「暇だー」
昼の少し前、自室のベッドでゴロゴロと寝転がりながら言う鷲。外は夏、今は学校も夏休みで堂々と?学校をサボr――休める。
『暇なら遊びに行けばいいじゃないか』
そんな鷲を見かねて遊びに行かせようとする真紅。
「何で遊べと?」
『んー、それを出てから考えよう』
「・・・とりあえず下に行くか」
そう言って、鷲は自室を出てリビングに向かう。
「ん、ユー一人か?」
リビングに入るとユーが一人でお茶を飲みながらテレビを見ていた。
「リアは買い物」
「そうか」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
特にすることもなく二人でテレビを見る。
「面白そうなのもやってないな」
「この時間はほとんどニュースや通販」
「はあー」
「暇なの?」
「おう、暇が売れるなら大バーゲンで売れるくらいな」
「そう、・・・これ」
ユーが出したのはチケットだった。
「これは、プールのチケット?」
「一枚で三名まで」
「トロピカルパーク?随分、安直な名前だな。新しくできたのか、ここは・・・、ああ、あそこか」
プール施設があるのは、市内で歩いても三十分ほどの距離の場所だった。
「行きたいのか?」
鷲の問いにユーはコクっと頷いた。
「珍しいな、ユーが行きたがるなんて」
鷲が珍しがるとユーは少し頬を膨らませて言った。
「最近、鷲が構ってくれない」
「確かに、最近はジュエルシードのことがあったから構ってやれなかったな」
春からつい先日まで、ジュエルシードの事件もあって鷲はユーやリアに構ってやれていなかった。
「うし、リアが帰ってきたら行くか」
鷲の提案にユーは頷いた。
「わー、すごいよシュウ君、ユーちゃん」
あれから買い物から帰ってきたリアを連れて、トロピカルパークにやってきた。リアに言った瞬間、それもう顔を輝かせた。そして着いて早々、リアは大はしゃぎだ。
「早く入ろうよ!」
「はいはい」
鷲は先に走っていくリアを追って、ユーと歩き出した。
中に入って水着に着替えて出ると、人が結構いた。流石に新しくできただけはある。見た目もきれいだし、ウォータースラーダーや波が起きるプールなど種類が豊富だ。
「おまたせー、シュウ君」
「おまたせ」
待っていると、リアとユーが水着に着替えて来た。
「おう」
「えへへー、どうかな?」
「どう?」
と水着の感想を聞いてくる二人。リアはフリルのついた白のワンピースの水着でユーは紺色のスクール水着だった。
「二人とも似合ってるぞ」
「えへへへ~/////」
「/////」
鷲の感想に顔を赤くする二人。
「さて、まずは準備体操だな」
「そうだね」
三人は準備体操をしてプールに入っていった。
「ふー」
鷲は今、流れるプールでボード型の浮き輪に乗って寝転がりながら流れていた。リアとユーはウォータースライダーで滑ったり、プールで泳いだりして満喫している。
「あれ、鷲君?」
流れるプールでただ流されていた鷲に声がかけられた。
「ん?」
「あ、やっぱり鷲君だ」
見るとそこには薄い紫色のワンピースタイプの水着を着たすずかがプールの淵に座っていた。
「お前も来てたのか」
「うん、なのはちゃんとアリサちゃんもいるよ」
鷲は浮き輪から降りて、すずかのもとに歩く。
「今は一人なのか?」
「うん、二人ともこのプールで流れてるよ。鷲君は?」
「俺はユーとリアと。二人はあっちで泳いでる、よっと」
鷲はプールから上がり、すずかの隣に座る。
「そうなんだ。あ、あの、鷲君」
「ん?」
「こ、この水着、どうかな?」
すずかが頬を赤く染めて俯いて、モジモジとしながら言ってきた。
「ん、可愛らしいな」
「ほ、本当っ?」
「ああ」
「えへへへ/////」
すずかは顔を赤くして嬉しそうに笑った。
「あれ、鷲!?」
「あ、ほんとだ」
そこに流れて一周してきたアリサと猫町が泳いできた。猫町は浮き輪をつけてたから流されてきただけだが。
「なんでアンタがいんのよ!」
「ユーとリアが来たいって言ったから」
「なっ、アタシがメールと電話しても出なかったじゃない!」
「・・・ああ、マナーにしてそのままで気づかなかったわ」
「ムカッ」
「まあまあ、落ち着いてアリサちゃん」
憤るアリサをなだめるすずか。アリサをなだめるのはすずかの役目だな。
「ユーちゃんとリアさんは?」
「向こうで泳いでる。そろそろこっちに来ると思うぞ」
「そうなんだ」
「それよりも鷲、なんか言うことがあるんじゃないの?」
アリサと猫町がプールから上がり、アリサは両手を腰に当てて自らの水着を見せる。アリサは赤いビキニタイプの水着で上にフリルがついたもの、猫町は黄色を基調としたフリルのついたワンピースの水着だった。
「ああ、似合ってる」
「そ、そう、ま、と、当然よね/////」
「にゃ~/////」
「シュウくーん!」
とリアとユーが向こうから歩いてきた。
「あれ、三人も来てたんだあ」
「「「こんにちは!」」」
「うん、こんにちは」
「こんにちは」
「シュウ君、そろそろお昼にしようと思うんだけど」
「お腹すいた」
「そうだな」
「あ、よかったら私たちもご一緒していいですか?」
アリサが昼ご飯を一緒に食べようと提案した。
「うん、もちろんだよ」
リアはそれを笑顔で承諾した。
それから昼ご飯を食べて、プールに戻ってきた。
「泳げない?」
「う、うん。だから泳ぎ方教えて欲しいなーって」
ユー、リア、すずか、アリサが泳ぎに行って、鷲はプールの淵の長椅子でくつろごうとしたら猫町に話しかけられた。
「二人は?」
「アリサちゃんとすずかちゃんにも教えてもらったけどダメだったの」
「お前の運動能力が?」
「うっ、ひ、否定できないの」
「まあ、今更だけどな」
「うう、そこまで言わなくても・・・」
「どこまでできるんだ?」
「えっと、水に顔を付けるくらいなら・・・」
「じゃ、俺くつろぐから」
「ま、待って!見捨てないで!」
諦めてくつろごうとする鷲を必死に止める猫町。
「はあ、目は?」
「開けれないの」
「・・・しゃーないから付き合ってやる、来い」
「ホント!?」
鷲は猫町を連れて浅目のプールに向かった。
「じゃ、目を開けて顔をつけろ」
「目は無理だよぉ」
浅目のプールに入って、猫町にさっそく顔をつけさせる。
「無理じゃない、それに・・・」
「それに?」
「・・・いや、なんでもない」
「そこまで言われると逆に気になるよ!」
「いいのか?言って」
「う、うん」
真剣な表情の鷲に、猫町は息を呑む。
「十歳までに目を開けずに水に入るとそのまま水中に引き摺り込まれるぞ」
「・・・う、嘘だよね?」
「・・・・・・」
「で、でも、ほら、ゴーグルつけて泳ぐ人もいるし・・・」
「猫町、短い付き合いだったな」
「ええ!?」
「いい奴?だった、かもしれない、いや、そんなことはなかったな」
遠くを見て思う鷲。
「そこはせめていい奴にしておこうよ!」
「ほら、水の藻屑になりたくなかったら必死になれ」
猫町の言葉をスルーして練習に入る。
「お、鬼がいるの」
「ああ?」
「な、なんでもないよっ」
こうして、猫町の泳ぎの練習が始まった。
「どう?なのはちゃんは」
しばらく練習をしているとすずかをはじめとする四人がやってきた。
「五メートルは泳げるようになったな」
「五メートルも!?」
驚くアリサ。まあ、普段の猫町の運動能力を考えれば当然の反応だろう。
「はあはあはあはあ」
猫町も相当息が上がっている。明日は筋肉痛になるかもしれない。
「なのはもすごいけど、それよりも鷲」
「なんだ?」
「アンタ、全然遊んでないわよね」
「そういえばそうだね」
アリサの言葉にすずかも同意する。
「せっかくだからシュウ君も遊ぼうよ」
「そ、そうだよ」
それに便乗してリアと猫町も誘ってくる。・・・猫町、まだ少し息は上がっているが復活したのか。
「んー」
考える鷲。鷲はただ、ユーとリアの付き添いで涼みに来たのだ。だから無駄に疲れることはしたくなかった。
「鷲、あれに乗ろう?」
ユーが鷲の手を取って乗ろうっと言ったのは、ウォータースライダーを大きな浮き輪に乗って、滑るというものだった。
「よし行くか」
「「「「ちょっと待って(待ちなさい)!」」」」
ユーを連れてウォータースライダーに乗ろうとする鷲だが、他の四人は納得がいかなかった。
「なんだ?」
「なんだ?じゃないわよ!なんでユーの誘いだけ即答なのよ!」
アリサの言葉に他三人も頷く。
「ユーだからだ?」
「なんで疑問形なの!?」
「ユー、混まないうちに行くぞ」
「うん」
「待ってよ、シュウくーん!」
鷲とユーの後を追うリア。
「「「待ってよ(待ちなさいよ)!」」」
その後を三人も追いかけた。
結局、鷲はそれぞれと一緒に(二人用だった)ウォータースライダーに乗った。帰ってからユーとリアは、おそらく三人娘も、遊びすぎて疲れ果てていたのは言うまでもない。
特に厄介事もないただの日常でした。
水着やプールの遊び道具の種類は詳しくないんで、皆様の想像におまかせします。
設定追加
・ユーは現在、主人公たちより少し小さいくらいの背丈です。身長はこれから原作の高さまでは成長します。