これからもこんなことがあるかもしれませんが、最後まで読んでくれると幸いです。
Side-弥生
私たちはシステムU-Dを止めるために戦っていた。悔しいけど、私たちでは力不足だった。
苦戦の中、自分の偽物を倒した鷲君がこちらに来た。彼はシステムU-Dと一瞬消えたかと思うと、手を繋いで現れた。
そして、何かを呟くと彼女の胸に手を当てた。するとそこには五芒星が光って消えた。それから、鷲君はシステムU-D共にアースラに転移した。
あっという間だった。私たちが全員で苦戦していた暴走したシステムU-Dをものの数秒で鎮めたのだ。
「・・・・・・悔しい、わね」
もっと強くなろう。卯月を守れるように、あの人の隣にいれるように。
そう私は心の中で誓い、皆と共にアースラに転移した。
Side out
「遅かったな」
「うぅ」
鷲は椅子に座り、膝の上にシステムU-Dを座らせて皆を出迎えた。
「何してるの、鷲くん?」
「暇だったから、話してた」
鷲はポンポンとシステムU-Dの頭に手を置く。それにより、彼女は赤くなった頬をさらに赤くさせて俯いてしまった。
「態々その子を膝の上に乗せて話す必要があるの?」
なのはとフェイトはムスっとした表情で鷲に近づく。
「膝に乗せやすかったから、特に意味はない」
いつもの鷲の自由な行動にため息が出る二人。
「それよりも話を進めたいのだが?」
そこにいつもの如く、会話に割り込むクロノ。
「じゃ、あとはお前らに任せて帰るわ」
鷲はU-Dを膝から下ろして、隣に座らせると立ち上がった。
「な!君はまた勝手な行動をっ」
「行かせてあげなさい、クロノ」
鷲を止めようとするクロノを止めたのはリンディだった。
「なぜですか!」
「いいから、これは艦長命令です」
「・・・・・・わかりました」
艦長命令ということで渋々引き下がるクロノ。
「大丈夫?」
「なんとかな」
リンディとすれ違い様、心配そうに声をかけてきた。流石に腕をくっつけたのを見て心配していたらしい。以前、腕をくっつけたら激痛に見舞われると言ったからか。
「話を聞いていかなくてもいいの?」
「ああ」
「そう、お大事に」
弥生とは少ない会話で終わった。弥生は鷲の様子を見てある程度の予測をして、無理に引き止めなかった。そしてそのまま鷲は、帰っていった。
『大丈夫か?シュウ』
「・・・・・・・・・」
自分の部屋に入った鷲は左腕を抑えて、ドアに背を預けて座り込んでいた。腕をくっつけた代償とはいえ、この激痛は鷲にもきついらしい。
「自分で作った魔法とはいえ、これは、きついな」
鷲は玉の汗をかきながら呟いた。
「これは、要、改造、だな」
『シュウ、すまない。こういう時、今の私は無力だ』
自分の無力さに嘆く真紅。
「・・・・・・手」
『え?』
「手を、握っててくれるか」
『それで少しでも楽になるなら』
真紅は鷲の手を握る。触れられている感触はある。しかし、そこに真紅の温もりは感じられない。それでも、
「お前に触れられていると落ち着くな」
『私もだよ、シュウに触っていると安心するんだ』
二人にとってそれは些細なことであった。確かに温もりを感じられないというのは辛いが、それ以上に触れ合えるという喜びの方が強かった。
「悪い真紅、少し、ねむ、る・・・・・・」
そう言って鷲は寝息を立て始めた。
『ああ、おやすみ』
真紅はそのまま鷲が起きるまで手を握ったまま寄り添い続けた。
―翌日―
「ん、んー」
鷲は目を覚ますと体を伸ばした。座ったまま寝たので、体中が固まってしまった。
『んー、シュウ、おはよう』
「ああ、おはよう真紅」
『腕は大丈夫か?』
「ああ、すっかり元通りだ」
『そうか、それはよかった』
「とりあえず、ベッドで寝直すか」
鷲は立ち上がり、ベッドに向かおうとするとドアがノックされる音が聞こえた。
「シュウ君、朝ごはんできたよー」
ドアの向こうでリアが呼んでいる。この調子だとユーもキッチンで今か今かとごはんを待っているに違いない。
「ああ、今行く」
鷲はドアを開けてリアとキッチンに向かった。
「昨日は何かあった?」
ごはんを食べているとユーが昨日のことを聞いてくる。
「いや、特に何もないぞ」
「ホントに?昨日、帰ってきたと思ったらご飯も食べずに部屋に篭っちゃうんだもん」
「何かあった」
今度は確信を持って言われた。
「・・・・・・・・・」
やはり、何年も一緒にいると誤魔化せなかった。
『言った方がいいじゃないか?』
[いらない心配をかけない方がいいだろ]
「もー、聞いてるの?」
「昨日は眠すぎて爆睡してた」
「「・・・・・・・・・」」
二人にジトーと見つめられる。しばらく見られた後、二人は同時に溜息を吐く。
「あんまり、無茶したらダメだよ?」
「私たちも心配する」
「ああ、わかってる」
二人は察しているのかそれ以上聞いてこない。本当に
「(できた奴らだな)」
そして、三人は朝食を続けるのであった。
久々なので今日はここまで。
近いうちにまた投稿する予定です。では( ̄^ ̄)ゞ