自由なチート暇人   作:sakuya-syu

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更新が遅れ気味だなあ・・・


第29話

 あの後、翠屋についた鷲たちはテラスのテーブルでケーキを食べながら話していた。士郎にチームメイトと一緒にどうかと言われたが、騒がしいのは苦手なので断った。しかし、騒がしいのはこちらも変わらないようだ。

「鷲くん、すごかったねえ」

「うん、プロみたいだったよ」

「まあ、あれくらいは普通ね」

「でも、シュウ君だと納得しちゃうなー」

「・・・・・・」

 鷲は静かに食べたかったので外に出たワケだが、リアとユーはともかく三人娘までついて来た。

「ごめんなさい、鷲」

 隣に座っているユーが謝ってくる。静かに食べたい鷲の気持ちをわかっているようだ。

「・・・俺の味方はユーだけだな、お礼に少しやろう」

 鷲は自分のケーキを少しユーに切り分けてあげた。

「いいの?」

 甘いものが好きな鷲が他人に分けることなんて滅多にない。それは鷲が心を許している証でもある。

「気にするな」

「ありがとう」

 鷲は主にユーと話しながら、時間を過ごした。たまに三人娘とリアに話しかけられても適当に返事を返すだけだった。

 

 

 ケーキも食べ終わり、これからどうするのかという話になった。しかし、すずかとお転婆はお出かけ、鷲たちはタイムバーゲンでスーパーに行く予定があったので、今日のところは解散になった。

 帰り際に店の中からサッカーチームが出てきた。鷲はその時にジュエルシードの魔力を感じた気がした。

「・・・ま、いいか」

「シュウ君、急がないと遅れちゃうよ!」

 リアに声をかけられたのでそのままスーパーへと向かった。

 

 

 タイムバーゲンに間に合った鷲たちは戦利品を持って、歩いていた。

 

―ゴゴゴゴゴッ

 

 そして、突然地鳴りが聞こえたかと思うと、目の前には巨大な樹が現れた。

「きゃっ」

「きゃあっ、なにこれ!」

「ちっ」

 鷲は舌打ちすると二人を抱えた。

「落とすなよ」

 そう言うと、鷲は二人を抱えてその場を離れた。

 

 安全な場所へと逃れた鷲たちはそこから、街中を見る。視線の先には巨大な樹が立っていた。

 ここまで、魔力が出ていればさすがの猫町も気づくだろう。

「ユー、リア、ここを動くなよ」

「鷲!」

「シュウ君!」

 鷲は樹がある方向へと飛んでいった。

 

 樹に近づいていくとビルの上に白い人影が見えた。小さな小動物もいたので、そこに着地した。

「猫町、イタチ」

「あ、鷲くん」

「ジュエルシードか?」

「うん、多分、人間が発動させたんだ。強い願いを持ったものが願いを込めて発動させたとき、ジュエルシードは一番強い力を発揮するから・・・」

「へえ。ま、猫町、出番だぞ」

「ふえっ」

「封印できるのはお前しかいないだろ」

「無理だよ、封印するには接近しないとダメなんだ。だから、元となるジュエルシードを探さないと!」

 猫町にやらせようとした鷲をイタチが止める。

「・・・探せばいいだね?」

「え?」

 猫町はレイジングハートを構えた。

<エリアサーチ>

 そして、魔法陣を展開させる。

「リリカル、マジカル、探して、災厄の根源を!」

 魔法陣からたくさんの桃色の光が飛び散る。

「・・・・・・見つけた!」

「本当!?」

「すぐ封印しなきゃ!」

「無理だよ、近くに行かなきゃ!」

「できるよ、大丈夫!」

「でも!」

「黙れ、イタチ」

「シュウ」

 くどいイタチを鷲は黙らせた。

「本人ができるって言ってるんだ、やらせてやれ」

「鷲くん・・・、うん!」

<シーリングモード、セットアップ>

 レイジングハートが形態を変える。そして、その先から光が放たれる。

<スタンバイ、レディ>

「リリカルマジカル、ジュエルシードシリアル10、封印!」

 より強い光が放たれ、ジュエルシードに当たる。

<シーリング>

 そして、街中に現れた樹は消え去った。

 

 

 元の姿に戻った猫町は悲しそうな目で街を見た。

「・・・・・・」

「いろんな人に、迷惑かけちゃったね」

「え?な、なに言ってんるんだ、なのははちゃんとやってくれてるよ」

「わたし、気づいてたんだ、あの子が持ってるの。でも、気のせいだって思っちゃった・・・」

「俺も気づいてたぞ」

「「え?」」

「あいつがジュエルシード持ってたのは気づいてた」

「だ、だったらどうして―」

「気のせいだと思った、こんなに大事になるなんて思わなかった、今は反省している」

「「・・・・・・」」

「ま、人間、誰にでも間違いはあるさ」

「シュウ、絶対わざと無視したでしょ!」

「失敗したら次に活かせばいい、成功したら次はいかに効率よくやるか考えろ」

「鷲くん・・・、うんっ、次はもっと頑張るよ!」

 悲しそうな顔から笑顔になる猫町。

「スルーしないでよ!」

「うるさいぞイタチ、人がせっかくいい話でまとめてるんだ、邪魔するな」

「・・・・・・」

「にゃははは」

 そして、猫町とイタチは家に帰り、鷲もユーとリアと合流して家に帰った。

 

 

Side-高町なのは

 家に着いたなのはは自室のベッドで寝転がっていた。

「・・・はあ」

 今日のことはたくさんの人に迷惑をかけてしまった。あの男の子がジュエルシードを持っていたのに気づいていたなのはは、気のせいだと思ってしまったことを後悔した。しかし、鷲はそれを責めもせず、自分も気づいていたけど気のせいだと思ったと言った。

(鷲くんって、他人に無関心なところがあるけど優しいよね。今日だって励ましてくれたし)

 そして、思い出すのは鷲の言った言葉。

「失敗したら次に活かせばいい、成功したら次はいかに効率よくやるか考えろ、か」

 鷲はなのはにとって、頼れる存在だった。いつもはマイペースでからかわれることも多いが、なのはが落ち込んだ時は励ましてくれる、危ない時は守ってくれる、それに―

(それに、鷲くんといると安心するんだよね)

 それがどんな想いなのかは、本人もまだわからなかった。

 

 

 




今回はすこし短いかな?
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