自由なチート暇人   作:sakuya-syu

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猫になった主人公を書きたかったんです・・・


第31話

 鷲が猫になってから一夜が明けた。

(さて、どうするか・・・)

 鷲は今、すずかに抱きしめられている、ベッドの中で。

(・・・抜けれない)

 なんとか抜けようとするが、ガッチリと捕まっている。すずかが起きるまで待つしかないようだ。

 

 

「はい、ご飯だよ」

 今日のごはんはねこまんまだった。キャットフードじゃなくて助かった。

「昨日キャットフード食べなかったから、なのはちゃんに聞いたんだ。そしたら、キャットフードじゃなくてご飯をあげてって言ってたんだけど、これでいいのかな」

(猫町、よくやった。さすがにキャットフードは食えん)

 鷲はねこまんまを食べ始める。

「あ、食べた、よかった」

 すずかは鷲(子猫)がご飯を食べたのを見て安心した。

「お昼頃になのはちゃんが迎えに来るからね」

 すずかはひと撫ですると一旦部屋を出た。多分、自分のご飯を食べに行ったのだろう。

 

 

 昼になって、猫町が迎えに来た。

《・・・・・・》

《えっと、そんなに睨まないでもらえるかな?》

 猫町が鷲の前に来ると、鷲は猫町を睨んでいた。

《お前が連れてきたせいで、ここに一泊する羽目になったんだが?》

《ご、ごめんなさい・・・》

《連れてきて、置いて帰るって無責任じゃないか?》

《うう》

「なのはちゃん、大丈夫?」

「う、うん、ありがとうね、預かってもらっちゃって」

「ううん、私も嬉しかったし、よかったらまた連れてきてほしいな」

「う、うん、機会があればね」

「うん、じゃあね」

「またね、すずかちゃん」

 猫町は鷲を抱えて月村邸を出た。

 

 

「・・・・・・」

《鷲くん?》

《・・・・・・》

《で、できれば、何か話してほしいな》

 月村邸を出てから鷲は一人で猫町の前を無言で歩いている。

《無責任》

《うっ》グサッ

 その一言で猫町の心は抉られた。

《で、でも、寝ちゃう、鷲くんもいけないんだよ》

《あ?》

《ごめんなさい、置いっていったわたしが悪いです》

 念話で低い声で返されたので、猫町は素直に謝った。

 少し歩くと十字路についた。鷲の家はすぐ近所だ。

《じゃあな》

「あ、うん」

 まだ、怒っていると思っている猫町は元気がなかった。

《駅前の和菓子屋の芋羊羹で許してやる》

「えっ」

 鷲はそのまま、自宅へと向かう。

「うん!またね!」

 そこで猫町と別れた。

 

 

―のはいいんだが

 

「野良猫かな?」

 目の前にパツキンが現れた。

《・・・・・・》

 なぜ、こうも捕まるんだろうかと心の中で呟く鷲であった。

「可愛いなあ、撫でても大丈夫かな」

《有料だぞ》

「えっ?」

 なので、猫町にやったような返事をした。二度ネタはつまらない?気にするな。

《どうした?》

「・・・もしかして、君が話してるの?」

 パツキンは猫に問いかける。

《猫が話したら悪いか?》

「・・・・・・」

《見事な惚けズラだな、パツキン》

「・・・もしかして、あの男の子?」

《正解》

 パツキンという呼び方で心当たりがあるのは一人だけだ。

「なんで猫?」

《この世界の人間は突然、猫になるんだ》

「そ、そうなの!?」

 鷲の冗談を間に受けるパツキン。

《ああ、そして、猫になってしまったらもう戻れない・・・》

「う、嘘だよね?」

《ああ》

「え?」

《だから、嘘だ。俺が猫になったのはただの事故だ》

「・・・・・・」

 鷲の冗談にむくれるパツキン。

《軽い冗談だ、そうむくれるな。で、こんなところで何をしている?石探しか?》

「うん」

《ふーん、まあ、せいぜい頑張れよ》

 鷲はそのまま立ち去ろうとする。

「待って」

 しかし、呼び止められた。

《なんだ?》

「前から聞こうと思ってたんだけど、どうして私にジュエルシードを譲ってくれるの?」

《気分?》

「真面目に答えて」

 パツキンは真剣な目で鷲を見る。

《正直、俺はお前や猫町、どっちが封印しようがどうでもいい。さらに言えば、第三者が封印したって構わない。俺は封印でき(るけどしたく)ないからそこにいるやつに任せてるだけだ》

「・・・そう。もう一ついい?」

《ん?》

「あなたの名前を教えて?」

《今はただの黒猫》

「じゃあ、人間のあなたの名前は?」

《・・・黒沢鷲だ》

「クロサワ、シュー」

《じゃ、帰るから》

「ちょ、ちょっと、待って」

《そうそう》

「え?」

《今度ちゃんと飯奢れよ》

 それは以前、鬼ごっこした時のことだった。

「あ、うん、それと、前言いそびれたけど、ありがとう」

《どういたしまして》

 鷲は一日ぶりの我が家へ帰った。

 

 

《ただいまー、ってドア開けられないな》

 鷲は仕方なく、縁側までまわり、窓を叩いた。

「あ、シュウ君、おかえり!」

 中からリアが出てきて思いっきり抱きしめられた。

「うう、心配したんだよー」

《念話で言ったはずだが、・・・それよりもリア、苦しい》

「あ、ごめん」

「おかえり、鷲」

《ああ、ただいま》

<主様ー!>

 ラピスが文字通り飛んできた。

《てい》

 なので、前足で叩き落とす。

<あうっ、痛いじゃないですか!>

《デバイスに痛覚あるのか?》

<気持ちの問題です!>

《はいはい》

 ユーはラピスとの会話をスルーして話しかけた。

「鷲、明日には戻れる?」

《その予定だ》

「そう」

 ユーは鷲の返事を聞くと、そのまま抱き上げてソファに座る。そして、膝の上に鷲を乗せると撫ではじめて、テレビを見る。

「あ、ユーちゃん、ずるいよ!私もシュウ君撫でたい!」

<モテモテですね、主様>

《うるさい、俺は寝る》

<はい、おやすみなさいませ>

 鷲はユーの膝の上で眠った。

 

 

 

 




そういえばフェイトはまだ主人公の名前知らなかったなあと思い、登場させてみました。
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