・・。うう、ユーちゃんはともかく、なのはちゃんも怪しいのに、どうしよぅ)」
ライバルが増えたと心の中で嘆くリア。
「まあ、鷲がすずかを名前で呼ぶのはいいとして」
「今朝はアリサちゃんも慌ててたの」
「いいとして!」
「ごまかしたな」
「うるさい!」
お転婆は鷲に輪切りのレモンを投げ付けられた。
「食べ物を粗末にするな、レモンで泣くぞ」
「そんなことあるわけ―」
鷲は輪切りのレモンを半分に折って、お転婆の目に向ける。※真似しないでね※
「きゃあっ、し、しみるー!」
「だから、言ったろ」
「もう、ダメだよシュウ君、女の子にそんなことしちゃ」
リアはお転婆の目をハンカチで拭いてあげる。
(・・・男ならいいのか?)
そんなことを思う鷲。
「うう、まだ、しみるぅ」
「・・・はあ、お転婆、ちょっとこっち来い」
鷲は弁当を置く。
「なによ」
お転婆はまだ何かやるのかと警戒する。
「いいから」
「・・・・・・」
警戒しながらも鷲に近づく。近づいてきたお転婆の目にさっと手を近づける。
「え?」
「これでもうしみないだろ」
「あ、アンタ、今何したの?」
「おまじない」
「おまじないって・・・」
今、何をしたのか気づいたのはリアだけだった。猫町は一瞬魔法かと思ったが、魔力反応がなかったのでわからなかった。まあ、使ったのは魔術の方だからこの世界の住人には気づかれない。
「これに懲りたら食べ物を粗末にしないことだ」
「わ、わかったわよ」
鷲は再び弁当を食べ始める。
「それでアリサちゃん、さっきなんて言おうとしてたの?」
リアが話を戻した。
「えっと、今週の土曜日になのはのお父さんが監督してるサッカーチームの試合があるんです」
「そうなんだー」
「はい、なので、先輩も一緒に応援に行きませんか?ついでに鷲も」
「うん、私はいいよ」
「アンタは?」
「俺はついでだろ?行く必要ないじゃん」
「そんなこと言わないで一緒に行こうよ」
「うん、きっと楽しいよ」
すずかと猫町が誘ってくる。
「俺はユーと留守番してる」
「じゃあ、ユーちゃんも連れて行こう」
「・・・リア、お前は俺が嫌いなのか」
「ええ!な、なんで!?」
「いいから、アンタも来なさい。拒否は認めないわ」
「・・・・・・」
こうして、今週の土曜日はサッカーの試合の応援に付き合わされることになった。
なのはたちのは魔法、主人公たちが使う魔法を魔術、呼び方がわかりづらいので区別します。