自由なチート暇人   作:sakuya-syu

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前回、主人公の意外な一面が明らかに・・・


第49話

「お前は!」

 現れたのはハンマーを持った赤い少女。おそらく今回の狙いは・・・。

「う、うう」

 訳が分からず怯えている赤髪の少女を見る。この子の持っている魔力は猫町たちと同等、もしくはそれ以上。ただ、目覚めていないのでその魔力を使う才能があるかどうかはまた別だ。

「今日はてめえに用はねえ」

「用があるのはこの子だろ?」

「わかってんなら邪魔すんな」

「お前らは魔力を持っていれば小さな子供でも襲うのか?」

「そうしないと、守れねえんだ!」

 赤い少女、ロリっ子はハンマーを振りかぶって襲いかかってきた。

「ひっ」

 小さく悲鳴を上げる少女の頭に、鷲は手を置いた。

「大丈夫だ。おい、ロリっ子」

「うおりゃあああ!」

 ロリっ子はハンマーを鷲目掛けて振り下ろす。

「いくらお前が見た目子供でも、小さな子供を襲うってなら容赦しないぜ?」

 鷲は振り下ろされたハンマーを受け止める。

「ちっ、シグナムの言ったとおりかっ」

 ロリっ子は舌打ちすると鷲から距離を取った。

「なら、これでどうだ!」

 ロリっ子が手から小さな鉄球を三つ出す。

「くらえ、シュワルベフリーゲン!」

 その鉄球をハンマーを打ち付けて飛ばしてきた。

「誘導弾か」

 鷲は冷静に三つの誘導弾を素手で打ち落とす。

「テートリヒ・シュラーク!」

 ロリっ子は踏み込んで攻撃してきた。

「まだ甘いな」

「くっ」

 突進攻撃も受け止められ、苦い顔をするロリっ子。

「お前ら、古代ベルカ式だろ?」

「なんでてめえが知ってやがる」

「魔法陣を見ればわかるさ」

「・・・だからどうしたっ」

「四人の騎士、古代ベルカ式・・・」

 とブツブツと呟く鷲。少し呟いているとあっと顔を上げる。

「そうか、お前らヴォルケンリッターか」

「だからなんだっ」

「てことは、狸はあの魔道書の主か」

「っ、てめえ、はやてのこと知ってんのかっ」

「まあ、読書仲間だな」

「ふざけやがって!アイゼン!」

「魔力が上がった?」

 ロリっ子の魔力が上がり、ハンマーの形態も変わった。

「ラケーテンハンマー!!」

 ロリっ子は回転しながらハンマーを振りかざしてくる。

「っ」

 鷲の後ろにいた赤髪の少女が怯えて鷲の服をギュッと掴む。

「ハッ、しゃらくせえ!」

 鷲は少女を庇ったまま、ハンマーを殴りつけた。

「なっ」

 まさかこれまでも素手で殴りつけてくるとは思わなかったロリっ子は、驚愕した。

「くっ」

 吹き飛ばされたのはロリっ子の方だった。そして、ハンマーからいくつかの薬莢が飛び出す。

「てめえどんだけ頑丈なんだよ!」

「別に普通だろ?」

「アタシのアイゼンを素手で受け止められる奴が普通なわけあるか!」

「さて、行くか」

 鷲は少女を連れて、その場を去ろうとする。

「スルーかよ!てか待ちやがれ!」

 ロリっ子は鷲の後を追おうとするが。

「やめとけ、次やったらお前のハンマー、壊れるぞ?」

「は?」

 ロリっ子がハンマーを見てみるとひび割れていた。

「なっ」

「ロリっ子、忠告だ。子供には手を出すなよ」

 鷲はそれだけ言うと結界から出て行った。

「な、なんなんだよ、あいつ・・・」

 取り残されたロリっ子はそう呟くしかなかった。

 

 

「卯月!」

 結界から出て少女を公園まで連れて行くと、鷲と同じくらいの歳の赤髪をポニーテールにした少女が駆け寄ってきた。

「お姉ちゃんっ」

 妹?の方が気づくと、姉らしき少女に抱きついた。

「どこに行ってたの?心配したんだから」

「ご、ごめんなさい」

 抱きついた妹を軽く叱ると、こちらに気づいた姉が声をかけてきた。

「妹が迷惑をかけたわね」

「別に」

「ほら、卯月も」

 姉に促されて鷲の方を向く少女。

「あ、あのっ、ありがとう、ございます・・・」

「気にするな」

「あ、あぅ」

 お礼を言った少女は姉の後ろに隠れてしまった。

「この子、人見知りが激しいの」

「別に気にしてない、じゃ、俺は帰るから」

「そう、礼を言うわ」

「あいよ」

 鷲はそのまま家に帰った。

 鷲が帰ったあとに少女が名前を聞くのを忘れたと言って少し落ち込んでいた。

 

 

「今日ね、放課後にアースラに行くんだけど、鷲くんも一緒に行かない?」

 翌日の学校で、猫町が鷲の席に来て早々、そんなことを言った。

「なんで俺が」

 当然、用もないのに行く気がない鷲は断ろうとした。

「えっと、リンディさんが話があるから鷲くんも連れてきてって」

「お前が来いと言っておけ」

「うちのケーキも持って行くから」

「・・・仕方ないな」

 最近、翠屋のケーキを食べていなかった鷲はそれに釣られてしまった。

「にゃはは、やっぱり鷲くんって甘いものが好きなんだね」

「否定はしない」

「おっはよ!」

 そこにテスタロッサ姉妹が来て、元気に挨拶してきた。テス姉もテスタロッサが復帰してから、元気になってきていた。

 それからいつもの二人も登校してきてホームルームまで話していた。

 

 

「今日は転校生を紹介します」

 教師の言葉にざわつくクラス。当然だ、ついこの間テスタロッサ姉妹が転校してきたばかりなのだから。それにそろそろ冬休みに入るのに、こんな中途半端な時期というのもおかしいだろう。

「入ってきてー」

 そして、入ってきたのは赤髪の少女だった。その髪は後ろで一括りにまとめられており、その長さは首の付け根まで伸びている。

「はじめまして、紅 弥生(くれない やよい)よ」

 そう自己紹介したのは昨日、会った少女の姉だった。

「・・・えっと、それだけ?」

 名前しか言わない転校生に他に何かないのかと聞く教師。

「他に何を言えと?」

「えっと、趣味とか、特技とか?」

「ありきたりですね」

「うっ」

 転校生ははあと溜息をつくと、見事な作り笑顔で言った。

「はじめまして、紅弥生です。親の都合で中途半端な時期に転校してきて、もうすぐ長期休みですが、できるだけ早く皆さんと仲良くなっていきたいと思いますのでよろしくお願いします」

 最後に満面の笑みで会釈をする転校生。

「「「「「おぉぉおおー!」」」」」

 それにクラスの男子は雄叫びをあげた。

「じゃ、じゃあ、紅さんの席は―」

「「「「「先生!俺(僕)の席の隣にしてください!」」」」」

 男子生徒が一斉に教師に頼んだ。

「ええ!?」

 教師もそれに困っている。

「先生」

 困っている教師に転校生が声をかけた。

「私、知ってる人がいるのでその人の隣がいいです」

「そ、そうなの?じゃあ、そうしようかしら」

「はい」

 転校生は窓際の席に行くと、一番後ろまで来た。窓際の席の一番後ろ、それは鷲の席だった。

「隣、いいかしら?」

「「「「「なっ!?」」」」」

 それには男子だけではなく、女子も驚いた。いつもの五人も例外ではない。

「どうぞ」

 そして、転校生は鷲の隣の席についた。

「「「「「黒沢!てめえ、高町さんたちだけじゃなく、紅さんまでも!」」」」」

 クラスの男子が一斉に鷲に声を上げた。名前を挙げられた猫町も、

「え!?わたし!?」

 とオロオロしていた。

「・・・・・・」

 しかし、鷲はそんなことはどこ吹く風、全く気にしていなかった。

「あなたの名前教えてくれる?妹が名前聞くの忘れたって落ち込んでるの」

 転校生も周りは気にせず、鷲に話しかける。

「・・・黒沢鷲だ」

「そう、黒沢君ね、よろしく」

「・・・よろしく」

 そして、前回のテスタロッサ姉妹と同じように一時間目は転校生に対する質問タイムになった。

「趣味は!?」

「好きなものは!?」

「休みの日何をしてるの!?」

 などなど、クラスメイトは次々質問している、主に男子が・・・。隣にいる鷲は鬱陶しいのが我慢できず、廊下側の席に避難した。

「鷲くん?」

「これはどういうことかな?」

「あの子といつ知り合ったの?」

「ちゃんと説明してくれるよね?」

「話さないとダメだよ?」

 すると、とても良い笑顔で鷲に迫る猫町、すずか、アリサ、テスタロッサ、テス姉。気づけば鷲は五人に囲まれていた。

 鷲は仕方ないので溜息をつくと昨日のことを説明した。

 

 

「そっか、迷子の妹さんを」

「てっきり、シュウがまたフラグを立てたのかと思ったよ」

 それぞれ納得する猫町たち。そして、テス姉はわけのわからないことを言っている。

「でも、意外よね」

「なにが?」

 アリサが何を意外に思ったのか聞くすずか。

「だって、人とあまり関わろうとしない鷲が迷子を助けるなんて」

「「「「確かに・・・」」」」

 声を合わせて頷く四人。

「・・・失礼な奴らだな、俺だって迷子の子供くらい助けるぞ」

「それが意外なのよ」

「そうだね」

「でも、鷲君って優しいところあるよね」

「うん、私のときも助けてくれたし」

「うーん、私はフェイトに聞いたくらいだからなー」

 それぞれ鷲の評価をするアリサ、猫町、すずか、テスタロッサ、テス姉。そして、しばらく話しているとチャイムが鳴り、一時間目の授業、というより質問タイムは終わった。

 昼休み、今日は転校生を連れていつもの屋上で迷子の件について猫町たちが話していると、リアが

「だってシュウ君、子供好きだし」

 と言って、猫町たちを驚かせたのは余談である。そして、転校生は鷲の作った弁当に驚いていた。

 

 




実はオリキャラは二人だったのだ!
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