自由なチート暇人   作:sakuya-syu

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第65話

 あの事件から数日後、未来人組とフローリアン姉妹、あとマテリアルズが元の世界に帰るということで鷲もアースラに呼ばれていた。帰る奴らたっての希望だとか。

「で、呼ばれてきたわけだが」

 一言で言うとカオス。その場にいるほとんどが泣いたり、騒いだりしてる。

「・・・・・・帰るか」

 鷲が一言呟き、踵を返そうとした。

 

「「「「「ダメーーーーー!!!」」」」」

 

 騒いでいた奴らにその呟きが聞こえたらしく、全員で止められた。

「うるさい」

「だってお兄ちゃんが帰るって言うから!」

「お別れなんですから最後までいてください」

 ヴィヴィオとアインハルトが鷲の手を取って引っ張る。

「あの」

 鷲が前に出るとU-Dが出てきた。

「もう大丈夫か?」

「えっと、はい、おかげさまで」

「そうか」

「あの!」

 U-Dは声を上げるが、モジモジとしてなかなか言葉が出てこない。鷲は急かすわけでもなく彼女が言葉を紡ぐのを待った。

「えっと、わ、わたし、ユーリ・エーベルヴァインです!」

 鷲はいきなり名前を言われたことで一瞬呆気に取られるが、すぐにニヤリと笑う。

「いい名前じゃねえか」

 鷲はユーリの頭にポンポンと手を置きながら言う。

「・・・・・・はいっ」

 照れながらも元気に返事をするユーリ。

「良かったですね」

「良かったねユーリ!」

「・・・・・・ふんっ」

 後ろから出てきたのはなのは、フェイト、はやての三人に似た少女たち、マテリアルズだった。

「あなたとこうして話をするのは初めてですね。はじめまして、私は理のマテリアル、シュテル・ザ・デストラクターです。この度はご迷惑をお掛け致しました」

 優雅に挨拶をするシュテル。それを見て鷲は

「おい猫町、こいつ本当にお前が素なのか?」

「ちょっとそれどういう意味なの!?」

「お前が素になってるとか考えられない」

「ストレートに言いすぎだよ!」

「姿はナノハを素にしていますが、中身は違いますよ。まあ、ある程度素になっていますが」

「そうか」

「じゃあ次はボクね!」

 元気よく手を上げてアピールするのはフェイトに似たマテリアル。

「ボクは力のマテリアル、レヴィ・ザ・スラッシャー!カッコイイだろ!」

 えっへんと胸を張るレヴィに対して鷲はひとつ頷く。

「お前らはオリジナルとは反対の性格になるのか?」

「うーん、わかんない!」

「じゃあ最後はディアーチェですよ」

 ユーリがはやてに似たマテリアルに紹介を促す。

「ふんっ、貴様に名乗る名などないわ」

「面倒くさい性格は似たのか」

「「それはどう言う意味だ(や)!」」

 叫ぶはやては放っておいて、鷲は続けた。

「それで、お前ら二人は一回消えたんじゃなかったのか?」

 鷲はシュテルとレヴィに聞く。

「我の話を聞け!」

「はい。ですが、なんとか再生することができました」

「スゴイだろー!」

 胸を張るレヴィを見ていると甘えん坊の犬を相手してるようだ。つい、子供や犬にするように撫でてしまう。

「あ、エヘヘへ」

 満更でもなく、嬉しそうに目を細めるレヴィ。

「俺は黒沢鷲だ」

「はい、よろしくお願いします」

「ヨロシク!」

「ふん、貴様が名乗ったのだから我も名乗ってやろう」

「興味ないからいいや」

「な!?」

 そっけなく即答する鷲に言葉をなくすディアーチェ。

「シュウ、そう言わずに聞いてあげてくれませんか?」

「・・・・・・お前に免じて聞いてやろう」

「ありがとうございます。さ、王」

 シュテルはディアーチェを促す。

「ふん、我はロード・ディアーチェ、闇統べる王だ。よろしくしてやるから光栄に思え、塵芥」

 

――プチン

 

「ん?」

 

――ガシッ

 

 ディアーチェは目の前がいきなり暗くなったかと思うと激しい痛みに襲われた。鷲のアイアンクローである。

「ぐぉおおおおおっ」

 痛がるディアーチェは手から逃れようと抵抗するが、全く外れず、鷲はそのまま話した。

「俺に上から目線とかいい度胸してんな、役立たず」

「だ、だれが、やくたたず、か」

 痛みに耐えながらも口では反抗するディアーチェ。

「ほう?今回の件でお前は何をした?シュテルとレヴィは捨て身でお前の力になったというのに、ユーリに苦戦して何もできなかった奴は誰だ?」

「うっ」グサッ

「ユーリを暴走から救ったのは誰だ?お前の言う塵芥か?ならお前はそれ以下だな?」

「うぅ」グサグサッ

「何か言うことはあるか?」

「・・・・・・す、すみませんでした」

「よろしい」

 鷲は謝罪を聞くと、手を離した。

「あ、あのシュウ」

 おずおずとユーリが話しかけてくる。

「あの、ディアーチェも悪気があったわけではないんです、許してあげてください」

「大丈夫だ、ただ躾けただけだ」

「ええっと、そろそろいいかしら?」

 次に出てきたのは赤と桃色の髪の女性。

「はじめまして、私はアミティエ・フローリアンです。気軽にアミタとお呼びください。この度は本当にありがとうございました!」

「暑苦しいのは置いといて」

「暑苦しいとはなんですか!」

「わたしはこの前挨拶したわよね」

「ああ」

「それで、いきなりなんだけど、一緒にエルトリアに来ない?」

「キリエ!何を言い出すんですか!?」

「そうですよ!」

「だ、ダメです!」

「せやで!」

 アミタを始め、なのは、フェイト、はやてはキリエの言葉に反対する。

「だってぇ、彼の力があればエルトリアの復興も早くなりそうなんだし。ユーリちゃんたちもまだ離れたくないって言ってるし」

「あわわわわ/////」

「私もシュウともっと話をしてみたいです」

「ボクもシュウと遊びたい!」

「ふん」

「で、ですが!確かに彼の力は我々にとっても未知のものではありますが、生身の人間が時空移動に耐えられるはずがありません!」

「よしいいぞ」

「彼だって―――え?」

「いいぞ、ただし半年な」

 

「「「「「えぇえええええ!?」」」」」

 

 その場にいた全員が驚きの声を上げる。

「ど、どういうこと!?」

「どうして!?」

「なんでや!?」

 詰め寄ってくる三人娘。傍らで弥生がこちらを見ている。

「あなた、まさか時空移動を体験したいからっていうわけじゃないわよね?」

「よくわかったな」

「あなたの考えそうなことだもの、はぁ」

 弥生は鷲とすこし似た思考の持ち主のため、理由がわかったようだ。

「だ、ダメですよ!生身の人間が時空移動に耐えられるわけがありません!」

「で、いつ行くんだ?」

「話を聞いてください!」

「ピンク、お前の姉はいつもああなのか?」

「そうね、だいたいあんな感じかしら。でも本当にいいの?わたしが言うのもなんだけど、死ぬかもしれないわよ?」

「問題ねえよ。まあ、時空移動はしたことないからどうなるかわからんが」

 体験したことがないことを体験する。それ以上に鷲を動かすものはない。

「でも―――「それに」」

 キリエの言葉を遮り、鷲はキリエにしか聞こえないように言葉を続ける。

「お前は世界を救うために、エグザミアを手に入れようとしたんだろ?そのエグザミアは俺が封印したしな、命を賭けたんだし見返りがないとな?」

 フローリアン姉妹がこの世界に来たのは自分たちの世界を救うためにエグザミアを手に入れるとリンディから聞いていた。しかし、そのエグザミアは鷲が封印してしまった。なので、鷲は代わりに自分の力を使ってやろうというのだ。

「・・・・・・・・・」

「どうした?」

「な、なんでもないわよ」

「そうか」

 そして、その日は鷲は一旦家に帰り、リアとユーに事情を説明して半年間エルトリアに行くことを説明した。

 二人は最初は渋っていたが、定期連絡を入れるのと帰ってきたときにある程度のお願いを聞いてやるという条件付きで了承を得た。

 

 

 そして翌朝、鷲はエルトリアへと旅立った。

 

 




次回からエルトリア編?

・・・・・・どうしよう(´д`)
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