自由なチート暇人   作:sakuya-syu

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第61話

「というわけで、今夜はここに泊める」

 家に着いた鷲は同居人、リアとユーに事情を説明した。

「うん、そんな事情だったら仕方ないよね」

「私も構わない」

 こういう時の二人は反対しないので助かる。

「許可も出たな。お前ら飯は?」

「えっと・・・」

「食べる前に飛ばされちゃったから、ペコペコ~」

 遠慮してどう言おうか迷っていたアインハルトをよそに、ヴィヴィオは遠慮なく言った。

「ヴィヴィオさんっ」

「あ、いつもの癖でつい」

「それでいい、変に遠慮されても困る」

「す、すみません」

「いい、今作るからリアたちと待ってろ」

 そう言って、鷲はキッチンに入る。

 

 

Side-アインハルト・ストラトス

 

 アインハルトとヴィヴィオは鷲が夕飯を作っている間、リビングでリアとユーと話していた。

「へえ~、じゃあ、ヴィヴィオちゃんは未来のシュウ君の義妹なんだ」

「はい!」

 笑顔で話し合うリアとヴィヴィオ。リアの隣ではユーがお茶を飲みながら話を聞いている。

「あの、失礼ですが、リアさんもユーさんもあの話を聞いて信じていただけるんですか?」

 アインハルトは不安なことを聞いてみた。自分でも信じられない話だ。未来から来た義妹とその友人を行く宛がないから泊めてくれなどと。

「うん?うん、信じるよ、シュウ君も信じてるんだし。それに、行く宛のない子を放ってはおけないよ」

「・・・・・・」

 アインハルトはリアの人の良さに何も言えなくなった。

「アインハルトさん、リアお姉ちゃんはこういう人ですよ?困ってる人は見逃せないんです」

 ヴィヴィオの言うとおりなのだろう。リアの純粋な笑顔を見るとそう思えてしまう。

「できたぞ」

 ちょうど、鷲が夕飯を作り終えた。

 

-Side out-

 

 

「おいしー」

 ヴィヴィオは心底美味しそうに食べる。

「やっぱり、お兄ちゃんの料理はすごく美味しいよー。この頃から料理上手だったんだー」

「はい、とても小学生が作ったものとは思えないです」

 未来で何度も食べているヴィヴィオも、初めて食べるらしいアインハルトも驚いていた。

「口にあって何より」

 鷲はその二人の様子を見て、自分も食べ始めた。

 

 

「ごちそうさまー」

「ごちそうさまでした」

 食べ終えたヴィヴィオとアインハルトは手を合わせた。

「お粗末さん」

「二人とも、お風呂沸いたから先に入っていいよー」

 先に食べ終えていたリアは風呂を沸かしていた。

「え?でも・・・」

 アインハルトはチラリと鷲を見る。

「洗い物は俺がやるから気にせず入ってこい」

 食べ終えた食器を下げる鷲。

「アインハルトさん、一緒に入りましょう」

 そんなアインハルトをよそに、ヴィヴィオが引っ張っていく。

「あ」

 しかし、途中で止まり、鷲に振り向く。

「お兄ちゃんも一緒に入ろ?」

「ヴィ、ヴィヴィオさん!?」

「ちょっ、ヴィヴィオちゃん!?」

「・・・・・・」ピクッ

 ヴィヴィオの発言に驚いて声を上げるアインハルトとリア、声は出してはいないが動揺しているユー。

「洗い物してるからお前らで入れ」

 鷲はヴィヴィオの発言に動じず、さらりと返す。

「ぶー」

「・・・・・・未来の俺に頼め」

 不満気にしているヴィヴィオを見てため息をつく鷲。

「ちっちゃいお兄ちゃんと入りたかったのに・・・・・・」

 ヴィヴィオは諦めて、アインハルトと風呂に向かった。

 

 

 翌日。ヴィヴィオとアインハルトとは別れて、鷲は偽物探しを始めた。ちなみに今朝鷲が起きたら二人が鷲のベッドに潜り込んでいて、それを見た真紅がご機嫌ななめになっていた。

「また魔力反応か」

『偽物のじゃないけどどうする?』

「放っておく。それより、お客さんだ」

「げっ、バレたっ」

 鷲が振り向くとそこには見たことがない青年がいた。銀髪で黒い服で身を包み、体中が紅い刺青に覆われていた。右手には変わった大剣が握られている。

 どうやら鷲に気づかれずにこの場を去ろうとしていたらしい。

(反応が二人?ユニゾンか?)

「どうする?いくら過去のあの人でも逃げられる気がしない」

『そうだね』

「おいそこの不良」

「不良!?」

 鷲が声を掛けると驚いてこちらを見る。

「お前はなんだ?」

「ええっと・・・・・・」

 なんだと聞かれて言い淀む青年。

「・・・まあいい、お前も未来から来たのか?」

「『ええ!?』」

 二人?は声を上げて驚く。

「昨日も未来から来た奴に会ったんだ」

「ヴィヴィオたちのことかな?」

『多分・・・』

「お前らもあいつらの知り合いか」

「は、はい!そうです!」

「なら話は早い、行くぞ」

「『え?』」

 いきなり行くぞと言われて訳がわからない青年。

「未来に帰る方法を探してるんだろ?この先に俺の知らない奴の魔力反応がある。そいつなら何か知ってるかもな」

『放っておくんじゃなかったのか?』

[気が変わった]

『そうか』

「いいんですか?」

「何が?」

「えっと、俺らを管理局に連れて行かなくて・・・」

「そんな義理も義務もないな。俺管理局じゃないし」

「そう、ですか」

『よかったー』

「じゃ、行くぞ」

「あ、はい!」

 鷲と青年は魔力反応がした方へと飛んだ。

 

 

 そして、魔力反応があった所に着くと八神とザフィーラ、見知らぬピンクの髪の女がいた。トーマ(途中で名前を聞いた)は一目散にその人の所へ飛んだ。

 

「「「未来に帰る方法を教えてください!」」」

 

 同時にヴィヴィオとアインハルトも飛んできた。ピンクの女はいきなり言われて戸惑っている。

「つまり、あんたに巻き込まれた奴らだ」

 鷲は簡潔にその女に説明した。

「なるほど、あなたたちも未来から引っ張られてきちゃったのね」

「どうやったら帰れますか?」

 ヴィヴィオがピンクの女に尋ねる。

「そう、迷惑をかけちゃったのね。ごめんなさい」

「あ、いえ・・・」

 素直に謝るピンクに戸惑うヴィヴィオ。

「時間移動はいろいろ複雑だから、私一人じゃどうしようもないかもしれない。一緒に来てる姉がいるから、彼女にも聞いてみる」

「あの、はい・・・・・・」

 トーマをはじめに落ち込む四人。彼らの中では罪悪感があった。

「ごめんなさいね、こっちでやることが終わったら、あなたたちが戻れるように努力するから・・・・・・」

「話は終わったか、ピンク」

「ピンクって私のこと?」

「それ以外にピンクがいるか?」

 鷲は話が終わったところでピンクの女に声をかけた。

「そういう君は黒いね」

「まあな、そんなことより聞きたいことがあるんだが」

「何かしら?スリーサイズ?」

「あいつらを巻き込んだのはワザとか?」

「スルーね・・・・・・偶然よ、偶然」

「そうか、ならいい。タヌ子、こいつら三人も保護してやってくれ」

「え、うん、わかった」

「私からも一つ聞いていい?」

「なんだ?」

「あなたの名前は?」

「・・・黒沢鷲だ」

「そう、私はキリエ・フローリアンよ」

「じゃ、行くか」

 鷲は三人を八神に任せて、飛び去った。

 

 

おまけ

 

Side-キリエ・フローリアン

 

 キリエは飛び去った黒い少年、黒沢鷲の方を見ていた。

「(あの子、物凄い力を宿してる・・・・・・けど、今は)八神ちゃん、私、ちょっと調べたいことがあるから先に行ってて」

「・・・・・・」

「逃げないから大丈夫よ」

「・・・わかった」

「ゴメンね(私は私のやるべきことをするしかない)」

 キリエは決意したのだった。

 

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