自由なチート暇人   作:sakuya-syu

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第51話

「おはよう、鷲君」

 朝、通学路を歩いていると後ろから声をかけられる。振り向くと弥生と卯月がいた。

「お、おはようございます」

「おう」

 鷲は二人とともに登校する。

「昨日の奴らって何が目的だったんでしょうね」

 不意に弥生が話しかけてくる。

「さあな、目的はなんであれ弱かったが」

「そうね、全然楽しめなかったわ」

「お姉ちゃん、襲われたの?」

 卯月が不安そうな声音で聞いてくる。

「ただの覗き魔を懲らしめただけよ」

「お姉ちゃん・・・」

「大丈夫よ、お姉ちゃんは強いから」

 弥生は心配する卯月を安心させるように撫でた。

「それに鷲君もいたし」

 その言葉に鷲を見る卯月。

「まあ、暇だったし」

「でも、これからも付きまとってくるなら、もう容赦しないわ」

「だな、卯月も襲われたら俺か弥生を呼ぶんだぞ」

「は、はい」

 あとは他愛もない話をしながら歩いて行った。

 

 

「あ、おはよう鷲君、弥生ちゃん」

「おはよう」

 教室に入るといつものメンバーが話しかけてくる。

「おう」

「おはよう」

 二人は席に鞄を置いて座る。

「今日は仲良く同伴登校なのね」

「羨ましいかしら?」

「そ、そんなわけないじゃないっ」

 からかうつもりで話しかけたアリサだったが、逆にからかわれてしまっていた。

「まあ、鷲君とはたまたま道で会っただけよ」

「「「「「鷲君?」」」」」

 五人がピクリと反応する。

「なんだ?」

 名前を呼ばれたので聞き返す鷲。

「鷲君」

「アンタ」

「いつから」

「弥生に」

「名前で呼ばれてるの?」

 すずか、アリサ、猫町、テスタロッサ、テス姉が近づいてくる。

「昨日から」

「昨日は黒沢君って呼んでたよね?」

「まあ、色々あったんだ」

「「「「「怪しい・・・」」」」」

「それより弥生、昨日のことは話すなよ」

「「「「「弥生!?」」」」」

「ええ、わかったわ。あと、話があるから放課後付き合ってくれないかしら?」

 五人を無視して話を続ける二人。

「「「「「付き合う!?」」」」」

「ああ、いいぜ」

「「「「「ダメー!!」」」」」

「うるさいぞ、お前ら」

「鼓膜が破れるかと思ったわ」

 叫ぶ五人にクラスの視線が集まる。近距離にいた鷲と弥生は耳を抑えていた。

「だ、だって、鷲くん、弥生ちゃんと付き合っちゃうんでしょ!?」

「そ、そんなのダメだよ!」

「つ、つつ付き合うのはまだ早すぎるよ!」

「や、やめときなさい!」

「はんたーい!」

 必死に抗議する五人を見て顔を見合わせる鷲と弥生。

「この子達っていつもこうなの?」

「ああ、人の話は聞かずに先に手が出るタイプだ」

「可愛い顔して怖いことするわね」

「「「「「聞いてるの!!」」」」」

「「うるさい、黙れ(黙りなさい)」」

「「「「「うっ」」」」」

 鷲と弥生の低い声に怯む五人。

「ちゃんと話聞いてたか?放課後に話をするだけだ」

「あなたたちの勘違いよ」

 二人の言葉を聞いてホッとする五人。

「ほら、チャイムが鳴るから座れ」

 鷲に促されてそれぞれの席に着く五人だった。

 

 

 放課後、誰もいない屋上に鷲と弥生はいた。五人娘は後をつけていたが、途中で巻いて来た。

「で、話ってなんだ?」

「単刀直入に聞くわ、あなた、転生者でしょ?」

「・・・・・・」

 突然の質問に何を言っているのかわからない鷲。

「黙ってるってことはそうなのね」

「いや、いきなりの中二発言に驚いただけだ」

「中二病じゃないわよ。じゃあ、管理者は知ってる?」

「そういうことか」

「そういうことよ」

 管理者という言葉で鷲は察した。この紅弥生も管理者によってこの世界に来たのだろう。

「ならお前は協力者なのか?」

「協力?あなた、何かやってるの?」

 弥生は魔族退治のことは知らないようだった。

「いや、ならお前はなんでこの世界に来た?」

「私がここに来たのは管理者に頼んだからよ」

「頼んだ?」

「ええ、面白い世界で生きたいって」

「そしたら、この世界だったってわけか」

「そうよ、それにこの世界には面白い人もいるって聞いたわ」

「そうなのか、俺はそんな奴に会った事はないけどな」

 その言葉に弥生は笑いながら答えた。

「あなたのことよ」

「・・・人違いだ。で、どうして頼めた?」

「まあ、私の死に方が特殊だったからかしら」

「特殊?」

「極希に本来死ぬはずのない人間が死ぬことがあるのよ」

「なら、弥生は極希に死んだ人間だから、代わりに願いを叶えてやるってか?」

「そういうことよ。まあ、前の世界はもう飽き飽きしてたから、次は面白い世界に行きたかったのよ」

「そうか」

「勘だけど、あなたといると退屈しなさそうね」

「俺はいつでも退屈だ」

「そう」

「話が終わりなら帰るぞ、卯月も待ってるんだろ」

「ええ、そうね」

 そうして二人は卯月を連れて帰路についた。

 

 




今日は短めで。
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