社会が嫌になってきた(/ω\*)
第58話
「さあ、吐きなさい」
現在、鷲はアリサに詰め寄られている。場所は翠屋。テラスの席で鷲は椅子に座り、アリサが立って鷲に詰め寄っている。周りにいる高町、テスタロッサ妹、すずかは苦笑いしていて、テスタロッサ姉はアリサを煽り、弥生は我関せずで紅茶を飲んでいる。卯月は留守番で、八神は管理局に用とかでいない。
さて、こんな状況になったいきさつを軽く説明しよう。
―12月27日―
闇の書事件が解決してクリスマスもそれぞれで過ごして二日後、鷲はいつものように自宅の部屋でのんびり読書をしていたところ、一本の電話が入った。
―PrPrPr・・・
「はい、もしもし―」
どうやらリアが電話に出たようだ。気にせず読書に戻ろうとしたが、
「シュウ君、電話だよ」
「・・・・・・」
リアが鷲の部屋に入ってきた。
「アリサちゃんから」
「・・・・・・」
鷲は露骨に嫌そうな顔をして渋々、電話を出ることにした。じゃないと家に来られるかもしれないから。
受話器を耳に当て、保留ボタンを押す。
『あ、やっと出たわねっ』
「只今、留守にしているためお繋ぎできません。御用の方は発信音の後に他人の秘密を一つバラしてください」
『えっと、なのはは去年までおねしょしてたらしいわ』
『ちょっ、な、なに言ってるのアリサちゃん!?』
どうやら聞いてはいけない秘密を聞いてしまったらしい。
「で、何か用か?」
しかしどうでもいいのでスルー。
『アンタ、今すぐ翠屋に来なさい』
「断る」
―ガチャ
受話器を置いて部屋に戻る。
―PrPrPr・・・
「・・・・・・・・・」
鷲は諦めた。ここで無視したらアイツ等は必ず家に来る。鷲は仕方なく受話器を再び取る。
『何切ってんのよっ』
「用が済んだからに決まってるだろ」
『こっちの用が済んでないわよ!いいから、早く翠屋に来なさい!十分で来なかったらアンタの家に行くからね!』
―プッ、プープープー
そして、鷲は諦めて翠屋へ向かった。
そして、冒頭へ戻る。
「アンタも魔法使いなの?」
「・・・・・・」
鷲は高町とテスタロッサを見る。すると二人はすぐさま目をそらした。おそらくこの二人が話したのだろう。
(面倒なことを・・・)
鷲は溜息を着くとアリサに説明した。もちろん、魔術やリアたちのことなどは抜きで。
「ふーん、じゃあ、なのはたちもついこの間まで鷲が魔導士って知らなかったのね」
「う、うん」
「私も知ったときはびっくりした」
「弥生は知ってたの?」
「ええ、厄介事に巻き込まれてその時ね」
「知ってたら教えてくれたらいいのに・・・」
「教えたら面白くないじゃない」
高町のボヤキに平然と返す弥生。
「確かに驚いたけど・・・」
「それで、そろそろいいかしら?私も鷲君に聞きたいことがあるの」
高町たちを置いて、弥生は鷲の方を向く。
「なんだ?」
「・・・あの時の魔法は何?」
「あ、それ私も気になってた」
「わたしもっ」
弥生の言葉にテスタロッサ妹と高町も声を上げる。
「アンタ、まだ何か隠してたの?」
「あの時って?」
疑問に思ったすずかが弥生に聞く。
「すずかさんたちと別れて、でかい化物と戦った時よ」
「うん、鷲くんの魔法陣見たことなかったの」
「確か、星の形してたよね?」
「見たことあるはずないだろ」
「え?」
「どうして?」
「・・・あなた、まさか」
高町とテスタロッサ妹は首を傾げ、弥生は感づいた。
「俺が作ったんだから」
「「・・・・・・」」
「「えぇえええーーーーー!?」」
一瞬の沈黙のあと、高町とテスタロッサ妹の悲鳴に近い声が翠屋に響き渡った。
「うるっさいわね!」
「声大きいよ、二人とも」
アリサたちは耳を塞いでいた手を退けた。しかし、手遅れな奴もいたようで、テスタロッサ姉は目を回していた。そしてそのまま座っていた鷲の膝の上に倒れ込んだ。
「・・・・・・」
鷲は哀れなテスタロッサ姉をそのまま放っておいた。
「ど、どういうこと!?」
「魔法作ったってどうやって!?」
高町とテスタロッサは鷲に詰め寄る。
「落ち着きなさい二人とも」
そんな二人を弥生は鷲から引き離す。
「「でも!」」
「「黙れ(りなさい)」」
「「・・・・・・はぃ」」
まだ騒ごうとする二人を鷲と弥生の一言で黙らせた。
「それで?」
弥生は鷲に続きを促す。
「まあ、ミッドもベルカも使えるが、俺には合わないから作った」
「いつの間にそんなことを・・・」
「こいつの護衛を断った時からだ」
そう言って鷲は自分の膝の上でダウンしているテスタロッサ姉の頭をポンポンと叩く。
「あなたの行動力と技術には呆れるものがあるわね」
「褒め言葉として受け取っておく」
「でも、弥生ちゃんの魔法もわたしたちとは少し違うよね?」
「うん、ベルカ式かと思ったけど微妙に違うし・・・」
「私のはベルカ式を少し自分用に改良しただけよ。鷲君みたいにゼロから作ったわけじゃないわ」
「それでも十分すごいの」
「うん」
「アタシたちには何が何だかさっぱりだわ」
「そうだね」
四人の会話をただ理解できずに呆然と立つアリサとすずか。
「まあ、要は俺たちは魔法使いってことだ」
「・・・なんだか釈然としないけど、まあいいわ」
「それよりアリシアちゃん、いつまで鷲君の膝の上にいるの?」
―ギクッ
話が終わったところですずかが未だ鷲の膝の上にいるアリシアに話しかける。
「えっと、アハハハハ」
「「「「アリシア(ちゃん)(姉さん)」」」」
「ぶぅ」
アリシアは高町、テスタロッサ妹、アリサ、すずかの四人に言われ、渋々といった様子で鷲の膝から退いた。
「じゃ、俺は帰るぞ」
「そうね」
既に時刻は夕方になっていて、解散するのに反対はされなかった。