自由なチート暇人   作:sakuya-syu

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第67話

 

 鷲が博士の病気を治した後、ささやかながらお祝いをした。鷲は博士に何度もお礼を言われ、それを見ているアミタとキリエは笑いながら涙を流していた。

「ところでピンク」

 皆が落ち着いた頃、鷲はキリエに声をかけた。

「何かしら?」

「エルトリアを救うと言っていたが、何をするんだ?」

「そうねえ、まずは枯れた大地を元に戻すことかしら」

「水源と健康な土がいるな」

「うーん、まずは水源をどうにかしないといけないわね」

「まあ、水と土は俺が何とかする」

「何とかって・・・・・・あなたならどうにかできそうね」

 確かに鷲ならなんとか出来てしまいそうだ。

「ねえねえ、何の話!?」

 キリエと話しているとレヴィが鷲の背中に抱きついてきた。

「明日からどうするかの話だ」

「明日?ボク、ドラゴンと戦いたい!」

「と言ってるが?」

「ドラゴンはいるけど強いわよ?冗談抜きで」

 キリエは強いと言うが、

「へぇー」

 レヴィは目を輝かせるだけだった。

「余計にやる気が出たみたいだな」

「・・・・・・まあ、あなたがいるから大丈夫でしょ」

「レヴィ、明日は村の復興をするからドラゴンはまた今度な」

「ええーっ」

 鷲の言葉に不満の声を上げるレヴィ。ちなみに鷲がレヴィの名前を呼んでいるのは犬っぽいからだとか。

「その代わり、明日はこのピンクに模擬戦してもらえ」

「ちょっ――!」

「ホント!?やったー!」

「・・・・・・・・・」

 喜ぶレヴィと無言になるキリエ。その様子をニヤニヤと笑いながら鷲は眺める。ドラゴン退治を押し付けられた仕返しだった。

「やってくれるわね」

 むすっとした表情で鷲を睨む。

「おあいこだろ?」

 鷲はそう言って、割り当てられた部屋に行くのだった。

 

 

 

 翌日。

 目が覚めた鷲は部屋を出た。キッチンには既に誰かいるようだ。

「あ、おはようございますシュウさん!」

 朝から大きな声で挨拶をしたのはアミタだった。

「朝飯か?」

「はい!人数が増えたので作り甲斐があります!」

 人数が増えたというのに嫌な顔せず、むしろそれが嬉しそうだった。

「手伝う」

「え?いいですよ、シュウさんはゆっくりしていてください」

「俺は居候してる身なんだ、手伝いくらいはする」

「ありがとうございます。では、皿を出してもらっていいですか」

「これでいいか?」

 鷲は食器が入った棚からいくつか皿を出す。

「・・・・・・シュウさんは優しい方なんですね」

 それを並べるとアミタが呟いた。

「なんだ、いきなり。褒めても何も出ないぞ」

「そ、そんなつもりはありませんっ」

「そうか」

 鷲は再び皿を並べる。

「・・・・・・シュウさんは」

「ん?」

「シュウさんはどうして、そこまでしてくれるんですか?」

「まだ何もしてないけどな」

「そんなことありません。エルトリアに来るのだって安全な保証はありませんでしたし、昨日だって博士の病気を治してくれました。それに、これからエルトリアを復興の手伝いをしてくれるんですよね?」

「・・・・・・ここに来たのはただ面白そうだったから。博士を治したのは気まぐれで、復興はただの暇つぶしだ」

「・・・・・・そうですか、シュウさんがそう言うのならそういうことにしておきます。ただ、これだけは言わせてください」

 アミタは佇まいを正す。

「ありがとうございます」

 そして、深く頭を下げた。

「・・・・・・どういたしまして」

 鷲は一言呟くと、皆を起こしてくると言って皆が寝ている部屋に向かった。

 

 

 

『いただきます』

 全員揃ったところで朝食を食べ始めた。食べ始めたのは鷲とアミタが話してから一時間後だった。

 鷲は皆を起こしに行って、一人を除いては起きた。最後の一人、レヴィはなかなか起きず、最終的に鷲が物理的に起こしたのだ。

「この後の事なんですが」

 食事中、タイミングを見計らってアミタが口を開いた。

「俺は水源を作る」

「では、私もそれに同行します」

「あ、わ、私も行きたいです」

「わかりました、シュテルさんとユーリさんはシュウさんと一緒ですね」

「あ、じゃあ、わたしも―――「キリエはレヴィと一緒だろ?」―――ぐっ」

 キリエもついてこようとしたので、釘を刺しといた。

「二人は村の奴らに水を運べるように準備させといてくれ」

「ええー、それだけー?」

「終わったらピンクと模擬戦してていいぞ」

「やったー!早く終わらそう!」

「はぁー」

 レヴィのやる気とは裏腹にやる気が出ないキリエだった。

「我はどうすればいい?」

「お前は家事を覚えろ」

「家事だと?なぜ我がそんなこと―――「ああ?」―――理由を聞いてもよいか?」

 ディアーチェは鷲にアイアンクローをされて以来、なぜか鷲に逆らえなくなっていた。

「まあ、消去法だな。俺は復興作業をするし、シュテルもできればこちら側に欲しい。ピンクも基本的にはこっちか博士の手伝い。レヴィには家事は向いてると思えないし、ユーリは小さいからまだ一人でやらせられない。熱血一人に家事をやらせるのは悪いからな、対してお前の魔法は現段階で使いどころがない」

「つ、使いどころがない・・・・・・」

「まあ、お前が家事をやってくれれば俺らも大助かりなわけだが?」

「し、しかし、我は家事などしたことないぞ?」

「だから覚えるんだ、今日は熱血に教えてもらえ。それとも、オリジナルのタヌ子にできてお前はできないのか?」

「あの小鴉にできて我にできぬ通りなどないわ!」

「じゃ、その調子で頼む」

「・・・・・・うまく丸込めましたね」

 シュテルが囁いてくるが、

「なんのことだ?」

 と朝食のスープを飲む鷲だった。

 

 




最後までお読みいただきありがとうございます。
次は復興作業になると思います。

感想を頂いた方、ありがとうございます。
主人公の容姿ですが、実際細かいところまでは決まってないんですよね、申し訳ないです・・・・・・
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